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シナリオ詳細

味噌汁PPP

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■味噌汁、それは
 味噌汁(みそしる)は、日本料理における汁物の一つで、だしを味噌で調味した汁に、野菜や豆腐、麸や魚介類などの食品を実としたスープ様の料理である。御味御付(御御御付、おみおつけ)ともいう。
 その歴史は古い。但し当初は貴族の贅沢品だったようで、一般庶民には知られていない料理だった。
 時が経つに連れ、機材の進化や生産法の確立が行われ。遂に一般庶民のものとなったのである。
 具材一つをとっても多岐に渡り、地域性や個人の好みなどで中に入るものは全く違う。野菜のみであったり、魚介類が入っていたり。
 また、味噌自体も種類が多く、原材料の豆が違うだけで全く違う料理になったりするのである。
 あくまでもスープな為に主役にはなれない料理。されど、和食の心とも言われるこれが不味いと料理全てが不味く感じられるともいう奥深きもの。
 朝食として出る事も多く、日本出身の者は母親の味と思う者も多数いるだろう。
 朝起きれば温かいご飯と味噌汁が出迎えてくれる。そんな景色が思い起こされる事だろう。
 他国、他世界の者からすれば、色が凄いとかゲテモノスープとか言われる事もあったりするが、そこは日本人。気にしない。
 昼食に出れば貴重な塩分補給の糧となり。
 夜に出れば一安心を生む。まさに万能料理なのだ。

■うん、味噌汁だね。それで?
「……もしかしたら皆の中には馴染み深い人もいるんじゃないかしら?」
 境界案内人のポルックスは妙にふわふわした装飾つきの本を手に、集まったイレギュラーズの顔を見渡した。
 一体味噌汁と、その本が何の関係が? とイレギュラーズ達が首を傾げる。
「えっとね、この本の世界は……所謂夢の世界なの。そこで起きた事は夢だから、現実には何も起きてないのと一緒、ね」
 夢だから人によってはすぐ忘れちゃうかもしれないけども。と付け加え。
「ここでの皆は夢の世界だからすっごく強くなれるの。今の倍くらいかな?」
 それだけ強くなるって事は強敵が待っているのかと、一部のイレギュラーズがわくわくし始める。
「それで、その戦闘力を使って」
 味噌汁を作って悩める住人の愚痴を聞いてきてね。

NMコメント

 夢で見ちゃったんだから仕方ない。味噌汁PPPって本当なんだよ以下略です。
※このシナリオはフィクションです。実在の人物・団体・地名とは何ら関係ございません。
※このシナリオは夢オチです。PPP発動って書いてますが当然パンドラは減りません。むしろシナリオ成功なので増えます。ご安心を。
※このシナリオは一応多分ギャグシナリオです。お気をつけ下さい。
 以下、敵?詳細
■禿頭の盗賊王
 最近部下が命令を無視するのが悩みらしい。後、髪の毛が生えないのも悩み
■ロリババア聖女
 最近たった一人に数千の部下が倒されて頭が痛いらしい
■ネクロマンサーのようなお姉さん
 最近ゾンビが臭いのが嫌らしい。作るのやめろよ
■奴隷商人
 最近獲物が見つからないらしい。やめろよ
■筋骨隆々なおに……オネェサマ
 最近近所がうるさくて寝不足らしい。寝ろよ。夢の世界だから寝てるのか

■シチュエーション:夢の世界
 夢の世界なので皆様はPPP発動で戦闘能力爆上がり状態になっております。でも夢の世界の住人には勝てません。理不尽
 味噌汁に必要な具材や、調理道具は望めば出てきます。持ち込む必要はありません。夢の世界だからね!

Q.戦闘能力上がる意味は?
A.全くありません

Q.オーダーは?
A.美味しい味噌汁を作って彼ら彼女らに振る舞い、楽しく?語らって下さい。

※このシナリオはフィクションです。実在の人物・団体・地名とはまっっっっったく関係ありません。

  • 味噌汁PPP完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月20日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
嶺渡・蘇芳(p3p000520)
お料理しましょ
ノア・マクレシア(p3p000713)
墓場の黒兎
エル・ウッドランド(p3p006713)
閃きの料理人

リプレイ

■味噌汁パワーとは
「どこかで見た顔ぶれなんだよなぁ」
 『義に篤く』亘理 義弘(p3p000398)は夢の世界につくなり、何故か眼前のテーブルに並んで座っている五人の顔を見回してそう呟く。
 皆が皆一様に疲れた顔をしているが、イレギュラーズの面々は既視感を覚えずにはいられない。
「夢なら仕方ないわよねー」
 『羽休め』嶺渡・蘇芳(p3p000520)は頬に手を添えておっとりと笑う。そう、これは夢。一時の気まぐれなのだ。きっと彼ら彼女らもただのそっくりさん。
 ただのそっくりさんなんだよ!
「でも、戦闘力上がってる実感はありますが……これで味噌汁作るとは一体……?」
 『イカダ漂流チート第二の刺客』エル・ウッドランド(p3p006713)が自らの身体の内側より溢れ出る力に戸惑う。彼女達は現実の混沌世界の3倍は強くなっている状態だ。それなのにすることは一つ。
 味噌汁を作る。
 戦闘力と味噌汁の関係性とは一体。
「何はともあれ……やってみましょうか……。望めば材料とかは出るんですよね……」
 『墓場の黒兎』ノア・マクレシア(p3p000713)が試しに「包丁出てこい」と呟くと、彼女の手には切れ味良さそうなピカピカの包丁が握られる。便利なものである。
 しかし間違えても目の前の五人に勝負を挑んではいけない。負けるから。理不尽である。
「ほんっと、何のためのパワーアップなんだか」
 味噌汁作る為だよ。

 それぞれが作ると考えている味噌汁の材料が次々に湧き出てくる。調理台も、コンロも人数分出てきた。流石夢の世界。
 凶悪そうな五人は、今は暴れる気はないようだが……ごく一部の組み合わせは相性が悪いのか睨み合っている。具体的にはロリババア聖女とネクロマンサーのお姉さんだ。
「お主、よく顔を出せたもんじゃのぅ」
「あら、何の事かしら。人違いじゃない?」
 また、筋骨隆々のおね……オネーサマと盗賊団の首領などは大変な事になりかけている。ちょっと表現は差し控えさせて頂きますね。大変な事になっているので。
「こーら、喧嘩する子にはご飯をあげませんよー?」
 蘇芳が包丁片手にまるで母親の如くおっとりと注意をする。すると不思議な事にそれぞれ悪態をつきながらも大人しくなったではないか。
「これが……包容力」
「バブみって凄い……」
 二人の小さな女性が、彼女の手際に感心の声を漏らす。イレギュラーズ黒一点の義弘は少し居住まいが悪そうだが、黙々と下ごしらえを続けて一言。
「白飯は出ねぇのかここ」
 ぽん、と目の前に炊きたてご飯の入った炊飯器が湧き出てきた。本当便利な夢の世界である。

■朝食は心のオアシス
「できました。はい、どうぞ」
 事前に決めた通り、イレギュラーズ達はそれぞれ別々に味噌汁を作り上げ。違う人物に相対する。
 エルはロリババア聖女の前に、一つのお椀を差し出す。
「ほう、なめこ汁かえ」
「ええ。胃腸に優しいのでお年寄りの方におすすめです」
「年寄り扱いするでないわ!」
 見た目は少女ですからね。心は何歳でも乙女ですからね。
 しかし口では怒っているものの、満更でもないらしく彼女は笑っていた。もしかしたら、若返る事なく老婆のまま、エルのような孫娘と穏やかに暮らす世界に憧れていたのかもしれない。
「……ん、ほう、卵か」
「少し混ぜてみました、どうでしょう?」
「悪くはない」
 ずずー、と音を立てて味噌汁を啜るロリババア聖女の姿を、優しく見守るエルであった。

「……同業者さんみたいだから、良ければお悩み……聞く、よ」
 ノアはネクロマンサーのお姉さんの相手をしていた。同業者ならではの同調も見れる。
 じゃがいもと玉ねぎの入った味噌汁を一口飲んでから、お姉さんは話を始めた。
「ちょっと大量発注が入ったからね、頑張って作ったのよ」
 ちらりと、ロリババア聖女を見たのは気の所為だろうか。気の所為っていうことにしておこう。深入りするとまた暴れだしそうだし。
「そうしたら数がたまると臭いが凄いのよねぇ」
「ああ……わかる……。基本使い捨てタイプしか使わないけど……」
 ネクロマンサー同士通じるものがあるのだろうか。恐らく他者が聞いても理解できない範疇だと思う。
「お風呂は溶けちゃう、し……スケルトンや、ゴーストは、駄目かな……?」
「私もそっちにしたいんだけどね……要望の多い客だから」
 またロリババア聖女を見たのは気の所為だろう。ま、ま、落ち着いてと味噌汁を勧めるノア。
「じゃあ……芳香剤でもかける……?」
「うーん……匂いつきすぎるのもまずいし……何かいい消臭剤ないかしらね……」
「あ、それなら……」
 以下、同業者にしかわからない会話が続くので割愛させて頂きます事を謝罪致します。

「はーい、二人ともー。できたわよー」
 蘇芳が少し離れたところに丸テーブルを置き、盗賊団の首領と奴隷商人を呼び出す。 
 何故俺達が一緒に、と一瞬顔を合わせる二人だが。食事の誘惑には勝てなかったのか席につく。
「あなたが盗賊団の首領よね。あなたにはこっち」
 合わせ出汁をベースに、ほうれん草と人参。豆腐に卵。更に最後に糸寒天ととろろ昆布までも加えた具だくさんの味噌汁だ。
「商人さんにはこっちよー」
 豚バラをスライスし、ニラと人参、長ネギ。最後に卵を溶き羽衣としてかけたスタミナのつきそうな味噌汁である。
「お二人とも仕事がうまくいってないんですってー?」
「……ああ」
「まあ、な」
 味噌汁片手にそう呟く、首領と商人。なんともシュールな絵面である。とはいえ、悪人も生きている。食事は必要不可欠なものなのだ。
「首領さん、もしかしたら部下に厳しく当たってるんじゃないかしらー?」
 蘇芳の指摘に、うぐ、と声を詰まらせる首領。確かに思い返せば心当たりはある。報酬は出来高制だったり、うまくいかなかったら八つ当たりしたりなど。
「あなたも、衛生環境ちゃんとしてるかしらー?」
 むぅ、と唸る奴隷商人。金を出すのが勿体ないからと、奴隷の住まう環境はきちんと整えているとは言い難い。
「ほら、お二人とも手を組んで見るってのはどうかしらー?」
 盗賊団の首領は金はある。奴隷商人は楽な仕事だからと部下はきちんとついてきているのだ。
 更には盗賊団が街を荒らせば、奴隷商人は人さらいをやりやすくもなる。
 きちんと環境さえ整えば、ウィンウィンの関係になれるのだ。
「考えた事もなかったな」
「ああ。前向きに話し合おうか」
(でも、イレギュラーズとしては複雑よねぇ)
 意気投合する首領と商人をニコニコと見つめながらも、内心そう思う蘇芳であった。
 いいのだ、ここは夢の世界。彼らが現実世界で出会うとも限らない。

「あーら、結構いいオトコじゃないー?」
「……そりゃどーも」
 筋骨隆々のおに……失礼、オネーサマの前に義弘が立つ。
 確かに義弘は渋い。精悍な顔つきに筋肉質な肉体。黒のスーツがよく似合う。その一方で味噌汁を一人で作れるくらいに家庭的な一面も持っていたりするのだ。
 案外こういうオトコが女受けが良かったりする。……本当に女に分類していいのかはさておき。
「ほれ、食ってみろ」
 男らしさが漂う、大きめの具材切りにたっぷりの肉が入った味噌汁を差し出すと、これまた豪快に食べ始めるオネーサマ。
(どの辺が乙女なのか……)
 口に出さなかった義弘は偉い。
「最近、近所の騒音が凄いのよネェ」
「……ああ、安眠妨害ってやつか?」
 一心地ついたところで話を始める二人。しかし、筋肉たくましい二人が顔を突き合わせて会話をしているのは凄い絵面である。
「お前さん、いい筋肉してるじゃねぇか。鍛えてるんだろ?」
「ええ、まあね。……その昔、惚れたオトコを振り向かせる為にって奴よ」
「その辺りは深入りしねぇが……なら、その腕力で一つ、言う事聞かせてみればいいじゃねぇか」
「あんまり野蛮な事はしたくないんだけどね……仕方ないかしら」

 五人の悪人達は満足したらしく、一足早く夢の世界から出ていった。
 彼らが現実世界で何をするのか、それはイレギュラーズにはなんとなく想像つくが……イレギュラーズの知る彼らとは違う人物であるだろうと思いこむ事にした。
 思い込んで下さい。
「そうだ。まだあるから俺達も食っていかねぇか」
「いいわねー。夢の世界だから、いくら食べても太らないでしょうしー」
 義弘が電子ジャーに残った白飯を見ながら提案し、蘇芳がそれならもっと作ろうと料理に取り掛かる。
「夢の世界って便利ですね」
「……でも……戦闘力上がった意味は……?」
 本当に意味はありません。
 それは一時の夢だから。きっと、世界の崩壊を防ぐ為に強くなりたいというイレギュラーズの夢が形になったのだろう。
 いつか必ず、この夢世界のように強くなれるように願って。
 そして皆で美味しいご飯を囲める平和な日々を夢見て。

「いただきます」

成否

成功

状態異常

なし

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