PandoraPartyProject

シナリオ詳細

朱づく微笑みの為に

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●急募:デート服コーディネーター
「明日のデート……ど、どうしたらいいんだろう?!」
 時刻は昼を少し過ぎ去る頃。原間 日和は酷く焦っていた。これまでの人生オシャレをする機会に恵まれなかった彼女は、一目惚れから始まり様々な出来事を経て仲良くなってきた先輩からデートに誘われたところまでは良かった。

 だが彼女はオシャレへの自信は他の不得意なものよりも皆無だった。
 これまでは学校でしか会ったことがなかった為に、そのことがすっかり抜け落ちていて今現在非常に困り果てている。
「こんな時誰に相談したらいいの?」
 両親に相談するのは気が引けた。愛情深い二人だからまだただの片思いなのに変に期待させてしまうかもしれない。……いや、まぁ、先輩から誘われたのだし……そうは若干、若干思うけれど!
「か、からかわれてる……かも、しれない……し……」
 ぽつりと呟いた自分の言葉にガクンと突き刺さってしまう。そうだ、からかわれてるのかもしれない。だから別に本気になって服装を考えなくても……でも本気で誘ってもらっていたら失礼だし……。日和はうんうんと頭を抱えて必死に思考を巡らせる。

「あ!そうだ!」
 あの四人に聞こう! あの四人ならきっと助けてくれるかもしれない! そうして閃いた日和は急いで自分の電子端末を手に取り、とある四人へメッセージを送信した。


 ここは小説『Blue spring girl』の世界。異世界の現代日本に似た世界観を持つ。そんな世界で引っ込み思案でトラウマを抱えた少女が、入学式に先輩に一目惚れする……よくあるタイプの恋愛ものである。
 一目惚れし先輩を目で追ったり先輩から距離を縮められたりと、その流れは順数満帆とも思えたのだが……

「その主人公の女の子、初めてデートすることになったものの、ファッションがわからなくて……デートの服装、どうしたらいいかわからないみたいなの……!」
 『ホライゾンシーカー』ポルックス・ジェミニは悲しげにふうとため息を着きつつ続ける。
「そこで女の子はデート一日前の昼頃にとある四人に助けを求めるの。その四人の中の一人にあなたはなって欲しいのよ! どうか助けてあげて!」
 君達イレギュラーズが突然友達、先輩後輩を装っても元から居た登場人物として扱われるだろうから。そう付け足したポルックスは恋をするこの素直で純粋な乙女にどうか力を貸してあげて! と、そうあなた達に告げるのであった。

NMコメント

月熾です。今回は四作目になります。
シリアスが続いたので日常、恋愛ものを選択してみました。
どうぞよろしくお願いします。

●依頼内容
恋愛小説の主人公『原間 日和』のデート用の服装をプロデュース。
成功条件は少女がその服装を気に入ること。

●詳細
イレギュラーズの皆様の役割は少女がいつも頼りにしてる四人、友達、先輩後輩になって、困っている少女を助けることとなります。

服装のコーディネートがメインとなりますが、少女は初めてのデートとなりますのでそれについてのアドバイスもあると少女とより打ち解けやすいでしょう。

人物データ
・原間 日和(はらま ひより)
高校一年生の16歳。絵を書くことが好き。
生まれつきの茶髪を下の方で二つ結びにし、栗色の眼が特徴。
ファッションには疎く普段はジャージで過ごすことがしばしば。
自分にに自信がなく可愛らしいものには躊躇しがち。
化粧っ気のない素直で純粋な女の子。

●世界観
現代日本を舞台とした女子高校生が主人公の恋愛小説『Blue spring girl』の世界。
引っ込み思案でトラウマを抱えた少女が、恋を通して人としても成長していく物語。

●サンプルプレイング
可愛らしい女の子のお願いじゃあ叶えてあげるしかないわね!
この私が超絶可愛いコーディネートしてあげる!

【友達】
友達なんだから呼び捨ててもいいわよね?
日和はどんな服装が好きなの?
私はねぇ……日和にはもーっと可愛い服が似合うと思うのよね!
コートを着て短めのスカートをはいて……
不安ならタイツをはくのも良いんじゃない?
大丈夫、大丈夫!先輩から誘われたんでしょ?
なら普段とは違う服装で可愛く着飾らなきゃ損よ!



それではご参加、お待ちしております。

  • 朱づく微笑みの為に完了
  • NM名月熾
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月30日 22時30分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)
戦場の医師
庚(p3p007370)
宙狐
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
惑(p3p007702)
かげらう

リプレイ

●ゴコイチ仲良しグループ
 四人はそれぞれの家で電子端末の画面を見ていたところから始まる。その画面には日和の悲痛なSOSが書かれていた。
「ああーもーなんて可愛いのかしら! 恋する女の子って良いわよね〜! いいわよいいわよ〜! アタシは恋する女の子の味方よ!」
 『オネェ口調のマスター』ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)は可愛らしい乙女のメッセージに普段の不機嫌そうな表情も緩んでいた。
「日和様……いえ、日和先輩のためにかわゆい後輩が一肌脱ぎましょう。このかわゆい後輩がね!」
 『宙狐』庚(p3p007370) はそう後輩と強調しながら得意げな様子。
「恋する女の子は全力で応援したいから喜んで!」
 乙女の味方である唯一の乙女『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)も楽しげな様子で。
「初デートの事で友達に助けを求めるなんて純粋で可愛らしい子やね。なんとしてでも成功させてあげんとなぁ!」
 気合い入れていこうか! と『かげらう』惑(p3p007702)も意気込みは充分。
 こうして四人は日和と話し合い、これから五人で買い物へ出かける運びとなったのだ。




 五人は近場の駅周辺で待ち合わせていた。
「あ、あの……よろしくお願いします……っ!」
 この四人に助けを求めた女の子らしい服がないと嘆いていた制服姿の少女、原間 日和は深々と頭を下げる。日和には『いつもの四人』として見える為、警戒心は見受けられないようだ。
「私にまっかせて! 日和ちゃんカワイイから何でも似合うよー!」
「ふぇ?!」
「日和が恋か〜、いいなぁ、うん、恋する女の子は可愛い! よしよし、可愛い後輩の為に全面的に協力するぞ!」
「は、はひ!」
 それぞれ頼りになる言葉に恥ずかしがりながら答えつつも、日和は内心安心感を覚えて。
「さぁさ、まずは街へ繰り出しましょう!」
「ま、街に……です、か? せ、制服でも……大丈夫、かな……」
「なあに服を探しに行くんやろ? いけるいける」
「で、では……行きますっ!」
 庚と惑の優しい言葉に日和は安堵しつつそう意気込み、五人はゆっくりと歩き始める。

 駅から少し歩けばすぐに繁華街へ出る。
 そこにはお手頃な値段のファッションセンターや、高校生には少しお高めなブティックが建ち並んでいるのが見えて。
「日和ちゃんは素朴可愛い子だし、あんまり雰囲気をガラッと変えたらお相手も戸惑っちゃうでしょう。変に飾り立てるのではなく、元の魅力を引き出す落ち着いた色合いの服がいいかな?」
 あんまり無理したら今後オシャレ続けられないしね、とにこやかに言うウィズィに日和はこくこくと頷く。
「まぁ、先ずはリサーチだ! 初デートだからな! 最初が肝心だぞ! 最初だから相手の好みに寄せても良いだろう。早速服を見に行くぞ!」
「はいっ!」
 高校生とはかけ離れた見た目のジェラルドではあるが、親しみを寄せる仕草やこの世界のフィルターによって日和は頼りになる先輩を見るように微笑む。
「あ、てか、予算いくらくらい? あんまり無茶できないかな? プチプラで攻めよっか!」
 そう言えばとウィズィは日和に振り返り。……確かに高校生のお財布事情では背伸びした洋服には手が届きそうにない……そう予算を見破られた日和は目を見開いて驚きつつもまたこくこくと頷いた。
「じゃあまずはあそこの手頃そうなお店へ!」
 そうウィズィの先導のもと五人はそのお店へ入っていく。店内は落ち着いた空間に広々とした商品スペース、試着室もそれなりにあり客層をチラリと見るとファミリー層が多い様子。
 すなわち様々なニーズに応えられる様々な衣服が売られており……そして何よりもお財布にも優しい。
「これは……探しがいがありますねぇ」
「服にもこんな種類あるんやねぇ」
「わ、私も初めて来たので……こんなお店があったんですね……」
 広々とした空間に庚と惑も関心していると
「まずは全体のコーディネートはひとつのテーマで纏めよう、日和は可愛い系が似合いそうだ。ニットにチェックのスカート、ストッキングはニーハイレース柄で、帽子か靴に差し色でワインレッドとかどうだ?日和の好きな色を差し色にしてもいいな……とりあえず見繕ったから試着してみろ」
「え、も、もう見つけてきて下さったのですか……!?」
 ジェラルドのその手に持っている衣類に日和が驚いたのも束の間。
「私だって見つけてきましたよ! アースカラーのロングスカートとか……黒猫模様のニットのセーターとか……!」
「わぁ……猫ちゃん模様可愛いです!」
 ウィズィが選んできた衣類にも日和はパァッと笑顔が咲く。
「カノエも負けてられませんね! 衣類は充分あるようなのでカノエはアイテムを探してみましょう。あまり沢山アイテムを足しては今後一人でコーディネートする際にバランスを取るのも、組み合わせていくのも大変ですからね。できるだけ単色でモノクロ、シルエットの小さいものを勧めします」
「アイテム……付けすぎるのも確かに良くなさそうです。さり気ないものが良いんですね!」
 庚の助言に関心を深めながら、日和もキョロキョロと見渡していたところ
「わても小物類でアドバイスしようか! もうすっかり冬やし、こういう……あ、ピアス開いとらんかったね。ごめんごめん! 日和ちゃんにはこっちやね。ファーのついたイヤリング! これならどんな冬のファッションに合わせやすいし、穴を開ける訳でもないから校則違反もしないし……どうやろ?」
「わぁ……こんな可愛いのつけていいのかな……? でも付けてみたいな……うん、挑戦します!」
 惑に勧められたイヤリングにもニコニコと答え、可愛い服に可愛い小物を選んでもらい、日和はすっかりファッションへの関心が高まっている。
「さぁさぁ試着試着!!」
「時間が無くなっちゃうぞ!」
「あわわ!はいっ!」
 ウィズィとジェラルドに促されて日和は試着室へ入る。日和はどれから着ようかな?とワクワクとした気持ちで衣類を眺めて……これと、これと、あとこれかな? と呟きながら選んでいく。
「気に入ってくれるとええんやけどね……」
「皆様もカノエも一生懸命選びましたから、きっとお気に入りが見つかるはずです!」
「日和ちゃんの可愛い姿、楽しみですね!」
「……っと、そろそろ着終わったか?」
 四人も彼女の為に探してみたものの結局は本人次第。どんなものを気に入っただろうか? とそれぞれがそわそわした様子の中、日和は試着室のカーテンを開けた。
「ど、どうで……しょ、か……?」
 おずおずと現れた日和は黒猫模様のニットのセーター、チェックのスカート、ニーハイレース柄のストッキング。ワインレッドの帽子は手に持ちつつ、ファーのついたイヤリングを揺らして……まさにこれからデートに向かう女の子の姿。
「あらヤダ〜! ちょーカワイイじゃないの〜! いいわねいいわね〜!」
「ほんとですか?!」
「ほんとほんと! すっごい可愛いよ!」
 ジェラルドとウィズィの言葉に日和はホッとひと安心する。似合ってなかったら申し訳ないと思っていたけれど、四人の反応を見て日和は微笑みが零れた。
「これなら差し色はショートブーツにしましょう? 折角綺麗な髪をしてるんだもの! 帽子で隠さずアレンジして魅せましょ! バレッタも可愛いの探しましょ!」
「ふむ、ではアレンジしやすいように髪型はいつものものにほんの少し手を入れる程度の変化をつけるのがいいでしょう。結ぶ前にコテで毛先に動きをつけてミックスウェーブにするのもいいですし、おリボンを巻き込んで結んでも可愛いですね」
 ジェラルドと庚は髪型の案を膨らませながら
「後はマニキュアなんかどう? リップの色に合わせた赤、ええと思うんやけど……指先に暖かみが乗ってかわええと思うし」
 惑も手先についてのアドバイスを並べる。
「こんな自分の姿……夢みたい……! 皆さん、ありがとうございます!」
 四人のアイデアが詰まったその服装に、日和は満面の笑みを浮かべた。




「さぁさ、最後にデートに関するアドバイスですよ!」
 店を出て少し歩いたところでウィズィがそう切り出した。
「デートと言えばタピりましょう! こういうのは並んでる時間を一緒に過ごすのが何より大事なんだってね?」
「タピ……タピオカのこと、ですよね……オ、オシャレだ……!」
 女子力の高さに感心する日和に
「あとは美味しそうなランチとか……あ、猫カフェとか! デートスポットもチェックしよ!ほらそれにメモメモ!」
「あわ、は、はい……!」
 ウィズィに促され日和は慌てて自分の端末にメモを打ち始める。
「リップは赤の濃いヤツとか! テカテカに塗りたくっちゃダメよ、ちゃんとおさえ紙で控えめにね!」
「確かに……えと、リップは控えめ……」
「そしてオーデコロンを一振り。柑橘でも、お花でも、お菓子のような匂いでも。気分も変えられますし、内腿や膝裏なら強く香りませんから印象を変えるにはもってこいです」
「コロン!色んな香りがあるんですね!」
「わてからは……そうやな。日和ちゃんは可愛いから、きっと明日先輩褒めてくれると思うんや。勇気がいると思うけど、謙遜しないで「ありがとうございます」やで! 余裕があったら先輩の格好いい所も褒めるとええよ! 日和は可愛いから。もっと自信持ってええよ」
「は、はひ!!」
 次々に来るアドバイスに必死になってメモをとる。そして
「よし。最後に私が、デートにおいて一番大事なことを教えてあげます!」
「は、はい!」
「……前の日は、よく寝ておくこと!!」
「ふぇ?」
 日和はその言葉にキョトンとしていたが
「明日のデートを控えて緊張してるだろうし……これだけしっかり準備万端にできたんだから、今夜は安心しておやすみ!」
 そう肩をポンッと叩くウィズィに、日和は満面の笑みではい! と返した。

成否

成功

状態異常

なし

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