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シナリオ詳細

クッコロ騎士団と三つ子のオーク

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●クッコロ騎士団の憂鬱
「もう我慢なりません! 団長、一刻も早くあのオークどもを天誅を下すべきです!」

 クッコロ騎士団、団長執務室。入口の扉を勢いよく開いて怒鳴り込んできたのは副団長のクシナ=イゼタイであった。顔を真っ赤にして迫る部下を目の前に、団長マナケイ=ゾ=クッコロは難しい顔をして口を開いた。

「ガンターレ盗賊団か……確かに奴らの悪行はもはや目に余るものだ」
「でしたら――!」
「だが、奴らは強い。今や50人を超える奴らの戦力はハッキリ言って我らより上だ」

 喰ってかかるクシナに、苦渋を噛み潰したような表情で答えるマナケイ。

「あの三兄弟自体が相当な手練れである上に、数においても我が騎士団は総勢30人しかいない。私はこの騎士団を率いる者として、勝ちの目のない戦いに部下を投じる訳にはいかんのだ」
「団長……」

 伏し目がちに言葉を紡ぐマナケイの両手は血が滲むほどにきつく握り締められている。その姿を目の当たりにしてクシナも一瞬言葉に詰まる。しかし、

「――それでも我らは騎士です! 民を守る者として、あのオークどもを野放しにしておくことは容認できません!」

 それでもクシナは騎士である。民を守ることが騎士の務め、その教えを授けてくれたマナケイその人に恥じないためにも、クシナは折れる訳にはいかなかった。

「クシナ……それは私としても同じ思いだ。しかしな――」
「ですが! 団長のおっしゃることも尤もです。ですので、私が援軍を探してまいります!」
「援軍だと?」
「そうです。連中に負けない戦力さえあれば、団長としても問題はないはずでしょう?」
「それはそうだが……」
「なので、私が探してきて見せます! 大丈夫です、幸いにも当てはあるんですから!」

●対決、ガンターレ盗賊団!
「さて、今回は盗賊団退治の依頼だ」

 柔らかな笑みでイレギュラーズを迎えると、境界案内人カストル・ジェミニはそう切り出した。

「依頼主はクッコロ騎士団の副団長クシナ=イゼタイ。その騎士団の管轄区内で最近暴れまわってる盗賊団の討伐に力を貸してほしいということだよ」

 続けてカストルの口から盗賊団の詳細が語られる。

「ガンターレ盗賊団。オークの三兄弟を頭目とした盗賊団で、近隣の村や町を襲って相当悪名を轟かせているみたいだね」

 構成人数はおよそ50人。練度はそう高くないが、頭目の三兄弟の実力は相当に高く騎士団でもマナケイやクシナくらいしか対抗できないらしい。

「この三兄弟を抑えて欲しいというのが君たちへの主な依頼内容かな。頭さえ抑えてしまえば残りの50人は騎士団の人員だけでも対応できると判断みたいだ」

 強盗、傷害、誘拐などなど悪行三昧の盗賊団。正義の鉄槌を下す時は今!

NMコメント

 どうも、NMの日継桶丸です。
 クッコロ騎士団に協力して悪行三昧の盗賊団を懲らしめましょう!

●目標
 ガンターレ盗賊団の壊滅。
 クッコロ騎士団の被害を押さえる。

●場所
 ガンターレ盗賊団アジト。
 山中の洞窟内にアジトを構えており、入り口には遠くを見渡せる見張り台が建っている。
 騎士団の偵察では見張り台には常に2名の見張り役がいるらしい。

●エネミー
 ワンズ=ガンターレ
  ガンターレ三兄弟の長兄。
  巨大な戦斧を使う巨漢で、見た目通り強大なパワーの持ち主。

 イダブル=ガンターレ
  ガンターレ三兄弟の次男。
  普段は弓使いだが、接近時にはダガーも使う万能型。

 ギサード=ガンターレ
  ガンターレ三兄弟の末っ子。
  魔法の使い手で特に氷属性の呪文を使う。
  BSの【火炎】を付与してくる事があります。

 その他47人の盗賊団員。
  素人よりは多少強いといった程度。
  1対1ならばレベル1のイレギュラーズでも容易に対処できるでしょう。
  三兄弟抜きで騎士団がまともに当たれば問題なく制圧できます。

●その他
 盗賊団のアジトには彼らの被害にあった村や町の金品や誘拐された人々がいるかもしれません。
 それらを助け出すことが出来れば大いに喜ばれることでしょう。

説明は以上です。皆さまのプレイングを楽しみにしております。

  • クッコロ騎士団と三つ子のオーク完了
  • NM名日継桶丸
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年07月25日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ロイ・ベイロード(p3p001240)
蒼空の勇者
只野・黒子(p3p008597)
群鱗
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
橋場・ステラ(p3p008617)
夜を裂く星

リプレイ

●夜襲
 夜半過ぎ。穏やかな静けさに包まれた山間の一角に、ヒュヒュンと2つの風切り音が紛れ込んだ。その風切り音の先で崩れる様に倒れ込む2つの影。ガンターレ盗賊団アジトの見張り台に立っていたオーク2匹である。

「よし、これで見張りは排除したね。あとは手はず通りに」

 仕留めたオークの倒れる様を確認し、ラムダ・アイリス(p3p008609)が周囲の仲間に声をかける。

「煙で燻し出して雑魚は騎士団、頭目3人は俺たちが、だな」
「中に攫われている人たちは煙、大丈夫でしょうか」
「大丈夫ですよ。流し込む煙は少量でも、夜襲で警戒もしていない中でそれがくれば泡食って飛び出してくるでしょう」

 続いてロイ・ベイロード(p3p001240)、橋場・ステラ(p3p008617)、只野・黒子(p3p008597)がそれぞれ確認の声を上げる。その表情に緊張はなく、ただ依頼を完遂するという使命感のみがある。

「あなた達が来てくれて本当に助かります。絶対にあのオークどもに正義の鉄槌を食らわせてやりましょう!」

 クッコロ騎士団副団長クシナ=イゼタイも、やる気満々といった様子でイレギュラーズとともに意気を上げる。元々、クシナはガンターレ盗賊団をどうにかして壊滅させようと常日頃からあらゆる働きかけをしてきた人間である。そして、今回イレギュラーズの助力を得て盗賊団のアジトに直接襲撃をかけるというこの状況はまさに千載一遇のチャンスであり、それは他の騎士団員にしても同じ思いであった。

「そろそろ始めよう」

 騎士団長マナケイの号令のもと、各々が運んできた薪を積み上げて燃やし始める。生じた煙を洞窟内に流し込み、暫く待つと奥の方から怒鳴り声と足音が響いてきた。

「クソッ、なんだ一体! 火事かなにか――!?」

 一番初めに飛び出してきたその哀れなオークは、しかし口から突いて出る罵声を最後まで言い切ることなく地面へと倒れ込む。待ち構えていた騎士団の放った弓矢が、その脳天を直撃したためだ。しかし、先頭の一人が倒れたからと言って、一度動き出した流れをそうそう急に止めることはできない。あとからあとから飛び出してくるオークたちは、仲間の死体を踏み越えて一目散に外へと駆け出してくる。そんな中に、他のオークたちとは明らかに雰囲気の違うオークが3体。

「テメェら、寝込みに舐めた真似してくれたな……八つ裂きにしてやるよ!」

 先頭に立ち、放たれる矢を無造作に払いのけながら凄むのは、周囲のオークたちと比べても明らかに一回りは大きい巨漢。手にした戦斧とその風貌を目にし、一目で盗賊団の頭目であるワンズ=ガンターレだと皆が悟った。その強烈な雰囲気と風貌に一瞬怯んだ様子を見せる騎士団員たちを背後にかばうようにして、ロイが一人で前へと歩み出た。

「お前がこの盗賊団の頭目か。これまでの悪事の報い、今ここで受けさせてやろう!」

 手にした剣をワンズに突きつけ、高らかに宣言するロイ。そのあからさまな挑発に、しかしワンズは驚くほどあっさりと乗ってきた。

「言うじゃねぇか小僧。そこまで言って、後で吠え面かくんじゃねぇぞ!」
「上等だ!」

 自分の背後の部下たちのことなどお構いなしに、そのままロイに向かって突進してくるワンズ。そのままロイと一騎打ちを始めてしまい、部下たちの統制も利かなくなるのではと思うところであったが、しかしそうはならなかった。

「お前らいつも通りだ。兄貴が向こうの面倒なのを全部殺してくれるから、お前らは雑魚どもを適当に相手しとけ!」

 弓を持ったオーク、次男のイダブルが部下の統制をし始めたのである。それを持って、組織的に動いて騎士団との交戦を始めるオークたち。数はオークたちの方が多いものの、団長、副団長に指揮され訓練された騎士団員たちはそうそう遅れをとるものではない。戦況としてはほぼ互角、もしくは騎士団優勢と言って良いところである。

「つまり、ボクたちがあの弓持ったオークを倒してしまえば勝ったも同然ってことだよね」
「そうでしょうね。おそらく魔術を使うという末弟が邪魔をしてくると思うので、そちらは俺が当たりましょう」
「拙はロイさんを手伝ってきますね。何だかんだ言ってもあの長兄がトップな訳ですし、確実に仕留めておいた方が良いと思います」

 それぞれ戦況を確認したラムダ、黒子、ステラの三人は、迷いなく己の成すべき役目を理解して各々飛び出していく。かくして戦場は、3つの戦いが同時に展開される状況へと移っていくのであった。

●VSワンズ
「戦場で横やりが発生しないだなんて都合の良い話がそうそうあるはずないですよね」
「チッ、クソガキが舐めた真似を……!」
「よそ見をしている余裕があるのか?」

 ステラが参加し2対1となったことにより戦況は大きくロイ、ステラの側へと傾いていた。数の有利という点もあるが、何よりも2人の戦闘スタイルがワンズとの戦闘において非常にかみ合っていたのである。剣と盾を使用した正統派で堅実な戦闘を行うロイと、クロスレンジに張り付いて相手の攻撃を躱しながら鉄爪でダメージを蓄積させていくステラ。堅実なロイを崩そうとするとステラの動きにかく乱され、ステラを捕まえようと動くとロイが着実にそれを防いでくるという連携が、非常に有効に作用していた。

「ちょろちょろうっとおしいんだよクソガキッ!」
「させるか!」
「ありがとうございます、ロイさん」

 自身の至近距離に纏わりつくステラを斧では捉えられないと感じたのか、拳で直接叩こうと振り回したワンズ。しかしその拳はロイの盾で受け止められ、生じた隙にステラの鉄爪がワンズの脇腹を抉っていく。オーク特有の分厚い皮膚のおかげで致命傷には至っていないが、このような攻防が何度もあり、元来気の短いワンズとしては既にストレスの限界に達していた。

「クソ雑魚どもが俺様に勝てるだなんて調子くれてんじゃねぇぞ!!!」

 怒り心頭といった様子で戦斧を振りかぶり、ロイに叩きつけようとするワンズ。しかし、その力任せの一撃は明らかに大振りであり、ロイとステラが待っていたのはまさにその大振りであった。

「――結果だけを見れば、雑魚だったのはお前だ」
「我慢も知らない盗賊では、拙に勝つことはできません」

 大振りによって生じた決定的な隙。その隙を見逃すはずもなく、ロイとステラはワンズを中心に交錯するようにしてそれぞれ首への一閃を繰り出した。長剣と鉄爪による断罪の刃は、ワンズの首を一瞬のうちに切り落とし、その命をも刈り取った。

「ひとまず、これでトップは倒せましたね」
「ああ、だがまだ残党がいる。皆を手伝いに行こう」

 敵方の大将を倒したと安堵するのも束の間。まだ戦いは続いていると、二人は他の救援に走るのであった。

●VSイダブル、ギサード
「クソッ、なんでこんな手練れの奴らがいるんだよ!」
「ど、どうすんだよ兄貴!」

 ワンズとの戦いに比べ、こちらの戦いは更に一方的なものであった。イダブルの弓術、ギサードの氷魔術はそれぞれ確かに脅威ではあるものの、洞窟の入り口の僅かな空間では距離が足りずにその真価を発揮することができなかったのである。加えて、ラムダは目にもとまらぬ素早い動きで弓の照準自体が付けづらく、黒子にしても熟達の防御技術によって魔術の芯を外してクリーンヒットを受けない。

「村々を荒しまわって好き勝手やってるんだって? 君たちにかける慈悲なんて一片もないよ」
「そうなりますね。禍根はここで断ち切らせてもらいましょう」

 そしてラムダと黒子、二人とも相手が真価を発揮できないからといって手心を加えるような甘い考えは持ち合わせていなかった。蛇腹剣をイダブルの首に巻き付け、一思いに引き裂くラムダ。黒子はギサードの懐に入り込むと腕を取って投げ飛ばし、首から地面に落とすと同時に首筋に踵を叩き込んでいた。断末魔の悲鳴すら上げられない内に絶命を迎えるイダブルとギサード。

「これで盗賊団の頭は潰せたかな」
「そうですね。ロイ様と橋場様も首尾よく終わったようです」

 残すは騎士団が相手にしている残当のみ。ラムダと黒子の二人は、そちらを手助けすべく向かっていった。

●盗賊団の終焉
「――我々が何かするまでもなかったようですね」

 黒子がぽつりとそうつぶやいたように、3兄弟以外の盗賊団はすでに騎士団によって粗方が鎮圧されていた。ぽつぽつとまだ抵抗している者もいるようだが、抑えられるのも時間の問題であろう。

「ありがとう、君たちのお陰で頭を悩ませていた盗賊団を壊滅させることができたよ」

 イレギュラーズの面々が集まっているのを見つけたのか、騎士団長のマナケイが感謝を述べにやってきた。その表情は晴れ晴れとして非常にすがすがしさに満ちている。

「気にしないでくれ、当然のことをしたまでだ」
「いや、それでも本当に助かったよ。騎士団を代表して改めて礼を言わせてくれ」

 ロイの言葉も謙遜として受け取ったのか、深々と礼をするマナケイ。その態度からは本当に感謝をしているという思いがありありと伝わってきた。

「さて、ここはひと段落付いたけど、まだ被害に遭った人とか財産を取り戻さないとね」
「そうだな、確かにそうだ。では皆もうひと頑張り頼む」

 そうして洞窟の中へと入った一行は、内部で攫われた人や財産を取り戻し、無事に依頼を完遂したのであった。

成否

成功

状態異常

なし

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