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シナリオ詳細

<NF決戦>恐るべきスクラップザウルス!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ネオフォボスは、幻想支配をもくろむ悪の秘密結社である。
 彼らはクローン怪人を次々に生み出し、幻想の人々を脅かしていた。
 しかし、ローレットのサマーフェスティバルへ乱入した際、撃退した怪人達の持っていた日焼け止めには、なんと――ネオフォボス秘密基地の住所が書いてあったのだ!
 コンプライアンスの良さが仇となったのか!
 どこからか聞こえてくるそんな叫びはさておき。
 ついに、幻想王国の『放蕩王』フォルデルマン三世から、ネオフォボス討伐の大規模依頼がローレット他、様々な冒険者達へと布告される!
 奴らのアジトへ襲撃し、幻想支配をもくろむ秘密結社ネオフォボスとその総帥ナンイドナイトメアを倒すのだ!
 ――戦え、イレギュラーズ!
 ――負けるな、イレギュラーズ!


 ローレット内では多数の依頼が張り出されており、ネオフォボスの文字がそれらの依頼書を飾っている。
「随分と騒がしいことになっているじゃないか」
 そこに顔を出したのは、『海賊淑女』オリヴィア・ミラン(p3n000011)だった。
 集まるメンバーへと、彼女は早速今回の依頼について語り始める。
 ネオフォボスという悪の秘密結社の活動がしばらく続いていたが、そのアジトの場所を突き止めた幻想の王が一斉襲撃作戦を計画している。
「それで、ローレットにも大規模な依頼が舞い込んでいる状況ってわけだな」
 場所は、幻想の辺境。
 ネオフォボスの隠しアジトがそこにあるのだが、その周辺にもいくつかのアジトが存在している。
 オリヴィアが情報と仕入れたのは、そのうちの一つだ。
「丘陵地帯へと巧妙に隠された地下アジトがあってさ。奴ら相当、大きな空洞を造ってるんだよ」
 丘陵地下のアジトを叩くのだが、ここには非常に厄介な存在が出撃の時を待っているという。
 全長5m。恐竜を思わせるフォルムを持ち、全身が鉄くずで覆われた巨大な怪人。
 彼の名は、スクラップザウルス大佐という。
 元はトカゲの獣種のようだが、彼はこのアジトへと運び込まれるスクラップを使って自らの体に改造を施し始めた。
 この場所にてじっくりと時間をかけ、来る時の為に改造に改造を重ねて。
「その最中、魔種となり果てたこの大佐は配下の戦闘員共々、力を蓄えていたのさ」
 幸い、まだ総帥の指示が出ておらず、この大佐を含む一隊はアジトで待機を続けている。
 彼らが動き出す前にアジトを潰し、危険な力を持つスクラップザウルス大佐を討伐してしまいたい。
「全身から重火器をぶっ放したり、その巨躯を生かして広範囲に攻撃を仕掛けたりしてくるから、注意しな」
 相手として不足はないが、場所は地中だ。
 下手をすれば地中に生き埋めにさせられてしまう可能性もあるので、上手く立ち回って撃破したい。
「以上だね。……危険な依頼だ。生きて帰るんだよ」
 丘陵地下のアジトへと向かうメンバー達へと、オリヴィアは発破をかけるのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。なちゅいです。
 ネオフォボスとの最終決戦です。
 当シナリオでは、残っているアジトで出撃の時を待つ怪人の撃破を願います。

●目的、状況
 丘陵の中、地下に造られた巨大なアジトに改造に改造を重ねられた怪人が魔種となり、出撃の時を待っています。

 丘陵のとある場所に15m程度の梯子が設けられており、そちらを伝って地下へと降ります。
 細い通路を抜けた先はかなり広い空間となっており、ネオフォボスのアジトの1つとして利用されております。
 高さ10m程度、一辺4~50m程度ある周囲は壁に接する形で5m程度の足場があり、2ヵ所ある階段から登ることができます。
 敵に崩されるまではこれも利用できますが、当然敵もまたこの足場を使用します。

●敵
◎スクラップザウルス大佐
 自ら志願し、怪人へと改造を許容したネオフォボス幹部。
 元はトカゲの獣種だった体は2本脚の恐竜を思わせ、
 全身を練達で仕入れたスクラップを組み込み、
 全長5m程度の巨大な姿となり果てています。
 傲慢の魔種となり果てた彼は、己の力を示そうと破壊の限りを尽くします。

・殲滅の爪牙……(A)物近単・物無・懊悩
・アームミサイル……(A)物中列・業炎・崩れ・出血
・ロケット砲……(A)物遠範・流血・飛
・大放電……(A)神遠域・感電・弱点・ブレイク
・大震動……(A)神遠域・万能・体勢不利・防無

◎強化戦闘員……12名
 フォボスが作り出した人型の魔物ですが、改造によって強化された上、狂気の影響を受けており、侮れぬ威力を持ちます。
 パンチ、キックといった肉弾戦の他、スクラップから作られた火炎放射器、バルカン、マシンガンといった重火器を使って攻撃してきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <NF決戦>恐るべきスクラップザウルス!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2019年10月22日 22時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

シエラ・バレスティ(p3p000604)
バレスティ流剣士
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
コゼット(p3p002755)
ひだまりうさぎ
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)
流星と並び立つ赤き備
藤堂 夕(p3p006645)
小さな太陽
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海

リプレイ


 幻想の辺境にある丘陵地帯。
 ローレット所属のイレギュラーズ達は情報を元に辺りを調べる。
 この地下にネオフォボスの隠しアジトがあるということだが……。
「冗談みたいな集団だけど、多数の魔種を擁する集団って考えると、危険度はあのサーカスにも匹敵する、ってことだよね……」
 線の細い印象の青年、マルク・シリング(p3p001309)は冷静に今回の敵、ネオフォボスについて考える。
「しかも、5mの怪物、スクラップサウルス大佐か」
「でかくて強い敵か、いいな! 燃えてくるぜ!」
 マルクの言葉に、戦い大好きな『戦バカ』エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)が闘志を漲らせる。
 ただ、もしこの大佐が野放しになったら、どれだけの人が犠牲になるか分からない。
「きっちりとここで叩こう」
 マルクの言葉に皆頷き、メンバーはアジトへの侵入口の捜索を急ぐ。

 程なく、イレギュラーズ一行は地下へと延びる梯子を発見して。
「悪の地下アジトとは小癪な! 我が血ぬられし正義の刃が汝らを地の底へと眠らせてくれるわー!」
 悪役のノリで叫ぶ『青き流星』シエラ・バレスティ(p3p000604)は傷を押しての参加だが、かなりノリノリである。
「まさか、こんなベタな場所に隠れていたとはね。生き埋めにされないといいのだけれど……」
 赤髪ポニーテールの『斜陽』ルチア・アフラニア(p3p006865)は呆れと同時に、作戦後について一抹の不安も感じていた。
 早速、一行は地下を目指す。
 襲撃を気にかけるシエラはセンスフラグを働かせながら、慎重に長い梯子を下りていく。
「がんばって掘ったんだね……」
 こちらも傷を押しての参加。兎の獣種、『孤兎』コゼット(p3p002755)は戦闘員の苦労を慮る。
 ただ、近くに川など流れていたら、水を入れて水没する作戦もとれたと、彼女は構造上の弱点も指摘していた。
 そんな地下深くの拠点なら脱出経路はあるだろうと機械の四肢を持つ旅人の女性、『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は見ており、ギフトを使ってそれらしい場所を探していた。

 15mにも及ぶ梯子を下りたメンバー達が注意深く通路を抜けると、大きな空間へと出る。
「ふむ、地下にこんなアジトを造るとは……。ふふっ」
 そこに設置された数々の設備に、ゼフィラは笑みを零して調査を続ける。出来れば、敵が利用できる隠し通路を見つけたいところ。
 マルクもまた別通路の有無の把握に努め、出来る限り壁を背にして移動することで予想外の方向からの敵の出現を警戒する。
「いるな……」
 海洋のマフィアである飛行種、『絶海武闘』ジョージ・キングマン(p3p007332)が頭上を見上げれば、そこに数体の戦闘員の姿があり、侵入してきたこちらへとスクラップで作られた重火器を向けている。
 エレンシアは高台に敵がいなければ、階段を即座に破壊しに回っていたところだったが、これでは飛べぬ仲間達が攻め込む手段を奪うことになる。
(8体か。思ったより多いな)
 ならば、地上の敵を上がらせぬようにすべきか。エレンシアはしばし悩む。
 一方で、ウェーブヘアにグラマラスなボディの『小さな太陽』藤堂 夕(p3p006645)は自分達と同じ目線にいる敵を見据える。
 夕は足場を利用することは考えておらず、やはり状況によっては階段の破壊を考えていたようだ。
 そんな中で、下層の奥から巨大なトカゲが姿を現す。
「来おったな、ローレット……!」
 自らスクラップを使って巨大な体となるように改造を施したあげく、魔種となり果てたネオフォボスの幹部、スクラップザウルス大佐である。
 元は獣種という話だが、鉄騎種とてそこまで機械化しないだろうと、改造が過ぎたその姿にジョージは乾いた笑いを浮かべて。
「忠義の果てか、力を求めたか」
 呼びかけるジョージは、敵に悟られぬよう保護結界を展開する。
 アジトの意図的な破壊を防ぐ為だが、それは大佐にも筒抜けだったようだ。
「何のつもりだ?」
「ステージは用意した。これでお互い、遠慮なくぶつかれるだろう?」
 ジョージの一言を挑発ととったのか、大佐が力を放出する。
 姿はコミカルさすら感じるが、魔種としての力は本物だ。
「あれ? ゴミの山かと思ったら、へんなトカゲなんだね」
 そこでコゼットがなおも挑発し、大佐の巨体の周囲を飛び回り始める。
 それに大佐は早くも苛立っていたようだが、シエラは抑えに当たる可愛い獣種のコゼットを気遣って。
「心配心配心配。早く敵を倒して楽にして上げよう!」
 素早く高台を目指し、シエラは階段を駆け上がっていく。
 敵が範囲攻撃をしてくることもあり、皆散開する。
 回復役となるルチアも前寄りに位置取り、互いに巻き込まれぬよう警戒していた。
「者ども、こやつらを始末しろ!」
「サー、イェッサー!」
 襲い来る戦闘員達へと、イレギュラーズ達もそれぞれ向かって。
「こういうのは嫌いではないけれど、仕事で来た以上、手加減するつもりは一切ないよ」
 ゼフィラも続いて高台を目指すが、エレンシアは地上で敵を迎え撃つことを選択して。
「さぁ、やるか! 覚悟しやがれデカブツ」
 その後方にいるスクラップザウルス大佐へと呼びかけつつ、戦闘員へと対していくのである。


 ネオフォボスの戦闘員達は下層のスクラップ大佐を中心に4名が上司を護るように布陣し、残り8名が高台に散開していた。
 遠距離からイレギュラーズ達を重火器で狙う戦闘員を倒すべく、4人が高台を目指す。
 下層メンバー達も、階段破壊については一旦保留して。
「まずは戦闘員の排除ですね!」
 ボスである大佐討伐の手前に立ち、肉弾戦を仕掛けてくる戦闘員に対し、夕はリンクメイトによってなんか特撮ヒーローっぽい人を召喚してみせ、戦闘員を個別に叩いていく。
 その夕から少し距離を取るマルクは特に、同じヒーラーであるルチアとは固まらぬよう意識して立ち回る。
 前方奥、大佐が出てきた場所に出入り口らしきものがあると見ていたマルクだが、今は向かい来る戦闘員の相手をと神気閃光を放つ。
「僕なら、全力で放ってもミスはないはず……」
 全力で魔法を放つことを想定していたマルクはその分、ミスがないようにと装備などで調整していた。
 また、激しく瞬く神聖な光は敵味方識別が可能で、つくられた魔物である戦闘員だけを確実に灼いていく。
 敵味方が入り乱れ始める戦場であっても、気にすることなく使えるのは大きい。
 そして、機械音を立てて襲い来るスクラップザウルス大佐を、コゼットが飛び跳ねながら抑えて。
「新種のゴミトカゲかな……? なんかごちゃごちゃして、弱そう」
 体が廃材で組み上がっていた為か、その見た目がかなり歪にも思えていたコゼットはやや本音も交えて言い放つ。
 どうやら、大佐本人もかなり気にしていたらしく。
「おのれ、八つ裂きにしてくれようぞ!」
 彼は鋭い両腕の爪を振り上げ、コゼットを薙ぎ払おうとしていた。
 敵の動きはかなり大振りではあるが、確実に当たるだけでも致命傷。
 コゼットは自らの高い回避で、なんとか仲間達が配下の戦闘員を倒すまでその場を持たせようと動き回る。
 その彼女を支えるのは、ほぼ回復に専念するルチアだ。
 調和の力による一度の癒しには限界があるので、ルチアはコゼットの体力を注視するのを重点におく。
 序盤は皆、散開していることもあり、ルチアは個別に異常回復や気力の充填に動いていたようだ。

 その間も、頭上の高台から重火器を掃射してくる強化戦闘員達。
 頭上の足場は空間の壁に沿う形で設置されているが、手前側の階段を上った4人は前後に分かれ、ばらけて戦闘員の討伐を進めていく。
 シエラは自分へと寄ってきた敵目掛け、雷を纏う「滅牙」を抜いて。
「月に狂いし獣の咆哮と共に葬り去る 滅びの一撃を受けよ 狼牙月光斬!!」
 その1体目がけ、シエラは見事に上段斬りを浴びせかけた。
 相手も強化された戦闘員。簡単には沈まないが、その一撃に見とれていた敵はやや呆けていたのをシエラは見逃さず。
「正義の刃を食らえー!」
 すかさずシエラは更なる一撃を浴びせかけ、敵をその場で倒していく。
 足場の上で2方向に動くメンバー達は散開の為、別の戦闘員を相手取る。
 魔種であるスクラップザウルス大佐と、イレギュラーズのみの状況を作るべく、高台の上を移動するゼフィラ。
 合間に自分達が侵入してきた出入口とは逆方向の壁を見回し、隠し通路がないかと探していたが、ゼフィラ目がけて1体が飛び掛かり、もう1体がマシンガンを掃射してくる。
「もう少し余裕を持って、見て回りたいものだけれど……」
 アジトに関心を持つゼフィラだが、さすがに2体相手ではそちらにばかり気を回してはいられない。
 位置を調整し、ゼフィラは空中にハガルのルーンを描いていく。
 すると、足場の上に雹が降り注ぎ、逃れられぬ戦闘員達はその身を凍らせてしまう。
 敵の攻撃を受けていたゼフィラは頃合いを見て、全身の力を魔力へと変換し、戦闘員どもを纏めて撃ち抜いていた。
 思ったよりはしぶとい敵ではあったが、それでも、ゼフィラの2度目の魔砲には耐えられず、崩れ落ちていく。
 こちらは、逆側に向かっていたジョージ。
 飛び蹴りで仕掛けてきた敵に対し、彼は攻撃を集中させて拳を叩き込む。
「あいにくと、芸がなくてな。近接格闘しか出来ないが、それでも十分だろう」
 幾度か組手を交わすジョージは敵の殴打を受け流し、背後へと回り込もうとしたそいつへと裏拳を命中させて倒してしまう。
 そこへ、火炎放射を放ってくる敵。
 ジョージはすかさず距離を詰め、砲身を蹴って狙いをずらしてみせた。
 相手が大きく態勢を崩す間に、ジョージは半身に構えて。
 一気に戦闘員の懐へと潜り込んだジョージはさながら波浪が崩れるように敵の攻めを崩し、痛烈なる一打を見舞う。
「容易に直撃させないだけの立ち回りは、心得ているつもりだ」
 ジョージの一言はもうその戦闘員の耳には届いていなかった。

 下では、イレギュラーズ達が耐え凌ぐ戦いが続く。
 4体の強化戦闘員には、神聖なる光でマルクが援護しつつ夕が立ち回る。
「ぶっちゃけ、私、防御力はないのですが……」
 だが、前線のメンバー達は皆、高台の戦闘員を優先している状態だ。
 仲間達の防御に頼れぬ状況の中、夕はマルクの回復を頼りに立ち回り、その背に生み出した光翼を羽ばたかせることで舞い踊る光刃で敵を切り刻み、戦闘員の数を減らす。
 しかし、数の多さと合わせ、コゼットから注意を反らした大佐がロケット砲を叩き込んでくる。
 夕も苦しみながらも「運命逆転力」の力で堪え、再び呼び出した特撮ヒーローに戦闘員1体を張り倒させていた。
「そういえば、入ってくるとき梯子とか、通路とか狭かったけど、この、無駄に大きい体で、どうやって通るの?」
 後ろを振り返り、仲間の状態を確認したコゼットは再度スクラップザウルス大佐を煽る。
「……もしかして、出れなくなっちゃったの? かわいそう」
「ふん、俺がどこから出てきたと思っている?」
 スクラップでできた尻尾で後方を指し示す大佐。
 それによって、コゼットは他の出口があることを確認する。
 だが、次の瞬間、大佐の爪牙がコゼットを捉え、彼女の体を引き裂いてしまう。
 その意識は確かに途絶えかけたが、兎の形をしたパンドラ収集器が淡く光り、コゼットが事前に踏みとどまる。
「まだまだ、跳び足りないね」
「跳ねるのはいいけれど、気を付けてね」
 そんなコゼットに安堵するルチアはさらに調和の力を使い、コゼットの体力回復に力を尽くす。

「うおりゃあああっ!!」
 その時、「霊樹の大剣」を旋回させたエレンシアが小さな暴風域を作り出すと格闘、バルカン所持の2体を纏めて薙ぎ倒してしまう。
 全ての高台の戦闘員が倒れたことで、エレンシアが片方の階段を破壊に回る。
「いいです! 壊しちゃいましょう!」
「少し残念だが、仕方ない」
 そこで、状況を見たゼフィラが高台から降りてきて、夕と共に手前の階段を破壊するのだった。


 高台から降りてきたメンバー達は、すぐさま下層の戦闘員を蹴散らして。
「残るはデカブツ!」
 嬉々として敵へと駆けていくエレンシアを、翼で舞い降りてきたジョージが着地し、追っていく。
「おのれ、使えぬ奴らどもめ……」
 強化戦闘員が全て倒され、やはり頼れるのは自らの力のみとスクラップザウルス大佐が一層憤り、力を漲らせる。
「ははは! 傲慢の魔種か! イイネェ、そうこねぇとな!」
 エレンシアがそこで蹴尾を挙げると、飛び込むゼフィラがノーモーションで衝術を使って大佐の巨体を吹き飛ばす。
「ぐっ……」
「肉弾戦と、武力を纏った貴様、どちらの力が優れているか、示してやろう……!」
 痺れを走らせた敵が飛ぶ方向にはジョージが居て。
「さぁ、力比べと行こう!」
 彼はスクラップの継ぎ目を狙い、拳を叩き込む。
 そこで、夕が使い魔を飛ばしつつ、敵の弱点を探る。
 これだけの巨体をさせる維持装置。そして弾薬庫に心臓部等を夕は探っていく。
 その間にエレンシアが躍りかかって。
「敵はでかけりゃでかいほど、強けりゃ強いほど潰し甲斐があるってもんだ!」
 憎悪の爪牙を浴びせかけていくエレンシアだったが、敵もまた彼女に対して爪牙を浴びせ返してくる。
「図に乗るな……!」
 鋭い爪を浴びせけて来た大佐は、エレンシアへと煌めく牙を突き立てる。
 戦闘員との戦いで多少傷つきはしていたエレンシアだったが、想定外のダメージによって途絶えかけた意識をパンドラで繋ぎ止めた。
 魔種となった大佐は思った以上に抵抗力があり、怒りで引きつけるのが難しい。
 相手にそう感じていたコゼットは、飛び回りながらも相手の意識を自分に留めようと力を振り絞る。
 そんなコゼットを気にかけつつ、ルチアもパンドラを使ったエレンシアにも癒しを振りまいていた。

 本気で襲い来る大佐の力は、見た目とはかけ離れた程に強い。
 基本的には跳び回るコゼットが相手を挑発し続けていたこともあり、広範囲に及ぶ放電、震動といった攻撃を行うことはほとんどなかった。
 ただ、近場に寄って攻撃するイレギュラーズ達へ、大佐も冷静になったタイミングで腕から発射するミサイルを浴びせかけてくる。
 通常攻撃の為に寄ってきたゼフィラがそれに巻き込まれ、パンドラを使って起き上がる。
 メンバーも苦しそうだが、大佐もかなり苦しそうになっているのは間違いない。
「最大火力をくれてやらァ!」
 さらにエレンシアが憎悪の爪牙を全力で相手を蹂躙すれば、敵もその身を構成するスクラップを剥がされてしまう。
 露わになった素肌へとジョージが一気に蹴りを撃ち込むと、大佐は肩で息を始めて。
「はぁ、はぁ……」
 ここまで来れば総力戦。
 回復役のマルクは大佐の周囲を動き回り、攻撃方向を分散させようとする。
 その上で、傷つくコゼットを庇うマルク。
 ルチアの手当てを受ける仲間の姿に、シエラが憤った。
「よくもコゼットちゃんを!」
 大佐が刹那怯むタイミングで、攻撃集中していたシエラは一気に大佐の体を殴りつけていく。
「戦隊もののお約束を言えば――」
 相手の体を温度視覚で見つめていた夕。
 熱を持ち、稼働している場所はいくつかある。
 だが、おそらくは脳みが残っているはずと、光翼を羽ばたかせた夕は敢えて相手の脳天目がけて刃を浴びせかけていく。
「グ、グワアアアアッ!!」
 大佐の巨体が大きく揺らぎ、体のあちらこちらから湯気が出始めて。
「総帥、お許しを……!」
 大佐は自らの体に仕掛けていた自爆装置を発動させてしまう。
 それに、下層の地面へと着地した夕が気付いて。
「皆、伏せて!」
 直後、大佐の胸部を中心に爆発が起きる。
 スクラップでできたその巨体が崩れ始めると共に、アジトもまたあちらこちらへと亀裂が走っていく。
 崩壊が始まったことを察したメンバー達はすぐさま、この地下空間から脱出に動き出すのである。


 崩壊を始めるアジト。
 保護結界は働いたままだが、意図的な破壊には効果がなく、急いで逃げることとなる。
 相手後方にも出入り口らしきものは発見出来たが、そちらからの脱出経路まで確認できなかった一行は、自分達が入ってきた梯子の方を振り返って。
「脱出だ。生き埋めなんざゴメンだからな!」
「そうだね。急いで逃げよう」
 深手を負ったエレンシアが叫ぶと、傷が癒えぬコゼットも仲間へと脱出を促す。
 天井が崩れ落ちてくる中、メンバー達はなんとか通路へと逃げ込み、アジトの崩落から逃れて地上へと逃れていく。
「本当に生き埋めにされるところだったね」
 なんとか脱出に成功し、嘆息するルチア。
 各自一息ついて、丘陵の上へと座り込む。
 しばらく地鳴りが続いていたが、それも完全に止んだことで、イレギュラーズ達は先程までいたアジトが壊滅したことを察したのである。

成否

成功

MVP

藤堂 夕(p3p006645)
小さな太陽

状態異常

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)[重傷]
夜明け前の風
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)[重傷]
流星と並び立つ赤き備
藤堂 夕(p3p006645)[重傷]
小さな太陽

あとがき

リプレイ、公開です。
MVPは序盤戦闘員を相手にし、魔種となった大佐にとどめもさしたあなたへ。
アジトの攻略お疲れ様でした。
ゆっくりとおやすみくださいませ。

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