シナリオ詳細
うわーッカワイイいぬ!!カワイイいぬカワイイ!!!
オープニング
だれ。だれ。おきゃく。なんで?
おきゃくきた。ようこそ。ここせかい。わたしせかい。カワイイいぬせかい。
わたしいく。あっちいく。きて。あっちきて。ちゃんときてる。えらい!
おきゃくみて。ここみて。ここいる。カワイイいぬいる。カワイイね。わたしあつめた。カワイイいぬいっぱい。たのしい!
ここある。ものある。ボールある。おやつある。たのしい。おいしい。これあった。ずっとあった。あつめてない。すてき!
カワイイいぬカワイイ。カワイイカワイイ。えらいカワイイ。たのしいカワイイ。すてきカワイイ。うわーッカワイイ!
わたしみる。カワイイいぬみる。ずっとみる。えらい。たのしい。すてき。すごい!
カワイイいぬあるく。カワイイいぬはねる。カワイイいぬたべる。カワイイいぬねむる。カワイイいぬカワイイね。わたしすき。カワイイいぬすき。
ここせかい。わたしせかい。カワイイいぬせかい。みんななる。カワイイいぬなる。わたしみる。カワイイいぬみる。うわーッ!カワイイいぬすき!
うわーッ!おきゃく!
おきゃく。わたし。せかい。カワイイいぬ。うわーッ!
おきゃくカワイイいぬ。おきゃくちがう。なんでちがう。カワイイいぬすてき。おきゃくなんで。なんでカワイイいぬ。ちがう。うわーッ。だれ。うわーッ。うわーッ!
なる。カワイイいぬうわーッ。わたしみる。カワイイいぬなれ。うわーッしあわせ。うわーッ。なる。うわーッ!
うわーッ!
うわーッカワイイいぬ!
なれうわーッ!
うわーッ!うわーッ!うわーッ!うわーッ!
●
あなたの目の前に一冊の絵本がある。
表紙は擦り切れ表題も読めないが、温かみのある素朴なタッチで毛むくじゃらの生き物が描かれているのは分かった。
詳しく調べてみても良いのだろうか。傍らの境界案内人の方を見てみれば、子犬のような目で見つめ返してきた。どうやら調べてみても良いらしい。
試しに手にとると、絵本は見た目以上の重さがあった。しかし手触りはしっとりとやさしく手に馴染んで吸い付くようであった。
ページを一枚一枚めくってみると、絵本には文字がなく絵だけが描いてあることが分かった。表紙の毛むくじゃらの生き物以外にも様々な生き物達が描かれていた。
あえて崩して描いているのか、生き物達は犬とも猫ともつかない不思議な姿をしていた。しかし不気味さはなく愛嬌のある姿だ。
あなたは暫し絵本を検分していた。そしてふと、なんの気なしに視線を絵本から外した。
そこに広がっていたのは新たな世界。はて無く広がるやさしい色合いのフローリング。目の前には巨大なペットサークルがそびえ立っていた。
- うわーッカワイイいぬ!!カワイイいぬカワイイ!!!完了
- NM名ゴブリン
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2020年01月05日 22時15分
- 参加人数4/4人
- 相談3日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(4人)
リプレイ
カワイイいぬカワイイ。ただの犬ではありません。カワイイいぬはカワイイいぬなのです。カワイイいぬはとってもカワイイ!体はふさふさ。尻尾はぴこぴこ。足はちゃこちゃこ。お鼻ひんやり。お口にはゴムパッキン!肉球は香ばしい!嗅ぐと嫌がられます!なんで!ねえなんでええええ!!
きょうはそんなカワイイいぬの世界を覗いてみましょう。明日も覗いてみましょう。昨日も覗きましたよね。明後日も明々後日も来週も来年も来世紀も覗くんですよ。毎日覗きましょう。飽きませんね。飽きませんよ。いつも見ています。楽しいです!
さて、きょうのカワイイいぬはこの子たち!
ポーちゃん!クーちゃん!ロクちゃん!カノちゃん!
うわーッカワイイいぬ!!カワイイいぬカワイイ!!!
●うわーッ!!たのしいねえええ!
「はぅ!?」
『差し伸べる翼』ノースポール(p3p004381) はフローリングに投げ出した四肢をビクンと突っ張らせた。
「あれっ、ここは……?目の前のこれは、柵?」
上体を起こして辺りを見回しながら霞む目を擦ろうとするが、どういう訳かうまくいかない。腕があまり上がらないので目元に届かず、頬や鼻の横を掻くばかり。
一体どうしてしまったんだろう。ノースポールは首を傾げて白い毛に覆われたちっちゃな両手をじっと見つめた。裏っ返すとふわふわの毛の間からピンクの肉球が顔を覗かせている。
「いぬだこれ!?」
カワイイいぬだこれ!!
白くてもふもふのカワイイ犬と化したノースポール……否、ポーちゃんは弾かれたように走り出した。
はじめはもちろん、許容を超えた驚きからの行動だった。けれど、ペットサークルに沿ってぐるっと走ったり、真ん中を突っ切って走ったりしているうちに、なんだかとっても楽しくなってきた!
「広いです! いっぱい走れます! わーい! わーーーい!!!」
チャカチャカと爪を鳴らしながらぎゅんぎゅんと走り回るポーちゃん。まるで飛び回る真っ白い毛玉だ。カワイイ!
「うわーッ! ここどこ! わかんない! わかんない広い! 広いよ! 走れる! いっぱい走れるッ! いっぱい走るよーッ! うわーッ!」
しかしその時、ポーちゃんの目の前に爆走する金色の壁が現れた。金色の長い毛が美しいゴールデンレトリーバー!
ポーちゃんをぽいんと跳ね飛ばして走り去って行ったのは『煌めきの王子』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082) 改め、クーちゃん!
ころんころんころん、ぽすん。ポーちゃんは床を跳ねて、転がって、ペットサークルの隙間に軽く挟まるように止まった。正面衝突は免れ、接触事故程度だったので怪我はない。けれどビックリして目を真ん丸に見開いている。
「あっ! ごめん! 大丈夫!? ねえ大丈夫!? 大丈夫!」
それに気がついたクーちゃんは慌てて飛び跳ねて、ポーちゃんを心配して鼻でつついたり、周りでゴロゴロ転がったり。心配しすぎてほとんど覆いかぶさってしまったり。カワイイ!
「大丈夫ですよ! えへへ! ねえねえ、よかったら一緒に走りませんか? 私が追いかけます? それとも私を追いかけます? それともそれとも、もっと楽しい遊びをしますか!?」
金色のお腹の毛の隙間から、ポーちゃんがぴょこんと顔を出すと、クーちゃんは喜んでばっさばっさと尻尾を振り回した。あーッカワイイ!どっちもカワイイ!
ポーちゃんクーちゃんはすぐに意気投合して走り出した。クーちゃんの方が大きいので何度も行ったり来たり。でもとってもたのしそう。カワイイね!
「わたし、いぬ! カワイイいぬ! 毛布たべるよ! たべるよ! ねえ見ててわたし毛布たべるよ! ほら! ねえ食べるったら! カワイイいぬ見て! ねえ! カワイイいぬだよ! 見て! ほら見てて! 毛布を食べるよ、食べるよ! むっしゃ! むっしゃ! おいしくないね! おいしくないね! この毛布いらない! いらないよ! だってにおいついてないもん! カワイイいぬにおいついてない毛布いらない! むしゃむしゃ! 前のやつ! 前のやつたのしい! おちつく!」
仲良くかけっこを始めたポーちゃんクーちゃんの一方で、『クソ犬』ロク(p3p005176) は暴虐の限りを尽くしていた。見て、カワイイいぬだよ。産まれた時からカワイイいぬ。コヨーテ?しらない。
べっちゃべちゃの穴だらけになった毛布を鼻先ですくって「ふん!」と跳ね上げて脇にうっちゃり、また追いかけてガジガジ噛み付いてべちんべちんと振り回す。こらやめなさい!メッ!こらロクちゃんメッッ!カワイ!
「何故でしょう、いつの間にかカノエは、いぬ、せかい、ボール、まるい、ボール、ボール……。ボール! いぬ、カノエは。いぬ、カワイイいぬ?! ボール、いぬ、カワイイカノエいぬ!」
べちんべちんとタオルをぶけられながら、頭を抱えて苦悩するのは『宙狐』庚(p3p007370)……あなたカノちゃんね!
尖った耳と鼻とふさふさの尻尾……間違いなくカワイイいぬ。魔性の狐さん……キツ、ネ……?ちょっとよくわからない。きつねわかんない!カワイイいぬ!カワイイいぬだよ!カワイイねえええええ!カワイイいぬだねええええええ!汝はいぬ!
「かのえかわいい! カワイイかのえ、カワイイ!!!」
そうカワイイ!ここせかい!カワイイいぬなるせかい!修正力……?わかんない!難しいことわかんない!けどつよい!カワイイいぬ!
走り回るポーちゃんクーちゃんに跳ね飛ばされて、ぽこんとボールがカノちゃんの目の前に飛んできた。ボールが跳ねるのに合わせて、カノちゃんの緑のお目々も上下に跳ねる。
「ボール! ボールボールボール! ボールはねます! はねま… …はねません! なんで! はねないですよボールはねない!」
しゅばばーっと跳ねるボールを追いかけるカノちゃんだったが、ボールはすぐにペットサークルにぶつかって止まってしまった。さっきまで元気に跳ねていたのに、ボールはもう動かない。かなしいね。
つやつやのお鼻でボールをつついてすんすん鳴くカノちゃん。突かれたボールはコロコロ転がるだけで、拾い上げて投げる物はいない。我々はカワイイいぬを見つめるのみの存在です。ボールを投げることはありません。かわいそうだね。でもカワイイ!
「なんで! なんでボール! ボールなげないのなんで! はねる?! はねない! はねないですよボールはねない! はねる! なんで! ボール投げてくださいまし! 可愛いカノエは……いぬではありません! いぬ、カノエはカワイイいぬ……?」
あと一押しだね。
ガシャンガシャンとペットサークルが揺らされる。犯人はもちろんロクちゃん。障害にもめげずに前へ進もうと果敢に体当たりをしている。前向きだね。
「ペットサークルじゃま! 毛布かいに行こ! ねえーー毛布! よだれ! あなだらけ! ねえーー見てないで! こっちきてよ! 遊ぼ! じゃまだよーー! うわーーーーッ!!」
カワイイね。
ほかのみんなはおいしいおやつを食べてるよ。
ポーちゃんはお皿に足をちょこんと乗せてお行儀良く食べてるよ。でもいっぱい遊んで疲れたのかな。ちょっとウトウトしているよ。あとでお昼寝しようね。カワイイね!
クーちゃんはお皿に頭を突っ込んで、お皿をペットサークルにガンガンぶつけながら夢中で食べてるよ。ロクちゃんとのセッションだね。カワイイね!
カノちゃんはコロコロ転がるボールをずっと追いかけてるよ。ボールが大好きなんだね。あっ、ボールと一緒にコロンと転げてお腹を見せたよ。カワイイね!
ロクちゃんも食べようよ。ねえ食べよおおおお!おやついっぱいあるよ!やめて!ガシャガシャしないで!やめて!おやつ食べよ!毛布だめ!食べちゃだめ!毛布食べない!おやつ食べ……あっ!ポーちゃんが寝ちゃったよ。
カワイイねえ。足をぴこぴこさせてるよ。カワイイね。ポーちゃんねてるよ。クーちゃんもつられてあくび。もうすぐねちゃうね。いっぱいあそんだもんね。かけっこたのしかったね。
カノちゃんはどうかな。まだボールをおいかけてるね。カワイイ。ボールころころ。カノちゃんもころころ。カノちゃんボール。ボールおいかけたい。カノちゃんおいかけたい。わたしなげない。ボールなげない。ごめんね。カワイイね。
おきゃくきた。ようこそ。ここせかい。わたしせかい。カワイイいぬせかい。でもかえる。おきゃくかえる。もうすぐかえる。せかいかえる。
おしまい。おはなしおしまい。もうすぐおしまい。せかいおしまい。カワイイいぬおしまい。おきゃくかえる。おきゃくまたね。またね。またね。カワイイいぬばいばい。
●またあそぼうね
「スピピ……はッ! よく寝た! 起きた! ぼく元……気。あれ?」
枝葉、そして世界の狭間、数多の世界の欠片集まる場所。境界図書館と呼ばれる空間でクリスティアンは目を覚ました。
ぐるりと見回せば、そこには無数の本が飾られた書棚が立ち並ぶ。両手をじっと見つめれば、そこにはきちんと見慣れた人間の手がある。
そびえ立つペットサークルも、ボールも、ベッチョベチョの毛布もない。カワイイいぬもいない。ただ、本があった。真ん丸白い毛玉と、つやつやのゴールデンレトリバーと、クソ犬と、魔性の犬さんが表紙に描かれた絵本があった。
ふとクリスティアンが傍を見れば、小さく丸まって寝息を立てるノースポールの姿があった。端の方ではロクがお腹を見せて鼻ちょうちんを膨らませている。庚はその下でムニャムニャ寝言を言っている。
「ふふっ」
クリスティアンは髪の毛をかき上げ穏やかに笑う。もう少しだけ、寝かしておいてあげようかな。
そこはカワイイいぬになるせかい。
みんな、ぜんぶわすれてカワイイいぬになる。
またあそぼうよ。またおいでよ。
かえしたくないよ。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
ゴブリンです。
何者かがカワイイいぬを日がな一日眺めて満足する世界です。地面は傷と汚れに強い滑りにくいフローリングです。世界の中心に巨大なペットサークルがそびえ立っています。
あなたは巨大なペットサークルの内側でカワイイいぬになります。サイズは変わりませんがあなたはカワイイいぬです。
カワイイいぬとして振る舞うことをオススメします。姿形はプレイングで指定することも可能です。指定がなければこちらの判断で描写します。
勿論、この世界を調査する事も出来ます。しかし、何者かはあなたをずっと見ています。わたしが満足すると元戻る。カワイイいぬ。うわーッ!
●やること!
カワイイいぬなる!
カワイイいぬカワイイ。なにするカワイイ。うごいてるカワイイ!
●あるもの!
・ボール
はねる!
・ぬいぐるみ
ふわふわ!
・毛布
おちつく!
・おやつ
おいしい!
・お水
ごくごく!
・ペットシート
たべるな。
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