PandoraPartyProject

シナリオ詳細

子子子子子子子子子子子子子?

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■本当はずっと一緒にいたかったのに。
 とある世界のとある街。そこは何も問題など起きやしない、至って平和な静かな街であった。
 住民は皆仲がよく、自然とも調和して暮らし。のんびりと畑仕事をしながら、たまには祭りをして賑やかに。そんな街であった。
 ペットとして飼われている動物たちも皆大切にされ、まさに生物の理想郷。確かな幸せが溢れていた。

 そこへある日。みすぼらしい格好をした家族がやってきた。
 心優しい街の住人が何があったか尋ねると、他の街で暮らしていたその一家は不幸にも事件に巻き込まれ、その地で暮らせなくなり逃げるようにしてやってきたとの事。
 それは大変だったでしょう。と、住人達は暖かく出迎えて、暫くは生活を支援し、仲間として受け入れようと務めた。
 一家も街の住人達の暖かさに涙し、感謝し。精一杯働いて、行事を楽しみ。一年が経つ頃にはすっかり馴染んでいた。

 ところが。ある問題が起きていた。
 どこかから迷い込んだ猫達が、人間たちを襲い始めたのだ。最初は魚屋に並んでいる魚をとるとか、野菜を掘り返してダメにする程度だったのだが……遂には子どもたちを襲う程に。
 すると、あの一家が謝罪しながら事情を話す。元住んでいた街では猫を飼っていたが、逃げ出した際に猫を置き去りにしてきたと。子を腹に宿した一匹の猫を。
 恐らくその猫が恨みを持ち、子を生み。そして今、復讐に動き出したのではないかと。
 住人たちは困惑した。放っておくと被害が増えていく。しかし、駆除するのも可哀想だ。されど捕獲するにはどこにいるのかわからない。
 一家は望む。できるならば、もう一度。あの子と家族になりたい、と。

■できる限り、傷はつけないように
「……という、やむを得ないとはいえ、ペットを放り出すのはいけない事よね」
 言葉が通じないのならなおさら、と境界案内人のポルックスは語る。
 集まったイレギュラーズ達も、いつもと違う依頼内容に戸惑っているようだ。
「皆は、この世界の人たちとは違って自由に動き回れるから。なんとか猫達を探し出して……説得するか……最悪は……」
 最悪はできる限り避けてあげて欲しいけどね。そう、沈んだ表情で彼女はイレギュラーズ達を見つめる。

NMコメント

 このネタ先に使われていた気がします以下略です。
 気にせずに参りましょう。今回の依頼は、人間に恨みを持つ猫一家をなんとかする事です。方法はおまかせしますが……場合によっては後味の悪い結末になりますのでご注意を。
 なるべくなら、【不殺】を持つ攻撃でも使わずに済ませて下さいませ。
 以下敵?詳細
■親猫×1
 街はずれの草原に巣を作った模様。余り動き回りませんが、人が不用意に近づけば牙を剥きます。とはいえ、普通の猫よりちょっと凶暴な程度なのでイレギュラーズの敵ではないです。
 白一色の美しい毛並みです。

■子猫×5
 オスメス入り混じった子猫達。親の恨み辛みをそのまま受け継ぎ人間に危害を加えています。
 商店街、畑、学校の周りなど。分かれて活動している模様。
 普通の猫よりすばしっこい為に、捕まえようと思えば一工夫いるかもしれません。
 親譲りの綺麗な白い毛並みです。野良なのに綺麗なのは、ひとえに親猫の愛情の為せる技なのかもしれません。

■野良猫×1
 いつからか一家とは違う生まれなのに、騒動に紛れて暴れまわっている野良猫です。
 この猫をどうするかは皆様次第。なお、一家とは違い三毛猫なので見分けは簡単につきます。

 以上となります。
 なお一部非戦スキルおよびパッシブスキルは有効活用して頂けるとボーナスがあります。
 それでは、猫達と戯れる……戯れる?物語をお楽しみくださいませ。

  • 子子子子子子子子子子子子子?完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年05月09日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)
叡智の娘
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
メーコ・メープル(p3p008206)
ふわふわめぇめぇ

リプレイ

■子猫捕獲作戦
 朝。イレギュラーズ四人は転送された先の町中を一通り歩いてみた。見る限りでは何事もない平和な街に見えるのだが……よく見ると一部の大人たちは何かを警戒しているように、視線をあちらこちらに巡らせている。
「皆、ピリピリしてるね」
 『雷虎』ソア(p3p007025) は誰にともなく呟く。人の感情に敏感な彼女は、人々が不安に日々を過ごしているのがわかったようだ。
 『すやすやひつじの夢歩き』メーコ・メープル(p3p008206) は件の一家から借りた猫の写真を今一度見つめ、悲しげな瞳を揺らす。
「本当はどちらも一緒に暮らしたかったはずだめぇ……メーコたちに出来る限りのことをしていくめぇ」
「そうだね。特に依頼主の願い通り……穏便に済ませたいけど」
  『銀蒼討』リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761) は心密かに、そうならない場合は……と考えているが、今は表には出さない。誰だって、後味悪い結末は勘弁なのだ。
「それじゃ……ひとまずは手分けするって事で良いかしら?」
  『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)が裏路地に樽を起き、皆に確認する。
 メリーは設置した樽を囮に猫を誘う。ソアは本当は夜に動くつもりだったが、時間が勿体ないので周囲を見て回り、リウィルディアは子どもたちが集う学校方面へと。
 メーコはというと、一番説得に時間がかかりそうな親猫に最初から向かうようだ。
「じゃあ皆、捕まえた子猫はメーコのところへ届けましょ」
「そうだね。親猫だけは場所がはっきりしてるんだし……メーコちゃんお願いね」
「任せてめぇ」
「それじゃ、また後でね」
 こうして四人、それぞれ別に動き出す。

「騒ぎ声がしたから来てみたけど……」
 リウィルディアは目的の学校までやってきた。近くに猫の姿も声もしないので外れたかな、と思ったのもつかの間。学校の敷地内から騒ぎ声がしたのだ。
 不法侵入にならないか少し心配しつつも、騒ぎ声の下へ駆けつけると。そこにいたのは数人の子供と、彼らの間を縦横無尽に飛び回る子猫だった。
 猫の毛は白い。これは当たりかなと思いつつ、リウィルディアは子供達に話しかける。
「大丈夫かい?」
「う、うん……わっ!?」
 子供の前を子猫がかっ飛んでいき、驚いた子供は尻もちをつく。
「これは酷いなぁ……けが人が出ないうちになんとかしないと」
 子供達には危ないから下がって、と伝え、リウィルディアは一人前に出る。
 こんなこともあろうかとポケットに忍ばせておいた猫じゃらしをすっと差し出し、かがみ込んで背をあわせる。
 すると子猫は意外にも、動きを緩めリウィルディアをじっと見つめる。ここで視線を合わせるのはまずいかな、と視線を外し。さも興味がないかのように見せかけ。されど手は猫じゃらしをフリフリと揺らし続ける。
 じりじりと猫じゃらしに近づいてくる子猫。ここで焦ってはダメだと自分に言い聞かせながら、リウィルディアは根気よく待つ。
 ぴょん。
 遂に子猫が猫じゃらしに飛びついた。隙ができる。
「今だっ!」
 猫じゃらしを手放し、素早く抱きかかえる。猫は暴れ引っかかれるが所詮は子猫。そこまで痛くはない。
「これで一匹、かな」

 ソアは商店街方面にやってきた。店の商品を狙うと聞いたので、もしかしたらと思ったのだ。
 そしてその勘は的中する。ちょうど目の前から魚を咥えた白い子猫が走ってきたのだ。
「あ、嬢ちゃん! 危ないよ!」
 魚屋の店主らしき男がソアの姿を見、注意を呼びかけるがソアは逃げない。むしろ、足に力を込め、ソアの方から子猫へ駆け出す。
「ここは、通さないよ!」
 そのまま両手で捕まえようとするも、するりと子猫は隙間から逃げる。勢い余ったソアは顔面から転ぶが、すぐに起き上がる。
 猫がソアを見つめ足を止めている。まるで嘲笑うかのように。
「むっ、負けるもんか!」
 頬を膨らませ、再びソアは子猫を追いかける。当然猫は一直線に駆けて逃げ出すが……元々のソアの機動力が高い為にすぐに追いつかれ、抱え込まれる。
「つっかまえた!……あ、おじさん。この魚どうする?」
「もう売り物になりはしないからな。仕方ないが、そいつにやるよ」
 その代わり、もう悪さしないようになんとかしてくれよ。と付け加え魚屋の主人は背中を向けて去る。魚を離そうとしない子猫の頭を撫でながら、ソアはため息を吐き。
「もう、本当にやんちゃなんだから。……ん、あれ?」
 視界の端にソアが見つけたのは、三毛猫。どうやら一緒になって暴れていると噂の猫のようだ。
「……よっし、ついでだから君も捕まえちゃうよ!」

「こない……暇だわ」
 裏路地に設置した樽の中に入って、じっと待っているのはメアリー。樽の外には彼女の召喚したネズミがいるのだが……そのネズミの視界にも子猫は現れない。
 もう少し離してみようかな、と。ネズミを走らせたメアリーの耳に、トン、と物音が響く。
 なんだろ、と思い。視界を共有したネズミの眼を樽の上に巡らせると、そこには子猫が二匹。樽の上でネズミをじっと見つめていた。
(きたっ)
 しかし樽の上に座っている今では、飛び出したところですぐに捕まえられない。ネズミに襲いかかるまで我慢だと、声を出さずに待つ。
 ネズミには猫を見て逃げるような仕草をさせ、猫の反応を伺う。
 すると、二匹の猫はネズミを挟み撃ちにしようと飛び出していき……。
「確保ぉーっ!!」
 それと同時にメアリーも樽から飛び出し、二匹の尻尾を掴んで捉える。
 ニャーッ! ギニャー!!
 猫達の叫び声が聞こえるがメアリーはひとまず無視し、これまた用意しておいたザックに放り込み、両腕で抱えて駆け出す。
 向かう先は親猫のいる場所へ。

「猫さん猫さん、お話しましょーめぇ」
 一人親猫の巣があるという茂みの近くへきたメーコは、時折羊飼いの鈴を鳴らしながら猫なで声で呼びかける。人間が近づけば襲いかかってくるという話だが……猫だって、本当はきっと。と願いを込めて呼びかけ続ける。
 フシャー!!
「あっ」
 猫の威嚇声がしたと思えば、メーコの前に少し毛皮の汚れた、それでも白い毛並みだとわかる猫が飛び出してくる。少し痩せているのは、子猫たちに餌を与えている為だろうか。
「あの、猫さん。メーコは喧嘩しに来たのではない、めぇ」
 じっと猫を見つめ、想いを込めて語りかけるメーコだが。猫は問答無用とばかりにメーコの手をひっかく。
「いたっ!」
 手を引っ込める。血が出ているが、大したダメージではない。何よりこの猫が受けた心の傷を思えばこの程度……!メーコは痛みを押さえつけ、なおも語りかける。
「猫さんのご主人様も、とても悔やんでるめぇ。一緒にいたいって……」
 再び猫はメーコに飛びかかり、次は頬を切り裂く。それでも、メーコは怯まない。赤に染まる頬を庇うこともせず、言葉を紡ぐ。
「メーコの事なら、いくらでも傷つけていいめぇ。でも、気が済んだら……一緒にご主人様のところへ行くんだめぇ」
 ぱらり、と。猫に見えるかはわからないが、あの一家から借りた写真を見せるように突き出す。幸せに、一緒に暮らしていた頃の写真を。
「子供達も皆一緒に、ご主人様のところへ行こうめぇ……待ってるよ、ご主人様は……!」

「だ、大丈夫ですか!?」
「これくらい、平気だめぇ」
 子猫と親猫、全てを捕獲した一行はあの一家の下へと向かう。うっかり傷を治すのを忘れていたメーコの顔を見て母親が慌てるが、メーコは笑ってみせる。
「ほら、これで皆いるはずよ」
 メリーの抱えていたザックから、子猫二匹が顔を出す。何が起きたのかわかっていない様子できょろきょろと周囲を見渡す。
「あれ、そういえば一匹足りない……?」
 三毛猫と白猫、二匹抱えたソアが数を数えて気づく。本来白猫の子猫は5匹だったはずだが……4匹しかいないのだ。
「あ、あそこ!」
 リウィルディアが塀の上に立っている5匹目の猫を見つけ、すぐに追いかけ捕まえる。暴れる子猫を親猫の隣に置くと、落ち着いた様子になった。

「……ごめんね。あの時、一緒に連れて行かなくて……」
 子供が、涙ながらに語りかける。両親も、涙ぐんでいる。悔いているのだ、あの時、一緒に生きる事を選ばなかった事を。
「……大丈夫めぇ。きっと、わかってくれるめぇ」
 メーコが子供に視線をあわせる。長い説得を試みた彼女だからこそ、わかる。本当は……この猫も……。
「あ……見て」
 ソアの声につられ、全員の視線が親猫に注がれる。親猫は、すり、と。人間たちに、かつての主人達に身体をすりつけた。まるで甘えるように。
「これで一件落着、かな」
「そうね。あ、ところでこの子はどうする?」
 安心したと背を伸ばすリウィルディアと、三毛猫の子猫を指差すメリー。
「その子は、私達が責任持って面倒みます。今度こそは」
 父親の力強い言葉に、じゃあ、と子猫を預け。イレギュラーズは一家と別れる。

 このねこねこのこ、このねこのこ。
 こねこねこのこ、このねこのこ。
 この猫達どこの子。この家の子。

成否

成功

状態異常

なし

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