PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ヒーロー!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ちっぽけ
 食い入るようにテレビの液晶を眺める少年がひとり。
 三角座り。画面をめいっぱいにうつして。その瞳は、きらきら煌めいて。
『いけ、パンドラレッド! 俺たちの分も、やっちまえ!』
『わかった、パンドラグリーン!』
(ああ、くる。パンドラレッドのひっさつわざ……!)
『勝利の! パンドラ・インパクトーーーーッ!!!』
『グワーーーーーーーッ!!!!!!!!』
「わあ……っ!!!」
 パンドラレッドと呼ばれた男の手から放たれる技。怒涛の魔砲。
 悪を穿つ正義の一撃!
 少年の心を鷲掴みにしてやまない、ヒーローの教育番組――『パンドラ戦隊パンドラジャー』。
 それはこの幼い少年――ユウトにとっても例外ではなかったようで。
(ぼくもいつか、パンドラレッドになりたい……!!)
「勝利のポーズ! ぱんどらー、ごー!」
「ユウト! 朝からうるさいわよ!」
「わ、ごめんなさぁい!!」
 架空であるとわかっていても憧れた。そんなヒーローになりたいと、夢を見た。



 そして、今。
(えっなんで俺怪獣に追われてんの頭おかしいんじゃない??? 夢?????)
 少年から青年になり、人生の夏休みとも呼ばれる大学生になった。はずだった。
 しかし今、怪人やら怪獣やらがユウトを追いかけ回す事態になっていた。
 理由はわからない。でもヒーローものってだいたいそんな感じ。
「く、っそお……ヒーローでも神様でも美少女でも妖怪でもなんでもいいから、助けてくれ――!!!」
 ヒーロー。
 君を、待つ。
 出来ればなる早で。

●ヒーロー
「皆! ヒーローってかっこいいわよね!」
 そうだねポルックス!
「そんな皆に朗報よ! 助けての声が届いているわ!」
 ばばーんと掲げた本。崩れないバベルは力を貸し、そして軈てヒーローを待つ、の文字が読めるようになる。
「この物語の中に暮らす男の子の、ユウトくんがね? 今恐竜とかに追われているらしいの」
 えっそれやばくない? その通り。
 ポルックスはにこにこ笑いながら話す。お嬢さんちょっと待とうか。
「でね。実はこの後、ヒーローが助けてくれなくて、ユウトくんは命を落として敵になってしまうの」

「だから、ね」

 きりっと。凛々しく笑んだポルックス。

「助けてあげて。特異運命座標(ヒーロー)」

NMコメント

 ヒーローってめちゃくちゃかっこよくないですか!?
 日曜の朝はテレビに貼り付いてました。どうも染(そめ)です。
 ヒーローに!なりたい!
 そんな思いを込めて書きました。お楽しみ頂けますと幸いです。

●目標
 ヒーローとして、ユウトを助ける。

 折角ならアクセルカレイドや、皆さんの特殊化をバンバン自慢して欲しいです。
 凄くかっこよく書きます。書かせてください。
 皆さんのこだわりのスキルで敵をぶちのめしてください!

●敵
 なんかでっかい怪物とか怪人とか。
 指定してくださればその敵で合わせて書きますし、指定がなければ染のほうで見繕わせて頂きます。

●ユウト
 冴えない大学生の青年。
 なんか怪物に追われてる。助けて。

●お願い
 文字数をできるだけ埋めてください。
 キャラクターの皆さんのかっこいいところや注目して欲しいポイントはここだぞ!!!!!ってアピールしてください。
 もれなく染がにやにやします。

●サンプルプレイング
 よっしゃ!ユウト、俺が助けに来たぜ!
 まずは俺のアクセルカレイドでどーんと攻撃!おらぁ!くらいやがれ!
 そしたら手首を掴んで、全力ダッシュ!
 次のヒーローのところまで連れていくぜ!背中は任せろ、なんてな!

 以上となります、ご参加お待ちしております!

  • ヒーロー!完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年07月04日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
鵜来巣 冥夜(p3p008218)
無限ライダー2号

リプレイ

「ユウト! 敵がオイラのガトリングでうごけねーあいだに他のヒーローをよんでくるんだぜ!
 雑魚ならぶっぱなすモードで薙ぎ払えるけど、あのアシカやろーだけはトドメをさすのに必殺技を使う必要があるんだぜ!
 その時間を稼ぐためにも仲間の力が必要なんだぜ! さあ! 頼んだぜ!」

 とっかり仮面。
 俺、もうヒーローにたすけられて、ばっかりなんだ。
 かっこわるいよな。
 でも。
 後ろでなんかすごい怒涛の勢いでかけてくるアシカ怪人とか虎型の怪人とかちょっとキャラが濃すぎて脳の処理が追いつかないからできれば早く誰かヒーロー来てほしい。

 助けてよ、ヒーロー。


(いや待て、怪獣に殺されたらそのまま絶命して終わりだろ何故そこから敵になる展開なんだまるで意味がわからんぞ。
 ……と言ってもしょうがない。どうせ世界なんて元々不条理な物だし気にしないでおこう)
 その通りである。最早胃痛ポジションの一人であろうか。
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は情けない声を上げながら必死に逃げ惑うユウトの元へと走った。
 右手には白蛇の陣、左手には漆黒の陣。翳した手より齎される破壊の術はアシカや虎といった動物型の怪人を破壊せしめんと、唸る。
 本人は泥臭いだとか、迫力に欠けるだとか何とか言っているようだが、それを気にするほどユウトは『大人』でもない。
 石に躓きコケてあろうことか敵の前で心を折れて。そんなユウトを救うために駆けつけた世界が放った技を、どこの誰がかっこ悪いなどとヤジを飛ばすのか。
 必死に戦うひとは、カッコいい。
 それを知っているユウトは、瞳を輝かせて世界の背中を見ていた。
「――こういう時はかっこつけて登場するもんなんだろうが、生憎ただの一般人なんでな」
「こ、こんな格好いい登場をしておいて、一般人なんて、無理がありますよ」
 腰を抜かしたユウトに手を差し伸べるでもなく、世界は戦う。
 得意とする持久戦で、有無を言わさず、ユウトを逃がすために。
 ただしこの青年は察しが悪い。
「あ、そうだ。ヒーロー、あなたをとっかり仮面が呼んでいました」


「オイオーイ、こんなにデカい虎型たぁ知らなんだヨォ?
 おじいちゃん別に強くないんだから、雑に強そうなの置かないでヨー!」
 けらけらと笑うは『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)。ビル群、中でも飛びぬけて高いものを選び、狙う。
「ユウトくん、こっちに向かって走ってきてくれルー?」
 拡声器で声を降らす。世界と別れたあと、また追われていたユウトは半泣きだった。どうして俺ばっかり!
「幸い、的はデカいから狙いやすいネ!
 では、ん"ン"…深緑の狩人、いざ参ル!」
 視覚を塞ぐ仮面を装着すれば、まさにヒーローになりきったかの如く。
 風の声が教える。
 鼻に匂いがつく。
 見えずとも。
 解る。そこにいることが――わかる。
 弓を構える。矢を引く。


 射る。

(虎型の怪物が動物臭するから、回りが街なら臭いでも判別できるネ、楽ダァ!)

 射る。

 鋼の驟雨と致命の豪雨。降り注ぐ無慈悲な雨。
「脚、眼、口、首、頭、狙う場所は大きい分無限大だヨ、楽しいネ!」
 無慈悲。
 笑顔を浮かべる。嬉々としている。
 けれども、それは戦闘の。敵に対して行うそれで。
 確実に。執拗に。追い詰める。
 細められた瞳に映るは、弱りゆく弱者の姿。
(この世は所詮弱肉強食、強きものが勝つのが悲しき常識さナ。
 虎型取ったお前も、弱きものに回ったわけだネ。
 怨むなら怨むがいいさナ。
 おじいちゃんはこれが仕事さナ、許しておくレ)
「せめての慈悲さナ、この一撃で楽にしてやるヨ」

 射る。

 脳を貫通した、一撃。
 ユウトは腰を抜かした。倒れた虎。穴の数は無数。
 鉛の雨が降ったあと。残るのは血の水溜まりが残っていた。
 去ろうとしたジュルナットの背をユウトが、吠えた。
「ま、待って!!!」
「ほら、ヒーローは1人去るのがてんぷれってやつだろウ?
 おじいちゃん恥ずかしがりだからネ、一、二言で風吹かして去りたいのヨ!」
「とっかり仮面が呼んでました!」
「……おや?」


(遠い日の幼い記憶、私にとってのヒーローは兄でした。
 今は倒さねばならない敵ではありますがーー彼の背中に幾度も憧れたのは事実。守られてきた分、今度は私が誰かを助ける番です)
 『Black rain』鵜来巣 冥夜(p3p008218)は眼鏡をくいっとあげて、式神を呼び出した。
 黒髪クール系ホストイケメン。あっこれはいけない。最高の絵。
「さあ、ユウトさんを探してください」
「はい、冥夜さん」
 そしてクール系ホストイケメン式神はあそこですと指を指す。はやい。
 駆けつけた冥夜の前には何度目かの腰を抜かしたユウトの姿。
「あ、あなたもヒーローですか?!」
「ええ、そうですよ。さて、助けてくれるなら何でもよい、と仰いましたねユウト様。
 今宵ばかりは特別サービス、指名料もいただきません。この鵜来巣 冥夜が貴方のナイトになってご覧にいれましょう!」
 高らかに声を上げ、微笑む冥夜。瞬くユウト。
「……どうしたのですか? そんなインテリヤクザか胡散臭いホストを見るような目をして」
(そう思ってただなんて言えない!!!!!!)
 瞬く冥夜。首を振るユウト。
「仕方ありませんね、セールストークの前に、まずは営業の邪魔をする不埒な輩にご退場戴きますか」
 再びメガネをくいっとあげた冥夜は、独自開発した高速詠唱アプリ『JUIN』を起動する。
 圧縮した祓えのことば。大規模な陰陽術を繰り出せる最高のスマートフォンアプリだ。
 律令の如く紡ぐは――、
「急急にせよ」
 白と黒の二羽が舞い踊る。アシカと虎を穿つ。撃つ。
「陰陽に対成す翼で五臓をかき割り悪しきを屠り、塵も残さぬ即・滅・娑婆呵!」
 ふう、と片付いた敵を一瞥すると、シャンパンを召喚した冥夜。
 しかし、それだけで済むような優しい世界ではなかった。


「正義のヒーローとっかり仮面! ただいま参上だぜ!
 オイラをよんだのはお前だな! 任せろ! オイラのガトリングがあんなやつらぶっとばしてやるぜ!」
 一足先に到着していた『受け継がれるアザラシ伝説』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)。つまづいてコケていたユウトの前に立つと、首を左右にぶんぶん降った。すごいかわいい。
「いくぜ! 必殺! 海豹牙斗燐具薙払猛怒!!
 うおお! うなるぜー! オイラのガトリングがうなりをあげるぜー!」
 飛び出す弾幕。正義のヒーローとっかり仮面の必殺技!
 アザラシガトリングなぎはらうモード!!!
 『きゅいー!!!!???』と鳴いたアシカ怪人。しかし、まだアシカ怪人はいる様子。そこで頼んだのだ。冒頭に戻る。

「ユウト! 敵がオイラのガトリングでうごけねーあいだに他のヒーローをよんでくるんだぜ!
 雑魚ならぶっぱなすモードで薙ぎ払えるけど、あのアシカやろーだけはトドメをさすのに必殺技を使う必要があるんだぜ!
 その時間を稼ぐためにも仲間の力が必要なんだぜ! さあ! 頼んだぜ!」

 と。
 しかし彼は駆け回るうちに敵を引き付け、そしてヒーローも引き付けてなんとかその狙いは達成された。
 そこに集うはワモン、世界、ジュルナット、冥夜。
 四人の男たちの本気の戦いが始まる!!


「よーし、仲間がそろったからここでトドメタイム突入だぜ!
 うなれ! オイラの必殺!


 アシカァ! クラッシャー! アタァァァァァック!」

 ワモンの勢いに圧倒されるまま世界は頭を抱えつつ白蛇の陣を刻み、ジュルナットは鉛の雨を降らし、そして冥夜は白黒の鳥を召喚する。

「うおおおお! オイラは! アシカじゃ! ねぇ!」
((そっち!!!??))
「決まったな! アシカクラッシャーアタックの前にはどんなアシカだろうとぶっとばすんだぜ!」
 ふう、と嬉しそうに笑うワモン。
 何故こんなことに……と目を瞬かせたユウト。でも解決したならそれでよし。
 そんなユウトをワモンが呼んだ。
「さあ、勝負が決まったならみんなで決めポーズタイムだ!
 ユウトもびしっと決めポーズ決めるんだぜ!」

 \\\荒ぶるアザラシのポーズ!///

「……今回は俺たちがいたが、本来ならああいう状況で頼れる奴なんて滅多に登場しない。死にたくなければこれからは自力でなんとかしてみせるんだな」
 肩に手をぽん、と置いた世界が告げる。
 うん。わかった。そう呟いたユウトの顔はどこか清々しい。
「そうだ、お酒は如何ですか?
 今宵のユウト様と私と、それからの出会いに心からの乾杯を!」
「お酒、いいのかイ?」
「ふふ、ヒーローが酒を勧めるのかって? これが私のスタイルですから」
「オイラにはこどもビールを!」
「おっと、了解致しました」

 アシカと虎の山。壊れた街。
 そして5人は交わすのだ。勝利のグラスを!

成否

成功

状態異常

なし

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