PandoraPartyProject

シナリオ詳細

世界で一番、その前に

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●『特別な日』の準備

 そわそわ、ドキドキ。
 高鳴る胸を抑えて、純白に身を包む。
 今日だけは美しい。今日だけは一番。
 ーー永遠を誓う、最良の日なのだから。

 そわそわ、ドキドキ。
 高鳴る胸を抑えて、純白に身を包む。
 今日だけは凛々しい。今日だけは一番。
 ーー永遠を誓う、最良の日なのだから。

 その準備をする。私はウェディングドレスのデザイナー。
 その人が最良の日に着たい、そんな花嫁衣装を考える。
 その人が最良の日に着たい、そんな新郎衣装を考える。
 だから、ファッションショーは大事。
 私が考えたデザインをお披露目する日だから。
「ええっ?! モデルがみんな食中毒?! なに食べたのよ!!?」
 どうしよう、大事な新作をお披露目する日なのに。
 早く世界中の幸福なカップルに届けたいのに、どうしよう。

●『特別』を纏う
 図書館に踏み入れ、話を聞きに来たあなた方の目に白いレースを被った少女が入るだろう。
 なんのことはない。ラプンツェルだ。
「永遠の愛を誓いますか……なんてね!」
 ラプンツェルがイタズラに笑ってレースを取ると傍らに置いた本を頭の上で開いて見せる。
 ずいぶんと豪華な本で背表紙にはレースがあしらわれている。
「今日お願いするお仕事は、結婚の衣装、そのモデルだよ!」
 なんでもウェディング専門のファッションデザイナーが新作を発表するのに、モデル全員が食中毒で来れないらしい。
 なので代わりをお願いしたいそうだ。
「デザイナーのグレッグ……グリーちゃんが歩き方なんかを教えてくれるから初心者でも大丈夫だよ」
 今一瞬、男性名が聞こえたので察したかもしれないが依頼人はオネエ様だ。
 ちなみにモデルは男性でも女性でもなんでも良いらしい。
 ウェディング衣装が着れて歩けるならなんでもオッケーという具合だ。
 それじゃよろしく、とラプンツェルがあなた方を見送った。

NMコメント

ごきげんよう、桜蝶です。
6月なのでジューンブライドのネタです

●プレイングの書き方
今回は着たい方向性だけは事前に知りたいので一行目に記載をお願いします
一行目【新郎側の衣装】or【新婦側の衣装】
二行目は誰さんと歩きたいとか擦れ違いたいとか、あればでお願いします。
ちなみに桜蝶は異性装ネタが大好きなので
女装とか男装でも大丈夫です。書けます。
以下、グリーちゃんの情報。

●ファッションデザイナー・グリーちゃん
浅黒い肌にセクシーな唇のオネエ様。
肩幅広めのほんのりマッチョ、心は乙女。
好きなタイプはドS紳士
本名グレッグ、こっちで呼ぶと泣く。

  • 世界で一番、その前に完了
  • NM名桜蝶 京嵐
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年06月15日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
戦場のヴァイオリニスト
ロスヴァイセ(p3p004262)
麗金のエンフォーサー
シグレ・ヴァンデリア(p3p006218)
紫灰簾の徒
エルス・ティーネ(p3p007325)
砂食む想い

リプレイ


 カラリと晴れた善き日。
 集った四人のモデルを見て、グレーちゃんは得意気に笑ってみせた。
「可愛くてキレイな子たちだわ。よろしくね、モデルさんたち」
 さあ、こちらよと案内された先は白亜の城。
 けして大きな城ではないが、ちょっとした貴族気分は味わえそうなネオゴシック様式だ。
 中にはカメラをチェックしている人や何事かを話し合っている人でたくさん溢れていた。
 そんな静かな熱気が伝わる中で『小鳥の翼』ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)は背を縮めた。
「場違い感が凄い……。誰も見てなんて居ないのに、誰かに見られてヒソヒソと噂れてるような気がする……」
 そこに大丈夫よぉ、と慰める声が丸まった背中を支える。『砂漠の冒険者』シグレ・ヴァンデリア(p3p006218)だった。
「おにーさん、キレイな顔してるしスタイルも良いもの。なんだって似合うわ」
 ジューンブライドねぇ……としみじみ呟く『Ultima vampire』Erstine・Winstein(p3p007325)は吹き抜けからの風に長い黒髪を抑えてやり過ごす。
「六月に入った途端よく耳にする言葉だわ。私には縁遠いけれど……モデルぐらいならいいわよね?」
 思い浮かべる人がいるのか、どこか淋しそうな横顔に微かな笑みが浮かぶ。
 その脇でグリーちゃんと握手を交わす『麗金のエンフォーサー』ロスヴァイセ(p3p004262)がうっそりと語る。
「結婚、幸せのアートにして祝福のアート。そのこだわりの詰まったアートを見せてもらうわ」
「もちろんよ、骨の髄まで見て感じてちょうだい!」
 かくて扉は開かれ、イレギュラーズはショーへ至る一歩を踏んだのだった。


 その部屋には四台の広々としたドレッサーと数多の化粧品が用意されていた。
 窓側はバーのついたホールになっていて、正面が全面鏡張り。
 おそらくここで身支度を整え、ウォーキングの練習をするのだろう。
「ここで採寸したらウォーキングを教えるわ。並んで」
 イレギュラーズは身長順に並ぶと採寸を受け、最後にトゥシューズを履かされる。
「グレッ……グリーちゃん…俺の今の気持ち、聞いてくれるだろうか…?」
 男が新婦なんて、変な話だろうか、それでも純白のウェディングドレスが着たいだんて。
 採寸が一番最後となったヨタカが囁くように懺悔を告げれると、グリーちゃんは鼻で笑った。
「おバカね、良いのよ。私を見て、男の身体で女やってるの。変かしら?」
 ヨタカは慌てて首を横に振った。それを見ていたロスヴァイセがヨタカの肩を叩く。
「奇遇ね。私も一芸術士としての腕の見せ所だから、新郎の衣装で挑むんだ。でも変?」
 二人からの激励で気持ちが持ち直したのだろう、ホッとしたようにトゥシューズを履いた。

 逆に混沌でモデルしているErstineには自信があった。しかしそれは過信だったと思い直した。
「それならこう動いたら良いかしら……? ドレスだから少し動きにくいわね」
 ドレス、それもウェディングドレスは見た目以上の重量を誇る。
 それに専用の下着やコルセットを付けてスタイルを維持しなくていけないのだ。
 普段から着る服と違ってだいぶ動きが制限される。
「私みたいに背が高いとヒールって怖いわねえ。まっすぐ歩くだけで大変」
 隣でバーに掴まりながら歩く練習を重ねるシグレも苦笑いを浮かべている。
 普段着に履いている靴のヒールが太くて安定感のあるものだったから、細いヒールに戸惑ってしまう。
 それでも、と四人は顔をあげてギリギリまで練習した。
 一部の人にとっては憧れの的であるウェディング衣装、それを身に付けるに相応しい自分を目指して。


 キツい練習を乗り越え、なんとかグリーちゃんからオッケーを貰った四人はドレスが並ぶ部屋に通された。
 色やデザインがそれぞれ違うドレスが一列に並ぶ様は圧巻である。
 ドレス丈がロングタイプからミニタイプ、長袖、半袖にデコルテを見せるもの、見せないもの……。
 グリーちゃんが愛情と幸福への祈りを込めて作ったウェディング衣装たち。
「流石こだわりの一品たち。幸せになって欲しいという想いが伝わってくるわね」
 ロスヴァイセが一着づつ手に取ってはじっくりと鑑賞する。
 美しいアートを愛する彼女にとって、ここは美術館も同様の部屋だった。
「これだけあると、色々と着てみたくなるねえ。冒険したいというか」
シグレもあまり見かけないミニ丈を中心に身体に当てたりとドレスを見ていく。
 今回は結婚式当日の衣装に絞って用意されてるが、それでも実に様々なデザインで飽きない。
「どんな衣装を着る事になるのかしら…少しワクワクするわね……!」
 Erstineもドレスを身体に当てるとポーズを取ったり、想い人を思い出して頬を染めている。
 ヨタカは楽しそうな女性たちを微笑ましそうにして、準備を進めるグリーちゃんの背中を見た。
「…なんて眩しくて立派な背中だろう……」

 グリーちゃんが選んだ衣装を着て、すっかり化粧もして貰った四人。
 いよいよ本番の舞台、正面玄関口の扉に来た。音楽が流れ、扉が開けばショーのはじまりである。
「大丈夫、大丈夫だよ…俺は…俺たちはやれるよ……!」
「ええ、そうよ。私たちは出来るに決まってる」
 ヨタカとErstineがそう囁けば、ロスヴァイセとシグレが微笑んで返す。
「もちろん、やりきりましょお!」
「グリーちゃんのドレス、伝えよう!」
 本番前、四人とグリーちゃん、スタッフさん達で手を重ねる。
 この円を解いた時、四人はもう迷ってはいけない。最高の笑顔で歩くのだ。
「任せたわよ! イレギュラーズ!」
 グリーちゃんの激励を背に一番手を務めたのはErstine。
 艶の黒髪をひとつにまとめ、ベールを被る。
 袖がなく、代わりにレースがデコルテを飾るウェディングドレスは定番のプリンセスライン。
 縫い目のラインだけでスタイルの良さを生かし、しかし背中の編み上げが色っぽいドレスだ。
 花冠は青のバラと赤いガーベラに白百合で華やかに仕上げた。
 Erstineが最後、最初の位置に戻ってロスヴァイセと会釈。
 そう、二番目はロスヴァイセ。
 豊かな金髪を軽く巻いてひとつ結い、前髪をオールバック。
 純白のモーニングは裏側とタイに柔らかいゴールドを配して襟元から優しい男を演出する。
 ベストはロスヴァイセの細いスタイルを生かしてダブル、可愛い遊び心だ。
 ロスヴァイセはランウェイの一番最初の位置に戻ると、報道陣に背を向ける。
 三番手、ヨタカだ。
 ヨタカの手を取り、手袋の上からキスを落とす。
 それに一礼を返すヨタカは純白のウェディングドレスで、喉仏をホルターネックで隠す。
 彼のしなやかなスタイルと長身を生かすエンパイアラインが美しい。
 シフォンのベールとグローブに月桂冠のティアラとベーシックで上品に仕上がっている。
 最初の位置に戻ってシグレを数歩、エスコート。
 一番最後に登場するシグレ。
 長い髪をあえておろし、ダークバイオレットのベールと共になびかせる。
 漆黒のウェディングドレスは歩く度に星が散るソフトマーメイドのライン。
 フルオフショルダーでデコルテを大きく出す魅惑的なデザインだ。
 装飾も夜をイメージして、ティアラに満月と月下美人が浮かぶ。
 シグレがにっこり笑って元の位置に戻り、最後にグリーちゃんを先頭に全員でランウェイを歩く。
 割れんばかりの拍手と歓声が止むまでしばらくかかった。


 正面玄関口の門扉が閉じてすぐ、四人はグリーちゃんに抱き締められた。
「ありがとう! 最高だったわ!!」
  Erstineがぎゅっと抱き締め返してこちらこそと告げる。
 今日のおかげでモデルとしての経験値が増えたからだ。
「私、ちゃんとこのドレスの魅力を伝えられたのね。とても良い経験だったわ」
 シグレもグリーちゃんとハイタッチすると優雅に一礼して見せる。
 生まれてはじめてやったモデルは大変だったけれど楽しかった。
「楽しかったわぁ! 今日は良く眠れそう」
 ロスヴァイセはグリーちゃんと抱き合った後、両手でぶんぶんと握手した。
 新郎新婦を美しく彩って幸せに送り出す仕事に感銘を受けたのだ。
「グリーちゃん……貴女の職人魂、美しさを愛する者として敬意を表するわ」
 ヨタカも軽く抱き締め返して、グリーちゃんに頭を下げる。
 自分を否定せず、やりたい役を任せてくれた。
「ありがとう、グリーちゃん……。おかげで少し…、自分が好きになれた……」
 グリーちゃんは嬉しそうに笑うと、最後に記念撮影しましょうとカメラマンを呼んだ。
 ロスヴァイセも持ってきてたカメラをスタッフに託すと、レンズを見つめる。
「今日の成功に、ピース!」

 夕暮れ、お別れの時間となった。
 元の服とメイクに戻って、数時間ぶりに軽い身体。どこか淋しくて、眉を下げて笑ってしまう。
「本当に今日はありがとう。次はあなた達の本番で逢いたいわ」
 グリーちゃんがウィンクしながら言えば、ヨタカとErstineの頬が赤く染まる。
 その様子にロスヴァイセとシグレが両脇からつつく。
「もしかして秒読み? その時は招待して欲しいわね?」
「ちょっとグレードの高いシャンパンだと良いなぁ」
 それにErstineは違う、そんなじゃないとと必死に否定してヨタカもアワアワと落ち着きをなくしている。
「ふふ、楽しみね。さよなら、イレギュラーズ。また今度」
 落ち着いた頃を見計らってグリーちゃんが別れの挨拶をする。
 それに四人もそれぞれに応えて、帰路を行く。

 めでたし、めでたし。
 世界で一番のウェディング衣装のショーはこうして幕を降ろしたのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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