PandoraPartyProject

シナリオ詳細

アンダーロード・ロード

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●下水道の主
 事件を最初に知覚したのは貴族でも冒険野郎でもまして衛兵たちでもなく、ごく普通のコックだった。
 スパゲッティ専門店『スウィフトパンチ』の地下食料庫から小麦粉が無くなっている。
 最初は盗人や飢えた子供の仕業かと鍵の数を増やしたもののやむ気配はなく、今度は肉やトマトまでめりめりと減っている。
 奇妙に思ったコックが倉庫を一掃してみたところ、床下におかしな穴を発見したのだ。
 なんだこれは?
 覗いてみれば、穴から飛び出す二本足のネズミ。
 石でできた小さなスコップを手にネズミが穴から飛び出して、コックと数秒目をあわせたかとおもえば……。
「きゅう!」
 と、不思議な声を出して穴に舞い戻っていった。
 コックはこしをぬかして家内を呼び、その次にこう叫んだという。
「ローレットだ! ローレットを呼んでくれ!」
 貴族にたのめばどれだけの金や仕事を要求されるかわかったものではない、というのが、彼の後の弁である。

●アンダーロード・ロードの討伐
「こんな美味しいスパゲッティを独り占めするなんてゆるせないのです! 討伐したい気持ちもわか――おかわりぃ!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)はスパゲッティ専門店『スウィフトパンチ』のテーブルについて、ミートソーススパゲッティをもりもり食べていた。
 太めのスパゲッティにたっぷりの挽肉とトマトペーストを使ったソースをかけ、更にこぶりなミートボールを沢山乗っけたこの店自慢の一品である。ユリーカいわくなんだか無限に食べられるそうだ。
 さておき。
「このお店の店主さんからの依頼なのです。倉庫の穴からは古い地下道につながっていて、そこには穴掘りラットっていうモンスターが群れを作っているそうなのです」

 ユリーカが(口の周りをソースソースさせながら)広げた地図は、この店の地下に通っていたふるーい下水道跡のものだ。
 もう下水も流れておらず、どころか工事段階で止まったのか、綺麗なものらしいのだが、色々建てた結果ふさがってしまってモンスターの住処になってしまったという。
 住み着いたモンスター『穴掘りラット』は住処に立ち入らない限りは襲ってこない引きこもりチックなモンスターなのだが、時折今回のように食べ物を盗んでいくことがあるという。
「この地下道のなかで『巣』になってる箇所がいくつかあるのです。これを破壊していけば、穴掘りラットは嫌がってすみかを移すだろうって話なのです」

 コックさんを心労から救うため!
 美味しいスパゲッティを守るため!
「それでは、作戦会議をはじめるので――おかわりぃ!」

GMコメント

 いらっしゃいませ、イレギュラーズの皆様。
 こちらはスパゲッティ専門店『スウィフトパンチ』。
 自慢のミートソーススパゲッティのほか辛口ペペロンチーノにタラコスパ、その他色々取りそろえてございます。
 作戦会議のお供に、ご注文はいかが?

【依頼内容】
 穴掘りラットの『巣』を3つ以上破壊する。

 地下道には『巣』があると思しき箇所が20コほど存在しています。おおいよ!
 情報確度はC。実際に行って確かめねばなりません。
 尚、時間制限があるので広く探索するにはチーム分けをすることをオススメします。

【巣を探す】
 くらーい地下道を探索し、巣を探し当てましょう。
 一番確実なのは実際に行って確かめることですが、道中にも穴掘りラットはちまちま襲ってくるので途中でバテてしまうでしょう。
 探索・捜索する能力、モンスター・野生動物などの知識といったものがあると、情報確度を引き上げることが出来ます。

【巣を破壊する】
 ラットの巣を見つけたなら、巣の一括破壊を試みることが出来ます。
 一括破壊ロールを行ない成功すると巣ごと破壊できます。
 罠をしかけたり化学薬品を使ったり、そういった技術や能力があるとロール値に強い補正がかかります。
 もし破壊できなかった場合、戦えるラット2~3体が襲いかかってくるでしょう。

【穴掘りラットとの戦闘】
 通路の進行中、ないしは巣の破壊失敗時にラットと戦うことになります。

●穴掘りラット
 命中・物理攻撃力が高く『毒無効』をもっています。
 格闘(物至単):スコップを使って格闘します
 黴菌前歯(物至単【猛毒】):毒をもった噛みつき攻撃をします。
 自爆特攻(神至列・命中大):味方が予め1体以上おり、自身のHPが7割以上でかつ自分一人だけになったら自爆を試みます。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • アンダーロード・ロード完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年03月03日 21時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

レーヴ・シュマン(p3p000345)
夢幻への送還者
ルシフェル・V・フェイト(p3p002084)
黒陽の君
シルシィ(p3p002089)
一神導体
ルティアニス・ディフ・パルフェ(p3p002113)
おてんば歌姫の冒険
Briga=Crocuta(p3p002861)
戦好きのハイエナ
ヴァレット=クレッセント(p3p004087)
第二の月のアサシン
エドガー(p3p004504)
英雄乃残滓
オカカ(p3p004593)
兎に角

リプレイ

●穴掘りラットと洋麺屋
 前提の話をする。
 穴掘りラットは地中を掘り安全を確保し、虫や小動物を食べるモンスターである。あるとき建設が頓挫し掘った穴も計画もまるごと一切を地中に埋め去った地下道を掘り当てて、ラットはそれまでにない繁殖をした。
 天敵がないゆえか、一つで済むような巣をいくつもつくり、子供たくさんにこしらえた。
 しかし頭が増えれば食い扶持もいる。虫や小動物では足りなくなった。なにかないかと掘って掘って見つけたるが洋麺屋の地下倉庫。
 並ぶは小麦にリンゴに肉に野菜。これ幸いと掴み取り、巣に持ち帰っては食い散らかした。
 それが続くこと数日。洋麺屋の店主に見つかった。
 声を上げて何かを叫んでいる。人間が来る。
 自らを駆除する者たちだ。
 ああ、足音が聞こえる。

 前提の話をする。
「盗っ人鼠共の討伐、か……」
 陽光に焦げたようなたくましい肌に灰色毛皮。まだらに墨を振りまいたような色合いは、彼女の髪型にもどこか似ていた。
 『戦好きのハイエナ』Briga=Crocuta(p3p002861)は眼前にカンテラを翳し、薄暗い通路を進んでゆく。舗装の後は特になく、無理に掘り抜けた巨大な穴といった有様だ。
 元からこうだったのか、ラットたちによってこうされたのか、検討はつかぬ。
「あいつらにとって生きるためとはいえ、依頼は依頼だしな。殲滅は一人じゃ無理だが……ま、減らせるだけ減らすかァ」
 彼女の背をつんとつついて、『第二の月のアサシン』ヴァレット=クレッセント(p3p004087)が足を止める。
 耳をすましたヴァレットが、こちらに近づく物音を察知したようだ。
 それはすぐに皆の耳にも聞こえるようになった。
 ぴたぴたと近づく足音。ひとつか、ふたつか。
 ヴァレットは銀色の長い髪をコートのようにたらして、装備していたナイフをしっかりと握り込んだ。
 一方で、黒髪のウォーカー『黒陽の君』ルシフェル・V・フェイト(p3p002084)は複雑な表情をしていた。
「確かにこんな美味しい飲食店にモンスターがいたら困るし何より大切な商品である食糧を盗まれたら大変なのだ! 俺もカフェ経営してっから、わかるわかる。でも彼らも、生きているだけなのだ」
 言いながらもグローブをしっかりと装備し直す。
 彼はギフト『黒天燃えるとき、明星が昇る』の効果でなにげに身体が発光して周囲を照らしていた。
 それを見て『便利!』と言っていた『おてんば歌姫の冒険』ルティアニス・ディフ・パルフェ(p3p002113)だが、彼の言葉に少なからず共感するところがあったようだ。
「共存とか思いつかなかったや。でも野生動物だから難しそうだよね。更に言うとこっちは巣破壊しようとしてるからね」
 こほんと咳払いするルティアニス。
 気持ちをスーパーポジティブに切り替えて、ぐっと拳を握り込んだ。
「気持ちは応援するよ! もし失敗して攻撃されそうになったら庇ってあげる!」
 足音は加速し、地面や壁をがりがりと引きずる音が重なった。知識が無くてもそれが威嚇だと分かる。力ある穴掘りラットがスコップで石面をひっかき、音をたてているのだ。これで逃げない者は野生において敵である。
 攻撃射程圏内。
 ルティアニスが一番先に攻撃できそうだったが、それをこらえた。
 ルシフェルが説得をしたいと強く述べて、それに同意したからだ。
 Brigaとヴァレットはどうするか細かく決めてはいなかったが、特に反対する理由もないので防御の構えだけをとっておいた。
 一度前に出るルシフェル。
 姿を見せた穴掘りラットたちに呼びかけた。
 呼びかける内容はこうだ。
『人の者を盗むのはいけないのは知っていると思う。モンスターだから、人前に出たら狩られてしまうから盗まないといけないのか?
 君たちは自分たちの家と生活を守っているだけの、善良なこの幻想の民なのだ。盗みを止め、害がないとわかれば共存もできよう。巣を破壊するのは申し訳ない、盗みに対する罰となってしまった。
 でもどうか、ここの依頼主は退去を望んだだけで、君たちの命を取ろうとしていないことを汲み取って欲しい。
 あ、イレギュラーズていうのがあって! 依頼してくれたら、遂行する奴らがいるのだ! 一緒に、生きていく術と場所を探さないか?』
 これを肉体言語と説得のスキルを使って呼びかけようとしていたが、うまく言語に込めることができなかった。伝えようと努力する間に時間もかかってしまったし、仮に伝わったとしても相手や仲間の状況が緊迫しすぎていたり話の内容に道理の通ってない部分があったりした分、聞き入れてもらえなかったかもしれない。
「あぶない!」
 飛びかかるラットの噛みつきから身を挺して庇うルティアニス。
 ルシフェルはライトヒールを使ってルティアニスを回復した。
 ルティアニスは攻撃をうけたぶんまでは回復したが、そのままほかのラットによるスコップ攻撃に晒されることになった。
 無理矢理呪術を放って反撃するが、ラットはそれを振り払って攻撃を続けた。
 ヴァレットは目を細めた。ラットたちは真っ赤な敵対心をもってこちらに攻撃をしている。自分たちが完全武装で入ってきた時点で、もはや生き残るために戦うしか無い状態にまで緊迫していたのだろう。
 こうなれば仕方ない。ヴァレットはナイフを逆手に握りると、ラットの頭上を飛び越えた。
 空中でくるりと反転。相手の背後に着地しながら、首筋にナイフの刃を走らせる。
 血が吹き出ていく。壁が赤黒く染まっていく。
 Brigaはその光景を視界の端にいれたまま、しかし狙いはしっかりとラットの頭に据えていた。大きく斧を振り上げる。
 ルティアニスへの攻撃に集中していたラットはハッとして振り返った。
 スコップを掲げ防御する。
 間髪入れずに斧を叩き込むBriga。
 ラットのスコップが左右真っ二つに割れ、大きくよろめいた。
 傷ついた腕に手を当て、大きく後退するルティアニス。ルシフェルは彼女の回復を続け、その一方でヴァレットとBrigaはラットと格闘した。
 結構な傷をおいはしたが、最後にはラットたちを切り裂き、たたきつぶすことに成功した。
 粗く息を整えるBriga。
 だが依頼はまだ始まったばかりだ。疲れた身体を引きずるようにして、再び巣の探索を始めた。

 前提の話をする。
 『一神導体』シルシィ(p3p002089)はこの依頼にそれほど乗り気ではなかった。
 穏便に済めばそれでよいとも、思っていた。
「神様の言う通り!」
 そう言って棒を倒して、行き先を決める。
 大きなケモノの耳がわずかに動き、棒の倒れたほうを向いた。
 シルシィのギフトは運任せでものを選ぶ時、よい結果に導かれやすくなるというものだ。
 巣そのものを探すのにうってつけな能力を仲間があまり持っていなかったので、結果的にシルシィのギフトは有効に働いた。
「ネズミと話し合いするみたい? うまくいくのかなー?? 野生は厳しいんだよー、でもうまくいくといいよねー」
 『角うさぎ』オカカ(p3p004593)はそんなふうに言いながら、耳をすましていた。
 『ネズミがいっぱいいそうなところを探すよー。んー、こっちかなー? たぶんー』とシルシィとは別の形でラットの巣を探知しようとしているようだ。
 最後尾でカンテラを掲げる『夢幻への送還者』レーヴ・シュマン(p3p000345)。
 茶色の短い髪が、乾いた地下道のなかでわずかに揺れる。風の通り道でもあるのだろうか。
「……」
 隠された罠や横道がないか探ってはいるが、それらしいものはない。
 先頭を歩いていたのは『英雄乃残滓』エドガー(p3p004504)だ。
 一見して首の無い男である。しかしものは見えているようで、それどころか暗闇でも問題なく、前も後ろも見えているという。
「フム、まあ確かに飲食店における材料を盗まれる、というのはその飲食店にとっては大打撃か。少なくとも、彼等はそうして生きる為に購入している訳だからな。ならば、殲滅……が出来れば最上だが、数が多くてちと難しい。習性を利用して追放するのが現実的、という訳だな」
 要領としては一般的な鼠駆除にみえる。
 シルシィやオカカの手前そんなふうには言わないが……例えば動物と会話できるような能力があって、尚且つこちらに害意がないことが示せて、相手が敵意をまず持たないような状況を全員で協力して作れて、その上でしっかりと話し合って巣を捨てて貰うことができればよかった……のかもしれない。それでも他人に持ち家を今すぐ捨てて貰う程の交渉を要するので、簡単には行かないだろう。
「まて」
 レーヴの赤茶色の目が動いた。と同時にライフルをとって構える。
 何か、言葉にできないものを感じ取ったのだ。
 似たようなものを感じ取ったようで、エドガーもまた盾を構える。
 一番敏感に、そして早く察知したのはオカカだった。角をたてるようにして戦いの構えを撮る。
 近づいてくる。およそ2体。
 エドガーが指でそう示したので、レーヴはカンテラを滑らせるようにして前に放り出した。
 精密射撃を活かすためだ。
 一方でオカカとエドガーが前へ出て行く。
 シルシィが敵にやや先んじる形で名乗り口上を何発か放っていく。ラットの片方には【怒り】を付与できたようだ。相手を引きつけるようにしつつ、格闘に映っていく。
 シルシィとは別の対象を狙って集中攻撃をしかけるオカカとエドガー。
 彼らの角や盾による突撃はラットを吹き飛ばし、引き離していく。
 その間にレーヴが狙うのはシルシィが相手にしている個体だ。
 ライフルの狙いをつけ、何発も精密射撃を打ち込んでいく。さすがの命中率だ。ラットが咄嗟に翳したスコップをはねとばし、すかさずシルシィは相手を格闘によって倒した。
 エドガーはその間にオカカと共に囲んでいたラットを追い詰めにかかる。名乗り口上をはさんで【怒り】を付与しておきたかったが、クリーンヒット以上をたたき出せそうな命中率を確保できない位置関係にあったのでシールドバッシュを継続。オカカの角と挟み込む形で突撃をしかけ、ラットをべしゃんとつぶすことがきた。
「時間はまだあるよー。いそごうねー」
 巣はまだ見つかっていない。エドガーは先を急ぐようにして暗闇のさきを見据えた。
 シルシィやオカカ、レーヴは無事なようだ。
 こほん、と咳払いでもするようなジェスチャーをする。
「私は今となっては食べる事はないが、それでも食の大事さは分かっているつもりだよ。巣が出来てしまっているなら放っておけば際限なく増えるな、そして被害も増える一方だ。それは看過出来ん。私は、モンスターよりも人の営みを守るべきだと思う」
 自分の考えをしっかりと述べて、エドガーはふたたび歩き出した。
 いまこのとき、これは人のための戦いとなっていた。

 一方こちらはBrigaたち。
 巣を見つけるのはやはり難しい作業だった。Brigaの捜索能力でそれなりに効率は上がっているが、巣があるかもしれない場所をいくつもあたっては引き返しを繰り返しているうちに戦闘の階数も増えた。
 途中でちょこちょこと襲ってくるラットはヴァレットの聞き耳で察知できるので奇襲をかけられるようなことはまずないが、APは随分と前から枯渇しはじめていた。
 巣があると思しき箇所は20箇所。そのうちいくつが巣かはわからないが、
手分けしても行くべき場所は10箇所あることになる。
 探索能力で劣る分、隊をもっと分けるべきだったろうか……などとも思う。
「時間、結構たったね」
 ちゃんとした時計を用意できたわけではないが、およその計測でヴァレットは呟いた。
 疲労困憊といった様子で額をぬぐうルティアニス。
「次が本物の巣じゃなかったら、流石に一旦戻って休憩したほうがいいんじゃないかしら」
 とはいえ休憩してからリトライするだけの時間があるかどうか。
 ルシフェルは黙って捜索を続けている。
「ま、見るまでは分からねえしな」
 Brigaはそう言って、しかし斧を強く握りしめた。直感がはたらいたのだ。
 それはヴァレットも同じだった。耳に聞こえるきゅーきゅーという小さな音。
 これはラットたちの巣が近いことを示しているように思えた。
「急ぐよ」
 走り出すヴァレット。ルティアニスやルシフェルもその後に続いた。

 時を同じくしてシルシィたち。
 シルシィによるギフト能力で『よりよい運任せ』をしていた四人は、何度かハズレを引いてしまったもののそれなりのところで巣を見つけることが出来た。
「いっぱいいるよー」
 オカカが耳を動かして言う。
 その一方でエドガーは焦るように足を踏みならした。しっかりとした時計を持ってきていたので正しい計測ができたのだが、このペースでいくと制限時間にそれほど余裕がなさそうなのだ。
 その様子を察したレーヴがライフルを握る。
「巣の隠蔽はなさそうだ。急ごう」
 巣を見つけるのにも苦労したが、本当に苦労するのはそこからだった。
 見つけた巣の一括破壊は難しく、とりあえずやってはみたが失敗してしまい、ラットとの戦闘に突入することになってしまった。
 ひとつの巣を破壊したら合流する予定だ。二つのチームは合流地点を目指して移動した。巣の破壊中に発生した戦闘不能者や帰還中におきた戦闘での負傷によって、元々疲弊していたチームは半壊。美味しそうな見た目で敵を引きつけて頑張って逃げて時間を稼いでくれたオカカや最後の最後まで仲間を治療したり庇ったりしてくれたルティアニスのおかげである。
 最終的に、エドガーがオカカやシルシィを抱え、Brigaがルティアニスを抱え、傷ついたルシフェルにヴァレットが手を貸すといった形でなんとかかんとか安全圏――『スウィフトパンチ』の地下倉庫にまで撤退してきた。

 地下倉庫で待っていたのは、貴族の男とその兵隊たちだった。
「ギルド・ローレットの者たちだな? 鼠駆除まことにご苦労。あとは我々に任せて食事でもしてきたまえ」
 貴族は出てきたイレギュラーズたちにコインを渡すと、兵隊たちに命令して穴の前に立たせた。
 貴族が金と時間と人をつかって長期的に駆除活動をすれば、穴掘りラットを駆除しきることもできるかもしれない。『スウィフトパンチ』の店主は駆除料金を請求されることになるかもしれないが、店や町は守られるはずだ。
「私たちは……?」
 ヴァレットが問いかけた。問いかけたかったのは皆同じだ。
 レーヴやエドガーも、オカカやシルシィも、ルシフェルやルティアニスも、Brigaも例外なく、自分たちのことを……そして穴掘りラットや店のことを聞きたかった。
 貴族の男が笑顔を作る。
「ここの店主に金銭的な苦労をかけまいとしたのはとても立派なことだ。君たちに敬意を表明しよう。しかし地下から出現するモンスターによって危険にさらされるのはこの店の者だけではない。町の治安を守るため、兵を投入させてもらった。なに、店の主人にばかり代金を求めたりはしないさ。安心して、帰ってくれたまえ」
 どこか強制的な貴族の様子に、Brigaたちは渋々店を出て行った。
 探索能力が足りなければ部隊を分け、巣の破壊が難しいなら戦闘に割り切るといった作戦があればだいぶ違ったのかもしれない。だがそれは過去のこと。少なくとも、町の平和は保たれるはずだ。

成否

失敗

MVP

なし

状態異常

ルティアニス・ディフ・パルフェ(p3p002113) [重傷]
おてんば歌姫の冒険
オカカ(p3p004593) [重傷]
兎に角

あとがき

 おかえりなさいませ。
 残念ながら依頼は惜しくも失敗となってしまいましたが、皆様のがんばりはラットの巣を壊滅寸前にすることができましたし、おかげで貴族たちも殆ど苦労をせずにラットの駆除を終えることでしょう。店主たちもまたそれほどお金を請求されることもないでしょう。

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