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シナリオ詳細

鈴鳴りの森に
鈴鳴りの森に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●リングベルの森
 鈴鳴るようにリン、リンと。木々が噂し合うその森の名前はリングベルの森という。
 風が吹けば葉がこすれて鈴の音が響き渡る。
 白い花はベルのように木々から垂れ下がり、愛らしい音色を奏でるのだ。
 そんな森の奥深く、色とりどりの花が年中咲く不思議な花畑があった。
 その場所に、一人の少女が向かっている。紅い頭巾をかぶりバスケットを持った愛らしい少女だ。
 彼女は森の向こう側に住む病気の祖母の為に美しい花を積んでいこうと考えたのだ。

 さあ、おばあちゃんはどんな花が好きかしら?
 バスケットに詰め込んだサンドイッチも喜んでくれるかしら?

 るんるんと歩む中、彼女に迫る影がひとつ、ふたつ――
 それが、リングベルの森を騒がせるベルウルフだと気づかないまま。


 ローレットに舞い込んだ依頼は『ベルウルフ』と呼ばれた魔物の撃退依頼であった。
 リングベルの森に住まう狼型の魔物たち。今やハイキングコースや散策目的で人が出入りするようになってからは森の奥深くにその姿を消していたようです。
 人が多く行き来するために魔物がその往来に姿を現しては何らかの被害が出る可能性がある。幸いにしてもそれほどまでに強大な敵ではないためにローレットの情報屋達の中でも容易な依頼だろうという認識でルルゥ・ブルー (p3p006410)に声が掛った。
「ビギナー冒険者を、中心にしたチーム編成で、依頼を遂行?」
 こてりと首を傾げるルルゥ。きらきらと輝くヒレの海種のこどものその言葉にサーシス チャイネンシス (p3p007473)はふむと呟いた。
「任務ならば同行しよう」
 淡々と告げたサーシスにルルゥがこくりと頷いた。任務というその言葉に反応したは糸巻 パティリア (p3p007389)だ。やはり任務と言えば――『ニンジャ』が遂行するべきではなかろうか?
「実にニンジャの為の事件が起こったとお見受けするのでござるー!」
「忍者の為、かな?」
 ルルゥの疑問に答えるのは陰陽丸 (p3p007356)。にゃーん! と大きな声でお返事すれば、なんだか――そう、なんだか、それでいい気がした。
「なーぅ?(それで、どんなしごとなんですか?)」
 譬え、猫がにゃうだとかにゃーんと言っていても実際の所、バベルの影響で陰陽丸の言葉はすべてルルゥやパティリア、サーシスにはきちんとした言葉で伝わっているが――便宜上、にゃんにゃんしておいた。
「狼さんによる被害が出ないうちに素敵な森でお仕置きすればいいんですよね!?」
 そんな大役を担っていいんですか、とモブモブしい人生を歩んできた子――ウィズィ ニャ ラァム (p3p007371)が驚いた様に声を上げた。
 森の獣を撃退するなんて、なんだかとても『英雄』への第一歩ではなかろうか?
 夜空のような髪を揺らしたペルレ=ガリュー (p3p007180)は現在抜け殻のようにぼんやりと宙を眺めていた。先程迄忙しなく思考と共に指先を動かしていたのだからその反動なのだろうか。
「ペルレさんも……その、行きますよね」
 自身も同行すると申し入れたフェリシア=ベルトゥーロ (p3p000094)。銀の髪を揺らして「森というのは……馴染みがないですが……」と海に親和性のある自身を想う様に森を想像して呟いた。
「そうね。あまり馴染みない場所だとちょっとした旅行も兼ねているかもしれないわ」
 くすりと口元に笑みを浮かべたルサルカ (p3p007202)。切れ長の赤い瞳を細めて彼女は云った。
 誰かが犠牲になる前に、任務ならばそれを達成しましょう、と。
「それじゃ、行きましょう――鈴鳴りの森に」

GMコメント

 リクエストありがとうございます。夏あかねです。
 新米イレギュラーズさん向け! ですね

●成功条件(←本依頼の達成条件です)
 ・ベルウルフ5体の撃退
 ※ベルウルフの生死は問いません

●現場:『リングベルの森』
 幻想東部に位置する場所にある豊かな森です。散策や茸狩りなどにも使われるそうです。
 それ故に、獣の出現はけが人の増加やそれ以上の危険につながる恐れがあります。
 地形は散策やハイキングコースがあることから平坦。障害物は木々がそれにあたりますが、それ以外は大きくありません。
 獣たちは森のどこかに居る為に探索にはそれなりの時間や手段を有します。(非戦闘スキルを有効に使用してみてください)
 また、ハイキングコースを進むと綺麗なお花畑があるそうです。

●ベルウルフ×5匹
 リングベルの森のハイキングコースに出没する狼型の魔物です。
 獣である以上、人を襲う可能性がある為に撃退の依頼が入りました。
 攻撃方法は近接での単体攻撃が多く、鋭い爪での引っ掻きや噛み付くなどが中心です。
 また個体の中には回復を得意とするタイプやBSを得意とするタイプが紛れているようですので注意してみてください。
 知能はそれほど高くはなく、基本的には群れで行動するようです。

●花畑に花を探しにきていた少女
 リングベルの森の奥深くにある花畑に花を探しに来た少女です。
 どうやら病気のおばあちゃんに届ける花を探しているようです。紅い頭巾がトレードマークであるため、探すのは容易でしょう。戦闘能力がない事からベルウルフと出会った場合は一溜まりもありません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 頑張ってくださいね! よろしくお願いします。

  • 鈴鳴りの森に完了
  • GM名夏あかね
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2019年09月19日 22時45分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費---RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)
うつろう恵み
ルルゥ・ブルー(p3p006410)
水底の夢
ペルレ=ガリュー(p3p007180)
英雄のたまご
ルサルカ(p3p007202)
陰陽丸(p3p007356)
じゃいあんとねこ
ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
虹を齧って歩こう
糸巻 パティリア(p3p007389)
ヒトデニンジャ
サーシス チャイネンシス(p3p007473)

リプレイ


 リン、リンと鈴鳴る音が響き渡る。風吹けば木々の葉が騒めき合って奏でる其れを聞きながら『ヒトデニンジャ』糸巻 パティリア(p3p007389)は周囲を見回した。
「穏やかで良い森ですね! ピクニックや茸狩りに使われるのも良くわかります!」
 正しく風光明媚。美しい自然は心を癒すものだというがリングベルの森はそう思わせてくれるだけの穏やかさと美しさを保っている。
「ここで『仕事』で――人助け、なのね」
 含みある調子で告げたルサルカ(p3p007202)。人を傷つける事に適した技能を持つ彼女に取って、誰かを救う事よりも誰かを殺める事こそを任務と呼んだのだろう。自身の『過去』を思い浮かべた様に形の良い唇が僅かに歪む。
「昔だったら人助けなんて出来る身分じゃなかったけど、今の私はローレット所属の冒険者。……無事に少女を連れて帰らせるわ」
「はい! 怪我人とかが出たらそれはとても哀しいので、予防としてもしっかりお仕事しないとですね。今日は皆さん、よろしくお願いするでござる!」
 明るい調子のパティリアに頷いたルサルカ。仕事、という言葉を聞いて僅かに身を固くした『水底の夢』ルルゥ・ブルー(p3p006410)は「緊張する、ね」と呟いた。
「ちゃんとした仕事、はじめて……」
「わたしも久しぶりの、お仕事……です、ね。
 ずっとお休みしてましたが……その分、がんばります」
 その緊張を分かると言う様に『うつろう恵み』フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)はゆったりとした笑みを浮かべた。フェリシアにとってもルルゥにとっても仕事というのは緊張の連続だ――「にゃぅ」と『発語したつもり』の『破壊の猫』陰陽丸(p3p007356)は「初めての仕事ですね」と穏やかな口調で告げた。
 もふもふとした巨大な体を持った猫は尾を丸め、のそりと周囲を見回す。彼の発声の上では猫のなき語ではあるが「みゃーぉ」という言葉は『ハッピーエンドを紡ぐ女』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)に確かに理解されていたようだ。 大きく頷いた長身の乙女は「もっちろーんです!」と笑みを浮かべて見せる。
「それぞれがそれぞれの仕事をして、足りない点は互いに補う……それがローレット魂ですよ!」
 陰陽丸の言う様に『皆で力を合わせる』のだとウィズィが胸を張ればペルレ=ガリュー(p3p007180)は大仰に頷く。
「みんな一緒なら大丈夫なのです! 今回は……ええっと……魔物の討伐?
 討伐……なんか、かっこいい響きなのです~。ワタシも英雄になんかなれたりして~!」
 そう、ローレットは英雄たちが所属する場所だと内外問わずそう言われる。経験実績の少ない彼女達であったとしてもそれは同じ存在だ。ペレルが嬉しそうに告げたその言葉は大いなるプレッシャーの中でも輝かんとする少女の決意ともとれた。夜空色を揺らす彼女の後ろを歩きながら、サーシス チャイネンシス(p3p007473)は花蘇芳柄を風に靡かせた。
(任務とあれば同行しよう……ここが俺の死に場所であればいいのだが……)
 死に切れぬ儘、死に場所を探した剣士にとって、新たな任務は『死に場所』足らん場所を探すことなのだろう。然し――『死』を追い掛けるだけではない。無辜の民が危機に瀕するならば救う事は必然であるとサーシスは妖刀に指先を添えた。


 ざわざわ、リンリン。風と鈴の音が響き渡るその場所を悠々と歩みながら陰陽丸は尾をまるまると丸めた。
「さあオオカミさんを探しましょう! 皆で固まって探索です!」
 にゃん、という陰陽丸のその言葉に頷いたフェリシアは「狼さん、どこでしょう……」と小さく呟いた。
 戦闘を歩むルルゥは足元を探す様にきょろりと周囲を見回した。声を周囲に響かせるように、「おおい」とルルゥは狼を懼れず声を発する。
「この森に狼がいるから気を付けて」
 大声には慣れて居ないけれど――けれど、今日は頑張る時だとやる気を振り絞る。
 周囲を見回すフェリシアは草木の状態を確認しながら少女と狼の所在を植物たちに問いかけた。
『あっち――』
『あっちだよ――』
 囁くようにざわめく草木にフェリシアは礼を言う。どうやら少女は此処を通り過ぎた後のようだ。
 さまよう禍福――フェリシアが世界より賜った贈り物だ――が意図せぬところで発動せぬようにと彼女は祈る。
「何が起こるか分かりませんし、ね」
 そのざわめきの中で、ペルレは「何か聞こえました~」と顔を上げる。「ほう、狼ですか?」とパティリアが問い掛ける其れにペルレは「むむ~」と小さく唸る。
「オオカミさんの声だと思います~。少しかな~? ちょっと遠くです~」
 人の声も探さないといけませんね、と告げたペルレにパティリアは「はい!」と頷いた。
 上空を行くファミリアーの鴉で偵察をするサーシスはペルレの言う様に獣の声が聞こえたと淡々と告げた。
「まだ何も見えないが『狼』が近づいてきているのは確かだ……」
 人数が多く人の気配をさせる特異運命座標とルルゥの声に誘われたかと悩まし気に呟く其れにパティリアが唇に指先宛てる。
 人助けセンサーを使用して少女との合流を急ぐパティリアはいざという時は足止めを行うためにと常に気を張っていた。大まかな探索はと言えば、他の仲間達が得意としている分野だ。
「女の子にとっては花畑の位置もよくよく知ってるはずですよね?
 ってことは、抜け道、近道、そういう『子供特有のルート』を進んでる可能性があります」
 ウィズィが神妙な顔でそう言えば、ルサルカは「それって、持論?」と首を傾げる。
「勿論! 慣れた場所を行くなら最短ルートがいいですよ。おばあちゃんも待ってますし!」
「ええ、その持論、当たったみたいよ? だって、何だか『気配が近そう』ですもの」
 ルサルカがゆっくりと振り返る。超嗅覚を使用していた陰陽丸がにゃっと鈍く声を上げた。
『あちらから人の匂いがします!』
「確かに赤い頭巾を発見した――が、林の中を歩くのは『道を知ってる人間だけ』ではなさそうだな」
 サーシスに陰陽丸が頷く。「ぅなーお!」と作戦開始を合図した陰陽丸に磯の香りを纏わせながらパティリアが上空を駆る。
「させないでござる!」
 合わせ、獣と少女の間に滑り込む様にしたウィズィが「可愛い子発見です!」と仲間達へと合図する。
「起きろ、ロンギヌス……我が『愛』を糧に敵を斬り殺せ」
 囁くようにそう告げて、走り迫る狼との距離を詰めるサーシス。ルサルカはす、と息を吸い込んで「どこを見てるのかしら」と怜悧な瞳を向けた。
 狼たちを誘い込む様にルサルカがおびき寄せる。その様子を眺めながら、へたり込んだ少女は「な、なにが……」と不安げに特異運命座標を見上げた。
「大丈夫よ、私達は味方。貴女に危害を加えないわ」
「お、狼さん……?」
 赤頭巾の少女はおばあちゃんの所に向かいたかった――けれど、狼さんと出会ったならばその物語が途切れてしまう。
「少し離れていてね」
 ルルゥはそう告げて少女を安心させるように赤き彩で味方を鼓舞し続ける。
 攻撃手ではなく、支えるための存在。そう自負するルルゥの赤き彩に合わせる様に勇壮のマーチを響かせた歌姫はすうと息を吸い込んだ。星官僚のタクトを振るうフェリシアのそれを見上げて、ペルレはにんまりと笑みを浮かべる。
「オオカミさんは、おうちに帰ってください~」
 それに合わせて口遊んだのは甘く切なきバラード。ミルテのドスを手にしたペルレは狼を威嚇するように「それ以上その子に近づいたら、もっと痛いですよ~!」とぷんすことして見せた。
 その素早さを生かして刃を振るい上げたパティリアはルサルカが「回復行動をとっている」と判断した狼へと距離を詰める。
「切り捨て御免!」
 その言葉を補佐するように必殺の腕輪がきらりと輝きを放つ。ウィズィは観察するように狼を眺める。ある程度統率が盗れているのは流石は『群れ』ということか――
「あとは群れならリーダーがいるかもしれません」
 戦略眼を生かしながら『つよレズ』はしっかりと頼りがいのあるレズっぷりを発揮する。洒落たナイフを手にしたウィズィが少女を庇う事を絶やすことなくその長身を僅かに屈めた。
「いいですか? 離れないで下さいねっ」
「お、狼さん……だ、大丈夫……?」
 震える様に、ウィズィのエプロンドレスをきゅ、と握りしめた少女の声を聴き、ルサルカは狼たちを受け止め乍らくすりと笑う。
「ええ、大丈夫よ」
 優し気に笑うそれに安堵したかのような少女はペルレが「だって、『英雄のたまご』ですよ~!」と告げた言葉にぱちりと瞬いた。
「にゃーぉ――にゃん!」
 狼のリーダーがいるならば、とルサルカのエネミースキャンとウィズィの戦略眼に頼りながら陰陽丸が駆る。渾身のねこぱんちを放って狼を薙ぎ倒すそれを見遣りながらルルゥはルサルカへと癒しを送った。
 回復手である狼を優先して攻撃を重ねるウィズィは自身に爆発的なコンディションを整えた。
 ――Blade of Beast. さあ‪──‪──‬‬目を覚ませ、私の獣!
 獣と向き合い刃を振るい上げる。凄惨な場面は少女に見せては仕舞わぬようにするならばその長身は十分に役立った。
 ひゅ、と風を切る音と共にパティリアが刃を振り上げる。それを交わす様にぐぱりと口を開いた狼を絡めとったのは氷の鎖。
 凍て付く冷気でそれを閉じ込める様にしたフェリシアに続き威嚇術を持ってミルテのドスを振り回すペルレが「近づかないで~!」とアピールを繰り返す。
「少し時間を稼いでくれ…片を付ける…紫電一閃!」
 妖刀「ロンギヌス」を振るい上げたサーシスのその紫の輝きが狼の体を切り裂いた。ギャウン、と見難い声を上げて地面に付した其れの背後より顔を出した狼が牙をぬらりと輝かせながら追い縋る。
 その牙を受け止めてルサルカは「まったく」と小さく毒づいた。
「しぶといヤツは嫌われるわ」
「そうですよ~」
 威嚇するペルレの言葉を聞きながらルルゥは「支えます!」とルサルカは癒し続ける。
(回復役が居ると長引くんですね……)
 再認識するルルゥは相手側がそうならばこちらだってそうだと認識した。戦場で回復手は何処までも重要な存在であるとその身で、肌で感じ取る。
 鼓舞を謳ったフェリシアに励まされるようにパティリアはその身体より発生した粘液で器用に張り付き上空より狼へと強襲した。
「これが止めでござる!」
 磯の香りを纏わせて。その匂いに反応した様に顔を上げた狼へとその短刀が突き刺さる。
 とさり、と狼の体が倒れていく。それを見下ろしながら静かに目を細めたサーシスは息を吐いた。
「眠れ。君達の死は価値あるモノだった」


 赤頭巾の少女に柔らかに笑みを浮かべたルルゥは「大丈夫?」と手を差し伸べた。
「だ、大丈夫……ママが、森には悪い狼さんがいるから気を付けてって言ってたの」
 涙を浮かべた少女の背を撫でたルルゥの隣でフェリシアは「お花畑に、行くんですよね……?」と少女のバスケットを拾い上げた。
「あ、そう……それで、おばあちゃんの家に行こうと思って……」
 ふにゃりと笑みを溢す彼女に「一緒に、行きましょう」とフェリシアも穏やかに笑みを浮かべる。それにはルルゥも同意だった。お花畑を見てみたいけれど、何より祖母の見舞いに花を摘むのだ――きっと、可愛い孫娘がプレゼントしてくれる花を見れば、おばあちゃんだって元気になる事だろう。
「うむ……『愛』ある行動こそ、善なる行動。君の祖母を想う『愛』を忘れずに居て欲しい物だ」
 少女の善性は確かなものだ。心優しい彼女が狼によってその命を脅かされた可能性を考えてサーシスは安堵した様に息を吐いた。此度に死に場所はなかったようだが一つのいのちを救えたことは立派な成果だ。
「そして仲間達。この少女を救えたのは君達のお陰だ」
 穏やかな口調でそう言う彼にパティリアは大きく頷いた。この場の『ビギナー』達は誰もが戦闘に緊張を抱いていた事だろう――無事、こなせたことはどれ程までに幸運であったか。
「さあ! 恐い思いをしたでしょうし、楽しいお話でもしながら、お婆ちゃん家までは護衛してあげましょう!」
 花畑に行くんでしたっけ? とウィズィが振り返れば「みゃあお」と花畑へ行こうと陰陽丸が促した。御穏やかな調子で「花畑は素敵な所ですか?」と問い掛けた猫に少女はこくこくと頷くだけだ。
 そうして、仲間たちの中で笑っている彼女を見てルサルカはほっとしたように胸を撫で下ろす。嗚呼、救えたのだと『殺す方に慣れ切った躯』は確かな安心を覚えていた。
「ふえ~……疲れましたぁ……」
 ぼんやりとしたペルレが「動けません~……」と小さく呟く。手を引いてくださいと伸ばしたのそ手を恐る恐ると握ったのは赤い頭巾の少女。
「わっ」
 護衛の任務はまだまだ続くと声かけるルサルカも予想外だったのか唇に笑みを浮かべ「貴女が護衛されるみたいだわ?」と冗談めかす。
「花畑に連れってってください~」
 くすくすと笑ったペルレに少女は「こっち!」と頷き歩き出す。
 少し離れた位置のパティリアに「どうかした?」とルルゥが首を傾げる。お恥ずかしながらと頬を掻いたパティリアは「その……」と重く口を開いた。
「ほら、磯の香りがするとかぬめぬめするとか少女に言われたら拙者凹みそうになるでござるから!」
 その言葉に少女とペルレが顔を見合わせて笑う。
「素敵なお花が咲いているといい、ですね」
 フェリシアはそう言って顔を上げる。チリン、チリンと鈴鳴る音が風と共に過ぎ去っていった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れさまでしたイレギュラーズ!
 この度はリクエストありがとうございました。
 久々の仕事&初めての仕事。どきどきの連続だったと思いますがお楽しみいただけましたら幸いです。

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