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シナリオ詳細

《狐の嫁入り 外伝録》温泉へ行こう!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

■歳なのに無理するから
「ぐぬぬ…最近肩が上がらぬ…」
「お、どうした義兄弟?」
 広大な森を護る狐の一族。その当主であるアングラー・フォレストは最近とある悩みを抱えていた。
 よる年波には勝てず。肉体の疲労が抜けにくくなってきたのだ。今も自室で書類を纏めてと忙しく働いていたが、肩の調子がよくないと。
 一方。街の警備を息子夫婦に任せて遊びに来ていたのはスーラク・ルークス。アングラーの娘が彼の息子と結婚したので、必然的に彼らは義兄弟という事になる。そんな彼も相応の歳のはずだが、未だ肉体に衰えはないのが自慢である。
「いや…肩だけでなく膝とかも最近、な。儂も歳か」
「情けない。一族を束ねる当主がその体たらくでどうするのだ。俺を見ろ、まだまだ現役だぞ」
「おい脱ぐな阿呆」
 調子に乗ったスーラクが、シャツを脱ぎ肉体美を見せようとしたところで心底嫌そうにアングラーが制止する。何が悲しくておっさん二人の部屋で裸を見なきゃならないのか。
「冗談だ。…さておき辛そうだな。…お、そうだ。少し遠いがいい温泉を知っているぞ。たまには気晴らししてみないか?」
「む…。屋敷を空けるのは気が引けるが…。小僧の実力を見る良い機会か。乗った」
 小僧。孤児であったがアングラーの長女と結婚し、次期当主になる事を約束された男。一時期は憎む事もしたが、今では口にしないが認めてもいる。
 彼に一度屋敷全てを任せてみるのも良い機会かと思い直し、スーラクの提案を受諾。安全な地方だという義兄弟の言葉を信じ、僅かな供を連れて行く事に。

■安全…?
「ところがこの温泉。ある山の奥の方だけど…偶然にもワイバーンが現れてしまうの」
 ワイバーン。混沌世界にも生息している亜竜。向こうは境界世界だから違う存在だが、竜と名のつくものが生易しい存在のはずもない。
「このオジサン二人は結構…というかかなり強いから無事で済むんだけど、近くにいる観光客が巻き込まれちゃうみたいでね。世界の危機とかではないんだけど、後味悪いじゃない?」
 折角の温泉旅行だもの。楽しく行きたいでしょ?とポルックスは締めくくり、イレギュラーズ達を見送った。

NMコメント

 おっさん二人と温泉旅行です。誰得だよこのシナリオ、以下略です。
 拙作「狐の嫁入り」シリーズの外伝となります。時系列的には第二作が終わった後暫くしてからのお話です。
 以下登場人物
■アングラー・フォレスト
 元々太っていたのが過労と心労で痩せた…元の体型に戻ったの方がいいのかもしれないオジサン。
 メインクラス式神遣い/サブクラス神子相当の強さ。回復スキルも攻撃スキルも持っています。そこそこ強いですが、旅行だったので護身用の武具しか持っていません。
 放っておいても運の良さやらで生き延びます。
■スーラク・ルークス
 都市を統べる長にして騎士団長でもある基本ノリのいいオジサン。そのため美しい肉体美を50近くになろうかという歳でも維持しています。
 メインクラスザ・フォートレス/サブクラスアルデバラン相応の強さ。攻撃防御共に隙がなくバカみたいに強いです。
 彼も鎧は着てないはずですが帯剣はしていたので放っておいてもワイバーンには勝てます。
■旅人達
 たまたま同じ温泉を目指していた一般客達です。彼ら彼女らは戦闘能力は全くないので放っておくと戦闘に巻き込まれ被害が増えていきます。助けてあげてください。
 エネミー詳細
■ワイバーン×1
 翼を持つ亜竜。
 イレギュラーズが4人いれば問題なく勝てる程度の強さ。自信がなくてもスーラクに任せれば勝ってくれます。それで後味いい温泉旅行になるかはさておき。
 命中回避反応が高く、遠距離攻撃も近接攻撃も行います。しかし範囲攻撃は持ちません。また飛行能力に長けて飛行ペナルティが存在しない相手なので、マーク&ブロックするのは一工夫必要です。
 少し戦うと相手の実力を見極めるらしく、弱い者を狙い喰らっていく習性があるようです。

 以上となります。多分戦闘はあっさり風味になりますので、温泉を存分に楽しんでくださいませ。
 あ、混浴じゃないので覗きは駄目ですよ?どっかのおっさんはやろうとしますけど。

  • 《狐の嫁入り 外伝録》温泉へ行こう!完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年02月07日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)
双世ヲ駆ケル紅蓮ノ戦乙女
ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人

リプレイ

■がたごとがたごと、馬車は行くよ
「いつもと顔ぶれが違うと思ったが、そうかお前の知り合いか」
 上流階級らしく。大きな馬車に3頭の牽引する馬。それにラフな格好で乗り込んだアングラーとスーラクは、イレギュラーズ達と会話を楽しんでいた。
 とりわけ『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)とは顔馴染みで信頼もそれなりにある。彼の紹介で他3人がついてきたと説明すれば、すんなり納得した。
「そうダヨ。前に一緒にいた3人はまた世界を巡ってるからネ。今回はこの顔ぶれで失礼するヨ」
「構わん構わん。俺としては綺麗どころがいれば誰でも良い!」
 『黒焔纏いし朱煌剣』アリシア・アンジェ・ネイリヴォーム(p3p000669)と『魅せたがり・蛸賊の天敵』猫崎・桜(p3p000109)の女性二人はスーラクより値踏みするような視線を向けられ、居心地悪そうに苦笑を浮かべる。
「綺麗どころ……ええ、まあ褒められるのは悪い気はしないのですが」
「というか僕14歳だよ?オジサン、ロリコンなの?」
 仮にも上流階級に、とんでもない事を言う。しかし当のスーラクは気にした様子もなく豪快に笑い、膝を叩く。面白い、と。
「いい、いい。10年後が楽しみな嬢ちゃんだ!なあ、アンタもそう思うだろ?」
「……ノーコメントで」
 一人目を閉じて我関せずを貫いていた『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)だが、スーラクに話を振られ、静かにそうとだけ伝える。下手に答えれば余計面倒だと察したからだ。
 なんだ面白くねぇな、とゴネたスーラクだが。次の瞬間に騎士の顔に戻る。アングラーも気を引き締め、イレギュラーズ達も異変に気づいた。
 グガァァァァ!!
 御者が震え声で叫ぶ。6人が馬車から飛び出て、空を見上げる。
「ワイバーンだっ!!」
 その竜の視線の先には、恐怖に惑う10人あまりの姿。

■竜狩り
「ちっ、ヤベェな。一般人がいるぞ。」
 剣を抜いたスーラクが発する言葉に、イレギュラーズ達の視線が一斉に一箇所に集まる。馬車より少し前を歩いていた旅行客達が、上空のワイバーンに恐れをなして恐慌状態に陥っている。このままでは餌食になってしまうだろう。
「私が避難誘導にいこう。」
 事前にこの事を知っていたイレギュラーズ達は、打ち合わせ通りに動き出す。ゲオルグが素早く駆け出し旅行客の救助へ。その間に他の3人がワイバーンの気を引き、あわよくば倒してしまう算段だ。
「やれ、困ったネ。竜はそうやすやすと降りてくるはずではないんだけど…まあ堂々と退治しようカ。いくヨ、桜チャン」
「うん、任せて!」
 ジュルナットの持つ星狩りの大弓と、桜の操作する改良型重装火器がワイバーンめがけてそれぞれ弾を放つ!
「ほう、やりおるではないか」
「まだまだこれから…失礼します!」
 二人の放った弾はワイバーンの翼に見事命中し、注意を観光客からイレギュラーズ達へと変更させる事に成功する。その腕前に感心していたアングラーの前を、魔道具の力を使いアリシアが駆ける。地ではなく、竜と同じ舞台へと。
「ここからなら…!」
 靴の力はさほど長くはもたない。ならば、とワイバーンに少しでも近づいたところで魔力を練り上げ一枚のカードを作り出す。それに描かれるはアリシア自身。否。
「いきなさい!」
 もうひとりの自分である女性が空に浮かび、ワイバーン目掛け魔法弾を放つ!対するワイバーンはアリシアの裏に回り込もうとするも、身体の巨大さが災いし翼の付け根を魔法弾に侵されていく形となる。
「グ、ガァァァ!」
「おお怒ってやがるぜ奴さん。気をつけなよ!」
 ワイバーンの咆哮に軽口を叩く余裕を見せるスーラクが、ジュルナットと桜の盾となるべく動く。
 しかし地上にいる面々を視界に入れず、ワイバーンの怒りが向けられたのは同じ空中にいるアリシア。ワイバーンの翼が力強く羽ばたき、衝撃波を生み出してアリシアへ叩きつける!
 簡易的な飛行能力しかないアリシアの靴は、当然の如く暴風に耐えきれず。為すすべもなくアリシアは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる事となる。
「きゃあぁぁっ……ぐっ!?」
「む、いかん!」
 あまりの衝撃に肺から息が漏れ、蹲るアリシアにアングラーが治癒の力を持つ呪符を投げつける。
「これは……きっつい、かも?」
「やっぱり竜は竜、ダネ」
 桜とジュルナットが小声で零す。

 一方のゲオルグは。恐慌状態だった旅行客達をなんとかまとめ上げ、戦場から離れる為に先導をしていた。
「む……少々拙いかもしれんな」
 ようやく旅行客達が安全と思える場所まで案内し。戦闘に加わるべきかと思案するが……。
「ここには子供もいる。……皆を信じるしかないか」
 万が一にワイバーンが転身してこちらに来れば、彼ら彼女らに抗う術はない。その為に心苦しいがゲオルグは旅行客を守るべく、警戒しながらも彼らの側を離れない事を選んだ。

 一方。倒れたアリシアの代わりにスーラクが盾となり、遠距離戦による削り合いを行っていたジュルナットと桜。如何にスーラクが頑強と言えど、ワイバーンの起こす暴風は彼を無視し後衛にいる二人を直接襲う為に無傷とは行かない。
 されどそれはワイバーンも同じこと。羽ばたく翼に力は徐々に入らなく、眼は片方ジュルナットの矢により貫かれ、足は桜の銃弾で血が流れていた。
 それでも、肉を喰らわんと。ジュルナット目掛けて高速で飛行突進を試みるワイバーン。
「わわっ、あれはちょっとまずいヨ!」
「任せなぁっ!」
 更に距離を取ろうと後退するジュルナットと桜。その前に剣を眼前に構えたスーラクが、ワイバーンの突進を受け止めるべく立ちはだかり!
「ぐっ…ぬぅぅ!今だ、決めな!」
 突進を受け止めた衝撃で足が沈むも、声を張り上げるスーラク。その手は剣ではなく、ワイバーンの喉を掴んでいた。ここで狩る!と。
「わかった!」
 桜の重装火器が火を吹き、ワイバーンの横っ腹に穴を開け。
「ありがとネ、スーラククン!」
 ジュルナットの正確無比な一矢がワイバーンの脳を貫き。
「……おまたせ、しました!先程のお返しです!」
 アングラーの治療を受け、立ち上がったアリシアが。紫電を纏わせた細剣を振るいワイバーンの身体に突き立てる!
「グ、ガ…ァ…」
 遂に力尽きたワイバーンは、最期に苦悶の声をあげて地に伏せた。
「これで一件落着、カネ」

■お待ちかねの温泉
「温泉だーっ!」
 ワイバーンを討伐した功績が宿にも伝わっており、暫く功労者の6人で貸切風呂となった温泉。脱衣所で手早く着ているものを脱ぎ去り駆けていく桜。14歳の少女らしくまだ小柄でほっそりとスタイルを隠そうともしない。
 慌ててその後を追いかけようとするアリシアだったが
「一番は貰ったよー♪……と、言いたいけど、まずは身体を流してから入らないとだねー。マナー大事、うん」
 意外としっかりマナーを守る彼女にほっと息を吐く。いくら二人しかいないとはいえ、後の人の事を考えると大事な事である。さておき、温泉なのだ。
「こう、ゆっくりできるのもいいわね……ふぅ」
「そうだねー……アリシア君、怪我大丈夫?」
 見事なスタイルをその気はなくても見せつけるかのようにして、身体を伸ばすアリシアに、心配そうな表情を浮かべて桜が近寄る。先程の戦闘で思いっきり落下したのでどこか身体がおかしくないか心配していたのだ。対するアリシアは大丈夫、と返す。
「アングラー様の治療がよく効いたわ。ええ、ありがとう」
「そっかそっかー。でも特性マッサージしてあげよっかー?」

 等々。女性二人の黄色い声が響く中。隣の男湯では。
「覗きは男のロマンと思わんかお前ら!」
 偉大な騎士長とは思えぬセリフを発し、ビシっと女湯との仕切りである壁を指差すスーラク。何故か壁近くには岩場があり登れるようになっている。何故だ。
「歳を考えろ馬鹿」
「流石に犯罪だろう」
「おじいちゃんも歳だからネェ…」
 他3人は全く乗り気ではない。常識人ばかりだったのがスーラクには災いした。
 なお旅館側の好意で酒も用意してもらっているので、のんびり3人が飲んでいるという理由もある。それでも食い気より色気が勝るのがスーラクという男であった。
「ならば俺一人でも行こう!待ってろよお嬢ちゃん達!」
 軽快に岩場を登っていき、壁の上に顔を出したスーラク……だったが。途端に水の奔流と魔法弾に打ち貫かれ落下して湯船へとダイブした。
「大声で話していればわかりますよスーラク様」
「そうそう、武器使わなかっただけ有り難く思ってねー」
「はっはっは、こりゃー一本取られたな!」

「ほう、これは羊の召喚術か」
「うむ、私の能力だ」
 一方。ゲオルグがギフトの力で召喚した小さな羊を興味深そうに見つめるアングラー。これは何かに使えるかもしれん、と呟きつつその動きを観察する。
 ゲオルグはというと、ふわふわ羊……名はジーク。と戯れながら温泉を満喫していた。感覚的にだが召喚の方法をアングラーに説明しながら。
「あ"ゝ、老骨に染みるネェ…一人称の問題かナァ?」
 見た目的には男性陣の中で一番若いかも知れないジュルナットが、ちらほらと見え始めてきた星空を見上げ、感慨深げにそう漏らした。

成否

成功

状態異常

なし

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