PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カルネと鉄帝ぷるるんヒトデココ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●鉄帝スイーツ物語
 年中土と泥にまみれてそうな鉄帝にとて海はある。
 だいぶ凍っているが、若干そうでない湖的な場所もちょこちょこあるもので、夏でも涼しいからって暑くなり始めたこの時期にはちょっとした観光スポットになることもあった。
 そんな中での、鉄帝観光スポットとして名高い『パタパタビーチ』。
 波打ち際のずっと先まで続くデッキを水着の白人鉄機種男性が駆け抜け、歓声と共に海へ飛び込んでいく。
 水面には多くの観光客が水着姿でたわむれ、パタパタビーチの『涼しい夏』を満喫していた。

 今回ご紹介するのはそんなビーチにたつ有名なスイーツ店『ヒトデココ本舗』である。
 南国を意識しつつもどこかがっしりとした鉄帝的な建物オープンな入り口と通ると、ゆっくりと天井で開店する扇風機的なアレの下で、ウッドテーブルにつくカルネがいた。
「ヒトデココって、知ってるかい? 昔は前はブームがきてて、どこにでも売っていたらしいんだけど、最近は見なくなったんだってね」
 透明な深いグラスに角切りのぷるぷるしたやつが盛り付けられ。そこにイチゴのラッシー、ぐるぐるっとやったホイップクリーム、更にイチゴソースをかけたヒトデココラッシーが――。
「ヘラッシェエエエエアッ!」
 南国風ババアによって格ゲー矢印でいうところの236+Pの動きでテーブルにっていうかカルネに叩きつけられた。
「わっぷ!? 普通に出してって言ったよねぇ!?」
 そろそろお気づきだろうか。
 この登場時にカットイン演出がかかる南国風ババアが、今回の依頼人である。

「シェェエエエラッ!」
「おばあさんの名前はマザキさんといって、昔からヒトデココのお店を出してるひとだよ。
 今日は、ヒトデココ漁師が病気で入院しちゃったからってことで、ピンチヒッターとしてヒトデココ漁をしてほしいって言ってるよ」
「シェラッヒャアアアッ!」
「ヒトデココっていうのは星型で透明な海洋生物で海中でとるのは困難なんだけど、産卵期になると陸に上がってくるんだ。そこを戦闘によって倒すことで獲得するっていう流れだって言ってるね」
「シャラシャラシャラアアッ!」
「このときのヒトデココは自らを手裏剣みたいに回転させて相手を切り裂く攻撃をしてきたり、あんまり沢山刈り取られるとキングヒトデココを呼び出して追い払おうとしてきたりするから、ただの漁っていうよりちゃんとした戦闘として考えた方がいいんだってさ」
「シャアアアアアアッハァッッ!!」
「がんばってね、って言ってるよ」
 ババア慣れしてるのかカルネは涼しい顔でそこまで言うと、ババアに『ヒトデココミルクティーひとつ。普通にもってきてね。普通にね』って念を押して注文した。
「沢山とれたら、ちょっとお裾分けしてくれるらしいから、スイーツタイムにしてもいいかもね。ふふ、君と一緒に遊べるみたいで嬉――」
「オマッタラッシェエエエアッ!」
「わっぷ!?」

GMコメント

■オーダー
成功条件:ヒトデココを沢山採取すること

一旦漁師小屋にて潜伏し、浜辺にあがってくるヒトデココに襲撃をしかける形で採取します。
襲われる際ヒトデココは様々な攻撃を仕掛けてくるので、これに対処しながら戦闘によって倒すことになるでしょう。
特にこうしなきゃダメってわけじゃありませんが、『このあとコレ自分で食べるんだなあ』ってつもりで攻撃方法を選択するとより楽しめるかもしれません。
攻撃には【移】【乱れ】【氷結】といった効果がつきます。
こうした性質から、ヘイトをあつめた味方にひたすら密集することが予想されます。
一人だけでヘイト溜めてるとぎゅうぎゅうになりすぎてヘイト効果にペナルティがかかることがあるので、何人かで分担したりいっそのことフルオープンでバラバラに戦ったりしてもいいかもしれません。

・キングヒトデココ
また、大量に採取しているとキングヒトデココがあがってくることがあります。
これを採取するか逃げるかを、皆さんで相談して決めておいてください。

キングヒトデココ通常のヒトデココと比べあらゆるスペックが高く、協力して戦わないといけない程度の強さをもちます。HP・防御技術・特殊抵抗の高さが強み。
角切りヒトデココを大量に発射しまくるココマシンガンや手足(?)で殴る格闘攻撃などを行い、ヒトデココ自体には『再生』『補填』がついています。
効率よく高い火力を打ち込みまくってゴリ押しするのが正攻法といわれています。

■カルネくん
この依頼にはNPCのカルネ(p3n000010)くんが同行します。
彼は遠近バランスよく攻撃でき、連鎖行動で動きを合わせてくれたり盾になってくれたりします。
困ったときはカルネ君しましょう。
(カルネ君する:動詞。危ないときカルネ君を盾にして事なきを得ること)
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3n000010

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • カルネと鉄帝ぷるるんヒトデココ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年06月24日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

主人=公(p3p000578)
ハム子
蔓崎 紅葉(p3p001349)
目指せ!正義の味方
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
ドゥー・ウーヤー(p3p007913)
海を越えて
観音打 至東(p3p008495)
三國・誠司(p3p008563)
一般人

サポートNPC一覧(1人)

カルネ(p3n000010)
自由な冒険

リプレイ

●TOKONATUとHITODEKOKO
「オーッホッホッホッ!」
 ビールケースの上に立ち、御嬢様笑いを渚にとどろかせるは『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
「ヒトデココはドコですかしら! ココですかしら! さあ、このわたくし――!」
 フィンガースナップと同時に近隣のジジイや海の家ババアが爆走集結。
   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タント様!///
「が! 乱獲しつくしてやりますわーー!」
 どんどんぱふぱふする中で掲げた扇子をふりふりするタントがいた。
 今日は一足早い夏気分である。
「お茶の間のみなさんこんにちは!」
 斜め下からアップでフレームインしてくる『自称!正義の味方』蔓崎 紅葉(p3p001349)。
「今日は鉄帝のビーチで有名なヒトデココを食べに来ました!いやー一体どんな味なんでしょうねー。同行者たちにうかがってみましょー」
 マイクをスッと向けると、黒い目線の入った『破竜一番槍』観音打 至東(p3p008495)が加工済の声で喋り始めた。
「異世界スイーツ!
 なんと、なんと……聞こえのいい言葉かーーーーーーッ!」
 気合いで目線とボイスチェンジャーを吹っ飛ばすと、空に向けて拳を突き上げる。
「ところで、ヒトデココってスイーツの扱いでようござるのかな?」
「ようござるのでは?」
「くひひ、食感など楽しみでござるな。ライチ系だと拙者好みなのでござるが」
「どーなんでしょーねー」
「味で言えば……」
 ガイドブックを広げていた『鏡の誓い』ドゥー・ウーヤー(p3p007913)がぱったんと本を閉じた。
「ココナッツをこってりさせたやつらしいよ。地元の古い言葉で『ヒトデのココナッツ』って意味の名前らしいし」
「なんと」
「そんな由来が」
「それより俺、鉄帝ってほこりっぽいかガチャガチャしてるか凍ってるかのどれかだと思ってたけど、こんな普通のビーチがあるんだね」
「まあロシアにだってリゾートビーチくらいありますよね」
「ろしあ?」
 深く首をかしげるドゥー……たちをよそに、『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)はビーチパラソルの下で文庫本を読んでいた。
 肘掛けから頬杖をつき、片手で器用にページをめくる。
「俺は……」
 ページの途中で小指を挟み、そっと本を閉じると目を瞑った。
「ココマシマシド派手にバリいちごなラッシーが飲みたい」
『シリアスな顔でなに言うのかとおもったら甘党宣言じゃん』
「生クリームは鬼盛りが良い。ヒトデココの上に天より高い墓標を立ててやるのだ」
『甘党宣言じゃん!!!!』
「そんなに美味しいものなのでしょうか、ヒトデココとは……」
 ストイックに戦闘準備を進めていた『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)が顔をあげた。
「それを確かめる為にも頑張り、そして手早く終わらせましょう。カルネさんが大変な目に遭う前に」
「えっ」
 なんで今話題に出たのという顔で振り返るカルネ(真夏のすがた)。
「人は、流される生き物なんだ」
 答えてあげるつもり、なのかわからないが『ハム子』主人=公(p3p000578)が半シリアス顔でカルネの肩を叩いた。
「ボクが覚悟の末に手に入れた技『殺す覚悟』も、異世界に来て命を奪うという事を真摯に受けとめ編み出した技のはずなのに……なんか最近、地方の名物を収穫するときにしか使ってない気がする! これじゃ只の活〆(いけじめ)だよ!
 無駄に傷を付けずにとどめを刺すのにピッタリな便利技になっちゃってるよ!」
「なっちゃってるよと言われても!?」
 掴んだままのカルネ君の肩をがくんがくんゆする公。
「これが……イレギュラーズか……」
 顎に流れる汗をぬぐい、ごくりといきをのむ『初心者なので優しくしてほしい』三國・誠司(p3p008563)。
「僕は初心者イレギュラーズの三國。
 こっちに飛ばされてまだ一週間の新人なんだ、よろしくね」
「う、うん、よろしくね」
 未だ揺すられ続けたままピッて手をかざすカルネ。
 なんか光ってるタント。
 一人でずっと会話してるTricky Stars。
 いもしない視聴者に向けて目線を送る紅葉。
「僕、やっていけるのかな」
 やべえところに来ちまったぜ。誠司は止まらない汗を再び拭った。

●混沌あるある『美味いものは大体強い』
「デェェェアッ!!」
 海面から飛び出したそこそこデカい影。
 一度海水をジェット噴射すると、高速回転しながら誠司めがけて飛んできた。
「えっなにこれマジかお、お、お――落ちろ!」
 大砲を肩に担いで乱射。
 すっ飛んでくるヒトデココへの迎撃を開始する。
「この勢いで飛んできたカルネくん(名詞)がカルネくぅん(動詞)されてしまう……ここは、僕が身体をはるしか!」
 誠司は『身体のどこかにあたってくれー!』て言いながら横っ飛びにジャンプ。カルネを庇って割り込むと。
「グワーーーーーーー!?」
「誠司くーーーーーん!」
「そんなテンプレな悲鳴でー!」
 誠司はきりもみ回転しながら吹き飛んでいった。
「このまま仲間を危険にさらすわけにはいかない! アバターチェンジ!」
 公はゲーム機の画面をタップ操作すると、水着少女へと変身した。
「目には目を、歯には歯を、水流には水流だ! くらえハイドロプレッシャー!」
 ウェポン選択画面をタップすると、デジタライズされた大型水鉄砲が出現。ヒトデココめがけて引き金をひき、激しい水流で二匹のヒトデココをまとめて吹き飛ばした。
「さあ、かかってこい! 回復も万全だぞ!」
 っていいながら装備選択画面から瓶ラムネを呼び出してきゅぽんってする公(メガ・ヒールの使用風景)。
 ぱっとみ完全にビーチでバカンスしてる人だった。
「ないすヘイトですわ公様! わたくしも負けていられませんわね……!」
 タントは水着姿のまま海の浅瀬からじゃぷじゃぷ出てくると、持っていたホイッスルを口にくわえた。
 ピーーー! ピー! ピピピピピピピッ!
 どこからともなく現れるサンバカーニバルの格好をしたババアたち。
 マラカスを振り回す泥怪人ドロパック。
「KIRAMEKE!」
「BOKURANO!」
「「Uoooooooooo――TANTO!!」」
 鳴り響くサンバ。
 七色に輝く太陽のフィルタ。
 はじける花火のスパークが舞台を熱く彩っていく。
 両手に羽根つき扇子を持って踊り狂うタントに、複数のヒトデココが高速回転しながら迫った。
 今度はジェット水流だけではない。表面に氷の刃を纏った特別な集中攻撃だ。
「来ましたわ! 皆様……!」
「へい!」
「はい!」
 うっかりサンバ空間に飲み込まれて一緒にマンボしていた紅葉とドゥーがマラカス両手にハッと振り返った。
 持っていた花火をぽいっと放り捨て、ドゥーはマラカスをしゃかしゃかやってエネルギーを充填。
「おまえも花火みたいにはじけさせてやる! かかってこーい!!」
 マラカスシュート。花火のようにスパークしたマラカスがヒトデココに命中し、空中でヒトデココは爆発四散。
 さわやかなココナッツ臭とともにぷにぷに素材が舞い散っていく。
「先制攻撃ならおまかせ!」
 キィンという音と共に両手両足に基板回路めいた紅いラインが浮かび上がる。
「みるのです! 私のこのスラスターと武術を掛け合わせた全く新しい新感覚戦闘法! 名付けてジェット空t――」
 うっかりカウンター負けしそうな名前を叫びかけた紅葉だが、両肘とかかとに配置されたスラスターからエネルギーを噴射。
 真っ赤に光るスラスター面から推進力を得た紅葉は華麗に――っていうか無理矢理縦回転しながらヒトデココにつっこんでいった。
「あああああああああああとっととと止まんな、ああああああああ!?」
「紅葉様ーーーーーーー!!」
 爆発四散。
 青空に浮かぶ紅葉のサムズアップ笑顔。
『お茶の間の皆さんみてますか! 今日も大活躍しちゃいますからね。あっ活躍といえば昨日台所でお料理してたら冷蔵庫の隙間に――』
「ふう、しぬかと思いました」
 びっしょり濡れた紅葉が海からざぱぁってあがってきた。
 爆死したかと思ったドゥーはほっと胸をなで下ろした。
「よかった。ほらこっちにきて回復して貰おうよ」
『それでボウルをかぶせてガムテープでぐるぐるまいたんですけど次の朝――』
「ねえまって、じゃあ空のあのひとだれ。まだ喋ってるんだけど。怖っ」
 その一方。
 オリーブはかぶとの奥から目をギラリと光らせ、ヒトデココたちに明確な敵意をぶつけた。
 彼を敵対者とみとめたヒトデココがジェット噴射と氷の刃で殺到。
「奴らは自分が引きつけます」
 オリーブは剣を構えると、突撃してくるヒトデココを刀身でうける形で防御。
 ガキンと響く振動に身体がよろめくが、連続攻撃に耐えきれないほどではない。
「今の内に!」
「いいだろう」
 まだビーチチェアで本を開いていたTricky Starsもとい稔が指を立て光の翼を召喚。
 敵を引きつけるオリーブを中心に敵対者のみをなぎ払うように光の翼を振り回した。
「ありがたく頂くぞ雑魚共!」
『はい、美味しくなれ』
 直撃を受けてぼさぼさ砂浜に落ちていくヒトデココ。
 まだ負けてはおらぬって具合に立ち上がろうとするヒトデココを、至東の刀がざっくりと貫いた。
「ここは真剣勝負の場。命を賭けるに十分な場にて候。と言いつつ死ぬ気などさらさらNOござるので!」
 引き抜いた刀に電撃を纏わせ、突っ込んでくるヒトデココたちを線でなぞるように斬り付ける。
「先に死ねでござる! とあーっ!」
 一撃、二撃、豪快に三撃目を振り抜いて背を向ける。
 刀身に手のひらをかざし見栄を切ると、背後でヒトデココたちが一斉に爆発した。
「またスイーツなものをきってしまったでござる」
「それはただのケーキカットなのでは」

 さて、そういえばさっきからあんまり話題に出ていないカルネくんが今どうなっているのか書こう。
「ウワーーーー!?」
 巨大なヒトデココがその先端に水着姿のカルネくん(具体的にはシャツ部分)をひっかけて海からざっぱー上がってきた。
「カルネくぅーん!?」
「いつのまに!?」
 こんなんいらんとばかりに放り投げたカルネを優しくキャッチするTricky Stars。
「大丈夫か、カルネ」
「う、うん助かっ――」
 そこへ発射されるキングヒトデココマシンガン。
 マシンガンっていうかクラッシュしたぷにぷにを猛烈な勢いで噴射したものをまえに、Tricky Starsはカルネバリアをはった。
「すまん!」
「わっぷ!?」
「回復はする! 回復は!」
 回復魔術をかけつつカルネくん(動詞)しつづけるTricky Stars。その後ろにまわってビームを免れていた至東が、Tricky Starsの肩をつんつんと指で叩いた。
「拙者に考えがあるでござる」
「乗ろう」
 内容を聞いてもいないのに即座に賛成したTricky Starsにカルネくんをパスされると、至東はそれをかついで――。
「ゆくでござる! カルネ殿!」
 カルネくんをカルネ殿(動詞)した。具体的には肩に担いでえいやって投げた。
「ウワー!?」
 青空に浮かぶスマイルサムズアップカルネ。
『設定OKだよ。コーヒーでも飲む?』
「おお、これはチェックスレを24時間監視してるというカルネ殿」
「レアカルネが引けたな」
「これってそういうシステムなんですの?」
 タントは腰蓑とお花の首飾りをつけると、ハワイアンのリズムで踊り始めた。
「さあさ、皆様! キングヒトデココを倒すべく、わたくしの傍へお集まりを!」
「今集まったら絶対それに巻き込まれるじゃん!」
「けど行くしかない気がする」
 公とドゥーはハワイアン空間に自ら巻き込まれにいくと、公は両端に火をつけたたいまつを、ドゥーはココナッツを両端につけた縄をぐるんぐるん振り回しながらキングヒトデココへ襲いかかった。
「作戦はひとつだ。『囲んでハワイで叩く』!」
「それ作戦なの!?」
「じゃあ『(タントの)おでこをだいじに』!」
「それ作戦なの!?!?」
 飛びかかる二人を、キングヒトデココは両腕(?)でべっしんべっしん弾き飛ばすと、さらなるココマシンガンを発射してきた。
「囲んでってことは、後ろに回る奴も必要だよね」
 誠司は大砲を担いでキングヒトデココの後方へ。
「足があるということは、尻もあるっていうこと! これでもくらえ!」
 背後のなんか穴っぽい部分に砲撃しまくる誠司。
 ちなみにヒトデの口はうつ伏せになったときの下中央に、おしりはその反対側にあるよ。ものを食べるときは体内にある胃を外側にモ゛ッて出して直接食べ物をとりこむよ。
 ……ヒトデココはしらない。内臓無いんじゃない?
 そこへ更にオリーブが突撃。
 高めた攻撃性を炎と変えて、『烈火業炎撃』をキングヒトデココの腹(?)へと突き立てた。
 対抗するように至近距離からココマシンガンを放つヒトデココ。
「くっ、もう一押しが足りない。あとちょっとだけ足りない」
 とか言ってると、紅葉がもっかい両手用足にラインを浮かばせスラスターをオンにした。
「同じ失敗は二度繰り返さないのが蔓崎紅葉! 主人公補正! どうです私の完璧なスラスターさばきで――」
 ボッてキングヒトデココの中央に穴をあけ。
「――今こそ紅葉はできるって所を見せてあげますよストリートファイトで鍛えたジェットジークンドーは無t――」
 そのまま海面を石切みたいにぴょんぴょんはねてすっとんでいった。
 空を見上げると、スマイルサムズアップの紅葉がカルネをぐいぐい端におしやっていた。


 暮れる夕焼け、黄昏の空。
 オレンジの海に照らされて、スイーツ店『ヒトデココ本舗』は旗をたてている。
「ふう、死ぬかとおもいました」
「あれ、僕は一体……」
 海からじゃぷじゃぷあがってくる紅葉とカルネ。
「彼はいつも大変な目に遭っている気がします。良い人なのに。心配です」
 それを見たオリーブが心配そうに小さく首を振った。
「これがヒトデココ……カルネ様のお肌のようにぷるるんですわ!」
 一方でタントは炊飯器くらいあるキングヒトデココの身(?)をぷにぷにしながらその感触とひんやり感を楽しんでいた。
「これを食べない手はありませんわね! お婆さま、わたくしデラックスてんこもりパフェで――」
「ラッシェエエエア!!」
「んぶっふ!?」
 タントが(^ω^)の顔で飛んでいった。
「タントーーーーー!!」
『あっだめだこっちくる避けて避けて!』
 クリームガチモリのラッシーを注文していたTricky Starsも同じババアオロチによって吹き飛んでいった。さっきと同じ顔で。
「一人二役のひとーーーーー!」
「他人の心配してる場合じゃない! 来るよ!」
 至東と誠司がハッと振り返ると、両手にクリームあんみつみたいなのを持ったババアが『破ァッ!』ていいながら突っ込んできていた。濃い集中線つきで。
「うおお負けるか百二拾七式――」
「残像でござ――」
 二人がカウンターなり上方瞬間移動技なり放とうとした瞬間、ワンフレームの差でババアのあんみつが顔面に炸裂した。
「「ウワーーー!?」」
「ボクはアジアンテイストで攻めてみたよ、どうかな?」
 これまでの流れを完全にぶった切ってココしるこを手に取る公。
 ドゥー『いいのかなこれ』ってキョロキョロしていたが、なぜかババアのだしたスイーツは一滴もこぼされることなく提供されタントたちは今笑顔でうまうましていた。どういうマジックなの。
「ドゥーはなににする?」
「あ、イチゴのラッシーにしようかな。甘くておいしそう」
 なんやかんやで楽しいスイーツタイムに落ち着く一同。
 さっきの流れはなんだったんだって顔でスプーンをくわえる誠司。
「カルネくん……僕はこの先やっていけるんだろうか」
「全然大丈夫だし、なじんでると思うよ?」
 こうしてまた一団と混沌世界になじむイレギュラーズたち。
 彼らの明日はどっちだ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――Mission complete!

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