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シナリオ詳細

星芒のカンパネラ

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●星統べる種の王子
 熱のない澄んだ黒宙に幾つもの破片が漂っている。それをデブリと呼んだ『ソレイユ人種』はもう滅んでいた。
 音を伝えることのない冷たい宙空を1人乗りの小型スペースシップが駆けていく。乗っているのは亜人種『プロキオン』の少年だった。

 一つの蒼き星に発祥した人というソレイユ人種はやがて知恵を巡らせ世界の仕組みを紐解いていき、やがて母星から飛び出した。彼らが世代を重ねて研鑽した科学は、しかしある時敗北した。彼らが万物に通用すると信じた物理法則の定規では計測のできぬ現象・奇種が存在するのだと判明したのだった。
 それが、彼らが『異星人(モンスター)』と呼んだプロキオンだった。外見自体はソレイユ人種とそう変わらないプロキオンは、ソレイユ人種よりも遥かに宇宙空間での活動に適応した体を持ち、ソレイユ人種が必要とする三分の一量しか栄養摂取を必要とせず、ソレイユ人種の数倍の寿命を持ち、個人差はあるものの手足を使わず超能力で物体を動かす事のできる不思議な種族だった。
 ソレイユ人種は、プロキオンの不思議を解明もしくは否定しようとした。そして、自分達よりも生物として上等な能力を有する彼らをやがて『同じ世界に生きる隣人』ではなく『モンスター』と差別し、排除しようとした。そのため『正当防衛として』プロキオンはソレイユ人種に抗い、結果としてソレイユ人種は滅びたのだ――現在伝わっているプロキオンの歴史では、そう教えている。
「同じ世界に生きるものどうし、仲良くすればよかった、……と僕は思うのですけれど」
 ぽつりと少年が呟く声を聴く者はいない。
 シップを走らせながら少年が生真面目な顔で聴いているのは歴史を語る機械音声だ。ぐるりと周囲を巡りながら少年のキトンブルーの瞳がシップのモニターに映し出される二つの衛星を伴う青き惑星を視る。
 とても綺麗だ。少年は思った。
「決めた。この星の名はカンパネラ(鐘)としましょう」
 ――美しく鳴れ。
 少年は厳かに名付けをし、機械音声を止めてシップを止めて伸びをした。周囲にはただ冷たい沈黙がある。

 プロキオンの王には二人の子がいた。姉王女は傷のない玉の器と言われる優秀さ。対して弟王子は姉の影になりがちな控えめで今ひとつ覇気のない子供であった。王の跡継ぎは姉であろうと誰もが想っている。弟である少年もまたそう思い、将来は辺境の何処かの星に引き籠りディレッタントになると戯けた公言までしている――まだ年端もいかぬというのに! 王はそんな少年の誕生日に、何を想ったか開拓の進んでいない無人の星をひとつ与えて「好きにせよ」と言ったのだった。
 水がある、空気がある。探索してみれば生き物もいるかもしれない――、
「でも、友達はできそうにありませんね」
 独り言に応える者はいない。
 少年の日常の世話は入力された通りに行動する無機質な機械人形が担当していた。何かを学ぶ時の教師も機械音声か、遠く離れた星にいる者の立体映像だ。物心ついた時から家族は離れ離れの星の宮に住み、生身の他者と身近に接する事は滅多にない。


 ほんとは、ともだちがほしい。


 情報端末で読んだ古い御伽噺に出てくるようなヒトとヒトの友情や絆に少年はつよく関心を抱き、魅力を感じていた。なのに現実は――微睡むような平和の中、美しいだけで何もない宇宙(せかい)。少なくても少年にはそう思える。
 幽愁に睫を伏せて溜息ひとつ、少年は操作卓(コンソール)に指を躍らせてシップを再び走らせた。星芒麗しきプロキオンの庭は只管に澄み、惑星の青が誘うような色を魅せていた。
 漂う破片は何処から来た何の破片だろう――少年はふと自分の知らない広い世界に思いを馳せながら彼がブドウ砲と呼んでいる特殊光砲でデブリを焼く。葡萄色に灼かれた物体は一瞬で跡形もなく消滅し、幼い少年は思う。

 争いし2者にとって互いはデブリのような存在であったのだろうか? ……と。


●星廻のカンパネラ
 物語紡ぐ声が図書館の空気を穏やかに震わせる。

「宇宙空間で、のんびり遊んでみないかい」
 境界世界の案内人、カストル・ジェミニがそう言った。手には一冊の本がある。
「その世界は、地球発祥の人間、『ソレイユ人種』が戦争で滅んだ世界なんだ。『ソレイユ人種』と戦っていた亜人種の『プロキオン』達がのんびりと宇宙を統べていてね」
 カストルは瞳に楽しそうな色を浮かべた。
「一人用のスペースシップに乗って、惑星『カンパネラ』の近くで自由に遊んでみるのはどうだろう。宇宙服や魔法のチカラで身を護り、宇宙遊泳してみるのもいい……君たちは、シップの操縦も簡単にできるし、宇宙空間に出ても安全に遊泳できる加護を受けて活動できる。きっと楽しいよ」

 それから、とカストルの声色が一層優しく付け足した。
「近くには、たまたまプロキオンの王子様がいるんだ。護衛もなく、一人でね。というのも、その星の周辺宙域が王子様が王様から貰った『私的な庭』だからなのだけど……、うん、そういう種族なんだ。
 大人しくて人の温もりを知らない孤独な少年……イル・エルム・ド・プロキオン。人間の年齢で10歳に満たないくらいかな。イル王子と言うんだけど、イル王子は誰かとお話したり、遊んだりしてみたいみたいなんだ」
 カストルは本のページをぺらりとめくった。
「僕は、君たちがイル王子と仲良く楽しく遊んで、彼に良い影響を与えてくれたらいいなって思ってるよ」

「種族『プロキオン』の人生は長い。その長い人生の、まだほんの始まったばかり、入り口にいる子供だ。
 イル王子は君たちを見ても、攻撃をしてきたりはしない。まあ、君たちのほうから敵意を向けて攻撃をすれば、もしかしたら逃げていったり、反撃してきて喧嘩になるかもしれないけど。そうでなければ好奇心いっぱいで君たちの傍に寄ってくると思うよ。挨拶をすれば挨拶が返ってくるだろう。言葉は通じるんだ。
 彼の人生の長さを考えれば瞬きほどの時間。そんな短い交流になるけれど、きっと君たちの言葉は長い人生を生きる彼の価値観や感性に大きな大きな影響を与えることだろうね」
 カストルはにっこりと笑った。

 物語紡ぐ声が図書館の空気を穏やかに震わせる。
「どうだろう。ちょっと宇宙空間で遊んでみないかい」

NMコメント

 おはようございます。remoです。
 初めましての方も、そうでない方もどうぞよろしくお願いいたします。

 今回はプロキオンという種族が統べる宇宙世界での冒険となります。ふわっとした感覚で楽しめる宇宙ファンタジーです。

 ●遊び方
 惑星カンパネラが視える宇宙空間でのんびりひとときを過ごして頂けます。(惑星に降りて探検はできません。あくまでも宇宙空間で遊ぶ時間となります)
 一人用のスペースシップに乗れます。「こんなロボットに乗る!」といえば乗れます。どこぞで宇宙怪獣を捕まえてきた事にして乗りこなすのもよいです。宇宙服でくるくるふよふよするのも、生身で「息ができる!」と言いながら漂っちゃうのもOKです。
 近くにプロキオンの王子がいます。10歳くらいの友好的な子供ですが、巧みにスペースシップを操ります。接し方は自由です。

●サンプルプレイング
「宇宙空間は初めて! スペースシップに乗って惑星のまわりをぐるっとまわってみるよ。操縦も初めてだけど不思議とやり方がわかるみたい!
 王子様のシップを見かけたら大きく周りをまわって誘って一緒にシップを並べて宇宙飛行してみたいな。通信を介して挨拶しよう……略」

 キャラクター様の個性やプレイヤー様の自由な発想を発揮する機会になれば、幸いでございます。

  • 星芒のカンパネラ完了
  • NM名remo
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月21日 22時35分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
ドラマ・ゲツク(p3p000172)
蒼剣の弟子
美音部 絵里(p3p004291)
たーのしー
戮(p3p007646)
乳白の虹

リプレイ

●星世界
「星がはっきり視えますの」
 星海を泳ぐノリア・ソーリア(p3p000062)は蒼い瞳をキラキラとさせた。
 海から顔を出して臨んだあの空を思い出しながら。
「あの星、手に入れてみたい、ですの」
 いちめんの星々のなか、純粋な想いを抱いてノリアは泳ぎ出す。

「宇宙空間……旅人さんのお話でお聞きしたコトはありましたが、このような感じなのですね」
 ドラマ・ゲツク(p3p000172)が揺れる白髪を手で抑えた。
(ふわふわして……地に足が付かないですし、肉体の保護をしないと何だか持っていかれそうになるこの感じ)
 多読にして未だ知らざるを知る102歳児は宇宙空間をくるくる、ゆらゆら漂い。
(無辜なる混沌の外側も、このようになっているのでしょうか?)
「水の中を泳いだコトもないのですが、上手く出来ますかね……」
 は、と吐く息が熱い。細い腕を慎重に動かし、何もない空を掻き。ぽっかりした空間に浮かぶ体は少しずつ思い通りに進んでいくようだ――可憐な頬を薔薇に染め、ドラマは星の海を泳いでみた。

「宇宙空間なんてらくしょーなのです! ふふーん」
 本当は何が何やらさっぱりだけど、気にしない、と笑う美音部 絵里(p3p004291)は大きく腕を振り、足をばたばた。
「すいーっ、ふわー泳げるのが不思議すぎます」
 生身で宇宙は初めてだ。
(ほとんどの人類はそうだと思うのですよ、すごいのです)
「ふわー、私は今一体なにを蹴って泳いでいるのですかー?」
 くるり、くるり。不思議な世界がくるくる廻る。

「……わわ、」
 まっしろな戮(p3p007646)が黒い宇宙にぽっかり浮かんで、小鳥のように首を傾げ。
「むじゅーりょく? です?」
 これが? と幼い手がぱたぱたと宙を漕ぐ。お空や海とはまた違う……、幼子の髪がさらりと柔らかな頬にかかり、不思議に浮いて神秘的な瞳がぱちぱち瞬いた。ふわふわ、と零れる声はあどけない。

●廻る世界
 絵里が廻る視界に笑っている。
「そうか、世界は私を中心に回っていたのですね。あはー……あ!」
 宝石のように煌めく青が視えて、絵里は動きを止めた。
「惑星、惑星があるのです! 青い星、素敵なのです! やったー!!」

「ひとがいる……?」
 幼い声。
「あっ」
 絵里は王子のシップに気付いた。
「絵里です! よろしくお願いするのです!」

「どうして? ひとは、滅んだはず……」
 王子が言えば、絵里はツインテールをぴょこりと揺らした。
「ふふふ、私は月の兎。宇宙(ソラ)を駆ける一匹の流れ星なのだー。あ、本当はただの旅人です。たまたま近くを通りかかっただけなのです」
「旅人?」
「ここで出会ったのも何かの縁と遊びに来たのでした。一人ぼっちはつまらないですものね。たまには人とも触れ合いたくもなります」
「それは、僕にもわかる気持ちです」
 王子がぽつりと呟いた。瞳に驚くほどの共感と孤独の色を覗かせて。

「あ、貴方は……お噂のイル王子様、です?」
 近くにいたドラマも王子に気付き、宇宙遊泳にも慣れた様子で赤色ワンピースの裾をちょこんと摘まんで愛らしく挨拶をした。
「御機嫌よう、王子様。私は幻想種……と言っても分からないですかね、私はドラマと申します」
 王子が呟く声が聴きとれる。
「幻想種?」
 首を捻りながらも礼儀正しく躾られている様子で挨拶を返す王子にドラマは花のように微笑んだ。
「お会いできて光栄です! その船? 中々格好良いデザインなのです」
「耳が長い……」
 王子は不思議そうにドラマの耳を見つめていた。友好的な態度が功を奏し、未知との出会いを王子は受け入れていた。
「あ、あちらにも」
 王子がもう一人に気付く。戮がシップに気付き大きく手を振っていた。小さな体が反動でぐるんと宙がえりをしながら。
「えと、イル王子? イルさん? イルくん?」
 なんて呼ぶのがええでしょう、反応を気にするように気弱な戮に王子が控えめに手を振った。
「イルです」
 王子もまた戮の顔色を窺うような臆病な顔をしていた。
(怖い人やない)
 戮は控えめなはにかみ笑顔を見せた。
「戮は、戮っていいます。はじめまして、こんにちは」

 絵里は外に誘うように手を差し伸べた。
「初めて出会った相手とも手を繋げる。無用心、楽観的、油断とも言えますけど」
 球体間接の手首に王子が眼を瞬かせ、引き寄せられるように手を伸ばす。
「それでも素敵なことだとは思いませんか?」

 それは夢ではないのだと、確かな感触が教えてくれた。

●惑う世界
「思っていたより、遠いみたいですの」
 ノリアは困ったように眉をさげた。たくさん泳いだけれど、星に近付いた気が全くしなくてしょんぼり、尾をまるめて両腕で抱え込み。ふとノリアは気が付いた。
「あ……っ」
(来た道)
「どっちですの?」
 前後左右360度、星景色。くるくる慣性でまわって、万華鏡の中に迷い込んだみたい。
「こ、こっち、ですの?」
 尻尾を必死に動かしてノリアは泳ぎ出す。

 同刻。
「私にも、扱えるのです? ……その、お教えいただいても、宜しいでしょうか?」
「はい。簡単ですよ」
 王子はドラマに操舵方法を教えていた。傍で戮がゆったりと話をしている。
「戮な、長い間眠っててな、ちょっと前に目が覚めたばっかりなんよ」
 ひとは滅んだと思っていたけれど、探せば生き残りがあちこちにいるのだろうか――王子は夢観るような眼をした。
「そんでな、眠る前の記憶がなくてな、やから……お友達とか、おらんのです」
「それは、哀しいことですね」
 気持ちがわかると思います、僕もひとりだから――王子はそう呟いた。
「いまの戮は、いっぱい記憶を集める旅をしてるんです。色んな世界に行って、色んな景色を見て、色んなことをして、色んなひとと出会って。そうやって戮の記憶を増やしてるんです。だって、さみしいから」
 先ほどは寂しく思えた旅というものが、とても前向きに思えて王子はこくりと頷いた。
「えっと、だから、お友達になってほしいなって」
 戮が内気な瞳で窺うように言えば、王子はぱあっと嬉しそうな顔をした。
「僕と?」
「うん」
 幼い2人が互いに遠慮がちな笑顔を交わす。
 ドラマはやりとりにそっと目を細めた。

 一方、迷子の幼い人魚は。
「わからない、ですの……」
 ひとりぼっち、込み上げる心細さに首を振り。ノリアは泳ぐのを止めて途方に暮れていた。そっと胸にあてれば鼓動が騒がしい。不安がいっぱいに広がって――右も左も、上も下も、もうわからない。元がどうだったかなんて――、
「!」
 その瞳が大きく見開かれた。
 代り映えなかった景色の中、ドラマが操舵する不思議なシップが視えたから。
「ノリアさん、はっけーんです! やったー!」
 絵里がぶんぶんと手を振っている。

●友達
「綺麗な尻尾の貴方。大丈夫でしょうか」
 ノリアを気遣うような目をして、王子がおずおずと救いの手を差し伸べる。
 何もいないと思っていた宇宙には、どうやら思っていたよりたくさんの不思議が存在するらしい――王子は思った。
(大人はどうして嘘をつくのでしょう)
 それとも、子供にしか見えない幻想なのかな、王子は思いを巡らせる。

「ありがとうですの」
 ノリアはにこにこしながら礼を言い、優雅にシップの周りを廻る。元気な姿に王子は安心したようだった。
「ノリアさんのお話もききたいです」
 王子のおねだりにノリアが海の話を披露する。底に揺れる珊瑚、間を縫うような小魚達、上に揺らぎ煌めく陽の光、何処かから流れてきた誰かの落とし物……、

「えっと、友達に」
 王子が目を見つめている。断られたらどうしよう、と不安に思っている目だとノリアにはわかった。だから、ノリアは今日一番の笑顔を浮かべた。
「もちろん」


「ともだちー!」

 くる、くる。
 小さな王子と絵里がダンスを踊っている。初めて繋ぐ手と気儘に踊るダンスはちょっぴり不器用なぎこちなさ。けれどとっても楽しくて、気付けば大分時間が経っていた。

(全く未知の、新しいコトをすると言うのは存外に楽しく、疲れるモノです)
 いい心がけだよ――誰かの声が心に蘇る気がしてドラマが心地よい疲労を感じながら睫を伏せる。挑戦しようとしなければ、得られなかったことがたくさんあるのだ。
「そろそろ」
 時間が迫っています、と囁けば仲間も頷いた。
(プロキオンの方はどれだけの時を生きるのでしょうね)
 ドラマは王子を優しく見つめた。
(その長い人生の、ほんの短い時間ではありましたが、楽しい思い出になってくれたら幸いなのです)
「行ってしまうのですか」
 王子は別れの気配を感じて、捨てられそうな自分に気付いた子犬のような顔をした。ドラマの胸がきゅっとなる。
 戮が顔を覗き込む。
「いつか忘れてしまうかもしれんけど、記憶の端っこに置いてほしいな。そういえばあんな子おったなぁって、いつか思い出してほしいな、って」
 宝石のような瞳は戮の気持ちを映して切なくもあたたかな白虹を見せた。
「そしたら、もう会えなくなっても、離れ離れでも、心がぽかぽかする気がするんです」

 王子は顔を忘れないように一人一人を順に見て、潤む瞳を決壊させないよう堪えていた。
「また会えますか?」
 声はやはり寂しそうに。けれど、相手を困らせてしまうとわかっているから望みは言わない。
(そうして育ってきたのだと思います)
 だから。
「……分かりません、が」
 ドラマはそっと呟いた。
「また再会して、こうやって遊べるコトを願っているのです」
 祈るような声に絵里とノリアが頷いた。

「それでは、またお会い致しましょう!」
「またね」
 4人が手を振り、別れを告げる。王子は手を振って――大きな声をあげた。

「僕」
 遠くなる世界。声は凛としてはっきりと届いた。
「僕、みなさんを探します!」

「世界中、どこまでも……いつまでも」
 王子の声が最後にそう響いて友との別れを彩り、消えた。

 ――それは、神聖な誓いのように。

成否

成功

状態異常

なし

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