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シナリオ詳細

砂粒を辿って
砂粒を辿って

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●砂の導き
 人に価値を付ける事のなんと愚かしき事か。
 人の価値を買えると思う輩のなんと多い事か。
 そして買えるのならば、いとも簡単に大金を積み上げるとは――
「なんともはや易過ぎる事だ」
 『彼』が手で弄ぶのは、金だ。奴隷売買の取引で売ると同時に引き換えた『その者の価値』である。
 愚かしい愚かしい。肉の塊と金銀財宝を引き換えるとは……
 尤も、そんな愚かしさがあるからこそ私も目を付けた訳ではあるのだが。
「首尾はどうか?」
「ハッ順次滞りなく……と申し上げたいのですが、些か予定通りとは……」
 己が直属の部下に声を飛ばす。さすれば返ってきた言葉に彼――『ザントマン』は頬杖をついて。
「……イレギュラーズ共か」
「はい。売買の妨害はもとより、攪乱の為に放った魔物共の駆逐も行われている次第。当初からある程度の妨害がある事は想定されておりましたが……ラサの傭兵達だけで事に当たられていた場合の被害予想を超えております」
「ふ、む」
 面倒な存在だ。奴らは天義にて――強欲の『冠位』を撃破している。
 決して一対一で倒された訳ではなく複数の要素が重なった結果ではあるものの、それは純然たる事実だ。奴らは『冠位』を……場合によっては撃破せしめる可能性を秘めているという事で。
 面倒だ、ああ本当に面倒だ――だから。
「無視しろ」
「はっ?」
「イレギュラーズ共と戦う事が『目的』ではない。『根回し』を終わらせれば私の勝ちだ」
 奴隷売買は所詮『餌』にすぎない。
 それによって生じる利益こそが『餌』だ。
 私が目的にしているのは幻想種そのものや金などではないのだから。
「それよりも次だ。次の商人に幻想種を寄こしてやれ――この前攫ったのがまだ残っているだろう」
「はい。幻想種の子供というオーダーですね、丁度良いのがいます」
 言いながら、往く。先にあるのは勿論牢だ。ここにも捕らえた幻想種は多くいる。
 成熟した者から中にはまだ子供まで……やれ、欲望というのは種族を問わず罪深い。どういう理由で子供を求めるのかはさて置いて――中には深緑のトップであるリュミエ・フル・フォーレ、あの美貌を欲する者もいたか。
「フ、フフ。ハハハハハ……」
 指導者すら手中に収めようとする欲望があるとは。愚かさが、愚かさが増していく。
 いいぞ狂え。もっと欲望に身を委ねろ、意のままに従う奴隷を欲し■■の罪に身を浸せ。
 さぁ狂えよ――『商人』共。

●オアシスにて
「よぉ、イレギュラーズ。久しぶりだな」
 ラサの首都ネフェルスト――そこへイレギュラーズ達を待っていたのは『凶頭』ハウザー・ヤーク(p3n000093)だった。彼はラサの傭兵の中でも武闘派たる『凶(マガキ)』の頭領である……が、おや? たしか今回の依頼は。
「貴方ではなく『赤犬』から呼ばれていた筈だが?」
「間違っちゃいねぇよ。正確にはディルクからの依頼だが、俺との共同戦線って所でな。
 細かい所は俺達の間で打ち合わせろ、ってこった」
「『凶』との共同戦線?」
 ああ、と獣種たるハウザーは鼻を鳴らす。
 まず今回の依頼の主題としては最近問題になっている『ザントマン』事件に関する事である。幻想種が拉致されて売られている……端的に言うとそういう問題だが。
「いいか、よく聞け。
 ――ディルクは『ザントマン』って野郎の正体に若干アタリを付けた」
 何? と思考するイレギュラーズだが、どうもハウザーの話では『ザントマン』はラサ内部の人間であるらしい。
 元々ラサで秘密裏に売買を行うルートを持っている時点でその可能性は疑っていたようだが、それに加えてローレットが依頼で成した結果から持ち帰った情報も統合すると――信憑性は非常に高まった。そして何より重要な情報として出てきたのが。
「……ザントマンは、幻想種?」
「らしい。で、だ……ラサの内部で多くの商人に繋がりを持ってて、大きな商売ルートを用意出来てその上で幻想種ってなると大分限られてくる訳でな」
 そしてその疑わしい候補者の一人に何やら動きがあった事が分かったらしい。
 最近その者の屋敷に荷が不明な、或いは取引の記録が見当たらないのに運び込まれる『荷物』が増えているのだとか。イレギュラーズに行ってもらいたいのはその『荷物』の確認である。
「ただお前らを呼び寄せた理由でもあるんだが……言っとくとそいつが100%ザントマンであるっていう証拠が今の時点である訳じゃねぇ。だからラサの傭兵である俺達が無法で踏み込む訳にはいかねーんだよ面倒な事だがな」
「――成程な。だからラサに属していないローレットの出番な訳か」
 ああ、とハウザーは言葉を紡ぐ。ラサは傭兵主体の集団的国家であり、形は国々により異なれど伝統や歴史、血筋のある他所とは些か異なる政治形態をもつ国家である。
 が、やはりそれなりにルールはあるのだろう。証拠もなく誰が誰を殴ってもお咎めなし、とは行くまい。武闘派のハウザー、彼は喧嘩っ早い人物ではあるが――その辺りは流石に弁えている。
 故にローレットを介するのだ。万一失敗や間違いであっても彼らの悪名が多少増える程度で済む故に。
「分かった……つまり屋敷にこっそりと潜入して証拠を集めればいいんだな?」
「正確には集めるつーよりも……最低でも奴隷が実際に居る事さえ分かりゃいい。強引にでも俺達が踏み込む理由がありさえすりゃいいんだ。奴隷がいるか、もしくはその屋敷の長がザントマンである証拠が見つかったら――こいつを渡しとくから即上げろ」
 言って、ハウザーがイレギュラーズ達に渡すのは発光弾だ。
 簡易的なモノで、外で撃ち上げれば天へと舞い光を炸裂させる装置。人数分ある様なので誰が打ち上げてもいいだろう。尤も、使うには当然誰か一人でも屋敷の『外』で上げる必要がある訳だが……
「喧嘩OKの発光弾を上げてくれりゃあ後は任せろ。一気に制圧してやる。
 だが間違っても証拠無しには上げんなよ? わざわざ依頼した理由がねーからな」
「その辺りは上手くやるさ……で、だ。一体『どこの誰』の屋敷に行くことになるんだ?」
 ああそういえば言ってなかったな、とハウザーは顎を触って。
 言葉を紡ぐ。『ザントマン』と思わしき者、その者の名前は。
「オラクル・ベルベーグルス。
 ラサの商会の中でも古参に位置する――『深緑出身』の幻想種野郎だ」

●御伽噺の……

 ――夜の森は危険だよ。さっさと眠ってしまいなさい。
 そうしないと。
 眠たい砂が降ってきて『ザントマン』に攫われてしまうよ――

 お婆ちゃんから聞いた事のある子守歌。何度も歌ってくれた子守歌。
 そう、只の御伽噺だと思っていたのに――
「出ろ小娘。お前の価値を見定める時間だ」
 目の前にはその『ザントマン』がいる。砂を降らせる、御伽噺のザントマンが。
 嘘だ。これは夢なんだ、と心の片隅で少女は全てを否定するのだが。
 冷たい鎖。冷たい首輪。
 小さき体にはあまりも重く、暗い金属が――嫌でも現実である事を教えてくれる。
「ひ……ぁ……」
 身体が震え、喉が震えて身が竦み。大声が出る事も抵抗する力も湧かない。
 鎖を引かれる。首輪に繋がっている、その鎖を思い切り。されば身が強引に立たせられ。
「手間を掛けさせるな――また折檻されたいのか」
「ひ、あ、やッ! ごめんなさい、ごめんなさいッ……! もう、ぶたないで……!」
 咄嗟に反射で頭を庇うような動作をする。右の辺りを手で庇い、謝罪の言葉を繰り返し。
「あ、ああ……うッ……!」
 意図してないのに涙が零れた。口を噤んで、漏れそうになる言葉を呑み込んで。
 ああ。きっと私は、お婆ちゃんが語ってくれたあの御伽噺の『続き』の通りに。
 『砂の都』に――売られていくのだろうかと。

GMコメント

■依頼達成条件
 1:オラクルの屋敷にいる『奴隷』もしくは『奴隷』がいる証拠を発見する。
 2:オラクルが『ザントマン』である証拠を発見する。
 3:1か2かを達成した後に発光弾を上げて『凶』を踏み込ませる。

 3を達成してください。

■戦場
 ラサにあるオラクルの屋敷。
 結構広い屋敷です。警備の兵などが各所に配置されています。
 『応接間』『執務室』『図書室』……などありそうな施設は一通り揃っています。
 ハウザーから屋敷の簡易的な情報は渡されているものとしますので『●●』へ行こう! と言えば基本的にはその部屋までの最短ルートを通れるものとします。

 ただし『地下室』『牢屋』などの類の情報はありません。
 まず間違いなく隠されているモノと思われます。
 スキル・ギフト・プレイングによる工夫などで探してみてください。

 時間帯は夜です。ですので屋敷に侵入するまでは比較的楽だと思われます、が屋敷の内部は灯りが点いており明るいので隠れるに適しているとは限りません。

■オラクルの部下
 警備兵・傭兵などの類です。
 最大で二人グループで各所の警備を担当しています。実力はまちまち。
 回避するか、無力化する場合は一気に攻撃して制圧した方が良いでしょう。

■オラクル・ベルベーグルス
 ラサの商人で幻想種の男性。ラサの中でも古参の商人にして深緑の出身者です。
 具体的な年齢は不明ですが、外見的には50代程度を思わせます。
 この時間帯、自らの執務室にいると思われますが……?

■『ザントマン』
 深緑・ラサで発生している問題『ザントマン』事件の黒幕。
 ただしオラクル=ザントマンである証拠は現時点では存在していません。
 具体的な能力は不明ですが、対象を眠らせる能力を保持している模様……?

■味方NPC
■『凶頭』ハウザー・ヤーク
 ラサの武闘派傭兵団『凶(マガキ)』の頭領。
 武闘派の頭領として相応しい実力と相応しい喧嘩っ早さを持ち合わせています。
 オラクルの屋敷の近くに仲間の傭兵団と共に待機しています。
 発光弾が上がれば喜々として即座に突入してきます。

■発光弾
 イレギュラーズ全員に一発ずつ渡された発光弾です。
 簡単に作られており、空に向けて撃つのは簡単ですが室内や人に向けて使っても効果はありません。必ず外で誰かが打ち上げてください。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●重要:同時参加不可
 当シナリオは同時参加不可が設定されています
 『砂粒を辿って』『柔らかな夜の輪郭』にはどちらか一つしか参加できません。ご注意ください。

  • 砂粒を辿って完了
  • GM名茶零四
  • 種別EX
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年09月23日 01時35分
  • 参加人数 10/10人
  • 相談5日
  • 参加費150RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
自称・旅人
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
マルク・シリング(p3p001309)
リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)
終焉語り
アウローラ=エレットローネ(p3p007207)
電子の海の精霊
天狼 カナタ(p3p007224)
彼方の銀狼
ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)
ミザリー・B・ツェールング(p3p007239)
本当はこわいおとぎ話

リプレイ


 月が出ていた――されど、闇夜に紛れる『彼ら』を見つけるは容易くない。
 影は大きく別けて二つ。空と地に別れ目標の敷地内へと疾走、内の空側にいるは。
「さて――人攫いの類の依頼は既に都合五回目ぐらいです。混沌は実に剣呑ですねぇ……」
 『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)がその一人だ。空に浮かぶ魔紋を踏んで、空中を駆ける彼女が目指すは屋敷の屋上側。視線を下に巡らせれば――今の所警備の目は見えないようだが。
「内部を重点的に警戒してんのか……? ま、容易くてなによりだけどよ。
 ――と、安定してるか? 大丈夫か?」
「ミサは大丈夫ですよ、カイトお兄ちゃん!」
 と、更に続くは『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)に、彼に抱かれる形で空を飛行する『御伽噺』ミザリー・B・ツェールング(p3p007239)だ。飛行は単独で飛ぶならともかく、誰かを運ぶとなればバランスがどうしても取りにくくなるものだが。
「根性の見せ所だぜ……!」
 一人ぐらいならばなんとかなろうと、カイトは空を舞う。
 幸いにして屋上側に見張りの類は見えない。夜であろうと鳥目であろうと暗闇の中を見据える鷹の眼鏡――そこから捉えられる景色に間違いはなく、これ幸いと今の内に加速して。
「さて――それじゃあ合図があるまで待機で。お願いね」
 そして『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)は己がギフトによって作り出した使い魔に指示を飛ばした後に、屋上へと着地する。
 閃光弾。外にいる『彼ら』へと合図を放つそれを持たせて、召喚したファミリアーを付けるのだ。使い魔は屋敷の外……戦闘にはならないだろう安全な所に待機させて、様子を見させる。閃光弾を打ち上げる程度は簡単な仕事。使い魔でも十分に役目をこなせる故に。
 確保せし屋上。そこから上層階を見渡して、外から様子を眺めて窺う。
 重要そうな書斎などがあればそこへなるべく最短で行けるように。
「……ザントマンが懸念ではあるけど囚われている奴隷の人達は放っておけないね」
『だがあくまでも今回の主眼は調査する事だ、救出したいのならまずはしっかり探せ』
「分かってるよ、死者がいるなら手伝ってもらおう」
 そして屋上班の最後の一人『穢翼の死神』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)も到着。己が胸元にある十字架の魂と語りながら――侵入する、屋敷の中へと。今回はあくまで潜入、捜査が主となる。故に戦闘よりも警備の者に見つからぬ事を優先し……歩の音は立てぬ様に。
 同時に使用するは霊魂との疎通術だ。
 死亡してしまった奴隷がいるのならばどこかに漂っている可能性があると――ティアは踏んだが。
「……特にいる気配はない、ね」
 しかし少なくとも今の所彼女の知覚する範囲にて、奴隷の魂は存在していない。
 敵の目的が生きている個体を売り物として売買する故か、最低限生命には気を使っているからだろう。死んでしまっては攫った意味がない――が。尤も、それは最低生きていればであって生きている『以外』つまり扱いがマトモであるか否かは。
『なんの保証もない所であろうが、な』
 ともあれそうであれば依然として警戒しつつ、屋敷の中を巡る事になりそうだ。
 屋上班は上から下へと。であれば、地上班の方は当然――
「よし、こちらの戸から侵入できそうだ……中にも人の気配はしない」
「屋上の方はどうやら上に降り立てたようだし、僕達も行動開始だね」
 下の方から上の方へと、或いは『下の下』へと、だ。『彼方の銀狼』天狼 カナタ(p3p007224)は己がハイセンスで扉の向こう側に人の気配があるかを慎重に確認し、ならばとマルク・シリング(p3p001309)がワイズキーで――鍵を難なく解除。
 一切の音を立てずに屋敷の中へと侵入を果たす。
 夜であるので潜むは楽だが、流石に正面入り口から堂々と入る訳にもいかない。警備の薄そうな所を探し、辿り着いたのがここで。彼らもまた歩の音をなるべく立てずに内部へと入り込めば。
「しかし……まさかザントマンが幻想種だったなんてなぁ……いやあくまで見込みが強い、というだけでまだ事実なのか、確実なのかは分からないが……」
「ですが『深緑出身の幻想種』の商人……という事ならば、深緑に侵入を果たせていた理由は付きます」
 ジェラルド・ジェンキンス・ネフェルタ(p3p007230)が言を呟く。
 幻想種が幻想種を攫う……些か盲点気味ではあった。被害者が幻想種ならば、それは他の種族の犯行――であると考えるは至極当然の事である。されど犯人は幻想種かもしれないと『終焉語り』リースリット・エウリア・ファーレル(p3p001984)はその可能性を聞いた時むしろ納得した。
 今までどうやって深緑の警備を抜けていたのか? 地元の民の目をどうやって欺いたのか――
 高度な隠蔽工作や魔術の類など必要なかったのだ。全ては『知っていたから』だと。
 無論、オラクルという人物が100%ザントマンであるという証拠はまだないが。
「でも人を攫って無理矢理奴隷さんにさせるなんて許せないな。
 理由はまだ分からないけれど……そんな奴はアウローラちゃんが成敗してやる!」
 それでも恐らくほぼ確実だろう。『電子の海の精霊』アウローラ=エレットローネ(p3p007207)は義憤と共に意気揚々と、幻想種の救出と――あわよくばザントマンをぶちのめすべく侵入せり。
 外と異なり各所に揺らめている灯りの数々。
 ここからは一層の警戒が必要であると感じながら、皆は進む。
 どこかに囚われているであろう幻想種達を探して。


 内に侵入したカイトはその時点で変化を用いて姿を変えていた。
 彼には雄々しき緋色の翼――があるのだが、潜むには流石に目立つかと思考して今は人間の、特に十六歳程度の少年の姿をして探索中だ。警備兵に見つからぬ様に聞き耳を立てつつ、角際にて慎重に廊下の様子を伺って。
「大概偉いさんとかはこういう上の方に執務室があったりする筈なんだよな……」
 一度でも彼らに見つかれば面倒だ。いや、見つかっても即座に制圧すれば大丈夫な事もあろうが……大声を立てられればその時点で全域が警戒されるだろうから。
「まぁ、死んだ人がもし出ちゃったらその時はローちゃんが食べてくれますので……!」
「はっはっは。そうならない事態になるのが一番ですがね――と」
 ミザリーはいつ誰ぞと遭遇しても大丈夫なように魔力を練りながら、ローちゃんという彼女の陰に潜む『お友達』を撫でる。人体を容易く食せるお友達とは――いや深くは追及しないことにしよう……! そしてヘイゼルは探知能力を無効化出来る能力故に先行していた。
 が、聞こえる足音。複数であり、地上から侵入した仲間ではないと思わしい歩みだ。
 故にヘイゼルは声を放たずハンドサイン。後方の味方に敵接近中の連絡をすれば。
 待つ。まだ距離がある。瞬時に制圧するならば距離は極力詰めるべきだ。全員で一斉に攻撃出来る様に――
「今ッ!」
 曲がり角。会話をしながら歩いていた警備兵の横っ面にヘイゼルの糸が飛ぶ。完全なる意識の外から放たれたそれは奇襲として直撃。更にそこへ、踏み込んだレジーナが警備兵の口元を抑え、不知火の刃を首元で一閃――
「バレないのが一番だったけれど――やり過ごせないのなら仕方ないわね」
 鮮血が舞う。痙攣するその身を抑え、口元から零れる声を外へと響かないようにし。
「そしてやると決めたらからに時間を掛けず」
『即時制圧だな』
 そしてレジーナの言に続いてティアもまた同様の技を繰り出して。
 奴らに声などださせない。押し込んで、そのまま潰す。更に練り上げていたミザリーの魔術がここで炸裂。彼女は――術の発動に些かの不安定な感はあるものの、練り上げるのに成功すれば、比類ない程の破壊力を保持していて。
「寝てな。これ以上痛い目に会いたくなけりゃあな……!」
 駄目押しのカイトの一撃が放たれた。踏み込んで、一気の跳躍。前進に全ての力を振り切ったその様は――紅き彗星ともいうべき超速度。
 刈り取る意識。倒れる警備達のその身……されど廊下に放置するわけにはいかず。
 適当な無人の部屋へと放り込む。どうどう落ち着けローちゃんよ。
「ま、そう長時間この屋敷にいるつもりはありませんし場凌ぎ程度のこれでいいでしょう――ともあれ、予定通り定番の地下牢とかは地上班に探ってもらうとして。私達は……」
 警備兵を叩き込んだヘイゼルが視線を向けるのは『上』だ。
 見ているのは入ってきた屋上――ではない。屋根裏、もしくは屋根裏となるスペースに設けられているかもしれない秘密の上層階だ。かようなモノがもしあれば、必ず事前の屋敷の情報と異なる実地情報がある。
 部屋を隠す為には当然本来の設計とは異なる不自然な設計をする必要があるのだから。ヘイゼルは用心深く食い違いが無いかを洗っていく。屋根裏に。そこに無ければ上層全ての部屋の様子をと。
「……『恐怖』の感情は確かにあるのよね。あとは具体的にどこなのか」
 同時。感情探査で幻想種の位置を探ろうとするのはレジーナだ。
 なんとなくそれらしい反応は確かにある。ある、が後はそれが上か下か――
 喜怒哀楽の感情を捉える為に頻繁に切り替えて、周囲の感情も探知しながら探索を続ける。
 しかしもしこの反応が下であるのならば、それは地上班に任せるとしよう。もし下で見つかれば――ウィッチクラフトの方で発動し、彼らに持たせた小動物から自分へと連絡がある筈だからと。


「――やれやれ。彼らは本当にただの雇われのようですね」
 時を同じくして一階側。リースリットは縛り上げた警備兵を少しばかり尋問していたが――やはりというか、彼らは碌な情報を知らぬ様だった。
 流石に奴隷売買という事業となれば末端にまで仔細を教えている訳がないか。しかし予測していた事ではある。マルクの開いた適当な部屋に捕らえた警備兵は転がしておく。気絶させておけばちょっとやそっとでは起きまい。
「間接的とはいえ共犯者だからね……何か知ってればと思ったけれど。
 ザントマンが用心深いとみるべきかな」
「全員全く知らないとは思わないけれど、一人一人尋問していく訳にもいかないしね……!」
 扉を閉じるマルク。彼の神気閃光で殺さずスムーズに無力化出来た訳だが、情報は得られず些か残念な気持ちだ。続けたアウローラの言う通り全員片っ端から捕まえればいつかは、と話は別かもしれないが……流石に行う余裕がない。
「――よし、戦闘の痕跡は残らないように極力隠蔽工作した。これでひとまずは大丈夫だろう……だが、工作にも限度はある。一刻も早く目当ての牢を見つけないといけないだろうな」
 そして探索、というよりも警備に見つからぬ様に隠蔽を施したのはジェラルドだ。
 とにかくこれは潜んで事を成す依頼。ならば見つかる危険性を少しでも減らそうと尽力するのだ。時間は限られるので完璧――とは行かないが、パッと見た程度では分からぬ程の工作は出来ていて。
 だが彼本人も自覚しているがこれはあくまで時間稼ぎ。
 緊急措置としては最適だが、牢を見つけねばいつかは……と思考したその時。
「待て、皆……どうやらやはり、地下がありそうだぞ」
 カナタだ。彼が屈んで見据えているのは、足元にいるネズミである。
 厨房か食堂でも近いのだろうか? しかしそれだけでは地下があるとは――
「まさか、そのネズミが地下を知っていると?」
「ああ。流石に断片的な情報になるが……ネズミは狭い空間を好むからな。
 地下か、もしくは隠されているにせよ狭く暗い部屋があるのなら……」
 問うたジェラルド。ネズミからは動物と疎通する術で情報を得たのだろう……カナタはどうやらネズミと会話をしているようだ。ネズミの知能から得られる情報は散乱としているが、纏めると。
「沢山の――本がある部屋、に……隙間がある、そうだ。本が多くあるという事は」
「書斎、なのかな!」
 思わずアウローラが元気よく声を。ネズミの情報故にこれが事実かはまた確かめねばならないが。真であるのならば貴重な手がかりである。ハウザーから与えられていた情報に書斎の部屋は……ある! そこへ急行し、調べてみるとしよう。幸いにしてそう遠くは無くて。
 入る。中に人がいないか慎重に確かめてから、ゆっくりと全員が入って――
「――見つけました。ここです」
 その時、即座にリースリットが壁際の本棚を指差した。
 一見すると特におかしい所は見られないが、彼女には『見えて』いたのだ。
 透視の術。1m程度の厚みならばその先を透過出来るその目は確かに――本棚の『奥』を捉えた。見えたのは通路、いや階段か。暗く、そして深そうな道筋が確かにそこにある。
「鍵、がありそうな感じじゃないね。押すのか、引くのか。開き方が何かある筈」
「……最悪の場合は壊すのも手だな。音は出るが、無為に時間を過ごすよりは――」
 マルクとカナタが調べるが、はてどうやれば道が開かれるのだろうか。
 いずれにせよこの先に幻想種達が囚われているとみて間違いないだろう。上の階の者にも連絡すべきか、思案した――その時。

「――ッ! 皆さん、伏せて!!」

 リースリットの声が飛んだ。焦燥の感情を含んだ声だったが、それがなぜなのか仔細を伝える暇はなかった。なぜならば、一秒と満たずして。
 地下への入り口とみられる本棚が――『向こう側』から吹き飛んだからだ。
 攻撃である。魔力の渦が地下から飛んできたのだろう。
 炸裂するかのような勢いで本棚は砕け散り……その奥から現れたのは。

「貴様ら……どこのどいつらだ。私の屋敷で何をしている?」

 この屋敷の主――オラクル・ベルベーグルスだった。
 事前に聞いた風貌と一致してる。間違いないだろう。
「『私の屋敷』……ですか。
 ……不思議な屋敷ですよね。一見普通だけど、図面に描いてみれば不自然な空間がある。
 本来の構造から外れた……何かを付け足した様な跡のある屋敷です」
 態勢を立て直したマルクは、オラクルを前に言葉を紡ぐ。
 回復魔術の印を紡ぎ、いつでも戦闘態勢に入れるように警戒しながら。
「これは隠す為のモノですね? 『商品』を誰の目に触れない所に――入れる為に」
「ふん。何の話だ? 私が私の屋敷をどう作ろうと私の勝手だろう?」
「成程、御尤もですMr.……しかし貴方にはあらぬ疑いが掛けられている事、ご存知か?」
 そしてマルクの言に続く形でジェラルドが。集中力を高め、己が精度を上げながら。
「我らに『その先』を見せて頂けませんかね――疑いが事実なら、容赦はできませんが」
「知らぬ知らぬ。第一、正面から訪れなかった無法者の言葉をなぜ私が信じる必要が?」
 ないですね、と心の中だけでジェラルドは呟いた。
 元より信じる信じないなどどうでもいい。この会話自体はただの『時間稼ぎ』だ。既に借りていたファミリアーを通じて――屋上班には連絡を入れている。
 尤も時間を稼いでいるのは向こうもか。今先程の音で警備兵は慌ただしくなっているだろう。ただ突然の事態に揺らぐ警備兵と、予定通りのイレギュラーズ側……来るのはこちらの方が早いだろうが。
「ザントマン」
 その前に、リースリットが更に言葉を繋いだ。
 オラクル、とは呼ばず。半ば確信的に『ザントマン』と彼の事を呼んで。
「あの迷宮森林を超える為の案内役は貴方ですね――何故そんなことを」
「何度でも言ってやるが『何の話だ?』 お前達の言は何一つ言ってることが分からんなぁ」
「とぼけても無駄ですよ」
 彼女の思考は高速と化す。はったりには乗ってきそうにない。何もかも『知らぬ』で押し通すつもりだ。
 しかし何故だ。何故なのだ? そもそも彼はなぜ『奴隷売買』などに手を染めた?
 リスクが大きく、長期的に出来そうな事ではなくいつかは必ず破綻が見えた筈。
「本命は、別にあるのでしょう?」
 彼にとって奴隷売買自体は、どうでもいいのでは?
 奴隷売買によって確実に発生するのは利益ではなく――深緑との関係悪化。
 生じる混乱。閉鎖される深緑、取引先を失うラサ。誰も彼もが不幸になる。
 もしそれ自体が目的だというのなら――

「貴方は魔種ですね?」

 滅びのアークを集める為に活動する、世界の癌。
 オラクルはその一員なのではないかと推察すれば。

「知らん」

 直後。言と共にオラクルがイレギュラーズ達に指を向ける。
 さすれば生じる魔力の渦。同時にそこから生じているのは――なんだあれは、砂か?
「貴様らはただの不法侵入者共だ……排除させてもらうぞ」
「――残念だけど排除されるのは貴方の方なのです」
 瞬間。書斎の窓を突き破って入ってきた人物がいた。
 空に生じているは、魔紋。それを踏みつけ、跳んできた――
 屋上班のヘイゼルであった。


 どこかは概ね分かっていた。最初に屋上、つまり外から見える範囲を窺っていたから。
 書斎に奴がいるのだとレジーナのファミリアーに連絡があった時、屋上班は現場に急行したのだ。
 真っ先に窓から乱入したヘイゼルは酒を投げつける。四悪趣の酒とも呼んでいる忌まわしい液体を放れば、そのまま次にはブロックしようと。次いで同様に現れたは――
「ハローお待たせ――『奴隷』達は、どう?」
「残念だがあの先にいるとは思うがまだ未確認だ」
 レジーナだ。カナタの返答に、見据えるは地下へと続いているだろう階段である。
 確認さえ取れていれば屋敷の外に待機させている使い魔に即座に指示をだすのだが……十中八九あの向こうにいるのだとしても、まだ確認が取れていないのならばやる訳にはいかない。
「だけど人数差があるので突破は余裕だよ!!
 あの人は成敗したいから、ここはアウローラちゃんにお任せあれ!」
「よっと――それなら俺も手伝うぜ!」
 武器を構えるアウローラに、この場をキープすべしと参戦するカイト。
「えーい! 潰れちゃえ――!!」
 生じる土塊がオラクルへと向かって直進する――アウローラのアースハンマーだ。
 先の警備兵との戦いでも使いはしたのだが、未だ全力での戦闘を行う余力は残っている。カイトも同様に、再び勢いを付けて攻撃の構えを。しかし。
「――警備の人たちが来そうだね」
『突然の音に慌てふためいていたが……まぁその内来るだろうな。余裕は一分あるかないか』
 降り立つティア。今度は彼女がミザリーを連れて、現場へと。
 各所で警備の者らが騒いでいる音がする。とはいえ事態の確認の為にと訪れるのに二分も三分もとはかかるまい。一分もすれば恐らく警備の第一陣がこの場に到着する筈で、そうなれば面倒になり始めるが。
「なぁに……『確認』するだけなら、十分な時間だろう。ここには一人しかいない」
「――"ザントマン"。
 一体何が目的か知りませんが、これ以上貴方の好きにはさせないのですよ」
 ジェラルドは回復の効果がある瓶を構え、味方の支援を行い。
 そしてティアに連れられたミザリーはオラクルへ言葉と――魔力を紡ぎ上げる。
 放たれる魔弾。或いは黒き粘液上のナニカだ。依然としてミザリーの術の発動には安定が欠けるが、いずれもが驚異的な威力を持っていて。一度発動すればダメージは容易くない。
「同じ御伽噺として、特異運命座標として、この悲しい物語を断ち切ってやるのです」
「ぬかせ小娘……! 私をただの商人と侮るなよ……!!」
 応戦するオラクル。全身に纏っている砂は、彼の術か何かだろうか?
 敵からの攻撃の力の削減を行い、そして放てば確かな威力を持った魔力の弾となって。
 確かにただの商人とは思えぬ力を持っている様だ――逆に言えば『只の商人』でないと自分で証明しているようなモノだが。さりとて彼の正体が魔種であるかはともかく、イレギュラーズの目的は彼の撃破に非ず。
 ――奴隷がいる事の確認さえ出来ればいいのだ。
 故に突破する。オラクルの背後にある階段へ、レジーナが突入すれば。
「ぬ……ッ、待て貴様……!」
「おっと、ここで足止めさせてもらいますよ!」
「すまんが骨を折らせてもうぞ――まぁ直に肉を食われないだけマシだと思ってくれ」
 追撃させじとリースリットも立ち塞がった。瞬間的に能力を向上させ、そこから纏うは月の光。魔力の塊となったその刃でオラクルへと一撃放てば――そう簡単には追わせない。同時にカナタの強烈な一撃も放たれて。
 オラクルの足が止まる。ブロックされようと後方には動けるが、そうはさせまいとする動きも重なればそう簡単に地下の方へ戻る事も出来ず。故にレジーナは駆け抜ける。人の気配が確かにして、そう遠くはなさそうだ。
 そして降りた下にあったのは――やはり、地下牢。
「あっ……!?」
「――大丈夫よ。私は売人なんかじゃない、ローレットよ。助けに来たわ」
 真っ先に出会ったのは金髪の幻想種の少女だった。
 牢の外に出ているのは……丁度オラクルが連れ出そうとしていたのか? なんにせよこの場はハウザーの求めていた証拠足りえるだろう。ならばもう閃光弾を打ち上げてよく、であるならば後は。
「怖かったでしょう? でも、もう大丈夫だから……さぁ帰りましょう」
 震える少女を落ち着かせるだけ。必要があれば抱えて脱出しようと思案しながら。
「――拘束は解くわね」
 彼女に繋がれている、黄金の首輪に手を触れた。

 瞬間。

「だ、駄目! 逃げて!!」
 放たれるは拒絶の声――だけではない。
 目の前の少女が魔力を纏っている。これは、まさか攻撃の姿勢で。
「……!?」
 直後、至近距離から『魔弾』が放たれた。
 頭部へと向けられたソレを、レジーナはほぼ反射で腕を割り込ませ、防御する。衝撃に思わず全身が揺らいで、二歩だけ後退するが――少女の様子がおかしい。
「痛い、痛いッ! いやだ、ごめんなさい、いやだ、助けて、いやだ逃げてッ!!」
 涙を流してレジーナを拒絶する。見れば、黄金に輝く首輪に魔力が集っているのを感じた。
 どうも先程の攻撃からして少女の意思ではなさそうだが――まさか。
「これは……操りの術かなにか……!?」
「ほう。よく一目で分かったな」
 生じた声は――オラクルだ! 大量の砂……いや彼の魔力が地下へと雪崩れ込んでくる。
 次いで身体に生じたのは眠気。砂に触れて、全身の動きが鈍る感覚が襲い掛かってきて。
 次の瞬間にはオラクルも地下へと降り立った。
「グリムルート。かつて『砂の都』で流通していた高級奴隷用の首輪だ……今や貴重品でなぁ。特別な魔力が必要だが、意識の総てを操り主人の命令通りになにもかもを従わせる。メレス。全ての奴隷を緊急の出口から移動させろ。動きの鈍い奴には魔弾を撃て」
「いやだ、いやだ!! たすけて助けてッ!!」
 輝く首輪。拒絶の言葉を絞り上げながら、オラクルの言葉に従うメレスと呼ばれた幻想種の少女。このまま行かせるものか――首輪が破壊できないという事はあるまい。破壊できれば解放できる筈……!
「外道め……! 同胞をここまで食い物にするとは、容赦も何もいらないだろうな……!」
「ミサは勘違いしていたみたいですね。貴方は、同じ御伽噺という同種ですらない」
 ジェラルトにミザリーがオラクルへの嫌悪を露わとして――だがその時。
「オラクル様! ご無事ですかッ――!」
『やはりそろそろ来たぞ……こちらで迎撃もしないとな』
「魔種は倒したい所だけど。こっちを無視して簡単にもいかないか」
 警備の兵達が到着したのだろう。オラクル側としての兵が増え始める。
 ティアが入り口に殺到している兵へと精神力を奪う魔法を仕掛け、纏めて薙ごうとするが全域から集まって来る数は流石に多い。カイトらが参戦してもいずれは突破されてしまうだろう。
 救うに足る時間がないか――!? イレギュラーズの中には焦りを抱く者もいたが。
「いや大丈夫だ……そろそろ来るはず……!」
 カナタは直感していた。ギフトの遠吠えで、既に三回短く吠えていて、だから――
 瞬間。正面の門が強引に打ち破られる轟音が生じて。

「――おらクソジジィ! テメェの事は前から気に入らなかったんだよここで死んどけェ!」

 外で待機していたハウザーが――ついに突入してきた。
 カナタのギフトの合図と、レジーナの使い魔が放った閃光弾の確認が取れたのだろう。『凶』の傭兵団を率いたハウザーが尋常ならざる勢いで屋敷の中へと雪崩れ込んでくる。各所で響く戦闘音だが、攻撃に優れる彼らを撃退するなど一介の警備兵では出来まい。
「この声は……ハウザーの駄犬か! ええい犬らしく鶏肉でも漁ってればよいものを……!」
 悪態付くオラクルだが、もはやこうなればどうしようもないと感じたか踵を返して。
「兵共、貴様ら時間を稼げ! メレス他はもういい行くぞ!!」
「あ――! 逃げるつもりなの!! 卑怯だとアウローラちゃん思うよ!!」
「くッ……待てオラクル! ……いや!」
 地下にも援軍に来た警備兵を相手取るアウローラ。
 姿を消そうとするオラクルに声を掛けるのはマルクで――
 否。

「『ザントマン』!!」

 彼は言ったハッキリと。
 深緑の幻想種拉致事件の主犯の名を。
 オラクル・ベルベーグルス――お前が犯人だと!

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでした。

 ついに『ザントマン』の尻尾を掴みました。
 一部の幻想種を連れて逃げ出したようですが証拠は山の様に見つかるでしょう。

 この結果どのような事が起こるのかは――今暫くお待ちください。
 ありがとうございました。

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