PandoraPartyProject

シナリオ詳細

魔王犬は洗われたい

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 魔王と呼ばれる存在がいる世界がある。その世界の住人は魔王に恐怖し怯え、時に癒されながらも、魔王と共存する世界を選んだ。魔王と言葉が伝わらないながらも対話を行い、世界は発展していき風車で小麦を挽いて小麦粉を作ったり、時たま魔王が我慢できなくなり住人に思いっきり体当たりしたりもあったがそれなりに平和に暮らしていた。

 事件が起こったのは数日前からである。この魔王、私たちの世界に照らし合わせるのであれば……外見はとても茶色の雑種犬によく似ていた。違うのは体高が5m近くあることである。体長がおおよそ5mと50センチ非常に大きかった。一方、この世界に住む人間たちは平均的な身長が90センチほどしかなく非常に小さかった。故に……魔王様を洗ってあげることが出来ず、現在魔王様体が虫のせいでとってもかゆいのである。ここにいる人たちも好きなんだけど、ちょっとすべての生命を滅してしまおうかと思っちゃうぐらいにかゆいのである。


 イレギュラーズを呼び出した男と女の境界ッッッッ案内人ヒルダは犬の飼い方という本を読みながらイレギュラーズを待っていた。
「わんちゃん好き? まぁ、今回の場合はわんさん? わん様なんだけれど」
 好きな人もいれば当然嫌いな人もいるだろう。ペットとして人気の根強い犬。大きいものもいれば小さいものもいるかわいいやつである。
「5mの犬を洗ってあげないと滅びそうな世界があるのよね……行ってきてくれる?」
 いったいなぜそんなことになってしまったのかをざっと説明するヒルダ。
「このわん様、言葉は通じないのだけれど、世界の生命すべてを滅する程度のことはできるのよね。周りの人もそれを知ってるから怖がっているんだけれど、遊んであげるとお礼に雨を降らせてくれたりと神様みたいな役割もこなしてるみたい」
 こちらに敵対する意思がなければ人懐っこく体当たりしたり、甘噛みしたりしてきてくれるそうである。5m級のわん様が。
「そんなわん様の今の悩みは体についた虫でね。思わず息とし生けるものすべてを滅する勢いみたいなの。それを止めるためにあなたたちの出番ってわけよ」
 綺麗に洗ってあげさえすればわん様も世界を滅ぼさずに済むので大喜びというわけだ。
「チートとしてわん様にお手とかおかわりとか待てとか伏せとかそういう一般的なわんちゃんができる芸を指示できるようになるわ。うまく使って楽しく洗ってきてあげてちょうだい」
 今はしっとり残念毛並みであるがこれをきれいに洗えばふかふか毛並み。イレギュラーズ達はもふもふを楽しむため。何より世界を救うために立ち上がるのだった。

NMコメント

超でかい犬に体当たりされたい。噛まれるのもいい。

どうも、あなたのパンツと鼠蹊部です。

以下、補足になります。

目標
日が沈む前にわん様を洗ってあげる

世界の入り口
時間は日の出の時間、わん様のすぐそばです。体がかゆいのか地面にぐねんぐねん体をこすりつけてる姿がみえる感じです。すぐそばには湖もあります。

わん様
でかいです。犬種としては雑種。毛はちょっと長め。非常に人懐っこく、人間大好き。たまたま世界を滅ぼせる程度の力を有してしまっている。
サイズの関係上、お手などは熊の一撃程度の力になっている恐れがあります。たぶん、痛い。あんまり濡れるのは好きじゃないので……がんばって

周辺の人達
自分たちより5倍以上でかい犬に体当たりされてもわりと平気な頑丈な人たち。たぶん、今回はあまりかかわらないかなと思います。

尚、もふもふ堪能時間があるかどうかはあなたたちの手にかかっております。

プレイング例
5mの犬かぁ……犬……犬ねぇ……とりあえず、水着は持っていこう。犬用シャンプーって俺も使っていいのかな?一応持っていこう。細かいこと考えてる場合じゃないけれど全身で洗ってあげないといけないよな。
濡れるの嫌いっていうならちょっとずつ遊びながら入ってあげれば怖くなくなるかな?

などなど、いろんなプレイングお待ちしております。

  • 魔王犬は洗われたい完了
  • NM名パンツと鼠蹊部
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年01月05日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)
優穏の聲
メイメイ・ルー(p3p004460)
祈りと誓いと
佐藤 米造(p3p005416)
こわいよ!
庚(p3p007370)
宙狐

リプレイ


 空は快晴、気温はそれなりに温かく、風が気持ちよい天気である。今日は絶好のお洗濯日和でもあり、わん様洗い日和でもあった。
 わん様はというと現在猛烈に地面に背中をこすりつけるようにぐねんぐねんしているところであった。巨体がただぐねんぐねんしているだけで周りに土埃が舞っている。それを悲しみに満ちた目で見つめるのは『天穹を翔ける銀狼』ゲオルグ=レオンハート(p3p001983)である。なんと痛ましいことだと心を痛めているのだ。
「魔王わんさま……とてもおおきい、です、ね。早くもふもふ、の、ふかふか、にしてさしあげましょう……」
 ふわもこが大好きな『さまようこひつじ』メイメイ・ルー(p3p004460)はやる気に満ちた目でわん様を見て決意を新たにしている。その横では自らの首元に忌避剤をぽたぽたとさしているのは『宙狐』庚(p3p007370)である。自分の自慢の毛並みに虫が移らない様にあらかじめ対策を講じているのである。境界のことなのだから意味がないようにも思えるが気の持ちよう。不安要素はなくしておきたいのだろう。
「きゃーん? わふっ!」
 大きな大きなわん様を見て仲間を見るような、そうではないような興奮した様子でぴょんぴょん跳ねたり回ったりしているのが『こわいよ!』佐藤 米造(p3p005416)である。たぶん、きっと、あらゆる意味でわん様は君の仲間である。全員の準備ができたのを確認してゲオルグが少し遠くにいるわん様にも聞こえるような声で語り掛ける。
「わん様、おいで」
 その言葉にわん様に耳がぴくっと動く。背中をこすりつけるようなあおむけの状態から素早くふせの状態になるとゲオルグに向かって猛烈な体当たりを仕掛けていく。あまりの迫力に米蔵が威嚇するかのようにひゃんひゃんと鳴きながら周りを動いている。
「よしよし、わん様、ふせ、ふせだ」
 周りにいた鳥が驚いて飛び立ってしまうほど大きな音を立てながらゲオルグにぶつかったわん様であったが、ゲオルグはそれを受け止め、撫で、萎れたもふもふを撫でながらふせの指示を出す。
 それと同時になぜか米造も同時にふせをする。
 まずはスキンシップで交流してコミュニケーションをとっていく作戦のようだ。ゲオルグが耳の裏などをわしわしと撫でてやるとわん様は気持ちよさそうに目を細めてもっとと言わんばかりに鼻先でゲオルグのお腹のあたりをどすどすとプッシュしている。
「わんさま、わんさま。少しブラシをかけますね」
 動物疎通によりメイメイの言葉は他のイレギュラーズの言葉よりもわん様はより一層理解でき、わふっと声を出して返事をしてメイメイの言葉にこたえてくれる。ふせの状態になってくれているとはいえブラッシングをしようと思うと全身を大きく使いながらの重労働である。
「はてさて、カノエも本気を出せば馬くらいの巨獣姿を取ることは出来ますけれども、それにしたって大きな犬にございますね」
 庚は己の経験則からブラッシングには手慣れており、毛先から丁寧にからまらないようにかけていく。わん様はそんな庚を不思議そうに仲間かな? 違うのかな? と見ていたが、メイメイと庚のブラッシングがとても気持ちよくどんどん目元や体がとろけていき、指示も出していないのに仰向けになりそうになっている。
 わん様と心を通わせる時間がしばらく続いていった。


 いつの間にか水着に着替えたゲオルグが動くわん様にまたがっている。傷だらけのムキムキの体を持つ男が巨大な犬にまたがっている。絵だけ見ると世紀末感が多少漂っている気がするが彼がやっているのはわん様のかゆそうな所を的確にわしゃわしゃ撫でてあげているのである。
 その動くわん様を先導しているのは……
「ひゃんひゃひゃん。わうんわぅーん!」
 やぁやぁ、ぼくこそは!ちょうつよくてちょうこわくてちょうつよいちょうせいぶつ! よねぞーだぞ!! と言わんばかりにちょこちょこ動き回りながらわん様を湖方面に導いていく米造である。米造はしばらく全力疾走して後ろを振り向くと全力疾走した分を一歩で詰められる。米造は湖につくまでの間、全力疾走を強いられた。
 湖畔につくといよいよわん様を本格的に洗い始めることになる。
「わんさま、まてですよ」
 お座りの状態でぴたりと止まるわん様。その隣で同じくぴたりと止まっている米造。
「ひゃんっひゃんっひゃーんっ」
 どうやら、この2人? の間でマテ対決が始まっているようである。そのうちに他のイレギュラーズ達がわん様を洗っていく。ボトル何本分かわからない量の犬用シャンプーをつけながらわしゃわしゃと皆で洗っていく。
 ついでになぜか米造も洗われていく。
「わんさま、お水かけますよ」
 メイメイがわん様に安心させようと言葉をかけたのだが、わん様がものすごく嫌そうな顔を見せている。しばらく見つめあうメイメイとわん様。
「カノエの出番ですね」
 湖の中に先んじて飛び込んで泳いでいた庚が湖から上がってくる。面影が若干残る程度にものすごくほっそりした庚が泡だらけのわん様にじりじりと近づいていく。
「カノエ、保水力なら他の方に負けておりませんよ! さぁ、わん様、カノエと遊びましょう。それとも、カノエがお嫌いですか? 怖くないですよ?」
 近づいてくる庚を心配そうに顔を下ろして、舐めようとするわん様。毛繕いをされながらわん様にたっぷりの水をしみ込ませていく庚。体が濡れたことで多少であるが濡れることに抵抗はなくなってきつつあるようである。
「そっちはもう終わったか?」
「だいじょうぶ、だいじょうぶですよ……あ、はい、これで……」
 シャンプーをしながらブラッシングをし、どうしてもほどけなかった毛ははさみでちょきんと切りながらわん様はすっかり泡だらけになっていた。水着になっていたゲオルグはわん様に乗っかって上の方や体の中心をマッサージするように作業をしていたのだが、どちらもひと段落がついたようだ。
 ちなみに、米造は泡により綿あめのようになっている。
 さて、少し濡れてしまって抵抗がなくなったとはいえ、そう簡単にわん様は湖に入ってくれそうにない。
「ほらほら、怖くないですよ! 湖! 楽しいですよ! ぷかぷか!」
 庚が再び湖に先んじて入って泳いで見せているが、わん様は友達が大変なことになっていると前足でちゃぷちゃぷと水をかくだけでなかなか湖そのものには入ろうとしてくれないでいる。自分の出番かなと言わんばかりに米造が泡だらけの状態ですくっと立ち上がる。それと同時にゲオルグとメイメイが大きなボールと小さなボールをそれぞれ取り出す。
「わん様、取ってこ〜い」
「えと……『取ってこい』、です…!」
 先に反応したのは米造である。メイメイの投げたボールめがけてダイブ! 続いて大きなボールに向かって意を決してゲオルグを乗せたままダイブをするわん様。
 ざっぱーん!
 と大きな音を立てて大きな水しぶきがあがる。ばっしゃばっしゃと豪快な犬かきの音と共にわん様についていた泡や虫たちが湖に浮かび流されていく。水着になっていたゲオルグが仕上げとばかりに水の中でわしゃわしゃよしよしと撫でてやり毛の根元までしっかりとシャンプーをすすいでいく。
 ボールを口にくわえ、庚を頭に乗せ、背中にゲオルグを背負い犬かきで急いで戻っていくわん様。やはり水に濡れるのはあんまり気持ちよくはないのだろうけれどさっぱりとした表情をしているように見える。
「きゃんきゃん!」
 小さなボールを口にくわえた米造は面影がないぐらいもこもこがしんなりとしていたが表情はとても得意げであった。
「戻った……タオルあるか?」
「……お疲れ、さま、です。あ、でも今はまだ拭かないほうが」
 曇ってすらいないのにメイメイは傘をさしている。それをゲオルグが不思議に思う間もなく、わん様と庚、米造が湖から上がってくる。濡れた毛皮を乾かすのにまずやる行為……三者三様の獣ドリルが発動しメイメイの傘を小気味よく鳴らしながら周りのものを濡らしていった。


 イレギュラーズの手際の良さと連携によりわん様の洗いはまだ太陽が高いうちに終えることが出来た。今、わん様はメイメイやゲオルグにタオルでわしゃわしゃ撫でられながら拭かれているところである。庚は自分のほっそりとした体を丹念に拭いてから、今度は自分をブラッシング中である。米造はタオルと戯れている内にメイメイやゲオルグに丹念にブラッシングされていた。日差しと風によりわん様、米造、庚、全員がいつもの毛並みやいつも以上の毛並みに戻っている。特にわん様はつややかで、極上のモフモフになっていた。
 お礼のつもりなのか、わん様は自らふせからの横にころーんとしてどれだけでも撫でちゃってください状態になっている。そのふっかふかの毛並みは触ろうと思うとどこまでもどこまでも沈んでいく。米造はもうどこにいるかわかんないぐらいに沈み込んでいたりする。しかし、ひゃんひゃんと元気な声が聞こえてくるので楽しんでいることは間違いない様だ。
「ちょっと、皆様、カノエも! カノエもわん様ほどではありませんがでっかいもふもふにございますよ! カノエも撫でてくださいまし!」
 庚の一言で今度はみんなして庚をなでなでと撫で比べが始まったりもした。もっふんもっふんのわん様。キューティクルなのか光輝いて見える庚。甲乙つけがたくものすごく撫でてもらえている。
 メイメイはたくさんのもふもふをたっぷり堪能した疲れか、わん様の一番柔らかいであろうお腹のモフモフを思う存分もふもふしてから温かさと規則的に動くおなかの揺れに眠たくなってわん様と共にお昼寝である。
 モフモフ(大)とモフモフ(中)加えてモフモフ(小)にフワモコ(雰囲気)に囲まれるムキムキことゲオルグは最後の仕上げにモフモフを楽しみながらこの光景に癒されていた。

成否

成功

状態異常

なし

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