PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ネアープ沈没船とクラーケン

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●バルズフローの雄牛とウーボメダル
 黒いドレスのジプシーが鍵盤ハーモニカを奏でている。
 金属カップを持った男たちがそれらを打ち合わせては泡のたつ麦酒を飲み干している。
 ここは幻想南西にある港町。
 大衆酒場『アルパアノル』。
 大きなテーブルには八つのカップ。
 空いた席にコインを置いて、『黒猫の』ショウ(p3n000005)がやってきた。
「やあ、待たせたね。コレを受け取るのに時間がかかったんだ」
 ショウは一枚のカーボンスケッチを翳し、ひらひらと揺らして見せた。
 楕円形に十字のシルエット。鳥や船や見慣れぬ幾何学シンボルをかたどった品……を描いたものだ。
「知ってる人は知ってるんじゃないかな。
 海賊たちにとって有名なお宝の一つ『ウーボメダル』さ」

 伝説を語ろう。
 バルズフローの雄牛と呼ばれた海賊ネアープ・レトナグの伝説である。
 彼はフリーの海賊で、練達・幻想・海洋が入り乱れる海域にて名のあるいくつもの海賊船を沈めたと言われている。
 彼はある日突然海に現われ、無名の商業船を足がかりに海賊を撃破。海賊船をそのまま奪うと天才的な海上戦術によって海賊に恐怖と死を与えてきた。
 そんな彼がはじめ所持していたものはたった一つ。
 撃てなくなった古い拳銃と、金色のメダル――『ウーボメダル』である。
 とても美しい彫刻が施され無数のダイアモンドがちりばめられたそのメダルはなかなかに高価な物であったが、ネアープはどれだけの貧困にあってもそのメダルだけは手放さなかったとされている。
 後にネアープはある戦争に加わって命を落とし、その身とメダルは船に抱かれ海の底へ沈んだという。

「その船の場所がわかったのさ。
 それでもって、ある貴族様はメダルをコレクションに加えるためにダイバーを雇ったんだが……困ったことにその海域を縄張りにしているモンスターがいてね、容易に近づけないんだ。
 それで、『掃除をするスタッフ』が必要になったってわけさ」
 現地までは小さな船を使って移動する。
 海域についたら船から、もしくは海に飛び込んで魔物と戦うことになるだろう。
「その魔物っていうのは、コレさ」
 ぺらりと見せた二枚目のカーボンスケッチ。
 内容は船を抱いて沈めんとする巨大な触手。
 炎のようにぎらつく目。
 触れるものを焦がすという吸盤。
 要するに……。
「マグマクラーケン」

●海の魔物と沈没船
 マグマクラーケンは、これまた幻想南部の海ではそこそこ有名なモンスターだ。
 巨大なタコにも似た姿をし、船を見つけるとまるごと沈めて乗組員を喰おうとする。
 泳ぎが達者で非常にタフ。なおかつ巨大ときている。
「注意すべきはその触手さ。
 マグマっていうだけに高熱の魔力を持っていてね、触れるものを焼き焦がしてしまうのさ。
 最悪、そのまま拘束されて海へ引きずり込まれるなんてこともあるから、気をつけてね」
 シュウは置いたコインをそのままに席をたつ。
「魔物を倒した時点でミッションコンプリート。
 サルベージは仕事に含まれてないけど……『別にやってくれても構わない』ってさ。
 一応言って置くけど、ネアープの沈没船は戦争用の戦闘艦だ。お宝はメダルだけだと思うよ?」

GMコメント

【依頼内容】
 マグマクラーケンの撃破。
 このモンスターを倒した時点で依頼成功となります。

【マグマクラーケン】
 物理攻撃力、命中、クリティカルに秀でたモンスターです。
 火力は高いですがその反面で反応、回避、防御技術、EXFが乏しいようです。
 高熱触手(物中域【火炎】):触手の一部に高熱魔術を発生させ、叩き付けます。
 締め殺し(物超単【呪縛】):触手で絡め取って拘束します。
 身震い(物至範【飛】【無】自働発動):自分に張り付いた対象が多い場合、その全てを振り払います。この行動は手番を消費しません。

【船の操作】
 専門技術がなくても船の操作自体はできるものとします。
 もちろん専門技術があればベリークールです。
 戦闘中は小さな船(漁船として使われていたもの)を操作してマグマクラーケンと戦います。
 うまく工夫すれば船に乗っている味方全員の移動を代行できるだけでなく、色々と戦闘に有利な状況を作り出せるかもしれません。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • ネアープ沈没船とクラーケン完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年04月05日 21時40分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
ルナール・グリムゲルデ(p3p002562)
片翼の守護者
雫(p3p002862)
生き人形
ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)
我が為に
ラ ラ ラ(p3p004440)
螺羅乱
ロズウェル・ストライド(p3p004564)
蒼壁
疾風(p3p004886)
超軼絶塵
イェシム=アル=エーデルワイス(p3p004957)
特異運命座標

リプレイ

●船出
 海風にそよぐウサギ耳。赤色の髪をなびかせて、『超軼絶塵』疾風(p3p004886)は船の手すりから身を乗り出した。
「見事に海やねぇ。引き込まれそうやで。はは。依頼やなかったらもっと穏やかやったんやろうけど」
 隣に立つ『特異運命座標』イェシム=アル=エーデルワイス(p3p004957)。
 手すりに腰をもたれさせると、遠い地平線を見やった。
「実はオレ、本物の海ってのは初めてなんだよなぁ。本や絵画でしか見たことなくて」
 変だろうと笑うイェシムに、そんな奴もおるよと疾風は笑い返した。

 舵を握る『紅獣』ルナール・グルナディエ(p3p002562)。
 隣では『蒼壁』ロズウェル・ストライド(p3p004564)がロープを柱に縛っては身体にくくりつけていた。
「沈没船に宝が眠ってて、そこに至るまでに怪物が居る、か。よくある話だがそういうのは嫌いじゃないな」
「私も浪漫があって好きですよ。その場所へ向かうと魔物が居るというのも、まるで物語の様だ。そう易々とは倒されてくれる様な相手ではなさそうですけどね」
 頑張りましょう。そう言って、ロズウェルはロープを引いた。
 舵にだらんと手をかけ、ルナールは目を細めた。

 海原を進む船を見よ。
 頂点の見張り台に腰掛けて、『応報の翼』ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)が目を細めている。
「…………」
 ぽつりと何かを呟いたように見えたが、声は強い海風にさらわれていった。
 遅れてぼさぼさの銀髪が風にあばれ、褐色の唇が引き結ばれた。
 ふと眼下をみれば、船のあちこちに赤いロープが渡されている。
 よく観察すれば、それが三つ編みにした『生き人形』雫(p3p002862)の頭髪であることがわかるだろう。
「悪いな」
「別に、いいわよ」
 どるどると髪を伸ばしては端から結び、先端を団子状にして切り離す雫。軽くて丈夫なロープを手に入れた『カオスシーカー』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)はそれを船のあちこちに結びつけていた。
 ラルフは『手を遊ばせておく理由もないさ』といってその辺の廃材を適当にくくりつけ、船首をとがらせていく。
 『螺羅乱』ラ ラ ラ(p3p004440)はラルフと一緒に一通りの改造(?)を終えると、残った廃材を抱えて見た。
「こんなもんじゃろう! さて、漁船ならば漁業をせねばのぅ? 大きく一筆いきたい所じゃが。筆ないかのう、毛筆、毛筆……あっ」
「えっ」
 ちらりと雫を見る。
 髪を改めて切りそろえようとしていた所で、目があった。
「……いいけど」
 かくしてできあがった真っ赤な大筆に墨を浸し、ラララは豪快に筆をぶん回した。どういうわけか墨汁がうまく散り、帆に『大漁』の文字が書き付けられた。
「タコ焼き、否、焼きタコ狩りじゃ!」

●突撃
 ミニュイが翼を広げ、船首へと降り立った。
「――来るよ」
 鋭く述べて斜め右方向を指さした。
 途端海を割って一本の触手が飛び出した。
 船のすぐそばだ。
 素早く舵をきるルナール。拘束をかわして加速すると、大きく素早くターンをかける。
 空振りしたマグマクラーケンは怒りを露わにするように無数の触手を高く掲げた。
 暴風が船を襲い、皆すぐ近くのロープや柱につかまる。
 くわえていた煙草をつまみ、煙を吐き出すルナール。
 煙草を海へ放り投げると。
「ああ、突っ込むぞ」
 海上へと身体を出したマグマクラーケンの巨体にしっかりと狙いをつけると、あろうことか船そのものを突撃させていく。
 打ち払おうと触手を振りかざすマグマクラーケン。対してミニュイは船首にバリスタを固定。長い羽根を複数いっぺんにつがえると、マグマクラーケンめがけて乱射していく。
 滑車にロープをひっかけ、するすると柱を登っていく雫。
 高所からマグマクラーケンに狙いをつけると、懐から大量の人形を放出していった。
 ミサイル群よろしく射出された五体の日本人形は触手のスイングをかいくぐり、墨汁をぶちまけたような呪力爆発を起こしてマグマクラーケンの触手の根元へ叩き込まれていく。
 二人の射撃に身体を傾けるマグマクラーケン。
 イェシムはぱらぱらと本をめくると、タコのページを呼び出した。
「タコは目の間に脳みそが詰まってるんだ。マグマクラーケンがイカかタコかは分からないけど、狙って損はないだろ?」
「違いない」
 イェシムの支えで腕を砲台化させたラルフ。
「先ずは最初のBetだ」
 魔力をまばゆい光のように凝縮すると、光線として放出した。
 狙いはまっすぐマグマクラーケンの眉間。直撃をうけたマグマクラーケンは大きく唸り、反射的に触手で額の守りを固め始めた。
「タコだったようだ」
 触手による妨害をかいくぐり、マグマクラーケンに激突する船。
 大量にくくりつけた廃材はその一発で崩壊して海へ落ちていったが、マグマクラーケンを大きくのけぞらせることには成功したようだ。
「参るぞォ!!」
 甲板を走り、手すりを踏み台にして跳躍するラララ。
 宙を一回転してツインテールを後に引くと、のけぞったマグマクラーケンへと強烈な蹴りを叩き込んだ。
 同じく手すりから跳躍する疾風。
 咄嗟に振り込まれた触手を宙返りで回避し、触手の上を勢いよく駆け抜ける。「ええ風や」
 ジャストなタイミングで飛び、マグマクラーケンに二発目のキックを叩き込む。
 ラララと疾風はムーンサルトをかけて離脱。それぞれ船の甲板へと着地した。
「船を離すのじゃ!」
 マグマクラーケンが掴みかかろうと触手を伸ばしてくる。
「相手は大型の魔物です。となれば、派手にやってしまいましょう」
 ロズウェルは前へ出ると、スーサイドアタックによって触手の先端を切り払った。
 余った衝撃で吹き飛ばされそうにはなったものの、腰に結んだロープが張ったおかげで船の外へ飛び出すことはない。甲板をやや乱暴に転がっただけだ。
 ルナールたちは舵をきると再びマグマクラーケンから距離をとりはじめる。

 舵を握り、拳銃を乱射しながらマグマクラーケンへ突っ込むラルフ。
 毒弾にわずかでもひるんだその隙に、直前で舵を切って側面をすり抜けるように進路をとる。
「さあ、今だ」
 弾倉を開放し、空薬莢をばらばらと足下へ捨てるラルフ。
 小さく頷いたミニュイは手すりから飛び立つと、美しい模様の翼を広げて飛行を始めた。
 船とは逆方向にマグマクラーケンの脇へと回り込み、羽根を次々と矢のように打ち込んでいく。
 ミニュイを攻撃機代わりとした船は側面をかするようにしつつ減速。
 叩き付けてくる触手へ、ルナールは白い手袋を翳した。発射された魔術が触手の組織を崩壊させていく。
 勢いにまかせて甲板へ叩き付けられた触手が激しい熱をもち、甲板を激しく焼いた。
 熱にやられぬように口元を覆い、大きく飛び退くルナール。
 イェシムが対抗するようにキュアイービルをかけにかかる。
 そしてはっとして、触手を挟んで反対側の仲間たちに呼びかけた。
「横薙ぎにされるぞ、飛べっ」
 触手が大きく動き、船上の雫たちを払い落とそうと襲いかかった。
「ほれっ、つかまれ!」
 ラララは船上部から垂れ下がったロープにつかまって素早く登ると、雫へと手を伸ばす。咄嗟に手を伸ばす雫。
 触手の打撃を受ける直前に手を繋ぎ、かっさらうようにして回避した。
 一方で疾風はあえて触手へダッシュしてからのスライディング。
 真下をギリギリでくぐり抜けながらナイフを走らせた。
 くぐり抜ければ血が飛び散る。素早く立ち上がる疾風の横に、雫を抱えたラララが着地した。
「さっきの小さい人形みたいに投げたらいいミサイルになりそうじゃな……」
「やめて」
 雫は手を翳し、指先から魔力を発射。空中に開いた無数の火花がヒガンバナの形を成していく。
 痛みにもがくようにして触手を引っ込めようとするマグマクラーケン。
 ラララはその先端を掴むと、逃がすまいと引っ張った。
 そのまま引っ張っていてください。そう述べたロズウェルは大きく飛び上がり、マグマクラーケンの触手を切断。
 船はすぐさまマグマクラーケンのそばを抜けて距離をとろうとするが、怒り狂ったマグマクラーケンがロズウェルを掴んで振り上げた。
 『肉を切らせて骨を断つ精神で』と呟いたロズウェルは奇妙な形をした剣を触手に這わせ、めり込ませていく。
 天へと吹き上がる鮮血。
 加熱された血がぶくぶくと泡をふきながら散っていく。
 ミニュイはその様子を確認すると、マグマクラーケンの前方へと回り込んだ。翼を広げて制動。
 羽根を一本引き抜くと、投げナイフのように鋭く放った。
 狙いは眉間。弱点部分。
 ミニュイの羽根は深々と突き刺さり、マグマクラーケンは軋むような悲鳴を上げて触手を振り回した。
 回避行動をとるも、触手にぶつかるミニュイ。高熱の魔術が翼を焼く。
 煙をふいて墜落を始めるが、それを海に落ちたロズウェルが救出、そのまま泳いで距離を開けていく。
 追いかけようと移動を始めるマグマクラーケン。
 一つに気を取られれば他を見失うこともある。背後に迫っていた船の存在に、はっとして振り返った。
「最後だ、お互い派手に往こう」
 ラルフの操作する船がマグマクラーケンへ再度の突撃。
 咄嗟に振り込まれた触手がラルフを打ち付けるが、構うものかとばかりに義手で殴りつけた。
 ぼこぼこと泡立つように歪み、破裂する触手。
 そのまま舵の一部ごと吹き飛ばされるが、イェシムがそれをキャッチ。急いでライトヒールをかけながら甲板を転がった。
「今だ、飛び込め!」
 船首がめり込み、イェシムの左右をラララや疾風たちが駆け抜けていく。
「振り払う暇なんか――」
「――やらん!」
 一直線のダッシュパンチ。ラララと疾風二人がかりの拳がめり込み、衝撃がマグマクラーケンの体内を駆け抜けていく。
 船の見張り台より手を翳す雫。
 宙を舞う無数の人形がマグマクラーケンを取り囲み、一斉に呪いの糸を伸ばした。
 まるで長い髪の毛に絡みとられるかのごとく黒い渦に呑まれていく。
 マグマクラーケンはもがくように触手を高く伸ばしたが、すぐに血の泡を吹いて沈んでいった。
 風に払われるように去る黒い渦。
 マグマクラーケンが呼吸をするように口を広げると、待っていたとばかりにラルフが拳銃を乱射。
 ロズウェルを抱えて甲板へと戻ってきたミニュイが、しっかりと狙いをつけて援護射撃を開始。
 口内をズタズタにされたマグマクラーケンは暴れるが、ロズウェルが振り込まれる触手を次々に剣で払っていく。
 一方でマグマクラーケンの体表を駆け上がる疾風とラララ。
 頂点でナイフをざくりと突き立てると、ラララが思い切り踏みつけた。
 悲鳴があがる。
 それがマグマクラーケンの断末魔だということが、体感で理解できた。沈み行くマグマクラーケンの巨体から飛び退き、船に降り立つ疾風たち。
 雫は戻ってきた人形をキャッチして、やや伸びた髪を払った。

●サルベージ
 戦闘の過程で船のあちこちが壊れていた。
 港へ帰るには困らない程度だが……。
「補修くらいなら」
 と、ミニュイたちは船の修理を始めていた。
 港へ戻る前に沈んでしまっては困る。それに、今しばらくは余裕もあるのだ。
 ラルフやロズウェルも使わなかった廃材を打ち付けたりもぎ取れた舵をとりあえず動かせるようにしたりと、できる限りの修理をしていた。
「風も、優しくなったみたいやな」
 手すりによりかかる疾風。マグマクラーケンの沈んだ海には平和な風が吹いている。
 そうか、と返してポケットから煙草を取り出すルナール。
「流石に濡れたよなー、やれやれ……」
 けれど、もうひとがんばりする者もいるようだ。
「おお、タコ焼きが百個は作れそうじゃ!」
 ロズウェルが切り取った触手を前にラララがからからと笑っていた。
 良い土産ができたとばかりにロープ(?)でぐるぐるやっていく。
 一方で、太いロープが船の下へと伸びていた。
 イェシムが海に飛び込み、サルベージを行なおうとしていたのだ。
 しばらくたってから海面にあがってくるイェシム。
「あー、だめだ。呼吸が続かない」
 ぜえぜえといって、甲板へとよじ登ってくる。
 サルベージは依頼内容に含まれていないのでできなくても大丈夫だった。しばらく後、水中行動を併用できるディープシーにサルベージ作業が回ることになるだろう。
「コインの文字とか色々、調べてみたかったんだけどな」
 海に沈んだお宝。秘められたロマン。
 残されたものから読み取って、ネアープの生涯を知る。それはきっと素敵な時間になったことだろう。
「ま、それは次の機会にとっておくか。行こうぜ」
 ぱたぱたと手を振るイェシム。
 よしきた、とルナールは煙草をくわえたまま舵をとった。

 海原を船がすべってゆく。
 そのずっとずっと水面の下。
 光すらぼやけるほどの海底に、マグマクラーケンの死体が横たわっている。
 触手の一本に抱かれるようにして、1隻の船も横たわっていた。
 それは海賊の墓標であり、戦の記録。
 船の奥には腐食した白骨死体。
 その胸には、ダイアモンドのついた金色のメダルが下がっている。
 引き上げられる日は近い。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!
 ――congratulation!

PAGETOPPAGEBOTTOM