PandoraPartyProject

シナリオ詳細

カルネと山小屋スクランブル

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●やべーとき山小屋に避難すると大抵ひでーめにあう
「もっとバリケードもってきてバリケード!」
「この小屋にそんなものありませんよ」
「じゃあ自力で抑えるしかないよね!? もしくはカルネくんするしかないよ!」
「僕!? 僕をいま動詞として使った!?」
 ランプひとつきりが灯った夜の雪山小屋。
 イレギュラーズたちは扉の前に集まって今まさにドッカンドッカン外から殴りつけられている扉を押さえていた。
 なんでこんなことになっているのか。
 なんでこうなってしまったのか。
 一同の脳裏に、階層がよぎる。

 狩りの手伝いを依頼されてやってきていたイレギュラーズたちはフツーに依頼を達成しフツーに報酬を受け取りフツーに依頼人とわかれフツーに帰る……その途中、突然の吹雪にみまわれ近くの山小屋へと避難した。
 吹雪もじきにやむ。しばらくツイスターゲームでもしてすごそうかとか思っていたそのさなか。
 カルネが陽気に手を叩いてツイスター音頭を歌おうとした途端窓の外を見て固まった。
 窓の外にはいジャイアントベア。
 目が合ったら死を覚悟せよって言われるくらいやべえ熊モンスターである。
 鉄帝の山は年中雪なので冬眠もなにもねえっていうこの熊は、恐ろしい巨体とそこから繰り出すパワー。人を『さけちゃうチーズ』みたいにぺりぺりってしちゃう腕力や握力もさることながら本気出した突進は馬車をフツーに解体すると評判である。評判すぎてこの熊をエンブレムにする鉄帝武将も少なくねえってくらいだ。そして当たり前みてーに人を食う。
 そんなジャイアントベアが『お、餌あるじゃん』って調子で扉に近づいてきたからさあ大変。
 みんなそこらにあるものをひっつかんで扉に押し当て、つっても殆どなんもねえから自力で扉を押さえつけ……たのが、今である。

「どうしよう。この扉たぶんもたない」
「ジャイアントベアなら、皆で力を合わせれば倒せるんじゃない?」
「んーーーーーーーーーーギリ、無理そう」
 どんよりしはじめる一同。
 レベル1を経験したウォーカーを例に挙げるまでもなく、この世界にはまあかなわねえ怪物があっちこっちフツーにいるもんである。
 二十世紀日本世界においてでかいヒグマに出会っちゃった時くらいの緊張感が、皆にあった。
 そんな中で、カルネがハッハいいながら振り返る。
「け、けど、いきなりダメージを与えまくって怯ませる……くらいならできるんじゃないかな」
 せいぜい稼げて十秒程度。
 しかしその時間を使って小屋の外にとめてあるソリに飛び乗るくらいはできるはずだ。
「急いでそりに乗って、この山を下ろう。吹雪もでてるしジャイアントベアも追ってくるけど……ここでじっとしてるよりはだいぶマシだよ!」
 いきのびよう!
 と、カルネはぐっと拳を握って見せた。
 その瞬間。
 扉とその近くにいた皆がボッつって吹き飛ばされた。
 選択の余地 is ない。

GMコメント

 いきのびよう!
 山小屋でやべー熊に出会っちゃった一同がとにかく気合いで生き延びるこれはサバイバルシナリオであります。

・ジャイアントベアをまずはびっくりさせよう
 皆で一斉に攻撃スキルをたたき込みましょう。
 なんでもいいので一番威力出るうえに派手な奴を出してください。
 倒せねえのはもう前提みたいなもんなので、一気にガッーていってウワッてなってる隙にワーッて外でてソリのってびゃーって逃げるのです。

・逃げよう!!!!
 雪山をソリつかって猛スピードで駆け下ります。機動力とか関係ないやつです。一応騎乗スキルが使えるかな、程度。
 ジャイアントベアはなんでそんなスピードでんのってくらいの速度で追っかけてくるので、これをなんとかして追い払ったりたまに『ここは任せて先に行け!』しながら下山を目指しましょう。

・案外死なない
 このシナリオでジャイアントベアにやられると星になったりします。
 夜空に飛んでいってキランつってサムズアップした顔と最後の台詞ともの悲しいBGMが流れたりしますが案外死にません。重傷判定も、つくようでつかない。
 そんな、おなかにやさしい判定クッションをご用意しているので安心して星になってね。

・カルネくんする(動詞)
 このシナリオにはカルネ君がいます。
 困ったときはカルネ君を盾にすることでワンキル分稼ぐことができます。
 ただカルネくん掴んでバリアにするのはもったいないので、折角なので故郷の母とか病気の妹とかの話をしてカルネくんに身代わりフラグをたてときましょう。要するに遊ぼう。
 ちなみこれ早い者勝ちなので、相談して「自分、カルネくんいいすか」てやっておくのがよいでしょう。なんなら連名でもええねんで?

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • カルネと山小屋スクランブル完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年05月13日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
寒櫻院・史之(p3p002233)
若木
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
ベディヴィア・ログレス(p3p006481)
戦えニート
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
鮪導弾
エリス(p3p007830)
王子様におやすみ
ネア・ア・メア(p3p008279)
汚れなきもの

リプレイ

●山小屋+熊=ぜつぼー
 若干時間は遡り、外からバイオレンスな『ノックしてもしもーし』をされてる山小屋内。
 『期待の新人』ベディヴィア・ログレス(p3p006481)はかがみ込んで両手で頭を抱えていた。
「気が付いたら山小屋でくまーに襲われそうになっとるのじゃ。何を言ってるか分からないのじゃが、何でこーなったかの方がもっと分からないのじゃが~」
 あっそうだ現実から逃げよう。おうちに引きこもって『とびだせぞくぶつのもり』をやってもういちレイヤー引きこもろう。そう思って取りだした携帯ゲーム機の充電がきれていてベディヴィアは発狂した。発狂したっていうか『あ゛あ゛ッ!』つって鞄を床にべしんって投げつけた。
「怖いよ! 怖いって! こういうのがうろついてて今までなんでこの山小屋が無事だったの!?」
 もりの外っていうか現実で『猫さんと宝探し』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)が頭抱えてぶんぶんしていた。
「……あそっか餌がなかったからか。納得。じゃあオイラ寝るね。悪夢から目覚めたらおこして」
「現実から逃げるな」
 一方では『淡色』ネア・ア・メア(p3p008279)が壁にアスキーアートを書いてにまにましていた。
「閑散とした雪山に突然クマが……ウケる……」
「だめだ皆現実逃避の手段にこり始めた」
「逃げなきゃ餌だよ皆! 現実を見て!」
 カルネ(p3n000010)がツイスターゲームのシートを壁に貼り付けて『ばりけーど!』て言い張っていた。一番現実を見ていない彼だった。
「むしろ死亡フラグとして有名なあれやこれを積み上げていけばお約束として回避できるんじゃ……あ、むりですか。ぴえん……」
「普通に依頼を終わらせて帰るはずだったのにどうしてこんなことに……!」
 必至にドアを押さえつつ、『呪い師』エリス(p3p007830)は仲間たちの様子を見た。
 死ぬ気でドアを押さえてる仲間半分。現実から架空の森へ逃げようとしてる仲間半分。
「こんな熊のいるところにいられません! 私は家に帰らせてもらいます!」
「帰れるものなあら今すぐ帰りたいよ俺も!」
 眼鏡を光らせてギャッて振り返る『大号令の体現者』秋宮・史之(p3p002233)。
「軽い依頼だと思ってたのに、こんなことになるなんて!」
「本当ですわね。まさかこんなことに……」
 両手とおでこで必至にドアを押さえる『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
 背中をおしつけてひーひーいってるカルネ。
「「…………」」
 タントと史之は無言のアイコンタクトをとった。
「わーん! ユキカマクライワシの狩りが終わって一段落って思ったのに!」
 籠いっぱいのイワシ(いわしをたべるな!)を抱えてめをぎゅっと瞑る『繋ぐ命』フラン・ヴィラネル(p3p006816)。
「うおー! おいらを食べても美味しくないぞ! イワシたべろイワシー!」
 隣では『海のヒーロー』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)がイワシ(いわしをたべるな!)をドアにべちべち叩きつけながら叫んでいた。
「うぐぐ、もう腕が限界。やるしかないよ!」
「やる……まさか『死んだふり』か!」
「それ本当に死ぬ奴だよ!」
「急いでそりに乗って、この山を下ろう。吹雪もでてるしジャイアントベアも追ってくるけど……ここでじっとしてるよりはだいぶマシだよ!」
 マシなんだよ! と拳を握って力説するカルネ。
 フランとワモンはイワシ(たべるな!)をしまって頷きあった。
「それじゃあせーのでいくよ。いっせーのー――」

●とびだせくまくまのもり
「「せっ!!!!」」
 史之の繰り出した拳が赤いプラズマスパークを纏い、一包のトルネードとなって山小屋のドアを吹き飛ばした。
 この逆ダイナミック入店スタイルをうけ、それまでバイオレンスなドアドンしていたくまさんが無事なわけはない。
 しかしそこは名前のわりにくそやべえと評判とジャイアントベア。二歩ほど後じさりしただけで扉を真っ二つにへし折って放り投げ、『おっ餌箱開いたじゃん』みたいな調子で再び屋内へ飛び込もうと踏み出してきた。
「今だ! 必殺アシカクラッシャーアタック!!!!」
 ぬごーといいながらきりもみ回転してジャイアントベアへ突っ込むワモン。
 少年誌ドッジボール漫画もかくやっていうキャッチ姿勢を素早くとったジャイアントベアの胸めがけてワモンは体当たりし、猛烈な速度で回転をかけながらごりごりとジャイアントベアを押し込んでいく。
 一方のジャイアントベアは丸太かなっていう腕でワモンを両サイドから押さえつけ回転を殺し、数メートルほど後ろにずざざーってなっただけで停止した。
「何!? オイラのアシカクラッシャーアタックを止めた!?」
 少年誌でいう強敵チーム登場シーンみたいなことをいうワモン。
 が、言ってる場合じゃねえのはジャイアントベアの『いただきまーす』ってツラ見ればわかる。
 アザラシとか、自然界じゃシャチのごはんやからな。
「アザラシが危ない!」
「ふむ、まかせるのじゃ」
 拳を握りしめ手の甲にきゅぴーんってユニコーンの紋章を浮かべるネア。
 その横ではベディヴィアが顔を片手で隠すような姿勢でなにかをゴゴゴしていた。
 ネア&ベディヴィアによる左右からの同時攻撃。
「こんな所にいられますか、ネアは一人で部屋に帰ってタピるぞ!」
 ジャイアントベアの両肩を二人の拳がとらえた……が、しかし。
 吹き飛ぶどころかびくともしない。
(なん……じゃと……?)
(ぴえん……)
 あっこれ死んだなっていう顔でジャイアントベアの顔を見上げる二人。
 ジャイアントベアはアザラシを一旦じめんのぼふっておとすと、二人の顔面へと手を伸ばした。
 ベアーアイアンクローが炸裂するかと思われたその時。
「「フギョアァアーー!」」
 両手のひらをおでこにあわせたタントと翼を大きく広げたアクセルが飛び出し同時に最大発光。
「今ですわ!」
 ぱちーんと指を鳴らすと、タントとアクセルはネアたちの手をひいて走り出した。

   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タント様!///

「――と、逃げますわよ皆様ー!」
 逃げながらでも両手をY字に掲げてのポーズを忘れないタントである。
 折角のご飯をにがすものかと振り向き腕を伸ばすジャイアントベアに、カルネの銃撃とエリスの矢が刺さった。
 矢をひっこぬき振り返るジャイアントベア。
 自らの血を呪いの矢へとかえたエリスが弓を構え次の矢を既につがえていた。
「みんな、走って!」
「今のうちにそりに乗り込みますよ!」
「おかーさんの教えそのいち!」
 フランは腕まくりをしてジャイアントベアへとショルダータックル。
 ぽっふんというやわらかい衝撃の後、至近距離でメガホンを取り出した。
 メガホンに書かれた文字は雄々しく『女は度胸』。
「あっちいけー!!」
 耳元で大声を出されれば誰だってちょっとキーンとなるものである。フランのマジックシャウトは命中力こそいまいちなものの皆の攻撃の最後にぶちこんだおかげで隙のできたジャイアントベアの耳をキーンとさせることに成功。
「逃げろー!」
 フランたちは一目散に野外のそりへと飛びついた。
 ワモンをそりの先端にセット、板に乗り込むフラン。
「全速力で!」
「まかせろォ!」
 ソイヤーといってワモンはびちびちしはじめた。

●そりすべりいまそかりはべり
 よっしゃあここからスピード感満載のそりすべりパートだぜってファンキーガイズがガッツポーズでパイプ椅子から身を乗り出しそうな場面だがもうちょっと待っててそこで腕組みして座ってて。
「ソリってどうやって動かすのじゃ?」
 雪ソリというアイテムはすげー単純なとこだと裏にブリキ板はったちょっと反り返った板でもええわけだが、小屋に偶然放置されていたのは左右のブレーキバーがついたちょっと本格的なやつだった。
 うまいこと滑らせつつ椅子みたくサッと座ってガーっていくんだけどこれ確かにちゃんと説明されないとわからないよね。
「どこを押すと発進するのじゃ? 我自宅からすら発進してないからまずわからないのじゃが。ジャガー」
 宇宙を見るジャガーの幻影が背後にふわーっと現れた。
 ついでに餌を見るベアーの幻影もふわーっと現れた。
 ……いやちがうこれ幻影じゃない!
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 ベディヴィアが普段ぜってーださねーような声を出して夜空へハラパンスマッシュされていく光景を背に、ワモンは雪の斜面をすげーいきおいでびっちびっちしていた。
 ワモンの両腕が車輪みたいにぐるぐる回転して尻尾が上下にびちびちしまくるアニメで想像してくれ。
「うおーーーーーーアザラシなめんなーーーー!」
「あががががががが!?」
 それに引っ張られるフラン。
 久々にみた特技こと『ハンディ・アイヴィ』でワモンに縄をひっかけてソリをひかせているんだけど、みんなも知っての通りアザラシってソリにむかないのですげーいきおいでがくんがくんしていた。
「今日のオイラはアザラシソリ! すべるぜすべるぜー! む、クマがおいついてきてるぞ!」
「えっうそ!?」
 振り返ると奴がいた。
 奴っていうかクマがいた。
 ジャイアントベアがくそでけーそりにまたがってすげースピードで追いかけてきていた。
「まってクマってソリつかうの!? 聞いてないんだけど!」
「うおー! くるなー!」
 ワモンは牽引していたガトリングからイワシ(!)を大量に発射しまくるとクマへ浴びせた。
 飛んできたイワシを全てガッて捕まえては食うクマ(!!)。
「オイラのガトリングIWASHIボムが効かない……!?」
「ワモンさんがんばって! やればできるよ! ふぁいとふぁいとー!」
 フランはどっからか出したポンポンをもんのすごい勢いで振りながらワモンを応援しまくった。
「ワモンさーんのー! ちょっといいとこ見てみたい! あそーれイワシッ! イーワシッ!」
「うおー! アンコールにこたえるぜー!」
 ご期待に応じて発射されたさらなるイワシがクマへ殺到。流石にここまでイワシはいらないのか、クマは若干の原則を見せた。
「けど稼げる時間もわずかだよね……ここはあたしに任せて! 大丈夫、あたし今度母の日におかーさんにプレゼント持っていくって約束したもん!」
 ナチュラルに死亡フラグをたてるフラン。
「フラン! いそくせー(水くさい事の意味)こと言うなオイラも一緒だぜ!」
 そう叫ぶとフランとワモンは緊急ブレーキ。アーンド反転。
 フランが肩にワモンを担いでデスペラード姿勢をとった。
「「くらえー!」」



 うあーといいながら星となり夜空にサムズアップした笑顔が浮かんだフランとワモン。
 ソリでびゃーっと滑っていた史之とタントは互いに顔を見合わせ、この先の運命を悟った。
「みんな、なんとしても生き残るんだ。犠牲になった仲間のためにも……!」
 ひとりシリアス顔してるカルネをふたりしてじーっとみつめる。
 視線に気づいて振り返ったカルネに、史之はわざとらしく咳払いをした。
「俺はグレイス・ヌレの件で鉄帝にすっげームカついてたけど、君みたいな人もいるってわかってうれしかったよ。鉄帝の人がみんなカルネ君みたいな人だったらよかったのにね……俺、マヨとかレモンとかより塩派だし」
「えっなんのはなし」
「俺は必ず生きて帰るぞ。そして元の世界へ……うーん……んー……」
 史之はそこで腕組みポーズのまま固まった。
 よぎるおもひで。
 くもるめがね。
「海洋で女王陛下につくしたほうが幸せな気が……」
「史之様!? いま冷静に人生を見直してる場合じゃありませ――くまあああああああ!?」
 史之と後ろから迫り来るクマ(inソリ)を交互に見ながらドリルヘアーをびこんびこんするタント。
「めっちゃ追ってきますしなんですのお腹減ってますの?
 え、ええと……わたくしもですわ、史之様」
 涙ぐむポーズをとってなんか物悲しいピアノBGMを流すと、その様子にカルネがハッとした。
「タント……」
「わたくしも唐揚げは塩派ですわ」
「そっち?」
「でも確かに、極限の状況に置かれますと故郷を思い出しますわね。
 故郷……お父様はどうしてらっしゃいますかしら。
 わたくしが居ないことに気付いておりますかしら。
 お父様、のんびりされておりますから。
 気付いていないかもしれませんわね……」
 タントはにっこりひまわりスマイルでぺかーっと光った。
「うん、それならそれでいい気がしてきましたわ!」
「「自己解決した!?」」
「オッホン!」
 咳払いをして雰囲気とBGMを戻すタント&史之。
「で、でも、カルネ様と過ごした思い出は本物ですわ!
 覚えてらっしゃいますか、あの豊穣祈願祭を!」
「よりによってそこを!?」
「なにそれカルネ君そんなことしてたの?」
 とかいってる間に迫り来るくま。
 背景が全部よだれたらしたクマになったところで、二人はカルネ君の両肩と腕をがしっと掴んだ。
「え、なにをするの」
「カルネくんするんだ!」
「動詞!?」
 そいやーといってクマに向けて放り投げられるカルネ。
 うわーといって星になる仲間に、二人は涙をぬぐった。

「ネア、無事に帰ったらカルネくんの分まで、闇市引くと決意……」
 『カルネくんの分までネアは強く生きますから』とかいいながらパーティーグッズにマッチで火をつけた。
 今まさに迫り来るクマめがけて『星夜ボンバー』を投擲。
「目ん玉、かっぴらいちゃってくださいねぇ!」
 もんのすごい派手な音と光でひるませつつ、ネアはとにかく手元にあるいろんなもんに魔力を込めてぽいぽい投げつけまくった。
 なげつける。
 せまる。
 なげつける。
 さらにせまる。
「あっ」
 これ引き寄せてるだけだなって気づいた時にはくまさんとの距離は縮まっていた。
 近づくふたりの距離。もうこんなに手が届きそう。あなたの頬にふれようとして伸ばした手ーはー、ベーアークローーーー。
「はうあっ!?」
 現実逃避ぎみにラブソングっぽくしてみたけどむりだった。ちょー痛かった。
「大丈夫です、ネアはちょっと休むだけです、後ですぐ追いつきます」
 ビッと親指を立ててるけどもうネアは頭捕まれてぷらーんってなっていた。
「あなたひとりだけ、良い格好はさせませんよ!
 みなさん。ここは私に任せて皆さんは先に行ってください!」
 エリスは片面ブレーキをかけて反転&減速すると、ソリから転がるように離脱して折りたたみ式の弓を再び展開した。
 指輪に祈りを込め、指先からピッとわずかに血を放出。魔力と呪術によって血は一本の矢となり、弓につがえられた。
「家ではとっておきのプリンが私を待ってますからね……ここで死ぬわけにはいかないんですよ!」
 いかにもエルフってかんじのケルト音楽がバックに流れ、意味も無く風に髪がなびいた。
 いっぱいにしぽった弓から指を放ち、発射。
 1カメ(顔横アップ)
 2カメ(正面やや斜めからの引き)
 3カメ(クマへ迫る矢)
 からの矢を指っていうか爪でぱしって止めるくま。
「………………」
「………………」
 見つめあるエリスとくま。そしてネア。
 流れる沈黙。
 そして涙。
「いまのは当たる流れでは!?」

 お空にネアとエリスの笑顔が浮かんだ。
 総計6人くらい浮かんでるのでもうぎゅうぎゅうだった。アザラシとかなんか縦に細長くなってるしベディヴィアとネアはそれを枕にして寝てるしカルネくんがかなり端っこにおいやられていた。
「生き残ったのはオイラと眼鏡とタントさまだけか……」
 アクセルはソリのひもを握った状態で後ろを見た。
 ソリ2台にそれぞれ両足をのっけて仁王立ち姿勢で追ってくる熊がいた。
「ひい! もうこんな近くに! どどどどうしよう!」
 うりゃーといって放った魔砲がクマチョップではじかれる。
 そりゃーといって放ったルーン・Hがクマパンチによってはじかれた。
 ぎょあーといって放った神気閃がクマ眼光によってはじかれた。
「ここまで弾かれることってある!?」
 どうしようどうしようと焦った気持ちで夜空を見上げると、星になったフランがビッと親指を立てた。
 『熊に襲われたときは相手の腕を取って360度回せば勝てる』
「…………」
 アクセルは真顔のまま前を向いた。
「へ……へへへ……そうだ、適当に仕事をした後はさりげなく離れて、一人だけでも逃げきってや――」
 そしてアクセルはお星様チームの一員となった。

●あさー!
 翌朝。
「「……ハッ! 生きてる!」」
 お星様になった筈の七人はふもとの木の上にひっかかった状態で目を覚ましたという。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 おはよう!

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