PandoraPartyProject

シナリオ詳細

狐の嫁入り

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

・始まりはよくあるものだけど
「ねぇ、やっぱり私お父様には従えない。貴方と一緒がいいの」
「それは僕だってそうさ。君と一緒ならきっとなんだって…」
 深い深い森の中。頭には狐の耳が、そして腰から下には狐の尻尾がある獣人の男女二人がひと目を避けるように逢瀬を楽しむ。
 否、楽しむ、といった空気はこの二人にはない。出せない理由があるのだ。
「ええ、そうね…二人で逃げましょう。どこまでも、お父様の息のかからないところへ」
「ああ、この森を抜けるんだ、二人で!」

 その一方で
「絶対に許さん、許さんぞあの男……!拾ってやった恩も忘れおって!」
 灰皿を壁に投げつける、少し腹の出た、これまた狐の獣人が部屋で叫ぶ。
 大切に大切に育てた娘を、許嫁との結婚を前に使用人の男に誑かされたからだ。
「お父様……」
「ああ、すまん。だが、お前の姉はきっと取り戻してみせる」
 男の投げた灰皿を拾い上げ、まだ幼さの残る少女が不安そうな瞳で父と呼ぶ。

「男は殺しても構わん!だが、女は、娘には傷をつけず取り戻せ!」
 男の号令一下。黒い服を身にまとい、剣、槍、弓、銃を手にした若い衆が森を駆ける。
「絶対に……この婚姻は成功させねばならんのだ。この森の為にも……」
 タバコの煙を一つ吐き、テラスから森を見下ろしそう呟く。

「お父様…なぜ、なぜ私には期待してくれなかったの…?」
 一筋の涙を零す少女の嘆きは、父親には届かなかった。

・選択肢は3つあるよ
「駆け落ちって一種のロマンがあるわよね」
 一つの本を片手に持って、境界案内人のポルックスはどこか夢見る瞳でそう切り出す。
「でも、この本の世界では大変な事になっちゃうの。父親の独断で許嫁を決められた女の子が、愛する人と駆け落ちするんだけどね……」
 駆け落ちの最中に追手の放った銃弾により女性は死亡。彼女の死を眼前で見てしまった男性は怒りのあまりに彼女の父親を始めとした一族全員を根絶やしにしてしまうというのだ。
「そして、この一族は。周囲一体の森を護る守り人でもあるの。彼女、彼らが一人もいなくなれば森を護る結界は壊れ、いずれはこの森を起点として世界が死に至るの」
 だから、と続け。
「大きくわけて方法は3つあるわ。どれを選ぶかは皆に委ねるから…この森を救ってあげて」

NMコメント

新人ノベルマスターの以下略と申します。初シナリオとなります。よろしくお願いします
■重要人物の説明
・「守り人を継ぐべき者」シルヴィア・フォレスト
 一族の跡継ぎ娘。長女。長い金髪が特徴的。
 家に仕えていたコルスと恋に落ちたがそれを認めない父親と反発。駆け落ちに出ます。
 式神遣い相当の能力を持ちますが、HPはかなり低いです。
・「恋に落ちた使用人」コルス 
 幼い頃に両親に捨てられた所をフォレスト一族に拾われた青年。優男風味
 拾って貰った恩は感じているものの、シルヴィアとの恋を優先し駆け落ちに出ます。
 バトラー相応の能力を持ちますが、実は彼が登場人物の中では一番強いです。彼女を護る為に強くなった男
・「一族を統べる者」アングラー・フォレスト
 現在の一族の長。最近運動していないからか太り気味。
 シルヴィアを溺愛し、コルスを拾った優しさもあるが恋は認めなかった惜しい父親。
 式神遣い相応の能力を持ち、そこそこ強いです。が、実力的にはコルスよりは下。
・「姉を想う」メルティ・フォレスト
 アングラーの次女、シルヴィアの妹。姉の恋愛は応援していたが、駆け落ちという行動には胸を痛めている。
 シルヴィアの幸せの為ならば自分が犠牲になる覚悟はある。そしてもう一つの秘められた想いも……
 ホワイトオデット相当の能力を持ちます。実力的にはアングラーとほぼ同等
・アングラーの配下×数名
 武装してシルヴィアとコルスを追う配下です。人数は皆さんの選択次第で増減します。が、強くないです
・シルヴィアの婚約者
 基本的に作中には出てきませんが、皆さんの選択次第ではちょろっと顔出しします。実は今回の婚約には乗り気じゃない模様。その訳は……

■皆様の取れる選択肢
1.シルヴィア達の護衛につく
 駆け落ちする二人を応援する使用人という立ち位置になって、追手とアングラーを押し留めます。
2.シルヴィア達の追手となる
 駆け落ちする二人を追うアングラー側の配下となります。コルスとシルヴィアと戦う事になります。
3.エクストラルート
 1,2どちらの選択肢を選んだ場合にも起こりうる第3のルートです。皆様が「ある事」に気づきそれらを登場人物達に示した場合に分岐します。

 選択肢の記入は【1】or【2】でお願いします。
 
■特殊ルール
 皆様は事情を知っている側なので、行う全ての攻撃行動に【不殺】が付与されます。が、登場人物達はそうではありません。

■プレイング例
【1】
 恋する二人を応援する為に、追手達を食い止めます!

■最後に
 長くなりましたが、ここまで目を通して頂きありがとうございます
 どのような選択をとられるかは相談して決めてくださいませ

  • 狐の嫁入り完了
  • NM名以下略
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年12月10日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

タマモ(p3p007012)
荒ぶる燐火
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
汚い魔法少女
ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)
風吹かす狩人
ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)
決死防盾

リプレイ

・とにも始まる逃避行
「親父様の気持ちも分からなくはなイ。ただ、少し親心が強かったのサ…」
 愛のあまりに駆け落ちという逃避行に出てしまった若き男女、コルスとシルヴィア。その二人に付き従う従者となったイレギュラーズ達の一人、『風吹かす狩人』ジュルナット・ウィウスト(p3p007518)はそう二人に語りかける。
「そう…かもしれません。でも私はこの人と一緒にいたいのです」
「カカ!駆け落ちなんて若いのォ!だがその青さは妾は好ましい!」
 と、豪快に笑うは二人にそっくりな狐人の姿をした『荒ぶる燐火』タマモ(p3p007012)
 似た姿をしている為か二人に対して親近感を覚えているようだ。その美しい顔も二人を助けようという決意の笑みに溢れている
「しかし…お二人にはこうする以外の選択肢はなかったのですか?」
 瞳の奥に憂いを帯びて、『忘却機械』ヴィクトール=エルステッド=アラステア(p3p007791)はそう問いかける。
 この先に起きるであろう悲劇を避ける為にやってきた彼らだ。説得できて済むなら話は早いはず、と。しかし…。
「それは僕だってできればシルヴィアと旦那様を引き離したくはなかった。けど……旦那様は僕の言葉には耳を貸さず……」
「残念だけど、おしゃべりの時間はここまでみたいよ」
 コルスの話を遮り、躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)は歩いてきた森を振り返る。
 そこには武器を手に持った黒服の男たちが8人。口々に「いたぞ!」「捕まえろ!」と言っているのでアングラーの放った追手に間違いないだろう。
「お話の続きは後でしましょ。今は安全確保をね!」

・狐の嫁入りに降る雨は
「シルヴィア様はボクの後ろへ。大丈夫、ボクは頑丈ですから」
男達の姿を確認すると、ヴィクトールはすぐにシルヴィアをその大きな身体で隠してしまう。彼女の身に何かあってからでは遅いから、と守りに専念することを仲間に伝え。
「銃撃戦ならおじいちゃんにお任せサ。皆、行くヨ」
「そなただけにいい格好はさせぬ。妾もやるぞい!」
「わたしだって遅れは取らないんだから!」
 偶然か必然か。銃を持つ男達が多いのに対し、イレギュラーズ達も遠距離戦の手練ばかりだ。
 少し早く動いたジュルナットの弓から矢が放たれ、男の一人の足を射抜く。それを合図としてメリーの魔弾が頭を打ち、タマモの放つロベリアの花が男達を蝕んでいく。
「ちっ…こんな強いヤツがいたのか!」
悪態をつきつつも、応戦し銃弾を放つ男達。練度は低いといえど銃はそれを補う殺傷力と命中率を誇るものだが。
「この程度、避けるまでもありません」
 その言葉通り、ヴィクトールの持つ盾を貫くには至らず。彼の後ろに隠されたシルヴィアも当然無事だ。
 イレギュラーズ達が追手の気を引いた隙をつき、コルスが森を駆け男の一人を殴り倒す。銃弾で傷を負った者もいたが、シルヴィアの使う治癒の力ですぐに塞がった。
「ほぅ、中々の腕じゃのシルヴィア」
 癒しの力を見て素直に彼女を褒めるタマモ。確かにこれは、森の守護者を継ぐに相応しい力だと感じ、同時に失う訳にはいかないと改めて決意し。
「どーう?まだやるってのなら容赦しないわよ!」
 この数瞬のやり取りで力の差を見せつけたと感じたメリーが、小柄な身体に似合わぬ喝を放つ。これでは勝負にならないと判断した男達は倒れた者を放置したまま来た道を引き返していった。
「これで一先ず安心カナ。……じゃあ、二人の事は皆に任せておじいちゃんは別行動させて貰うヨ」
「それは構わないですが……どちらへ?」
 ヴィクトールの疑問に、ジュルナットは空を、森を見つめてから返す。
「この物語の鍵のところサ。だから…長との決戦はなんとか引き伸ばしておくれヨ?」
「できるかどうかは約束できないけどね」
「やれるだけはやってみようかの」

・愛はとても熱く温かいもの
「……森の守護者は伊達ではない、って事かしら」
 散々に道に迷ってしまった一行だが、なんとか木々の群れが開け、太陽の光が強くなってくるにつれ森を抜けるまで後少しと確信していた。しかし、森の出口にある姿に一筋縄ではいかないか、と気を引き締める。
 そこにいたのは先程逃げていった黒服の男達。それと、一人の青いスーツ風の服を身にまとった中年の男。
「お父様……」「旦那様……」
 シルヴィアとコルスの言葉が重なる。それがこの人物が誰であるかを顕著に表す。森の守護者一族を束ねる長、アングラー・フォレストその人である。
「報告を聞いて驚いたよ。我が家の使用人にお前達のような手練の者がいようとはな」
 世間話をするように。しかしその言葉に重みを乗せてアングラーはイレギュラーズ達に語りかける。
 その表情は大地のように硬く、絶対にここは通さぬと言わんばかりに。
「お褒めに預かり…とは言えませんね」
 ちょっとばかり茶化してみようとしたヴィクトールだが、アングラーは眉一つ動かさない。これでは効果はないかと口を噤む。いつでも盾を構えれるように、手には力を込めて。
「どうしてもここは通さぬつもりじゃな?」
「無論」
「なら、私達がどうするかも、わかるわよね?」
「ああ」
 タマモの確認する言葉に。メリーの最終通告に似た言葉に。たった二文字で応えるアングラー。その口数の少なさだけに娘を誑かされた怒りが、娘を護るという決意が込められている。
 一触即発。各々が武器を手に今にも開戦しようと…!
「待って!皆待ってください!」
 甲高い声が、そして息を切らして走る足音が空気を断ち切る。
 そこに現れたのは、ジュルナット。彼に手を引かれているのは一人の少女。予想だにしなかった乱入者に、関係者達の間に動揺が走る。
「メルティ!?」「メルティ様!?」
「どうしてお前がここに!?」
 その反応に、イレギュラーズ達は理解した。ジュルナットがどこに、何をしに行っていたのか。彼女が何者なのかを。
 この物語を、本当の意味での大団円に導く「鍵」をジュルナットはここまで連れてきたのだ。
「この方に背中を押されて来ました。……お父様、お姉様に、伝えるべき事があります」
 一瞬ジュルナットを見るメルティに、頷きで返す。後悔しないようにネと、言葉にはせず思いだけ視線に乗せて。
 彼女の決意の言葉に黒服の男達が銃を下ろす。それを見たイレギュラーズ達も力を抜いてこの物語の行く末を見守る。
「お姉様。私は確かにお姉様達の恋を応援すると言いましたが、駆け落ちとは。二度と私にお会いになって下さらないのですか?」
「そ、それは……」
「お父様。一族を束ねる者の血を継ぐのははお姉様だけではありません。このメルティもおります」
「……確かにそうだが……だが、お前はまだ若い……」
「関係ありません!」
 メルティの詰問に言い淀むシルヴィアと、アングラーだったが力強い彼女の言葉にぐうの音も出ない。
 「これはこれは、思った以上に強い娘じゃの」とはタマモ談。
 「実はこの子が跡を継いだ方が良かったんじゃないの?」とはメリー談である。
「それに、お姉様の婚約者様ですが……お父様はご存知なかったようですね。あの方は、私の事を好いて下さっております。勿論、私も彼をお慕い申し上げております」
「な、なにぃ!?」
 メルティの爆弾発言にアングラーは目を見開いて驚き、シルヴィアとコルスも顔を見合わせる。どうやら誰も二人の関係を知らなかったようだ。
「アングラー様。どうやらこの度の婚約…少々変更があるようですね」
 ショックから立ち直れていないアングラーの背に、ヴィクトールが語りかける。運命を変えるならここしかないとばかりに。
「そもそも件のご婚約。シルヴィア様である必要性はありましたのでしょうか?」
「ぐぬぬ……」
 続く彼の言葉に、歯ぎしりしか返せぬアングラー。その様子が言外に、必要性はなかったと告げている。
 言葉を返せぬ怒りと、己の何も知らなかった醜態に顔を赤くする長に、更に追撃をかけるイレギュラーズ。
「メルティは勇気を出して貴方に真実を伝えたのよ。ここで応えなくてどうするの!?」
「まさか…この期に及んで駄目だと申すつもりはなかろうな?」
女性陣の鋭い追及に、後退り。その背が緑の男に掴まれる。
「わざわざ想いの通じた恋人達を…二組も切り裂く必要は、ないんじゃないカネ?」
「お父様…」「お父様?」「旦那様…」
 娘達に。イレギュラーズに。部下達に。娘を拐かした憎い…いや、実のところは憎くはなかったのであろう男に一斉に見つめられ。切り抜けようと頭を働かせるが沸騰した頭ではいいアイデアは出てこない。
「黙っていてもわからないわよ!自分か相手かが魔法使いでもない限りね!」
「わかった、わかった!儂の負けだ!」
 ついに根負けしたアングラーが両手を上げ降参を告げる。そして半ば自棄気味に、この場にいる全員に間違いなく証人になるようにと声を張り上げる。
「シルヴィアの婚約は破棄!コルスとの交際を認める!代わりにメルティが婚約者となるように向こうの家には責任を持って取り計らう!これで良いのだろう!?」
「お父様……ありがとうございます!」
「だ、旦那様……」
 嬉しさのあまりに涙するシルヴィアと。そんな彼女の肩を抱くコルス。姉に「もう、泣かないの」とあやすメルティ。
 そんな彼ら彼女らに、最後にアングラーはこう伝える。
「コルス!…我が一族になるからには、しっかりと相応しい男になれ!そうでなければ許さんからな!」
「…はい!」
 どちらからともなく笑顔になる男二人。そして…。
「あれ?雨ダ」
 ジュルナットが空を見上げ、そう呟く。メリーも、タマモも、ヴィクトールも釣られて空を見上げる。
 先程までは晴れていた空は、いつの間にか鉛色で。ぽつりぽつりと雨粒が降っていた。
「狐の嫁入り、じゃからな」
「そういえば雨が降る、んだっけ?」
「雨は冷たくとも、愛は温かく…ですね」

成否

成功

状態異常

なし

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