PandoraPartyProject

シナリオ詳細

人形解放戦線

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

▪︎人形兵は眠らない

『第十六区、殲滅完了。コレヨリ人形製造工場ノ建設ヲ開始シマス』

『第二十三組、交戦中。殲滅マデ時間ハカカリマスガ可能デス』

『第四十五区、苦戦中。応援ヲ依頼シマス』

 塔の上にある巨大なディスプレイが取り付けられたこの部屋で、世界各地からの通信が一気に響き渡っている。この部屋は司令室。ここには現在世界を騒がせている兵器である人形兵、その全てを取り仕切る【マスターコンピュータ】、そしてマスターコンピュータの義体兼護衛にして最強の人形兵【コード・スリー】がいた。
 人形兵とマスターコンピュータの目的は世界中の人類を殲滅し、自分達が世界を支配すること。そのために多くの人形兵が各地で造られた工場で生産され、戦地に赴いた。
 人形兵は見た目は人間とあまり変わらないが、金属製の表皮や普通の人間には真似できない駆動、そして眠らずに戦い続けることから数日にして大国を陥落させてしまうほどの強さを持っていた。
 ところで、どんなに自立した兵器であっても、兵器である限りは最初に製作した者が必ずいる。その製作者は今……

▪︎人形解放戦線

 「ふぅ、かなり時間をかけて、犠牲も少なくなかったがやっと完成した……コイツでマスターコンピュータを停止できる!」
 白衣を着た男が、地下の一室で何やら喜んでいた。この男がマスターコンピュータや人形兵を製作した者……の最後の助手、名はアシェルという。製作者と彼以外の助手は、大国を滅ぼした人形兵を製作したことを罪に問われて大半が死刑となり、一部の逃げた助手らも暗殺組織や人形兵に殺され、アシェルだけはこのレジスタンスに匿われながらマスターコンピュータを止める研究開発をしていた。
「おっ、とうとう例のやつが完成したのか……これで親父も報われるといいんだけどな」
 アシェルに話しかけたのは、レジスタンスのリーダーであるキョウガだ。実はキョウガの父は人形兵製作の関係者であり、人形兵の戦闘方法はその人物のものを真似したものである。
 余談だが、この二人以外にも製作者の関係者はレジスタンスに多く所属しており、彼らの持つ知識が人形兵と対抗するのに大きく役立っている。
「そうだね。博士もこうやって自分の発明品が人々を脅かすことは望んでいない。むしろ、アレらは本来軍事用じゃないのを無理やり軍事用にするよう言ったあの国は自業自得だよ。なのに……」
「アシェルが言いたいことも自分にはわかる。だが、まずはマスターコンピュータを停止させて、この争いを止めてからだな。今度こそコード・スリーを撃破してやる」
 二人は手を取り、これから行う決戦に向けて張り切ってきた。

▪︎
 ここまでがこの戦いの始まりだ。しかし、正直な話レジスタンスだけでは単体でも十分強い人形兵を多数相手にしても全滅するだろう。それに、コード・スリーやマスターコンピュータを止めることに関しては無理としかいえない。そこで、君たちイレギュラーズには、マスターコンピュータを止めるため人形兵の陽動やコード・スリーとの戦いに手を貸してほしい。無辜なる混沌でも何やら大規模な戦いがあるみたいだが、頼むよ。

NMコメント

やぁやぁ、桃山シュヴァリエです。今回は大規模戦闘をしてもらいます。自慢の技でド派手に戦ってください!

今回の目的
 今回の目的は、マスターコンピュータを停止させるのを手伝うことです。そのためには夜も眠らずに戦う人形兵の軍隊を抜け、塔の上まで登りきらなければなりません。なので、イレギュラーズには人形兵の軍隊の陽動や、アシェルとキョウガを塔の上にある司令室まで護衛したりすることになります。また、プレイング次第ではコード・スリーとの戦いもあります。
 なお、「マスターコンピュータの破壊」については極力避けてほしいです。

登場NPCについて
 アシェル
  人形兵やマスターコンピュータを製作した博士の助手の最後の一人。戦闘力は皆無だが、マスターコンピュータを止めるための唯一の手段を持っているため、重要な人物である。
 キョウガ
  レジスタンスのリーダー。コード・スリーと因縁がある。剣を扱っており戦闘力はかなり高いが、それでも数多くの人形兵相手には難しいところがある。
 コード・スリー
  マスターコンピュータの義体にして最強の人形兵。司令室にいて、マスターコンピュータを常に守っている。
なお人形兵全般は、マスターコンピュータを傷つけない様にするため屋内では銃火器は使わないが、屋外では普通に使ってくるため気をつけること。また、屋内外に関わらず体内に刃物を仕込んで攻撃するため、近づく際も注意が必要である。

  • 人形解放戦線完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年07月12日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
幌向・呼人(p3p008139)
砂識る山人
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
Binah(p3p008677)
守護双璧

リプレイ

⚫️
 ここは人形兵に対抗するレジスタンス達の地下基地。決戦の準備が整いつつあるこの場所にイレギュラーズたちは召喚された。
「む?見慣れない顔だが、お前たちは……」
 突如現れた四人に驚いたレジスタンスのメンバーの疑問に答えたのは『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611)だ。
「そうだねぇ。私たちは君達の手助けに来たんだぁ。私は紫月、よろしくねぇ」
 そこから、他のメンバーも自己紹介をしていくと、対応していたレジスタンスのメンバーとは風格の違う男、キョウガが出てきた。
「ほぉ、お前らが突然現れた四人組ってわけか。よくわからないが俺達の手助けをしてくれるんならありがたい。これから会議を始めるから、よかったら来てくれ」

 こうしてイレギュラーズはレジスタンス達の会議に参加することになり、それぞれの役割や行動方針も決まった。
「確認だが、まず呼人は狙撃による後方支援だな」
「あぁ、そうだな。俺の他は近距離戦が得意な奴が多いから、今回は援護射撃をしていこうと思う」
『異世界の狩人』幌向・呼人(p3p008139)はうなずいて答えた。
「そしてアイリスはレジスタンスの大部分とともに人形兵の陽動をしてもらう」
「わかったよ」
 『流離の旅人』ラムダ・アイリス(p3p008609)も軽くうなずいて答えた。
「最後に紫月とビナーは俺やアシェルと共に塔の最上階を目指す。あと、もし俺に何かあったらアシェルを頼むぞ」
「大丈夫です。僕が守り切ってみせます」
「そうねぇ。私もいるから安心してなぁ」
 『特異運命座標』Binah(p3p008677)と紫月はアシェルを、二人を守り切るという自信を持って答えた。
「ところで気になったのだが、そのマスターコンピュータがある塔まではどのようにしていくのだい?」
 アイリスはキョウガに聞いた。
「そういや、お前らは突然この場に来たから知らないのだな……実はこの基地を出てから塔までの距離はあまり無いから、基地を出たら周囲を守っているであろう人形兵を突破して塔までの道を進んでいくことになる。ちなみにこの基地は特殊な隠蔽がされていて、俺達のことはすぐには気付かれないと思うがそれも時間の問題だ。この会議が終わり次第攻撃を始めるぞ」
 こうして会議が終わって、四人は戦いのための準備を始めた。

 その後レジスタンス達は地下を抜けて一斉に地上に出た。すると、出た場所から少し離れた場所まで大量の人形兵が列を成して進んでいることがわかった。
「ちぃ!既に気付かれていたか!」
 キョウガが悔しそうにしながらも抜剣する。こうして人形兵とレジスタンスとの決戦の火蓋が切って落とされた。

⚫️
 地上に出てからあまり動かずに、遠距離から攻撃していく狙撃部隊。呼人はそのうちの一人として戦っていた。
「そういえば、こいつらには強いボスがいるらしいな。どういうやつなんだ?」
 呼人は近くにいた狙撃手に聞いた。
「マスターコンピュータのことか?あれはそうだな、言うならとてつもなく強い司令官だな。それに、従っている人形兵も強い上にあれの命令を忠実に実行する。だから、正直なところこの戦いはかなりキツイ戦いだ。まあ、そのマスターコンピュータも本来の仕様とは違っているがな……」
「本来の仕様とは違う?どういうことだ?」
 呼人は首を傾げた。
「その話は後だ。そろそろ場所を移動するぞ」
 こうして呼人は話の続きを気になりはしたもののすぐに移動の準備を開始した。

「やっぱり機械だからか、恍惚状態にならへんなぁ」
「そうですね。怒り状態にもならないですから、引き付けるのはかなり難しそうです」
 紫月とBinahは人形兵に自分たちの戦術が通じづらく、苦戦気味である。そんな二人を見て、アイリスは溜息を吐いた。
「はぁ、君たちはアシェルらとマスターコンピュータのもとへたどり着かないとだめでしょ……僕もそうやられるつもりはないから早く行くんだね」
 そう言ってアイリスはリッターブリッツで人形兵をまとめて倒し、塔への道を開いた。
「アイリスさん、ありがとう!」
「礼は生きて戻ってから、だよ」
 そうしてBinahらを見送った後、人形兵らを見てアイリスは言う。
「人種の中にうまく紛れて暮らしているのに君たちみたいなのがいたらボクのような存在としてはすごく迷惑なんだよ?君たちに直接の恨みはないけど、ここで倒されてもらうよ」


 アイリスや呼人の活躍もあってなんとかアシェルやキョウガらとともに塔の入り口までたどり着いたBinahと紫月。しかし、いざ塔の内部へ入ろうとしたところで突然キョウガが膝をついた。
「キョウガ君!?、まさか罠か敵襲か……」
「いや、大丈夫だ。それより、だれか薬は持っているか?俺のは切らしちまってな」
 そしてすぐにキョウガの前に一粒の錠剤が渡され、それを飲み込んだ。
「ビナー、安心しろ。実はちょっと寝不足でな。なに、アイツとの戦いが終わったぐらいに薬の効果が切れるはずだから心配するな」
 しかしBinahの胸には何か一抹の不安が残っていた。

 そんなことがありながらも塔を上り続け、人形兵と戦う彼ら。マスターコンピュータ保護のため互いに重火器が使用しづらいなか、遠距離に頼らないBinahはかなり活躍できた。
「ビナー君、ここだとかなりよく動けているねぇ」
「そうですか。近距離からの攻撃が多いのでカウンター技が決めやすいからですかね」
 そう言いながらBinahはブロッキングバッシュで人形兵を壊し、
「これは私も負けてられないねぇ」
紫月も紅蓮山茶花でまとめて人形兵を倒した。キョウガ達も剣で人形兵と応戦しながら、ついに最上階一歩手前にまでたどり着いた。

 最上階一歩手前の場所までたどりついたのだが、ここで予想外の事態が起こる。
「……ちぃ、薬への耐性ができてたか……みんな、すまねえ……」
 なんとキョウガがコード・スリーと戦う前に薬の効果切れで眠ってしまったのである。これにはアシェルやBinahは戸惑ってしまう。しかし、紫月のほうは冷静に対処できた。
「しょうがないねぇ。ここは私がコード・スリーを対処するからビナー君はふたりをまもっていてぇ」
「……わかりました。二人は僕が守り切ります」
 こうして紫月は単身コード・スリーのもとへ向かうのであった。


 場所は変わって塔の外。呼人は先ほど会話していた男に話しかけられた。
「そういえばあんた、マスターコンピュータの本来の仕様について話してなかったな。このままじゃ俺たちは死ぬかもしれないし、最後にこのことだけは言わせてくれ

 確かに戦いが始まって時間がたった今、疲れが出てきたレジスタンスに比べ人形兵は疲れを見せていない。とりあえず呼人は男の言うことに耳を傾ける。
「マスターコンピュータと人形兵は二つで一つのモノで、もともと兵器としての運用は想定されていなかったんだが、とある大国の命令で戦闘用の機能も追加されてだな……そこに何者かが手を加えたのか、気が付いたら人類皆殺しを考えるようになっちまったらしい。平和的な運用を願っていた製作者としては何とも救いがたい話だぜ……」
 と、話を聞きながらも狙撃を続けていた呼人はあることに気づく。
(ん?アイリス君はどうしたんだ。戦場にいないとなると、まさか塔の中に……)

 そして塔の中、最上階では紫月とコード・スリーが相対して戦っていた。
「やっぱり最強の人形兵だけあって手ごたえがあるねぇ。戦ってて楽しいわぁ」
 紫月は主に妖刀で戦い、銃は相手の件を受け止めたりする際に使う程度だったが、それでも両者ともに全力で戦っていた。

 それこそ、背後からの刺客に気づけないままに

 突如コード・スリーの背中が裂かれ、体を構成するパーツが飛び散り、倒れる。

「真打は最後に登場するものだよ?なんてね」

 紫月の視線の先にいたのは目覚めたキョウガ、アシェルとBinah、そしていつの間にか塔に侵入していたアイリスだった。どうやらコード・スリーはアイリスのスニーク&ヘルでとどめを刺されたようだ。


 この後、アシェルの手によってマスターコンピュータは停止・正常化されたことですべての人形兵は停止し、レジスタンスと人形兵との戦いは幕を閉じた。ちなみに、後処理の際には呼人が活躍し、破壊された人形兵をうまいこと解体してくれたおかげで無事なパーツが多く保存され、ついでにそのパーツの一部である刃を呼人はもらえた。
 けが人や死者も出たこの戦いであったが、マスターコンピュータが正常化されたことで、復興は早く終わるかもしれないのであった。

成否

成功

状態異常

なし

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