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シナリオ詳細

収穫祭は終わらない
収穫祭は終わらない

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●灯火の行きつく先
 酒、金、女。やれる娯楽は何でもやった。
 そのためなら盗みや殺しはあたり前。自分の欲望のために重ねた罪は数知れず。
 本職の鍛冶なんかそっちのけで、頭のまわる俺はうまく世渡りし続けた。
……生前の世の中までは。

 ゆらぁり、ゆらり。
 掲げたランタンの中で灯火が揺れ動く。
 この温もりが俺の《罰》だ。
 行く先を明るく照らすくせに、冷えた身体を芯まで温めてくれるくせに……。
 本当に満たされたいものは満たしやがらねぇ。

「後生だ」とも言えない俺に、もしも《奇跡》が起こるなら。
 どうか導いてくれ。心に染みついちまった夜から、希望の朝日がさす方へ――。

●永久に続くハロウィンナイト
 ジャック・オー・ランタンをご存じだろうか? 名前はピンと来なくても『崩れないバベル』でいう《ハロウィンのかぼちゃ飾り》と聞けば、「あぁ! よく見るアレか」とイメージできる人もいるだろう。

 そのルーツはと古(いにしえ)の伝承。中でも『ランタン持ちの男』の物語は、
 ハロウィンの定番として、人々の間で語り継がれている。

‟昔むかしあるところに、ジャックという鍛冶屋の男がおりました。
 彼はたいへんずる賢い男でしたので、魂を奪いに来た悪魔を何度もだまし、
 さんざん利用した挙句、最後には《死んでも地獄に落とさない》という契約を
 取り付けさせて撃退しました。

 それから時は過ぎ、ジャックはその一生を終えました。
 彼はまっすぐに天国へ向かいましたが、受け入れてもらえるはずもなく。
 諦めた彼は、地獄の門を目指しました。
 しかし、その門を守っていたのは昔だました悪魔だったのです。
「地獄に入れてくれ」
「出来ないに決まってるだろ。オレはお前と《死んでも地獄に落とさない》って契約しちまったんだから」

 行き場を失い途方に暮れたジャックは安住の地を探そうとしますが、
 天国と地獄の境界は永遠に続く夜の世界。
 おまけに冷たい風が吹いていて、いまにも凍えてしまいそうです。
「おい」
 彼が絶望に染まった時、声をかけてくれたのは、あのだまされ続けた悪魔でした。
「旅路の餞別(せんべつ)だ。持ってけ」
 震えるジャックを不憫に思った悪魔は、地獄の炎のひと欠片をとってきて、彼に渡してあげました。

 この灯火が消えてはいけないと思ったジャックは、道端に転がっていたカブをくり抜いて、その中に欠片を入れてランタンを作りました。
 今もなお、彼はその灯りを頼りに安住の地を求めてさまよい続けているそうです。”

「おかしいと思いません?」
 集まった特異運命座標に本を読み聞かせた後、『境界案内人』ロベリア・カーネイジは人差し指を下唇に軽く当て、かくんと首を傾げてみせた。

「ランタンにしたのはカボチャじゃないのかよ、とか……バッドエンドを秘めてるランタンを、なぜ収穫祭では悪霊達を遠ざけるありがたいアイテムとして飾ってるのか……とか」

 作者がいて原本が存在する『童話』以上に、『伝承』はおぼろげな存在だ。
 最初に誰が語りだしたかあやふやなまま広まって、語り継がれた先の風土や文化をからめ取り、独自の変化を遂げていく。
 今回任された本(ライブノベル)も、数ある派生した伝承のうちの一つだからだろう。ブックカバーのように本の表面を黒いもやが覆い、実体が分かりづらくなっている。

「貴方がたに向かって戴く異世界は、この『ランタン持ちの男』の世界。
 ですが介入するのは伝承が終わった後の部分。外伝のページからですの」

――地獄と天国の境界をさまよい続けるジャック。彼が終わらない夜を抜け出せないのは、何度もあの場所へ戻ってきてしまっていたせいだった。

 地獄の門。あの悪魔‟の女”がいる場所へ。

 それは死後にやってきた、遅すぎるくらいの青い春。
 生まれてはじめて知った本気の恋。

 ジャックの安住の地は、気づけば彼女になっていた。

「ジャックは伝承でも語った通り、悪魔にひどい事をしたうえ、最後は憐憫で地獄の炎のおこぼれを貰ったような男です。彼女からの印象はきっと普通どころか豚以下でしょう。
もしかしたら視界に入れるのも苦痛だったり、その臭い口を閉じて二度と息をするな……くらい思っているかもしれません」
「ですが奇跡に選ばれた貴方がたなら、生ゴミほどの価値もないレベルに下がったジャックの評価を相思相愛まで引き上げる事ができるでしょう」

 無茶いいやがる、と誰かは思った。
 別の誰かは、ジャック本人がいなくてよかったと引き気味に笑った。

「それでは皆さん、よい夜を」

NMコメント

 今日も貴方の旅路に乾杯! ノベルマスターの芳董(ほうとう)です。
 ハロウィン楽しいですよね。終わって欲しくないですよね。という訳で延長戦まいりましょう!

●成功条件
 ジャックから悪魔へのプロポーズをサポートしてあげる

●ロケーション
 地獄の門と外壁、その周辺の森です。植物など自然のものはありそうですが、人工物は今の所見当たりません。
 文化レベルは中世ヨーロッパくらいだと思ってください。

●登場人物
 ジャック
  地獄と天国の境界をさまよい続ける魂。
  生前の絶頂期だった20代後半の時の姿をとる事ができるのですが、
  生活力が限りなくゼロに近かったためその部分も反映されてしまっています。
 【人間形態の時のスペック】
  容姿:汚れた金髪を伸ばしっぱなしで放置していたため、
     目元が隠れて顔がよく分かりません
  服装:ケルティックな模様が所々に見られるので元々は綺麗な民族衣装
     ……だったのかもしれませんが、伸びきっており着方もだらしないため
     いまいちパッとしません
  性格:ずる賢く生きて来たくせに、恋愛に対しては不器用なタイプ。
     いわゆるツンデレ。

  放浪生活を始めた後も悪魔にはちょいちょい絡みに行っているらしいのですが、
  気持ちを打ち明けるどころか、だまして虐めてしまっているようです。

 悪魔
  伝承では全く性別が触れられてなかったのですが、実は女性でした。
  生前のジャックとはこんなエピソードがあります。

 ・「地獄に連れてかれてもいいから、死ぬ前に酒を飲ませてくれ」とジャックに
  頼まれ、硬貨に化けて酒場の支払いをサポート。
  しかし元の姿に戻る前に財布に閉じ込められてしまい、
  《10年間地獄にはつれて行かない》契約をさせられる。
 ・「地獄に落ちる前に、あの木の林檎が食べたい」と頼まれ、
  木に登ってジャックの方へ林檎を落としてやる。
  しかし木の幹に十字架を刻まれて降りれなくなってしまい、
  《死んでも地獄に落とさない》契約を結ばされる。

  お人よしでツメが甘く、ダメンズに騙されやすいタイプです。
  ロベリアが言っていたほど嫌ってはいないようですが、
  ジャックを恋愛対象として見ているかは不明です。

 『境界案内人』ロベリア・カーネイジ
  今回の依頼をしてきた境界案内人。ドSです。
  お願いすれば道具の用意くらいは(パシリを使って)やってくれますが、
  それ以上のサポートは期待できないでしょう。

 『境界案内人』神郷 蒼矢(しんごう あおや)
  パシリです。ロベリアに何か弱みを握られていて、逆らえないようです。
  疲弊しているのでパシリ以外の事は任せず、そっとしておいてあげましょう。

●その他
 見た目を綺麗にしてやるもよし、恋愛のアドバイスをするもよし。

 告白前のムードを作るために、お茶に誘わせたり映画鑑賞を勧めるなど、デートのアドバイスをするのもグッド。常夜の世界でも出来る事なら実践するはずです。

 何かしら道具が必要な場合は、ロベリアがパシリ(新郷 蒼矢)を使って用意してくれるでしょう。

それでは、よろしくお願いします。

  • 収穫祭は終わらない完了
  • NM名芳董
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年11月10日 22時20分
  • 参加人数 4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
魔王(p3p006718)
濡衣
ハルラ・ハルハラ(p3p007319)
春知らず雪の中
綺羅々・殺(p3p007769)
欲望喰らい

リプレイ


 悪魔という生き物は人間以上に誠実だ。
「今、なんと仰いやがりましたか?」
「ごめんよ、上手く聞こえなかったみたいだね。私の名前は魔王というのだけど」
『濡衣』魔王(p3p006718) はいつも通り、名は名乗れないからそう呼んで欲しいと軽い自己紹介をしたつもりだった。なのに目の前の悪魔の女性は再度の名乗りを受けた後、額を地面にこすりつけて土下座の姿勢をとっている。
「非礼をお許しください! オレ地獄の田舎の方出身で、魔王様がどんなお姿か知らなくて!」
……解ぜぬ。
 『欲望喰らい』綺羅々・殺(p3p007769) はその光景に眉を寄せる。ジャックに土下座で彼女に謝るよう冗談を振るつもりだったが、まさか悪魔の方がこんなに誠意を見せるとは。彼女の肩をポンと軽く叩いて、人の姿をとった灰色髪の青年――ブルーブラッドの『春知らず雪の中』ハルラ・ハルハラ(p3p007319) がフォローにまわる。
「あー……俺達は異世界から来た来訪者だ。アンタの上司の魔王とは違うぜ?」
「なんと、異世界の魔王様御一行なのですね。一層失礼がないようにしなければ!」
 ここまで根が真面目だと、説得するのは時間がかかりそうだ。とりあえず顔を上げてもらいつつ、どうする? とイレギュラーズ達が互いに目配せしあう中。
「そういえば、このような地獄の片隅へどのようなご用件で?」
 と本題を問われた瞬間、『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)が待ってましたとばかりに悪魔の方へと泳ぎ出る。
「失礼ながら……悪魔さんと、ジャックさんの噂を、聞いてしまいましたの。
 悪魔さん……あんな方のことなんて、とっとと忘れてしまったほうが、いいですの!」
 ノリアは今、恋をしている。
 恋をして、その素敵さを知っている身だからこそ、依頼人のジャックの事より告白される側の悪魔を心配していた。彼女がちゃんとした方と恋が出来るように、何としても説得しなければ!
「ジャックさんは、ひどい方ですの……悪魔さんを、何度も騙すだなんて!
 そんなに上手く騙すだなんて、よほど悪魔さんのことを、深く、ご理解なさっていなければ、できませんの……悪魔を理解しようだなんて、おこがましいですの!」
「深く理解してる? オレの事をですか?」
 耳まで真っ赤になった悪魔が、火照った頬を両手で覆って明らかな動揺を見せる。
「それに見た目も、最悪ですの……せめて、服装と髪さえ格好をつければいいものを、それすらしない、ぐうたらですの。
 顔も隠していて、不気味ですの! きっと、よほど酷い顔なんですの……悪魔さんなら、どんな顔なのか、ご存知でしょうけれど」
「ま、まぁそうですね……酷く童顔で、それを気にしてるみたいで。オレは嫌いじゃないんですが」
 指の間から見える視線は、追及を避けるように下の方へと逸れていた。その後もノリアは好きになってはいけない理由を具体的に説いていくが、説けば説くほど一つの真実が浮き彫りになるばかり。

 両片思いじゃん?

 天国と地獄の狭間で揺れる恋心は、歯がゆい感じで燃えていた。


 殺いわく、土下座とは幾重もの山になった石畳の上に手足を縛りつつ、膝を真っ直ぐ折って座る事なのだという。
「出来る訳ねーだろ!」
「冗談じゃが、それくらいの気概を見せんと見る目なぞ変わらんぞ?」
 悪魔の惚気を聞いた後、イレギュラーズ達が次に向かったのは依頼人ジャックの元だった。地獄の門から少し離れた薄暗い森の中、彼は適当な身なりのまま、他の魂から追剥ぎした酒を飲みつつ、だらだら4人を待っていた。
「俺も女心とかは分かんないけどよ。今のアンタのやり方がダメダメな事くらいは分かるぜ」
「変わるっつったって、今更……」
「攻める側がツンツンしてたら上手く行く物もいくまいて。少なくともお主は好きと言う気持ちを悪魔とやらに伝える必要があるんじゃろ?」
 ハルラと殺の指摘に、酒を煽るジャックの手が止まる。ぐ……と唇を結んで黙り込んだ。このプライドの高そうな男が、声を荒げず無言の肯定を示したのだ。
「恋に関しては一歩、二歩ほど先輩にあたるから、少しだけ背中を推してあげよう。」
 ジャックの前に歩み寄り、前髪をかき上げる魔王。その背中にノリアの声がかかる。
「魔王さんも恋をしているんですの?」
「私の恋は……」
 揺れる胸元のペンダント。暫し考えるような沈黙。
「まぁ今はそんな事いいじゃないか。それより、彼をみているとかつての私を見ているようで、なんだかいたたまれなくてね」
 助けてあげたいんだ。魔王の思いを汲んで、イレギュラーズは首を縦に振ったのだった。


「誰でも清潔なやつが相手じゃないと嫌がるんだよ。女相手だったら尚更な」
 清潔なドレスシャツに編み上げのブーツ。髪は綺麗に整えられ、覗いた顔は愛らしい童顔だった。落ち着かなそうにするジャックをハルラが諭す。
「本当にこんな格好で悪魔が喜んでくれるのか?」
「身なりとデートプランは心配すんな。ちゃんと聞き込みを元にして用意してるからな。パシリが」

 一方その頃。噂の悪魔の方はというと。
「今まで彼とは色々あったようだけれど、それを経て彼に対してどう思っているの?」
――分からないから、困ってるんです。
 魔王が去り際に問うた言葉で悶々としていた。
 自分は地獄を動かすための歯車だ。いまさら自分自身が誰をどう思うかなんて……。
「悩んどるのぅ。綺麗な顔が台無しじゃぞ」
「殺様とノリア様。なぜここに?」
「男衆がちと取り込んでてな。暇潰しに付き合ってくれぬか?」
「悪魔さんにもっとアドバイスするですのー!」
 そこから始まる他愛のない話の中で、殺は悪魔の趣味趣向を掘り下げていく。その伝達手段といえば――。
(まぁ、何とかしてくれるじゃろう。パシリが)

 殺とノリアが聞き出した情報を元にイイ感じに道具を選んで用意して、ハルラと魔王の元に届けろって?
「思ってた以上にコキ使ってくれるでないの、イレギュラーズ!」
『私はロベリア様のプリンを盗み食いしました』という貼り紙を頭につけて、『境界案内人』神郷 蒼矢は息を切らせながら荷台を引いて奔走する。

 裏方の苦労はさておき、ハルラはジャックへ悪魔との付き合い方を説いていた。
「悪魔に今までやってきた事を全部思い出せ。そしてそれを全部謝れるようにしとけ
 地獄に落ちないようにした事はまだしも、放浪生活を始めてからも悪魔をいじめるのは論外だろ」
 ぐぅの音も出ない。歯噛みするジャックを慰めるように、ハルラは笑いかける。
「まぁ好きな子にちょっかい出したくなる気持ちも分かるけど……ちょっとでも悪いって思ってるなら、今のうちに謝っとくのがいいと思うぜ。なぁ魔王?」
「そうだね。私達が君に教えてあげられるのは、人の心に響くような言葉のかけ方と、向き合う勇気だけ。踏み出すかどうかは君次第だ」
 悪友しか周りにいなかったジャックの心に、男2人の助言は優しく染み渡る。そして最後に渡された物に、思わず目を見開いた。
「まぁ、新しい事に頼るばかりじゃ不安だろ。お前が生前積み上げていた事も、これで悪魔にぶつけて来い」


「おい、悪魔」
「……」
 いつも通りジャックが声をかけると、悪魔はツーンとそっぽを向いた。
――絶っっっ対に、あんな方の言葉になんて、耳を傾けては、いけませんの! 見かけても、無視ですの!
 これはノリアが悪魔に向けたアドバイスによるものだ。罪悪感を感じるくらい、冷たくあしらうように。
「無視かよ。いい度胸だ。んなら……俺だけしか見えねぇようにしてやる!」
 結果、ジャックに燻っていたやる気の炎を燃え上が燃え上がった。強引に悪魔の手を引いて、地獄の門からデートの場所へと連れ出していく。そこから先は、ジェットコースターのようにあっという間の一日だった。門の外壁にプロジェクターで恋愛映画をうつして観たり、カフェテラスのように飾った場所で、テーブルを挟んでお茶したり。
「美味いのぅ、このハーブティー。パシリが淹れたにしては上出来じゃ」
「殺、それ淹れたの魔王だぜ」
「趣味でよく淹れてるからね。気に入ってもらえて嬉しいよ」
 勿論その準備の全てをイレギュラーズがサポートしていた。二人の仲を邪魔しないようにひっそりと、パシリに用意させた監視カメラで様子を見ながらあれやこれやと相談しながら次のデート場所をいい物に変えていく。
「最後に行く場所は、地獄の外壁の上ですの?」
「ゆらりゆらり揺れる焔尾が、異世界から来た私にはとても幻想的に見えた。
 この世界ではありふれた光景かもしれないけれど、そんないつもの光景を二人でみれたら素敵だなって」
「そこで渡すのじゃな、アレを」
……アレ? 首を傾げたノリアと魔王に、殺はフッと小さく笑った。
「私は武器か防具でもと言ったのじゃが、ハルラの提案がまたロマンチストでのう」
「俺はただ、世間一般で見たらこうした方がいいんじゃねぇかってアドバイスしただけだ」
 茶化されて頬を赤らめつつ、ハルラは画面越しのジャックへ視線を戻した。
(後はお前次第だ。気張れよ、ジャック)

「今日は凄い一日だ! 地獄の周りにあんな楽しい場所があるなんて知らなかったし、ジャックも見違えるくらい綺麗で」
 壁の上から見下ろす地獄は炎の海が広がっていた。二人並んで見下ろしながら、悪魔は照れ混じりに笑う。
「忘れられない日になりそうだ。ありがとな」
「……違う」
 礼を言う悪魔の肩を掴んで、ジャックは彼女と向き合う。
「俺が悪魔を連れ出したのは、楽しい思い出作りじゃなくて、気持ちを伝えるためなんだ。
 今まで虐めて悪かった。本当は俺、お前の事が好きなんだ」
 澄んだ丸い瞳が悪魔の心を射貫く。片膝をついて差し出されたのは、生前の鍛冶師の腕を奮って作られた金の指輪。
 受け取った悪魔の顔は、天使よりも清らかで――二人の愛を、地獄の炎が祝福していた。

成否

成功

状態異常

なし

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