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シナリオ詳細

温泉旅館の一日

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■急なトラブルは付き物です
 とある世界。とある国での一地方。そこは昔より温泉で有名な地で。温泉を求め訪れる人の為にいつからか栄えた町。
 普段は静かな田舎町だが、休日となれば温泉を求める人で溢れかえる。そんな町。
 そこの、一つの旅館において。ある問題が起きていた。
「えぇっ!?従業員がトラブルに巻き込まれた!?」
「どうやら途中で魔物に道を塞がれたらしく……」
 ちょっとでも武術、魔術に心得のあるものならば問題にならない程度の魔物しかいない、安全な地方なのだが。接客業に従事する者たちにとっては大変な外敵で。
 どうにもこうにも。避けて通る事のできない道を塞いでしまっている魔物がいるようだ。
 旅館の長は頭を抱える。何せ今日は、あろうことか。長期連休の日。温泉目当てにやってくる人々でごった返すのは目に見えている。
 そんな中で、従業員が来られないとなれば。人手が足りないまま営業してはサービスに不備が出て、お客様に迷惑をかける。
 かといって旅館を閉めるのはもっと問題だ。そのまま潰れてしまう可能性すらある。
「……来られないのは、何人?」
「10人程です……最低でも後4人はいないと、手が回らないところが出てしまうかと……」
「なんて事だ……自警団はどうした?魔物が出たというなら、彼らの出番だろう?」
「それが……最悪な事にお客様が通る道でも魔物が出たらしく……」
 ついていない時には不運が重なるものである。
「……ああ、どこかに救世主はいないものか……!」

■ということで、お仕事です
「別にすぐ世界が崩壊するとか、そんな危険はないのだけど。でも、困っている人が見捨てられないよね?」
 集まったイレギュラーズの顔を、境界案内人のポルックスは順番に見つめていく。イレギュラーズ達は一様に頷いて返事を返す。
「ある世界の温泉旅館なんだけど。従業員の方が魔物に足止め喰らっちゃって、欠員が出そうなんだって」
 じゃあその魔物を排除すれば良いのか?一人のイレギュラーズがそう問いかけるが、ポルックスはどこか楽しげに。
「それもいいけど……折角だから、旅館のお仕事手伝ってみるのも面白いんじゃない?」
 きっとご褒美があるだろうからね。

NMコメント

 温泉ネタ二回目じゃないですかね?以下略です。
 今回は緩めのシナリオです。何をするかは皆様にお任せ。一応下に代表的な選択肢置いておきます。

・魔物を排除する
 従業員、可能であれば客。それぞれの前を塞いでいる魔物を排除する手伝いです。魔物はそんなに強くありません。簡単に逃げるでしょう。
・旅館の掃除
 客室から温泉そのもの。旅館の掃除に回ります。難しい整備とかは旅館の人がやってくれますし、初心者の方でも丁寧に教えてくれます。
・調理
 お客様にお出しするお料理を作ります。簡単な盛り付け作業から、皿洗い。専用スキルのある方は料理そのものを手伝ってみても良いでしょう。大体の材料はあるものとします。
・接客
 来館されたお客様のお出迎え。受付。部屋への案内。またはレストランでのウェイターウェイトレスなど。専用スキルがあれば、喜ばれる事でしょう。

 他にもやってみたい事があれば書いて頂いて大丈夫です。大抵の事は支配人がなんとかカバーしてくれますので、やる気があれば!
 なお、最後には報酬として料理や温泉など好きに使えます。部屋も最大4室までは空けてくれます。

 以上となります。本当にゆるゆるシナリオですので、戦闘に不慣れな方でも、はたまたデートの代わりなんかでも、ご自由にどうぞ。

  • 温泉旅館の一日完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年04月30日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

藤野 蛍(p3p003861)
比翼連理・護
桜咲 珠緒(p3p004426)
比翼連理・攻
ソア(p3p007025)
無尽虎爪
回言 世界(p3p007315)
狂言回し

リプレイ

■まずはサクッと魔物退治
「それじゃ、いくよ珠緒さん!」
「はい!」
 事情を聞いたイレギュラーズは揃いも揃って手練の者ばかり。行動は早かった。二手に分かれて客と従業員、両方の道それぞれを塞いでいる魔物を退治してしまおうと動く。
 魔物たちはたまったものではなかった。観光地というだけあり、魔物にとっての驚異は少ない地なのだ。今回も食料を奪う為にと動いたら……まさかの格上も格上のご登場である。
 珠緒と蛍。常日頃から共に過ごす彼女ら二人のコンビネーションは戦闘でも抜群で。あっという間に魔物たちは怯えて去っていってしまった。
「もう悪さするんじゃないわよ!」
 逃げる背中を深追いする事無く、蛍は最後に忠告だけして見逃す。むやみに血を流す必要はないだろう。
 一方の珠緒はけが人がいないか見て回る。一部の人たちから英雄のように崇められるが悪い気はしない。
「英雄だなんてそんな……助けが湧いて出てきてもよいでしょう、温泉だけに」
 人形の悪い癖が移ったのだろうか……。一瞬時が凍りついた、桜も咲く春だというのに。

 一方、ソアと世界の二人も魔物と戦っていた。否、戦にもなっていないのだが。
「いっくよーっ!!」
 ソアが敵のど真ん中に飛び込み、雷纏う爪で薙ぎ払い。
「俺だってな……これくらいはやれるんだよ!」
 普段は仲間のサポート役に回る事の多い世界だが、今回は大盤振る舞いとばかりに黒のキューブを呼び出し敵を潰す。
 雷獣と魔術師の二人に恐れをなした魔物は我先にと潰走。その場にいた自警団も含めて救助に成功する。
「ここはいつもこんななの?」
「ええ……普段は我らだけでも対応できるのですが。今回は珍しく数が多く」
「ふむ。罠かなにか仕掛けて牽制できるようにしてもいいかもな」
 世界のアドバイスを受け、自警団は対策を講じると約束し。またソアも逃げ遅れた魔物に対し、今度は容赦しないからね、と釘を刺す事で今回は終わりとした。

■予想外の結果
「えぇ? 人手が足りない?」
 従業員を救い出し、旅館まで送り届けた一行は仕事は終わりだと思っていた。が、ここで支配人からとんでもない事実を言い渡される。
「その……皆様のご活躍を目の当たりにしたお客様方が……英雄の泊まる旅館に泊まりたいと殺到されまして……」
 と、嬉しいやら苦しいやら。複雑な表情を浮かべた支配人がイレギュラーズ達に告げる。まさかの人助けの結果、更に困った事態になってしまったというのだ。
「あ、じゃあ簡単なお手伝いなら私達できますよ」
 と、蛍が一緒にいる珠緒と、引き連れている人形たちを見渡して告げる。珠緒も力強く頷き、人形たちもやる気いっぱいだ。
「え、いや、しかしそれは……」
 申し訳ないと言いかける支配人を他所に、蛍達は制服を借りられないかと他の従業員に話しかける。よく見ればその輪の中にソアも入っているではないか。
「……おやっさん、ああなったら俺じゃ止められない」
 イレギュラーズの中で黒一点であった世界が支配人の肩を叩き、力なく首を振る。その実、彼も最初から手伝う心づもりではあったのだが。
「それじゃ……よろしくお願いいたします」


「いらっしゃいませ! ようこそお越しくださいました!」
 普段から業務に従事している従業員の中に混ざり、蛍は元気な気持ちの良い挨拶を発する。礼儀作法に通じている彼女の挙動は、普通の客から見ればベテランの一人にも見えるだろう。
 一緒にお出迎えをしている人形達もウケは良い。可愛い可愛いとべた褒めな上に写真を撮らせてほしいと一種のアイドル状態だ。
「はい、はい。ではこちらのお部屋ならご案内できますね」
 珠緒はフロント内で空室状況の管理を受け持っていた。元々資料整理などのデスクワークが得意な彼女ならではだ。テキパキと仕事をこなし、漏れはない。
 その仕事ぶりを見ていた支配人は密かに、「うちに欲しい人材だな」と思っていたとか……。

「……ふー。仕事もたまにはいいな」
 世界は設備担当の従業員に教わりながら、整備の仕事に回っていた。裏方だが重要な仕事である。
 大浴場の水道が壊れていないか、なにか備品がなくなっていないか。細かいが一つ一つきちんと確認して回る。
「おっとそうだ。温泉なら……」
 大浴場を検査している際に、世界は精霊を見つけ出す。これだけ賑わいを見せている温泉地ならいるはずだと目星をつけていたのが当たった。温泉の水精霊がいたのだ。
「ちょっと悪いんだが、手伝ってくれるか?」
 コクリと頷くと精霊は、掃除用具を持って浴場を清掃してまわる。これだけ素直に言うことを聞いてくれるのは、普段から大切にされている証拠だろう。
「兄さんスゲーな。どうだ、うちで働かないか?」
 とスカウトの話まで上がる程に、世界は気に入られる。

「はーいお客さん、お部屋はこちらでーす!」
 ソアはというと、客の荷物を運び部屋に案内する役を買って出ていた。こっそりと蛍と珠緒の人形もついてきているが。
 天真爛漫な彼女の笑顔は多少の失礼など帳消しに。そして見た目に反した力強さはインパクト抜群であった。
「あ、そーだ。この後、マッサージも受け付ける予定なんで良かったらきてくださいね」
 部屋を出る直前に、案内してきた老夫婦にそう言い残す。孫娘のような子にしてもらうのも良いものかな、と話しているのが聞こえた。
「よっし、掴みはバッチリだね!」
 ぱん、と人形と手を合わし。そして次の客を案内する為にソアは駆け出す。

■夜も更けて
「おう兄ちゃん、こっちにも酒出してくれ!」
「はいよ、ただいま!」
 設備の方が終わったので食堂に顔を出してみた世界だが、ウェイターと勘違いされ再びのお仕事へ。なんでこうなった?と思うものの、喜ぶ客の顔を見ると悪くない気がしてくるのが不思議だ。
「はいこれ、お願いね」
「それじゃ一緒にいきましょ」
 蛍と人形たちも同じく食堂で忙しく動き回っていた。予想以上に客が増えてしまった為に、手が足りないのでフル稼働である。
 出来上がった料理を受け取り、配膳して回る。ここでも人形たちは大人気であった。ただのお茶くみ人形ではなくある程度自立して動けるのだから、従業員側から見ても大助かり。
 蛍自身も美少女である為に、特に男性客からは喜ばれた。もっとも、先の戦闘での腕前を見ている者、聞いた者が大半なのでセクハラを働こうなどという不届き者は一切現れなかったが。

「はい、力ちょっと強くしますよー?」
 ソアは先に客に触れ回っていた通り、湯上がりの客に対してマッサージを施していた。こちらも可愛い女の子に気持ちよくして貰えると大繁盛。ソア一人では捌ききれない程になっていた。
「あっちゃあ……嬉しいけど、ちょっと大変だー」
 嬉しい悲鳴を上げつつ、肉球でモミモミと。それでありながら要所ではパリっと電流を流して、仕事に妥協はしない。
 10年若返ったよ、と顔見知りになったお爺さんからは褒められていた。

「おや……あなたは表に出なくて良いのですかな?」
 事務所に入った支配人が目にしたのは、書類整理をしている珠緒の姿だった。満室御礼となった後、接客に回らずに収支報告の書類を作っていたのだ。
「ええ、私はこちらの方が性に合ってますので……」
 はい、こちらです。と支配人に書類を手渡し、全部終わったと背筋を伸ばす。
「これはこれは……本当にうちで働いてもらえないものか……」
 ざっと書類に目を通していた支配人が、惜しいとばかりに声を漏らす。珠緒は有り難いですが、と前置きしておいて。
「私はあの人の傍にいたいので……」
 と、まだ働いている恋人を思い浮かべる。

「はぁー……労働の後の温泉はいいものだ」
 露天風呂に浸かり夜空を見上げる世界。一日目が回る思いだったが、終わってみれば楽しかったと思える。
 のんびりしている彼に、温泉の精霊が寄り添う。お疲れ様と労うかのように。
「ああ、今日はありがとな。助かった」
 精霊に礼を述べ、この後の食事に想いを馳せる。とりあえず甘味は全部食べておかないとな、と心に決めて。

「今日は楽しかったー」
 ソアも女湯で一人、四肢を投げ出し浮くようにして星を見つめる。
 異世界であっても、夜空は混沌世界に似ている。物語の中の世界だけども、人の暖かさはたしかにあった。
「やっぱり人間っていいな……」
 ヒトの形をしたヒトならざる者。されど彼女は、『人』なのだろう。ちょっと特別な力を持っただけの。
 仲良くなった老夫婦からもらったジュースを飲み、冷たいはずなのに「あったかいなぁ……」と呟く。

「今日は一日お疲れ様でした、蛍さん」
「珠緒さんもお疲れ様」
 ソアと入れ替わりになる形で、蛍と珠緒の二人が湯に浸かる。お互いを労いながら。
「こんな日があっても、いいですよね」
「二人一緒なら、どんな日でも最高だよ」
 一日を思い返しながら語る珠緒に、堂々とそう伝える蛍。珠緒の顔が赤いのは、湯に浸かっていたからだろうか?
 口にした蛍自身も、ちょっとクサすぎたかな、と少し恥ずかしくなってくる。けど、口にしたその想いは嘘ではない。
 この後は一緒に料理を食べて、一緒の部屋で寝て。明日からはまたいつもどおりの日々。
 けれども、二人……いや、人形たちも合わせて7人一緒なら。きっと何があっても乗り越えられる。
 二人を見つめる月に、二人はそう誓った。

成否

成功

状態異常

なし

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