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シナリオ詳細

宵の街の摩天楼-池袋-

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 東のほうは綺麗だけれど、西のほうはちょっと危険な街。
 昼は喧騒が漂うのだが、夜は酔っぱらった若者が寝床を求めて彷徨っている。
 人の音(と)は途切れない。とはいえ、新宿程ではないけれど。
 ファミレスには眠たい瞳で朝を待ちながら携帯でゲームを弄る者たちの影で、ウェイトレスはきびきび働くのだ。
 そんな―――深夜零時。
 終電間際に駅に駆け込む人々の足元で、巨大な影が通っていった。
 コンクリートの上。
 人々は下を向いていても気づかないのだろうが、クジラ程に大きな影がゆったりと滑っていく。
 その影は次には、ビルの壁をゆったりとのぼり、その身体(シルエット)を見せつけるように泳いでいく。影を作っている主は見えず、しかしてその影はやがて二次元の平面の世界から浮き上がってくるのだろう。


『既に新宿に降り立ったイレギュラーズたちより通達です。池袋方面へ向かう巨大な影を目視で確認。至急向かわれたし』
 成程、まだまだ眠れない夜は続きそうだ。
 イレギュラーズたちは宵闇の街の遥か上空を、ヘリで移動している。
 眼下の人々は蟻やゴミのように動き回りながら、よーく見るとその更に下の道路を巨大な魚の影が滑っているのだ。人々は、まだ気づかない。
 やがてその影は巨大なビルの壁を伝って登り始める――頂点に到達する頃には、あの壁から浮き出て実体化するのだろう。
 イレギュラーズたちは、ヘリの扉を開けて降下の準備へと入る。なあに、この高さから落ちても『イレギュラーズたちは』大丈夫だ。
 何故なら、どうやらこの世界の自分たちは圧倒的な「強者」であるからだ。
 境界の案内人は言っていた――。
『闇に紛れて人を殺す者たちを倒して欲しい。
 じゃないとこの世界は闇に飲まれてしまう。
 貴方たちの力なら、すぐに倒せると思うの。どうか、よろしくお願いいたします』
 その声が指定した場所まであと少し。
 選ばれた闇への「対抗手段」は、今、上には上がいる事を知らしめる為、狂える摩天楼へと降下した。

NMコメント

 六度目まして、桜です!

●目標『敵の全滅』

 桜NMの一作目『宵の街の摩天楼-新宿-』の続きものですが、
 前回参加していなくても、前回の内容を知らなくても、大丈夫です。

●世界観
 皆様のよく知っている現代日本に類似した世界です。

 ただ、この世界には魔人、魔物、魔獣などなどよくないものに憑りつかれた結果、魔化してしまった人々や獣や、純粋に最初から魔のものだった敵が存在しております。

 この魔たる存在は一般的に知られておりません。
 この魔たる存在が悪さをしても朝には消えるので事件は大体迷宮入りします。
 彼等は夜中に現れます。同じ場所に現れないので仕留め損ねると次何処がターゲットになるか不明の為失敗します(でもほぼ失敗しないと思いますので世界観の一片として知っておいてください)

 今回は『池袋、サンがシャインしているビルの上』で戦います。
 ビルとビルの間は狭いとしますので、乗り移ることが出来ます。
 落ちることも、落とすことも出来ますが、下には一般人が普通の世界の営みをしています。
 一般人の目に触れても大丈夫です。相応の反応が返ってきます。
 明日の朝刊に載ります。

 時刻は夜です。周りが明るいので対策は不要です。

●エネミー『影なるもの』

 クジラ型×1、相当しぶとい体力です
 回避力はほぼありませんが、命中がずば抜けて高い神秘攻撃中心です

 ブロックには2名必須です
 ブロックしないと池袋超えてどこかにいっちゃいます

 ビルの壁からずんぐりむっくり出てきて、クジラが空に浮かぶところからスタートです(イレギュラーズは、ヘリから飛び降りてビル屋上に降下中です)
 クジラには乗る事もできますし、振り落とされることもあります
 ビルの屋上からならば、浮遊しているクジラに攻撃する事も可能です

 ヘリは梯子を下ろしていてくれるので、梯子に上って再度上から降下することもできます
 ヘリは落とされる場合もあります
 ヘリの搭乗者は協力者ですが、あまり触れないで下さい 

●特殊ルール
 此の世界でイレギュラーズは、ステータス以上の力を発揮できます。
 やり過ぎるとビルとか真っ二つになるのですが、加減するかしないかはお任せします。

 詳細は以上です。
 ネオンに照らされ多くの人目の中でかっこよく戦うのを描写したいです!
 皆様のプレイング、お待ちしております!

  • 宵の街の摩天楼-池袋-完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月24日 22時45分
  • 参加人数4/4人
  • 相談2日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

鬼桜 雪之丞(p3p002312)
玲瓏の壁
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
糸巻 パティリア(p3p007389)
跳躍する星
デビット(p3p007637)

リプレイ


 バリバリと音が鳴る。ヘリの翼が回転する音だ。
 それにすべての音がかき消されていたが、扉が開いているヘリから見える景色は格別であった。
 ビルというビルから小さな光が高さを示すために点滅し、規則正しく並べられた部屋の窓が不規則に点いたり消えたりを繰り返している。
 眼下には雑踏がゴミのように動き回り、目まぐるしいくらいに人々が行き交っているのが理解できた。

 日本国内――池袋。此処が、今日の依頼の舞台である。

「うっひょー!」
 新宿とはまた違う風景に、茶髪の髪が強風に揺れた『虹を齧って歩こう』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)は、思わず嬉々とした声を漏らした。
「風つえー!」
「あんまり乗りだしたら落ちますよ」
「おっとと」
 『玲瓏の壁』鬼桜 雪之丞(p3p002312)に肩を引かれて体勢を整えたウィズィ。
 そして、雪之丞はクジラの姿を雑踏から探した。とはいえ、此の世界は練達――に似ていて、しかし、練達ほど鉄に囲まれていない。見える限り灰色のコンクリの森では無く、所所に緑があるのに不思議さを覚えていた。それくらい、あの世界とは似て非なる場所なのであろう。
「あそこに目的らしき影が」
 デビット(p3p007637)が此度の依頼の目標である大きな影が蠢いているのを見つけて指をさした。それは人々の雑踏の足元の影に潜むもの。
 しかし上空から見れば、その影は人々の影にも隠れることはできないらしい。海の中で身体を左右にくねらせて泳いでいくのと同様。巨大なクジラの影もまた、地面のしたを蠢く。
「あれだけ大きければ、攻撃も当てやすそうでござるな!」
 『ヒトデニンジャ』糸巻 パティリア(p3p007389)は、そのクジラがやがて巨大なビルの合間を縫って登ってくるのを視界から外さなかった。
 そして、その影は巨大なビルの壁を登ってきたかと思えば、身体がやがてビルから脱皮していくように立体的に浮き上がってくる。
「作戦、開始でござるな。初手は頂くでござるよ!」
 意気揚々と、心躍るままに。糸巻はヘリから飛び降り、光が差さない影の場所へと落ちていく。元より黒い服装をしている糸巻は、影に入ればその姿が同化して隠密には向いているのだ。何より、影の中は糸巻の領域。
「ひゃっほー!」
 袖から出した糸を壁にくっつけた糸巻は、くっついた糸を軸にして弧を描いて風を切る。向かい風に髪の毛を揺らしつつ、完全に浮き上がってぽつんと浮かんだクジラの影に、糸巻は速度を糧にして、
「喰らえッッ」
 刃の一撃をクジラの側面へ叩き込んだ。
 声にならぬ、音のような悲鳴が響く。それはクジラが出したものであろう。
 側面に攻撃を叩き込まれて、く、の字に曲がったクジラへ、イレギュラーズたちは一斉に降下していく。お淑やかに落ちていく雪之丞の隣で、ウィズィは空中をくるくる回り笑いながら落ちていく。
 デビットは――異界の向こうの世界を見つめて落ちていく――それはデビットにとっては珍しい世界である。何もかもが新しいが、しかしそればかりに気を取られるデビットではない。己に課された依頼は、そつ無くこなすのだ。
 それが、デビットが秘宝種として生み出されたひとつの意味。例えそこに、特定個人(マスター)が存在していなくても。
 クジラがゆっくりと尾びれを動かし始めた。もちろんイレギュラーズたちへ敵意を向けているのであろうが、この巨体がビルの連なるこの場所で縦横無尽に動かれては周囲への被害は拡大する。前回は壊し過ぎたというウィズィもそれは避けたいものだ。
 それゆえに、場所があいているこの場所でクジラが立体を得たのは幸運だ――此処から動かしてはならない。
 デビットは降下し、一度クジラの背へと足を置いてから速、横へと飛んだ。そして向いのビルまで飛んだ彼は、ビル壁を足場にしてもう一度吹き飛ぶ――クジラの顔面目掛けて。
 まるで砲弾のように飛んだ彼。足場になったビルは一瞬撓った。
「大人しくしてくださいね」
 言葉とは裏腹に行動は過激に。デビットの足は前方へと進行するクジラの鼻あたりを蹴り飛ばした。クジラの頭が、ぐりんと上を向き、尾びれの稼働が一瞬止まる。
「簡単な仕事になりそうですね」
「デビット! 手を!」
「すまない」
 振り子のようにして飛んできた糸巻がデビットへと手を伸ばした。空中で滞空していられないデビットの手を掴み、デビットは一度糸巻と一緒に後退。そこへ、雪之丞とウィズィが迫る。
「さあ、Step on it!! 負けませんよ、デカブツちゃん!」
 流星が如く落ちてきたウィズィ。その手に持っている巨大なカトラリーの刃を下にして、クジラの背中へと串刺す。ゴムのように分厚い皮が撓った、意外と硬いクジラの影に、歯奥がギリリと鳴ったウィズィ。
「かたっっいい!!」
「輪切りにするのは無理そうですか」
「刺身にはできないだろうぜえ!」
 同じくクジラの背に到達した雪之丞は、クジラの首を取るがために、前方へと奔る。しかしその時にふと足元で放電しているのが見えた。成程、クジラが攻撃を仕掛けてきていた。
「皆さん気を付け――」
 最後まで言い終わる前に、クジラの身体から放電した雷の槍がイレギュラーズたち全員を串刺した。
 デビットや糸巻も、避けたはず――であったが、狙った獲物はどこまでも追跡してくるタイプの攻撃であるが為に、糸巻の糸が弧を描く間に雷撃が直撃した。
「厄介でござるな!」
「ああ、やられる前に、やる――という戦法が得策でしょうね」
「馬鹿みたいにわかりやすくて逆にいいでござるなあ!」
 クジラ特有の声が響く。それはイレギュラーズたちの鼓膜に響き、攻撃の精度を陥れるものであった。
「耳鳴りがすごっ!」
 思わず片耳を抑えて、眉をしかめたウィズィ。
「くっ」
 しかしそれでも掴むようにして、クジラの背中に残った雪之丞。再びクジラは方向を変えて、この戦場から離脱せんと身体をうねらせた。
「ぁ、駄目」
 此処から逃してはいけない――雪之丞は、クジラの背を滑り、その勢いを利用して尾びれを縦に裂く。血のような影が噴き出し、空中で蒸発して消えた。ビルの壁に足をつけた雪之丞は再び飛ぶ。今度はクジラを進行させまいとヒレの傷を更に深くするために――。
 その頃、ウィズィはクジラの頭まで登った。
「えーっと目は……」
 側面。あそこまでどうやって行こうか。絶対に落ちる。
 考えても仕方ないので、単純に跳躍してからウィズィは真っ逆さまに落ちた。頭が下になり、落ちていくところで。
「ふらふらと……動くなッ!」
 輝きを見せる眼光。視界を通し、この影のクジラに脳というものがあるかはわからないが、思考する神経を刺激する眼光の直撃。ウィズィの視界にクジラの瞳が入った瞬間、クジラの影が砂嵐のようにブレたのだ。
「おっ効いた! たぶんこりゃ効いたやつ!」
「よくやったでござるよ!」
 ビル壁を走ってきた糸巻。一瞬ウィズィを助けるべきか悩んだが、ウィズィは「私の屍を超えて行けーーー!!」と叫びながら落ちていったので、糸巻は武器を持ち直してから、飛ぶ――。
 その先に、クジラのもうひとつの瞳があった。
「そっちの瞳、貰い受けるでござるよ!!」
 糸巻の身体が月の光にシルエットで映った。横に回転し、蝶のように舞った身体で蜂のように得物をクジラの瞳に刺す。先程受けた雷撃の痛みが残る細い腕――しかし、クジラの頭が横に勢いよく動く程の威力を十分に秘めている。
 体力もままならなくなってきたクジラの抵抗が、今一度大きくなっていった。
「そっちはいけない」
 デビットは思わず声を出した。ビルの壁に身体を打ち付けそうになったクジラ。しかし、そのビルとクジラの間にデビットが飛ぶ。ビルには、まだ無数の命が残っているはずだ――避難する人間もいれば、唖然とイレギュラーズたちの勇士や非現実的な光景を見つめている人間もいる。
 その人間一人一人がデビットにとって護るべき存在――例え、世界が隔たれた先の世界であろうが。
 クジラの尾びれがビルを叩き崩す前に、デビットが間に入って尾びれの挙動を腕二本で止めた。
 そして前方からもウィズィがやってくる。ビルのエレベーターを使って登ってきたウィズィは、窓をたたき割って――ビル階に居た女性にウィンクを送って――からクジラの頭部位へ飛んだ。
「攻撃も、ブロックもできるウィズィちゃんだよ!! なめんなぁ!!」
 カトラリーを手前に。
「動くなあああああ!!」
 ウィズィは震動するように頭部を動かすクジラの頭に、武器を突き刺した。巨大なナイフの切っ先がクジラを頭部に突き刺さり、デビットが抑えている事もあり、クジラの動きは完全に止まる。
「今です」
「美味しいところもってけ泥棒!!」
「「はい!!」」
 雪之丞と糸巻が構えた。
 振り子のように舞う糸巻と、ビルを高速で伝う雪之丞が上空で交差する。
 実態があるならば、その影が本来の意味のように幻想のようなものでないのなら。
 斬れる。
 斬れるならば、倒せる。
「糸巻殿は左から」
「じゃあそっちは右からでござるな!!」
「三枚下ろしです」
「厳しいオーダーでござるな!」
 二人の咆哮が響く。ウィズィとデビットに押さえ込まれたクジラのボディは、完全に守るものは無い。そして。
 ――ぶつん。
 雨が如く降り注ぐ二人の剣戟の雨が、今度こそクジラを輪切りにした。


 ビルの被害は無く、瓦礫やその類が地面に落ちて二次被害が出たことが無いのを確認したデビットは、ほっと胸の中の空気を入れ直した。
「しかし大きな魚であったでござるな!」
「クジラですね」
 テンションの高い糸巻に、デビットの口端が微笑したように上を向いた。
「そうそうクジラでござる! 所でウィズィ殿はどちらに行かれたのでござるか?」
「えと彼女は」
 雪之丞は言いにくそうに、人混みのほうを見た。
「ナンパに行かれました」

成否

成功

状態異常

なし

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