PandoraPartyProject

シナリオ詳細

血と泥と消炎のごとくに

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●涙が乾くことすら許されぬ
 断続的な銃声。重なり、重なり、砂地が爆裂した。
 赤黒く混ざった泥の中を這って進めば、鉄条網の先に無数の人影があった。
 否、あれは人影などではない。
 土と泥と血肉の塊。
 よみがえるべきで無い兵士。
 呪われた最終戦隊。
 滅びるべき時を逃した、12の精鋭部隊である。
 銃口がむく。それが最後の瞬間だ。

●『不可視の傭兵団(ゴーストフォース)』
「君たちは戦闘ができると聞いた。まずはこれを見て欲しい」
 四角い顎をした大柄な男が、壁に貼り付けた無数の画像シートを指出した。
 写真機によって撮影されたと思われる画像には、ヘルメットとガスマスクを被った迷彩服の集団が写っている。
 背景は様々だ。
 石の教会。寺院。森。焼けた村。雪積もる山岳。王都からそう遠くない商用路もある。
「かれらは『不可視の傭兵団(ゴーストフォース)』と呼ばれている。神出鬼没の兵隊たちだ。行動内容はただ一つ」
 男は目尻を垂らし、苦しげに二言だけのべた。
「――『人の居る場所に現われて』――『全員殺す』」

 男の名はスターロン。
 ラサから幻想にかけての戦闘系ギルドを束ねている男だ。
 古い兵隊にあるような、四角くこわばった顔つきをしている。
 彼の後ろにはスキンヘッドの男や無表情の巨漢などコワモテ揃いだが、皆小銃や拳銃を装備しコンバットスーツを纏っていた。根っからの兵隊といった様子だ。だが皆深い傷を負い、酷い者は片腕をなくしていた。
「ここに並んでいるのは過去の戦いで死ねなかったアンラッキーな奴らだ。
 俺たちギルドにもはやまともに戦う力はない。
 だが戦いは無駄じゃあなかった。
 三ヶ月にわたってゴーストフォースとの戦闘を続け、ようやく奴らの出現パターンを絞り込むことができた。この村だ」

●ユゼ村の決戦
 ごく一般的な規模の村だ。
 中央に塔があり、住宅が三十丸を描くように細かく並んでいる。
「ゴーストフォースは古代の呪術によって生まれたモンスターだ。
 ヘルメットも被るし小銃もぶっ放すが、本質はゴーレムだ。
 『村周辺のどこか』に現われて、中央の塔を目指す。
 塔には今回標的となっている人物が匿われているが、近づけば近づかれるほど危険だと思ってくれ」

 ゴーストフォースは12体のゴーレムからなる兵団だ。
 小銃や爆弾で武装し、連携して攻めてくる。
「過去の戦闘経験から、全個体がまとめて出てくるパターンもあれば複数チームに分かれて出現することもあった。
 攻めの姿勢でいくなら村内に分かれて、安全策でいくなら塔の近くで守りを固めてくれ。
 詳しい資料はここにまとめてある」
 紙束を差し出し、スターロンは顔をくしゃりと歪めた。
「この件にケリがつけば、くたばった奴らの墓を建ててやれる。ターゲットにされた奴も生き残る。その先のことは知らんが……酒を飲んで逃げるよりはマシだろう」

GMコメント

【依頼内容】
 『ゴーストフォース』の撃滅。
 残存するゴーストフォース12体を全て破壊しきれば依頼成功となります。

 失敗条件はゴーストフォースが塔にたどり着くこと。
 これは同時にターゲットの死亡を意味します。

【ロケーション】
 幅500メートル程度の村。
 塔を中心に三十丸を描くように建物が並んでいます。
 村の形自体がだいたい円形だと考えてください。

 ゴーストフォースに狙われているターゲットは塔に自分をかくまって誰も中に入れない(自分も外に出ない)ことを条件にこの作戦に協力しています。

【戦力配分】
 敵集団は村(円形想定)の外周部分――のどこかに現われます。
 ですがどの位置に、どのような人数配分で出現するかはわかっていません。
 ですがいつ現われるかは(ほぼほぼの時刻含め)分かっています。
 村のなかに参加者8人を配分し、防衛中央の塔を防衛しましょう。
 集まったメンバーの顔ぶれやスキル構成、癖や特技や趣味など色々を加味し、相談してお決めください。

【ゴーストフォース】
 個体ごとの戦闘力がそこそこ高い12体の集団です。
 一応人型なので人型補正は有効となります。
・格闘(物至単)
・射撃(物遠単)
・狙撃(物超単)
・ナイフ術(物近単、命中大)

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • 血と泥と消炎のごとくに完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年03月16日 21時35分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

春津見・小梢(p3p000084)
グローバルカレーメイド
郷田 貴道(p3p000401)
人類最古の兵器
紅劔 命(p3p000536)
天下絶剣一刀無双流
カイト・シャルラハ(p3p000684)
鳥種勇者
パティ・クロムウェル(p3p001340)
斬首機構
Svipul(p3p004738)
放亡
ルクス=サンクトゥス(p3p004783)
瑠璃蝶草の花冠
アイリス=ドライ(p3p004850)
記憶の旅人

リプレイ

●血のごとく
 いい加減に舗装された道を馬車がゆく。
 馬をとめ、御者は緊張した面持ちで車を叩いた。
 扉を開けて下りる『瑠璃蝶草の花冠』ルクス=サンクトゥス(p3p004783)。
 道の先には作戦の現場となる村がある。
 住民は既に逃げ去った後のようだ。風にのった砂が吹き抜け、しんと静まりかえった風景だけがある。
 遠い距離からでもひとけがないのが分かるかのようだった。
「不確定要素が多いのは好まんのであるが……言った所でどうしようもない事であろうな」
「相手の正体が掴めませんが、全力で相対しましょう」
 装備品の大きな鎌とり、刃を包む革袋を解いて開放する『記憶の旅人』アイリス=ドライ(p3p004850)。
 むき出しの斧を掴んで馬車を降りる『斬首機構』パティ・クロムウェル(p3p001340)。
「災害のような相手ですね。ともあれ護衛対象が自ら協力してくれているのですから私め達もベストを尽くす必要があります。信頼には信頼で応えるのが礼儀というものです」
 同意を求めるように振り返ると、翼をばさばさとやった『大空緋翔』カイト・シャルラハ(p3p000684)が笑ったように目を細めた。
「任せてくれ! 作戦もバッチリだしな!」
 馬車が去って行く。送っていけるのはここまでだというように。
 残されたのは砂と雑草と空。そしてただようカレーの香り。
 後半は『カレーメイド』春津見・小梢(p3p000084)のせいである。
「ゴーストフォースだっけ。12体いるんでしょ、やだねー」
「HAHAHA、殴れるゴーストなら怖くはない!」
 革袋を肩ごしに担ぎ、シュッと拳を突き出して見せる『ボクサー崩れ』郷田 貴道(p3p000401)。
 前情報はそれなりに聞いていたが……。
 『天下絶剣一刀無双流』紅劔 命(p3p000536)も拳をぎゅっと握って見せる。
「強敵そうな雰囲気……よーし燃えてきた!」
 仲間たちの好戦的(?)な雰囲気に、ただ無言で頷く『放亡』Svipul(p3p004738)。
 彼らは『不可視の傭兵団(ゴーストフォース)』迎撃の準備を整えるべく、自らの足で村へと向かった。
 時間は無限にあるわけではない。できれば、有効に使いたい。

●泥のごとく
 村へ到着したSvipulは、早速仲間たちの助けを借りてバリケード作りに取りかかった。
 来る場所が分かっていて先手をとって準備ができるなら、やるべきことは罠か塹壕かバリケード作りと決まっている、ようなものだ。
 Svipulは淡々と、村にあった薪や木板やテーブル類を継ぎ合わせるようにしてバリケードをこしらえていく。
 といっても、Svipulが狙ったのは敵の侵攻を防止するものではない。
 通り方を制限させるタイプのバリケードだ。
 もっと沢山の時間や資材があれば土と麻袋の高い塹壕を作れたのだが、今はこのくらいが精一杯といった所だろうか。
 そも、広いエリアに片っ端からバリケードを構築するのは無理があったので、家々の間を埋める形で設置する形となった。
 ピッタリの技術を持っていたのはSvipulだけだが、彼女にアドバイスされる形で小梢や命、パティたちもバリケードを組んでいた。
 注力したのは塔の周辺。危険な状態に陥った時に少しでもネバれるような工夫である。
「ふふふ、ここにカレーをこうしてこうやって」
「カレーは関係ない……である」
 風上からカレーの香りさせる罠(?)を仕掛ける小梢をよそに、塔の周りに板と柱をトンカンやって壁らしきものをこしらえていくパティ。
「念のため、塔の入口や窓も塞いでおくわね」
 トンカチを手に窓や扉に板を張り付けていく命。
 アサルトライフルでばしばし撃たれれば吹き飛んでしまうかもしれないが。少なくともその分の手間をかけさせることは出来る。
 いざというときの備えは、して損はないはずだ。

 一方、貴道はコンパスを手に村の地形を簡易測定していた。
 歩幅をある程度保って歩数単位で計測し地図を作成する手順である。
 おかげでざっくりとではあるが建物の位置関係がより正確に分かるようになった。
 『村にある地図を貰っておく』ではなく『自力で地図を作成した』のは、後にもたらす効果が大きかった。なぜなら、この村に元からある地図は住民表の変わりでしかなく距離的な位置関係がまるでわからない品物だったからだ。
 正確な地図を誰も必要としなかったとも言う。
 そうして作った地図をもとに、ルクスは地形を改めて確認した。
 元から知らされていた通りに、建物の並びは塔を中心とした三重円。
 メンバーの構成上近接戦闘がメインになる今回、キモとなるのはこの一番内側の円だ。
 このラインを超えた所で戦闘を仕掛けるのがベターということになる。
 よって、この東西南北の主要交差点が固定防衛ラインとなった。
「敵の接近をのろしで知らせようと思いましたが……」
 のろし道具を手に取るアイリス。
 今回の防衛ラインがそれほど広くなく、割と互いが視認可能な距離関係にあることからのろしをあげる手順を省くことにした。その手間を省いて敵に向かった方がよいからだ。
 肝心となる敵接近の知らせはカイトに任せてある。
「さーて、見張りは得意だぞ! なんたって船乗りなんだからな!」
 カイトは塔の上で飛行し、敵の発生と接近を知らせる役目を担っている。
 特別な装備や技術の有無はともかくとして、今回の防衛ライン構築は高所からであれば肉眼でのチェックが可能な規模だ。
 防衛ラインを抜かれるとキツいが、抜かれさえしなければ鉄壁という見方もできる。
 あとは『ゴーストフォース』がいきなり一方向から全員まとまって百姓一揆のような突撃を仕掛けてこないことを祈るだけだ。
「皆、そろそろ時間だ! 指定の位置についてくれ!」
 作戦開始の合図としてホラ貝を鳴らすカイト。
 村の端で、何かがうごめくのが見えた。

●消炎のごとく
 地面から這い上がるように現われたゴーレムは、人の形をした土の塊だった。
 全身がのっぺりとしているが、組み上げた小銃だけが奇妙なほどに精巧だ。
 彼らはまず村の南北に分かれて出現すると部隊を展開。東西南北を覆うように二人ずつ配置させつつ、まず南北から二人ずつを村中央へ送り込んできた。
 塔の上から観察していたカイトが呼びかける。
「南北それぞれ二人ずつだ! 他は様子を見てるらしい、集合してくれ!」

 北の担当はパティだ。通路ジグザグに、たびたび物陰に隠れながら近づいてくる二人のゴーストフォース。
 一方のパティは道の真ん中で通せんぼをするように立ち塞がった。
「おまちどうさまー!」
 両腕を広げて突っ込んでくる小梢。
 距離をあけて銃撃をはじめたゴーストフォースたちに真っ向から突っ込むと、鍋の蓋を盾にして銃弾を弾き始める。
「それっ」
 相手の腰におもむろなタックル。
 といっても動きを止めるためのタックルだ。
 ナイフを作り出し、小梢の背中に突き立てるゴーストフォース。
 防衛ラインの半径が小さいのは、配置したメンバーを移動しやすくするため。
 そしてメンバーの移動をしやすくしたのは、このラインでブロックしてしまうためだ。
 小梢が組み付いたゴーストフォースめがけまっすぐに突っ込む郷田。
 『そのまま押さえとけ』と叫ぶと、ゴーストフォースの脇に回り込んで顔面へパンチを叩き込む。
 まるで砂でも殴ったかのように頭が吹き飛んでいくが、動きはまるで鈍らない。
 一方でパティが未だフリーなゴーストフォースに接近。銃弾を我慢しながら距離を詰めると、斧による一刀両断を叩き込んでいく。
 距離が近くなったことでナイフを抜くゴーストフォース。反撃にと繰り出されたナイフがパティへと繰り出される。
 バックステップ、斧による横払い。ナイフを強引に弾くと、パティは再び自分の間合いで打ち込み始めた。

 一方、南の担当は命だ。
 予め仕掛けられたバリケードの向こうからちまちまと狙撃を仕掛けてくるゴーストフォースに、命は大太刀を抜いて切り込む隙を探していた。
 名乗り口上での引きつけは、まだとっておいたほうがいいだろう。撃てる回数に反して有効になる割合が小さいからだ。
 物陰から様子を伺う命にしびれをきらしたのか、ゴーストフォースたちが距離を詰めてくる。
 今だ。
 こちらからも距離を詰め、命は太刀による一刀両断を打ち込んだ。ナイフを翳して受け止めるゴーストフォース。
 もう一人が横を抜けていくが、心配は無い。
 やや遅れて駆けつけたルクスが杖を構え、魔力放出を打ち込み始めたのだ。
 通路を塞ぐような位置取りからの乱射に、ゴーストフォースは一旦距離をとって射撃による対抗を開始。
 互いの間を魔力と石の弾丸が幾度か交差していく。
 そこへ、西側にいたSvipulとアイリスが駆けつけた。
 Svipulはギアチェンジを発動させつつ接近。
 至近距離につけると、レイピアで斬りかかった。
 ナイフとレイピアがぶつかり合う。
 激しく鋼が打ち合い、火花が散った。
 そこへ飛び込むアイリス。
 具体的にはルクスよりも後ろの位置から射線を確保し、鎌に纏わせた魔力を投げる要領で次々に打ち込んでいった。
 ルクスの魔力放出に加え、アイリスとSvipulの攻撃にまで対応しなければならなくなったゴーストフォースはたちまちのうちに全身が削られていき、最後には砂の山となってその場に崩れていった。

 そんな具合に南北からの2体ずつを迎撃しきったイレギュラーズたち。
 しかし本番はむしろここからだ。
 カイトは前後左右を見て、少しばかり表情を険しくした。
「皆、東西南北それぞれ2! 一斉に来てる! 担当エリアに向かって!」

●やがて誰も知らぬものとなり
 西側を防衛に走ったSvipulたちに任せ、紅劔は南の防衛を継続した。
 二人組のゴーストフォースが横一列になってまっすぐ走り込んでくる。
 それもアサルトライフルで乱射しながらだ。
 強引に突破するつもりだろう。
「そうはいかないわよ……!」
 命は大きめの石を掴み上げると、こっちを見ろとばかりに投げつけた。
 ダメージにこそならないものの、ゴーストフォースの意識が命へと向く。
 一人引きつけるので精一杯だが、もう一人は身を挺して足止めすればよい。
 APが豊富でない命にとっては、名乗り口上を当たるまで連続することのほうがリスクだ。
 『ここは任せろ』とばかりにルクスがフリーのゴーストフォースへと組み付いていく。通常マークでは少々心許なかったかも知れないが、思い切りブロックしにかかったおかげでゴーストフォースの進行を強制的に止めることができた。
 【怒り】状態で殴りかかってくるゴーストフォースをあえて一旦無視しつつ、命はリスクがブロックしているゴーストフォースへと一刀両断を浴びせた。

 一方その頃西側。なんとか防衛ラインギリギリで戦闘状態に持ち込めたSvipulとアイリスはそれぞれが一体ずつのゴーストフォースへと飛びついた。
 といっても、二人の反応値の高さもあってマークだけでもそれなりの通せんぼが可能だったようだ。
 ギアチェンジをかけて更に反応値を引き上げ、レイピアで斬りかかるSvipul。
 アイリスも負けじと遠術をしかけ、ゴーストフォースへと駆け込んだ。
 空間を切り裂くように走る魔術の刃。すれ違うように飛ぶ弾丸。
 アイリスの頬を弾丸がかすめ、身を低くして突っ込んだアイリスは両手でしっかりと握った大鎌を打ち込んだ。
 刃に纏わせた魔力が、受け止めるゴーストフォースのナイフに反応してばちばちと火花を散らせていく。
 その一方でSvipulは至近距離でレイピアとナイフでの打ち合いに発展していた。
 ナイフといっても人の首をワンアクションで切り落とせそうなコンバットナイフだ。Svipulはそれをどこか冷徹に、そして堅牢にいなしていく。
 全く表情を変えぬまま、Svipulは相手の心臓部をレイピアで打ち抜いた。
 崩れ去るゴーストフォース。
 ふと見れば、アイリスも戦っていたゴーストフォースを打ち負かした所だった。
 額、胸、右肩、左肩の順で十字を切るSvipul。
「Rukoilen kaikille」
 それがこれまでの戦いで亡くなった戦士たちへの祈りであることを、アイリスは察した。

 命がそうしたように、パティもまた南側の守りを固めていた。
 半壊したバリケードが今度こそ壊れ、ゴーストフォースがまっすぐに突っ込んでくる。
 こちらが特に罠や待ち伏せといった方法をとらないことが分かって、強引な突破にはしったのだろうか。
 パティは斧をしっかりと持ち直すと、こちらに射撃を浴びせてくるゴーストフォースへ真正面から突っ込んでいった。
 防衛網をすり抜けられる心配はしなくていい。真横を小梢が走っているからだ。
 小梢は眼鏡のブリッジを中指で上げるようにしてから、パティのほうを見た。
「防御の割合と体力には自信あるよ。私が死ぬまでにそっち倒しといてね。というわけでおりゃー!」
 小梢は両腕を掲げてゴーストフォースへドロップキックを叩き込んだ。
 出会い頭の挨拶アタックだ。倒した相手に馬乗りになるようにしてホールド。
 至近距離から銃底でがしがし殴られるが、歯を食いしばって我慢した。
 そんな小梢を最初の障害と認識したのか、もう一方のゴーストフォースも射撃を集中させていく。
 よそ見をするな、とばかりに斧の一刀両断を打ち込むパティ。
 APは残り少ない。打てる限り打つのみだ。
「少しでも早く撃破するように……なんとかしましょう」

 貴道は塔を中心にして時計回りにダッシュ。
 防衛ラインまで達していたゴーストフォースたちの前へと滑り込んだ。
「おっと、暫くミーに付き合ってもらうぜ」
 走り抜けようとしたゴーストフォースにダッシュパンチを叩き込む。
 顔面にくらって派手に転倒したゴーストフォースは、そのままごろんと転がって足払いをしかけてきた。
 足を取られて転倒する貴道。
 走り出そうとする相手の手首を掴み、顔面に再びパンチを叩き込む。
 そうしている間にもう一人のゴーストフォースが塔へと一直線に駆け寄っていた。
 バリケードめがけて射撃を開始。
 組み合わせた板が破壊されていく。
 そこへ。カイトが上空からまっすぐに落下しての奇襲攻撃を仕掛けた。
 槍が地面に突き刺さり、腕をもがれたゴーストフォースが二歩三歩と後じさりする。
 カイトは道を塞ぐように地面に降り立つと、ソードブレイカーを引き抜いた。
「貴道、こっちは任せろ!」
 ナイフを抜くゴーストフォース。同じくナイフを構えるカイト。
 二人は突撃の構えをとり、相手の出方を待ち、心臓の鼓動三つ分の沈黙の後、ほぼ同時に飛びかかった。
 ゴーストフォースはカイトに、しかしカイトは横に刺さった自分の槍に飛びかかったのだ。
 飛びつつナイフを投擲。
 咄嗟に払うゴーストフォース。
 地面から槍を抜き、てこの原理で大上段から穂先を叩き付ける。
 ゴーストフォースは上半身を粉砕させ、砂となって散った。
 再び上空に飛び上がるカイト。
 東西南北、全てのエリアでゴーストフォースの撃破が確認できた。
 仲間たちが手を振って撃破完了の合図を送ってくる。
 ほっと息をはいて……そして、村中のバリケードを片付けなければいけない事実を思い出して苦笑した。

 こうして、いくつもの村を襲った『不可視の傭兵団(ゴーストフォース)』事件は幕を閉じた。
 ゴーストフォースは砂となり、散り、風にのってどこかへ消えた。
 もはや触れることも、ないだろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 Ghost Force――mission complete!
 ――good end

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