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シナリオ詳細

《物語の娘》黄金のガーデンパーティ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●Let's party
 お日様がにっこりと笑い、美しく晴れた黄金色の昼下がり。
 この地域には2つの領土があり、それぞれ2人の女王様が管理してました。
 いつも暖かくて四季がぼんやりしている南側の領土。
 そこを管理する小麦色の肌に緩くカールした真っ赤な髪、それを耳より上でツインテール。
 元気で自信満々な赤の女王様です。

 いつも気温が低めで四季がハッキリしている北側の領土。
 そこを管理する美しい肌に背中の中程まで伸びたストレートの銀髪、それを耳の辺りでハーフアップ。
 控え目でおっとりした白の女王様です。

 この日は友好記念日を祝したパーティーです。
「「大変です、女王様!」」
 赤と白の軍服ドレスをまとったトランプ兵が2名、2人の女王様の元へ駆け寄ります。
 そして重々しく口を開くのでした。
「……双子のコックが」
「揃って牡蠣に当たって倒れてしまいました……」
 さあ、どうしましょう。これではパーティーができません。
 そこで彼らは……ーー

●集え料理上手
 図書館に踏み入れたあなた達を待っていたのは、地面まで伸びる長い髪を三つ編みにして左右に垂らした女の子だった。
 名をラプンツェル、天真爛漫で元気いっぱいの案内人だ。
「いらっしゃい。今日お願いする本は、黄金の昼下がりだよ」
 机の上に置いた本を嬉しそうに天へ掲げる。
 と言ってもラプンツェルは小さいのでそんな高くあがらない。諦めて机に置き直す。
「ガーデンパーティーをするのに、牡蠣でコックさんが倒れちゃったんだ」
だから皆でお料理を作ってあげて欲しいの。
 ラプンツェルは言うとよいしょ、と車椅子を動かして机の前に出る。
「向こうに何でも揃ってるから手ぶらで大丈夫! わたしもお手伝いに行くよ!」
 それにトランプ兵たちも手伝ってくれるそうだ。
 ところで、とあなた方のうちのだれかが手を挙げる。
「最初の語りで彼らって言ったけど女王様なんだよね?」
「うん。でも女王様たちとトランプ兵は女の子みたいに可愛い男の子だから」
 わたし、間違えてないよ。と、何事もないように平然とラプンツェルは告げた。
 この発言にある者は喜び、ある者は呆然とした。
 そんなこともお構い無くラプンツェルは練達の職人たちが1人でも移動できるよう改造して貰った車椅子を自慢する。
 とても楽しそうだ。
「みんなでガーデンパーティー、楽しもうね!!」

NMコメント

女王様(♂)たち主催のガーデンパーティーでお料理をご馳走しよう!
というシナリオです。
ラプンツェルとトランプ兵が皆さんの補助をします
なので凝った料理でも大丈夫です
プレイングにちょっとしたポイントやこだわりを書いておくと
恐らくリプレイの飯テロレベルがあがります
皆さんの飯テロを心よりお待ち申し上げます

●サンプルプレイング(キッシュロレーヌ)
最高級の小麦と香り豊かなバターで作り上げたパイ生地をキッシュ型に敷き詰め、冷凍庫で休ませる。
その間に1センチ幅に切ったベーコンをカリッカリに炒め、美味しい香りが飛ばぬよう余分な脂だけキッチンタオルで名残惜しいがきっておく。
ほうれん草は軽く茹でて色合いを良くして水気を絞ってから二センチ幅で切る。
ボールに卵を割り入れ、生クリーム、牛乳、ナツメグ、塩を加えてよくかき混ぜる。そして上からグリュイエールチーズをすりおろしながら入れて混ぜよう。美味しいぞ。
休ませていたキッシュ生地を冷凍庫から取り出してベーコンとほうれん草、そしてボールの中身を流し入れて220度15分焼いて、さらに160度35分焼く。
その上にハーブを散らして飾り立てれば完成だ。

●パーティー
女王様ふたりに作ったキッシュロレーヌを直接、献上しよう。
「どうぞ、女王様方。私の作ったキッシュロレーヌという料理です」
どうかな、お口合うかな。ドキドキしちゃう!

  • 《物語の娘》黄金のガーデンパーティ完了
  • NM名桜蝶 京嵐
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年12月02日 22時40分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

古木・文(p3p001262)
文具屋
沁入 礼拝(p3p005251)
足女
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い

リプレイ


 ラプンツェルを先頭に降り立ったイレギュラーズを待っていたのは2人の女王様だった。赤の女王様がマントを広げて一礼する。
「よく来てくれた、アリスたち。どうかよろしく頼みたい」
 白の女王様もキュロットスカートの裾を摘まんでお辞儀する。
「アリス。美味しいの、期待してるよ」

 女王様たちに案内された厨房は広々としていて、結構変わった調理器具まで揃っていた。
 これだけ広いので、4つに区切って使っても充分に広いだろう。
 中央の机には食材が揃っていて、これもやっぱり色々と変わったものまであった。
「すごいなぁ……。これなら何でも作れるし、私はフランス料理でええかねぇ」
 さっそく厨房を一周した『呪刀持ちの唄歌い』紅楼夢・紫月(p3p007611) が材料を厨房の一角へ並べて作業を開始させる。
 まず、パプリカとズッキーニを一口サイズに切った。
 続いて煮込み鍋にオリーブ油をひき玉ねぎとニンニクを先に炒めて香りがした辺りで女王様たちを呼ぶ。
「なぁ、この香り大丈夫? ニンニク苦手?」
 ニンニクは人によって苦手な人がいることを思って呼んだらしい。
「オレは大丈夫だ。白も平気だよな?」
「うん! とってもお腹の空く香りだね!」
 それを聞いて安心した紫月は最初に切ったパプリカとズッキーニを入れて水とコンソメ、多めのトマトを入れてしばらく煮込むよう、トランプ兵に任せた。
 そのまま隣のコンロを使い、圧力鍋にオリーブ油をひき、一口サイズのブロック形状に切った豚肉、みじん切りにした玉ねぎ、人参、セロリを一緒に入れて混ぜる。
 軽く混ざったところでトマトと水で作ったソースを入れ、今度はよく混ぜてローリエを入れて蓋をし中火で煮詰める。
「ラプンツェル、味見」
 塩胡椒を片手に使い終わった調理器具を洗っていたラプンツェルを呼んで味見をさせる。
「ちょっと足りない? でも美味しいよ、紫月ちゃん!」
 素直なそれに笑って塩胡椒で整えてから完成させた。
 最後に煮込みを作ろうと、別の圧力鍋にオリーブ油を引いて火をかけてニンニクを入れて炒める。
 香りがしたらベーコン、ネギ、玉ねぎ、トマトを入れて焦げないように水を適量入れながら炒めていく。
 その間にトランプ兵にお願いして塩胡椒で味付けした牛肉をフライパンで表面を美味しい色にして貰う。
 充分に熱が通ったら圧力鍋の方へハーブと一緒に入れ、赤ワインを材料が隠れるぐらい入れ11時間ほど煮込む。
 煮込み終えたら牛肉を出し残った野菜と出汁をブレンダーにかけまた鍋に戻し塩胡椒してソースを作りソースを牛肉にかけて完成。
 一気に3品も作った紫月は額の汗を拭ってエプロンを外すと、会場へ料理を持っていくトランプ兵たちを見送った。
「口に合うとええんやけどねぇ」


 紫月の後ろで作業していた『文具屋』古木・文(p3p001262)は、女王様たちとトランプ兵が男の子と聞いて驚いていた。
「えっ、男の子!? 此処にいる人、全員!?」
 隣で玉ねぎとニンジンを切ってくれているトランプ兵はそれに頷く。
 凄く綺麗な女の子かと思っていたけど……そうか、世界は広いなぁと感嘆の息が溢れた。
 文は赤色と白色を使った料理にしようと決めて、赤ワインのビーフシチューと白ワインのチキンシチューの準備をしていた。
 セロリは苦手な人もいるから細かく刻み、大きめのマッシュルームとトマトは皮を剥いてザク切り、牛肉の下味はシンプルに塩と黒胡椒だけだ。
「強力粉をつけておくと、煮込んだ時に少しとろみがつくんだよ」
 何かと熱心に見て聞いてくれるトランプ兵とラプンツェルにも分かりやすく説明しながら進める。
「鳥肉の下味は塩麹があればいいけど流石に……」
「ありますよ」
 嘘ぉ!? と、振り返った先にいたトランプ兵は確かに塩麹のチューブを持っていた。
 異世界で塩麹。文はちょっぴり宇宙を見た。
 気を取り直して刻んだニンニクとバターで野菜に火を通してから鍋にドンと入れる。
 シチューはチキンスープ、ビーフシチューはコンソメスープをベースするようだ。
 ワインと香草でお肉を煮込んでいる内に付け合わせを作り始める。
 ジャガイモは櫛形に切って、軽く塩を振ってオーブンへ。香りつけにローズマリーを散らし、軽く茹でた彩りのブロッコリー。
最後の隠し味に蜂蜜とお醤油を鍋に垂らしたら完成だ。
「僕のは完全に家庭料理だね。口に合えばいいけど」


「華やかな催しに負けない1品を作らないといけませんね」
 そう意気込み、作業を始めたのは『足女』沁入 礼拝(p3p005251)だ。
 パイ生地をざっくざくの食感にすべく、小麦粉にバターをたっぷり入れて何層にも折り込む重労働を体力自慢のトランプ兵たちへお願いすると、ピスタチオフィリングを作る。
 よく練ったバターに砂糖を加えてそれから卵白。
 卵の味わいは素敵だが、ピスタチオの香りを強調するために今日は卵白だけにして、材料が全部混ざったらピスタチオの粉と小麦粉を入れてざっくり混ぜ合わせる。
 トランプ兵によって完成したパイ生地、フィリング、砕いたピスタチオを交互に重ねて焼き上げると良い香りが辺りに立ちこめる。
「ふふふ、ザクロはこれからですよ」
 美味しい香りに惚けるラプンツェルにたしなめるように言い添えると、バラバラにしたザクロの身を鍋へ、砂糖と水とレモンを少しだけ垂らすよう入れる。
 少し煮詰め、ザクロがキラキラと輝いた辺りでソースの完成だった。
「これを焼きあがったパイに満遍なくかけてから切り分けて頂くとね、甘くて濃厚なピスタチオに甘酸っぱいソースがよく合うんですよ」


「アウローラちゃんは甘くて美味しいお菓子を作るんですよー!」
 『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)がそう宣言して拳を突き上げれば、近くにいたトランプ兵たちも一緒になって拳を突き上げる。
 まずトランプ兵たちが焼いてくれた、柔らか感触のケーキのスポンジへ生クリームを塗ってミカンやイチゴ、マンゴーを乗せていく。
「きれい。器用なんだね、アウローラちゃん」
 一通り調理器具を洗い終わったラプンツェルが綺麗に塗り込まれた生クリームの壁を見て感心した声をあげる。
「まあね! 生クリーム残ったよ、舐める?」
 悪戯に笑って今度はチョコレートケーキとチョコレートフォンデュに取り掛かる。
 溶かした生のチョコレートでケーキのスポンジに塗って今度はブルーベリーと苺をトッピングしていく。
 その隣でトランプ兵が板状のチョコレートをざくざくと細かく刻んで牛乳の量を慎重にはかる。
 トッピングを終えたアウローラが鍋に刻んでもらったチョコレートと牛乳を入れて、弱火でじっくり温める。
 にこにこしながらも、チョコレートが溶けて滑らかになる瞬間を見極める。
「うん、良いみたい。ガスコンロで運んでもらっていいかな?」
 冷めても温め直せるよう、ガスコンロでの運搬をトランプ兵へお願いしてアウローラも作業を終えた。

 イレギュラーズたちの料理とスイーツがテーブルに並び、それぞれが席に着く。
「他の人はどんなものを作ったのかな。楽しみだよ」
 文が待ちきれない様子で腹を撫でれば紫月が力強く頷いてアウローラを見る。
「あちこちから美味しそうな香りがしてなあ……。特にチョコレートがたまらんよぉ」
 これにアウローラは手伝ってくれたトランプ兵たちとハイタッチを交わした。
 そこにラップが吹き渡り、豪華にドレスアップした女王様たちが入場してくる。
 花とリボンで飾られた立ち台に揃って立つと、一度だけ顔を見合わせて正面に向き直る。
「今日は友好記念のパーティーへようこそ、いらしてくださいました」
「会場の準備をしてくれたみんなと、今日の為に料理やスイーツを作ってくれたアリスたちに感謝を」
 白の女王様が口上の口火を切り、赤の女王様がシャンパンを高く掲げて感謝の意を伝える。
 それに合わせてイレギュラーズとトランプ兵たちが立ち上がって飲み物を2人に向かって掲げる。
 「「美しい世界へ、乾杯!」」
 2人の女王様の音頭でパーティーが始まった。

 
「う~ん、文のシチュー美味しい! パンが止まらない!!」
 アウローラは文が作ったチキンベースのシチューが気に入ったのか、何度か食べていた。その文はカスレに舌鼓を打っていた。
「紅楼夢さん、凄いね。あの短時間でこんな凝ったものを……」
「良かった、口に合ったようやなぁ。文のビーフシチュー、お肉が柔かくて美味しいねえ」
 感心しながらも手と料理トークは止まらず、ラタトゥイユと煮込み鍋にも手が伸びていく。
「どうぞ、女王様。私が作ったパイです。しっとりザクザクで、甘酸っぱい、とっきおきの味なのです」
 女王様たちの食事が落ち着いた頃を見計らって礼拝がたっぷりザクロのソースをかけたピスタチオのパイを差し出す。
 礼を言って白の女王様が一口食べた途端に頬を染め上げる。
「美味しい……! ピスタチオがこんなに甘いなんて!」
 隣で食べていた赤の女王様は最後の一口を飲み飲んで、礼拝の白い手を取った。
「すごいな、アリスたちは! いくらでも食べたい味だ!」
 一方、机ではチョコレートフォンデュが早々に売り切れてケーキも数えるほどしか残っていなかった。
 他にも鍋の料理は底を見せていて、大勢の人たちに人気だったのが伺える。
 それを察知した赤の女王様が再び立ち上がり、白の女王様を伴って台へ向かう。
「みんな、今日は本当に楽しい会と食事をありがとう」
「本当に美味しくて気付けば夕暮れ前」
 夕陽が落ちる前にアリスたちを見送ろうと白の女王様が言えば、トランプ兵たちが綺麗に並ぶ。
「「ありがとう、アリスたち。またね!」」
 女王様たちの見送りを受けて、イレギュラーズは大きく手を振りながら別れの言葉をそれぞれに口にする。
 ーー黄金のガーデンパーティ、愛でたし、愛でたし。

成否

成功

状態異常

なし

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