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シナリオ詳細

<Despair Blue>撃滅! 亡霊海賊団追討令

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●海賊船の正体
 夜、海は凪いでいた。
 閉鎖された状況を打ち破るべく、『絶望の青』を目指して出港した船も、今は帆に緩い風を受けてゆっくりと進んでいる。
 船員たちは、船体を洗う波の音を聞き、夜空に瞬く星々を眺めるばかり。
 あるいは、すでに船室に潜り込んでハンモックで眠っている。港の女の夢を見て。
 しかし、その平和も束の間のことであった。

「か、海賊だァァァァァァッ―――!!」

 マストの見張り台で、望遠鏡を片手に夜の海を眺めていた船員が、その船影に気づく。
 黒地に骸骨のジョリー・ロジャー、いわゆる海賊旗がはためいている。

『降伏か、さもなくば死か?』

 旗の白骨は、この選択を迫るものである。
 すぐさま、総員起こしの命令が発せられ、船の上は騒然となった。
 風が凪いでいるのは、穏やかな航海にはよかったものの、こうなってしまうと逃げられない。推力を得られないからだ。
 船影は一隻ではない。ひとつ、二つ、三つ……。
 海賊船というのは、数隻で囲んで獲物を狙うのだ。
 そして、見張りの船員はさらに恐ろしいことに気づく。
 甲板でカットラスを構えるのは、朽ち果てた骸骨たちだったのだ。

「亡霊海賊団だ……」

●海賊狩りの依頼
「海賊が出やがったぜ!」

 『青の絶望』を目指す船団の一隻にやってきたのは、快速スループ『海燕』号のジュニオ・テップ船長である。
 昨夜も凪の夜に一隻やられたという。
 噂では、船員は全員アンデッドの亡霊たちが数隻で徒党を組み、生者の船を襲う“亡霊海賊”が出没するらしい。
 事態を重く見た船主連合から、この亡霊海賊団の掃討が依頼として出されたのである。
 ジュニオ船長は、この海賊掃討に参加する有志を募っているというわけだ。

「こっちも海賊船に対抗できる船を用意してある。切り込みに参加して、海賊をやっつける勇気ある者を集めてるのさ」

 切り込み――接舷攻撃あるいはボーディングなどと呼ばれる海戦の戦術だ。船に横付けして、乗員を突入させる白兵戦を仕掛けるのである。
 衝角や砲撃で決着をつけることもあるが、漕手や船員を倒して船を占拠し、拿捕できるとどめとなるのだ。

「分捕られた船もあるから、取り返すと賞金も出るんでな。どうだ、やってくれないか?」

GMコメント

■このシナリオについて
 皆様こんちは、解谷アキラと申します。
 『絶望の青』に挑む海洋冒険シナリオです。
 海洋冒険といったら、海賊退治です。
 全員アンデッドで編成された亡霊海賊団を倒し、航海の安全を確保するのに協力してください。

・ジュニオ・テップ船長
 海賊船を生業とする勇敢な船乗りで、『海燕』の船長です。
 海賊船にボーディングを仕掛けるつもりで、白兵戦要因を募集しています。戦闘中にかばう必要がありませんが、敗北したら彼も海の藻屑となるかアンデッド化します。
 『海燕』号船は、小型の快速スループ船です。

・亡霊海賊船団
 数隻います。一部の船は拿捕されたもので、奪回すると賞金が出るといいます。
 『海燕』号がボーディングを仕掛ける予定ですが、可能であれば攻撃して船ごと沈めても構いません。
 一隻あたり十数名のアンデッドが乗っていると思われます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • <Despair Blue>撃滅! 亡霊海賊団追討令完了
  • GM名解谷アキラ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年02月14日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ホロウ(p3p000247)
不死の女王(ポンコツ)
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
モルテ・カロン・アンフェール(p3p004870)
灯先案内人
リナリナ(p3p006258)
橘花 芽衣(p3p007119)
鈍き鋼拳
ゼファー(p3p007625)
祝福の風

リプレイ

●亡霊海賊船に挑む勇者たち
 亡霊海賊船団現る――!
 この報を受け、討伐のために集まったのは、8人の勇者たちである。

「よく来てくれた! 俺があんたたちを預かることになった船長のジュニオ・テップだ。よろしく頼むぜ」

 快速スループ船『海燕』号のジュニオ・テップ船長が、まずは挨拶をする。
 この船は、小型だが船足は速い。
 小回りと有速性を活かして節減し、ボーディングを仕掛けようというのが船長の考えた作戦である。

「なんかこう……名前が気になる船長さんなのですが」

 『協調の白薔薇』ラクリマ・イース(p3p004247)はなにかうずうずしていた。
 船長の名前を、どこかで聞いたことがあるせいかもしれない。
 ただまあ、礼儀としてはそこは突っ込まない。
 敵は、アンデッドの亡霊海賊である。
 深緑育ちのラクリマは、あまり船の上は得意ではないが、

「また幽霊船の討伐か~。しかも人の船を奪うなんて許せない! ちゃんと取り返してあげないと!」

 『鈍き鋼拳』橘花 芽衣(p3p007119)には、幽霊船の討伐の経験がある。そのときの経験も活かせるだろう。

「まァ、幽霊船にアンデッドとハよく有る事だな。元の世界に居たワタシなラ、地獄送りにしてイタが、運が良イ。しかし……魂不味ソウ」

 『灯先案内人』モルテ・カロン・アンフェール(p3p004870)が呟いた。
 モルテは、かつては《地獄》へ魂を導く船頭であった。
 一見すると児童のようだが、魂を食う龍である。
 そんなモルテからすると、アンデッドの魂はやはり活きがよくない。

「テップ船長、ダホしなきゃならない船について教えてくれるかな?」

 まず、情報を得ようと『無影拳』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)が訊ねた。
 亡霊海賊どもは、拿捕した船を使っている。
 これを取り返さねばならないので、うっかり沈める前に聞いておきたいところである。

「おう、一隻はフリュート船だな。三本マストに、こう船体がずんぐりした輸送船だ。足は早くもねえし、武装も積んでいないんでまずはこいつを奪い返す」
「元々、どんな人たちが乗船してたの? 戦闘時に敵のアンデッドとして出てきたときの対処としてカツヨウしたいな」
「フリュート船に乗ってたのは船乗りと商人だ。軍人やらじゃないか、カットラスやピストルで武装しているかもしれん。まあ、アンデッドになっちまうとそれほど複雑なことはしてこねえはずだ」

 このようにイグナートに説明するテップ船長である。
 乗り込んでしまえば、その一隻を奪回するのは難しくない。

「では、他の船は沈めちゃってもよろしいのかしら?」

 念を押すように聞くのは、ゼファー(p3p007625)であった。
 亡霊海賊団とかいう陰気なヤツらは、同情も葛藤もなくなぎ倒せばいい。ゆえに効率的な方法を選びたいところだ。

「他は沈めても問題ねえな。ただ、分捕り品はそれだけに金になる」

 船長は、にやっと笑った。
 なんとも人の悪い笑みだが、魅力的ではあった。

「でも船長、あまり無茶をしないように。勇敢なのは頼もしいことですけど。船頭を無くした船の行く末なんて、船長は良くお判りでしょう?」
「もちろんだとも。その末路が、俺たちがこれからやり合う相手だからな」

 ゼファーの忠告にテップ船長は頷いた。
 油断して命を失えば、亡霊海賊団と同じくアンデッドの仲間入りだ。

「さあ、いくぜ。出航だ!」

●夜とともに
 海賊退治に集まったイレギュラーズを乗せ、『海燕』号は海を進んでいく。
 亡霊海賊団が現れるのは、特定の海域の、決まって凪の夜だという。
 船を進め、テップ船長は夜を待った。

「くぅ、鷹の目に染みるぅ!」

 夜の闇と海風の中で、『鳥種勇者』カイト・シャルラハ(p3p000684)は夜戦に備えてその鳥目にとっておきの目薬を指す。これは目に染みた。
 しかし、彼には風読みのギフトと操船技術がある。
 このおかげで、夜の闇をも見通せるようになった。
 猛禽類の多くは、夜でも人間以上の視力を持っている。
 これに目薬の効果があれば、鬼に金棒というわけである。

「この世界では旅人とひと括りになっておるが元の世界ではれっきとしたアンデッド! アンデッドの問題は同じアンデッドである我が解決へと導こうではないか!」

 マストの上で見張るのは、『不死の女王(ポンコツ)』ホロウ(p3p000247)である。
 相手がアンデッドであればこそ、同じアンデッドとしてけじめをつけようというのである。
 死んでからも迷惑を掛けるとかアンデッドの風上にも置けない。そういうものだ。

「……見えたぞ、亡霊海賊どもだ!」

 ホロウは、望遠鏡並みの視力を持っている。
 月明かりに浮かんだ船影を捕らえたのだ。
 ひとつ、ふたつ、三つ、四つ……全部で四隻。
 そのうち一隻は、テップ船長が言っていたフリュート船だ。
 ホロウが報せると、すぐにテップ船長が命令を下す。

「よし、切込み準備!」

 あらかじめ、作戦を決めていた。
 海賊に奪われたフリュート船をまず奪回し、それから攻撃と防御に分かれる。
 船長の命令で、イレギュラーたちが身構えた。

「この海のヘイワはオレたちが守る! で、どの船を燃やせばいいのかな?」
「分捕るヤツ以外は、随時ってことでいいぜ!」
「ということだ、皆の衆!」

 ホロウは、ハイテレパスで各員に情報を伝えた。
 いよいよ、洋上の戦いが始まる。
 向こうの船べりには、白骨化したスケルトンやゾンビの海賊どもがカットラスの白刃を閃かせている。
 不気味な光景だが、怯む者はいない。
 凪だというのに、潮の流れを掴んた『海燕』号が狙いを定めて接近していく。

「横付けするぞー!!」

 テップ船長が号令を叫ぶ。
 乗組員が、船と船がぶつかる衝撃に備える。
 横べりから衝突し、船体が大きく揺さぶられる。
 しかし、ここが切り込みのチャンスだ。
 巧みな操船で横付けに、フックつきロープを投げ込む。
 乗り込みのための板を渡した。

「おー、アレがウワサの亡霊海賊団!」

 『天然蝕』リナリナ(p3p006258)が、先陣を切って亡霊海賊が分捕ったフリュート船目掛けて乗り込んでいく。

「ホネホネ! ホネホネまみれ! アイツもコイツもガイコツ!! かるしいうむ!」

 骨を鳴らし、一斉に襲ってきたスケルトンたちを見回し、そんな感想を抱く。
 しかし、肉っ気がない――。
 彼女にとってちょっとテンションの下がる事実である。
 しかし、まずはひと暴れだ。
 ハンマードリルを掲げ、ありったけぶっ叩く。

「敵はホネホネ! 強そうには見えない! といっても数が多い! 油断大敵、毛がもうもう! ホネにも毛があるってことだな!!」

 ひとしきり納得するリナリナに、次々とスケルトン海賊が群がり、押し潰していく。

「うがァァァー!」

 雄叫びとともに、スケルトンをふっ飛ばした。
 これに、イレギュラーズが続いていく。
 芽衣のショットガンブロウとダイナマイトキックが、スケルトンらの白骨を打ち砕く。
 ラクリマが、神の言葉を紡いで美しい言葉を詩として吟じる。
 その子は魔性となって、破壊を肯定する。
 魔神黙示録の一節だ。
 上空からカイトが三叉蒼槍に炎をまとわせて急襲する。
 たちまち、スケルトンの剥き出しの骨が灰と変わっていく。

「君たちは、現世にトドまりたいノか?」

 モルテがスケルトンたちに問うた。
 返事はない、もはや意志と呼べるものは残っていないのだろう。
 だとしたら、やるべきことはひとつだ。
 死霊弓を引き絞り、死者の怨念を一条に集めて放った。

「大丈夫、ワタシ元いた世界でハ魂運ぶドラゴン。ちゃんトあの世マデ届ケル。……地獄専門ダとまでハ言わないガ」

 速やかに彼らが行くべきところに送り届ける、それのみだ。
 スケルトンたちは、怨念の矢によって崩れていった。

「よし、この船は制圧じゃ!」

 敵の気配は、船内から完全に消えたことをホロウが伝える。
 ラクリマのハイテレパスでその情報が共有された。

「操船は任せておきな!」

 カイトが操舵輪を取って舵を切った。
 この船を制圧したら、防衛組と攻撃組に分かれる手筈だ。
 残る亡霊海賊船は、三隻。
 その三隻が、奪回されたフリュート船を囲むように動く。
 横腹を見せた一隻が、砲撃を開始する。
 夜の帳を揺るがす轟音が響き、続いて太い水柱が上がる。
 あたったら、ひとたまりもない。
 カイトが舵を回し、狙いが定まらないよう船を操る。
 幸いにして、連発は効かないようだ。
 しかし、うかうかはしていられない。

「なーに、多少怪我しようが構うもんか、楽しもうじゃねーか!」
「がっはっはっ! そりゃあいいぜ。相手はアンデッドのうえに海賊だ。後腐れなく葬り去ってやろうじゃねえか」

 『海燕』号を横づけしているテップ船長が並び、カイトに答えた。

「そりゃそうだ。……って、これじゃ俺が海賊だな? まあ正規海賊やってるけども」

 カイトには操船技術と私掠船許可証がある。
 そういう意味では、分捕りを認められた海賊だ。
 だからこそ、亡霊海賊は排除しなくてはならない。

「手筈どおり、攻撃組と防衛組に分かれるのだ! 海賊団の親玉はあの船であろう」

 ホロウが敵情を探り、ハイテレパスにて情報を通達する。
 砲撃を行ってきた船が、この亡霊たちの親玉がいる船だ。
 ここからは、切り込み側と防衛組に分かれる。
 リナリナ、芽衣、モルテ、ラクリマは二隻目へ切り込んでいく。

「おー、二隻目! この船もカラカラうるさいのか?」

 勢いよく、リナリナが二隻目に飛び乗った。
 ふたたびスケルトンが群がってくる。
 今度は、ゾンビもいた。

「肉付いていても、ゾンビはうれしくない!」

 こうなったら遠慮はいらなかった。
 どれだけ押し寄せようが、どんどんぶっ叩くだけである。
 これに、芽衣とモルテが続く。

「この鉄機鋼外殻(ヘカトンケイル)が恐くないなら、かかってくなさい!」

 両腕にまとった機械鎧の篭手を打ち鳴らし、芽衣は亡霊海賊どもを挑発する。

「もう一隻、来ます――」

 乱戦の中、ラクリマが気づき、防衛側に伝達する。
 距離を取った一隻が、船首を向けて『海燕』号に突き進んでくる。
 櫂と帆を備えたガレアス船で、その速力を活かして『海燕』号に衝角を挑むつもりなのだ。

「くそう、回避だ!! 回避ー!」

 テップ船長がすぐに指示を出す。
 しかし、速力は向こうが上だ。

「させるかっ!」

 カイトが拿捕をしたフリュート船を操船し、横合いから体当たりをかける。
 櫂が折れ、『海燕』号の横腹が破られることはなかったが、接近したガレアス船からアンデッドどもが張り付いてくる。
 漕手であった連中が、今度は乗り込み側に回ってきたのである。

「みんな、こいつらをタタき落とすよ!」

 次から次へと押し寄せるアンデッドを、イグナートが海に叩き落としていく。
 さらにはゼファーがPromiseTheMoonで一斉に薙ぎ払った。

「船長、あの船は沈めちゃっても?」
「ああ、漕手の用意ができねえから持って帰れねえ」
「了解したわ」

 テップ船長からの確認を取ると、ゼファーはガレアス船のマストに狙いを定め、乗り込んであった。

「うむ、その船は沈めてしまおう」

 ハイテレパスでゼファーの意図をホロウが砲撃のための座標、諸元を伝えつつ、エーテルガドリングで弾幕を張った。
 これではアンデッドたちも切り込めない。
 そのままゼファーが構えた槍を振り回し、スケルトンごとマストをへし折った。

「よおし、撃てぇぇぇぇっ!!」

 続いて、砲声が轟く。
 横付けしたガレアス船に、至近から臼砲を叩き込んだのだ。
 一発、二発、三発――。
 ガレアス船というのは、櫂で漕ぐために吃水が浅い。
 そこに砲撃を食らうと転覆もしやすいのである。
 ましてや、マストが折れてバランスを崩している。
 船体が傾くと、ゼファーが『海燕』号に戻ってきた。
 ガレアス船がアンデッドごと沈んだのは、その直後のことだ。

「わりとムチャするね」
「そうかしら? このくらいは平気よ」

 などと、イグナートに軽く答えるのだった。

「そおら、こっちも終わったよ!」

 芽衣が最後のスケルトンをショットガンブロウで粉砕し、二隻目の制圧を告げて手を振った。
 残るは、親玉が乗船する一隻である。

「あれで最後か、なら――」

 カイトが空へと羽ばたいて最後の一隻に向かう。
 イグナートもジェットパックで続いた。
 待ち受けていたのは、三角帽子(トリコーン)と軍服を羽織ったスケルトンだ。
 サーベルを両手に抜いて構えている。
 続いて、ふたりに切りかかった。
 アンデッドとはいえ、亡霊海賊を束ねる首領である。
 並みの剣士に引けをとらぬほどの剣技を披露してみせた。

「おー、リナリナもいくぞー!」

 アンデッドの数々をぶちのめしたリナリナも乗り込んでくる。
 腕力ならば誰にも負けない。
 勢いをつけてハンマードリルでぶん殴る。
 二刀でこれを受け止めようとした亡霊海賊の頭であったが、重い衝撃に耐えられずに片腕が吹き飛んでしまった。

「せめて安らかに眠りな。骨は拾ってやる、ってな」

 カイトが繰り出した逆転の一閃が、勝負を決めた。
 三叉の槍が、三角帽子をかぶった頭部を打ち砕く。
 そうして、すべての亡霊どもが動くのをやめた。

●戦い終えて
「拿捕三隻とは、結構な戦果じゃねえか」

 テップ船長は満足そうだった。
 すでに空は白んでいる。
 海賊退治を終え、三隻の船を取り戻した。

「何かキラキラしたもの落ちてないかなー」

 とはカイトの願望混じりの独白である。
 船を改め、無事を確かめつつ光り物を探している。

「沈んだ船の分も、弔ってあげたいな」

 芽衣がぼそりと呟いだ。
 亡霊海賊団のアンデッドたちも、元は人間であったのは間違いない。

「あの世二は、送りとドケたはずダ」

 モルテが言う。
 アンデッドたちは水葬したのだから、もう迷うこともあるまい。

「海の男を弔うときは、こいつさ」

 テップ船長が取り出したのは、ラム酒の瓶だ。
 蓋を開けてひと口含むと、残りを海に捧げた。
 朝日を浴びて琥珀色に輝き、酒は波間に消えていくのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

リナリナ(p3p006258)[重傷]

あとがき

海賊退治、お疲れさまでした。
拿捕三隻はなかなかの戦果です。
これで探索の障害もひとつ乗り越えました。
まだまだ続くと思いますが、よろしくおねがいします・
それではまた。

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