シナリオ詳細
イルカが攻めてきたぞ!!!!
オープニング
●こいつまーたトンチキな妄言をー
「イルカですよ! イルカが攻めてきますよ! 混沌が滅亡しますよ!!!!」
古びた石版を振りかざし、『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ (p3p000638)が大樹ファルカウ内に築かれたカフェと飛び込んできた。
ローレット拠点からも近くよくイレギュラーズがたまっているので飛び入り依頼人がよく来る場所でもあるが、普段はイレギュラーズたちがたまってなんか好き勝手している場所である。
一度はなんぞと振り返ったイレギュラーズとスタッフたちだったが、それがヨハナだったことで全員そのまま通常営業へと戻っていった。
この前は大宇宙赤斑吸血アルパカを錬成したとかいってたしその前は存在の疑わしいトンチキ映画のレビューをしていたので、むりからぬ。
「皆さん聞いてください!
混沌はイルカによって破滅するということだったんですよっ!
この世界破滅シナリオ、なんっっとしてでも避けなくてはっ!
皆さん今こそ団結の時ですっ! 培ってきた力を最終決戦めいたこの戦いのためにっ!!」
右手をグーにして上下にふりふり熱弁するが、みんなスルーするし店員に至ってはカフェのメニューブックを手渡してくるし。
ヨハナは店員に『クリームソーダー!』と叫ぶと、テーブルへどかっと座った。
「今日のヨハナは本気ですよ! 本気の証拠に……これでどうだ!」
そして、ズドンと依頼書がテーブルに叩き付けられた。
ローレットあるある。
トンチキな話でも依頼として引き受けた以上は達成努力をせねばならない。
●古代イルカ帝国の野望
「いいですか。蛮道海豚(ばんどういるか)とは古代イルカ文明の末裔であり数十世紀前森林迷宮の地下深くに封印されたという恐ろしき一族なのです。
彼らは人間を虐げ奴隷化する国家を築いていましたがあるとき現われた伝説のサメ勇者により壊滅し、地下へと封印されたのです。
しかしイルカの女王ことボトルノーズ皇帝、通称『イル閣下』は恐るべきイルカテクノロジーによって若いまま生きながらえ、大量に作り出したクローン・イルカ・トルーパーを率い地上奪還をもくろんでいます。
イルカトルーパーは2ヒレ歩行と器用な手ビレによって大地を爆走しイルカテクノロジーで生み出された機関銃や火炎放射器といった武装によって人々を抹殺し地上を再び支配するつもりなのです!
彼らの封印はサメ霊樹の一族が守っていますが、彼らはこの年のこの月に巻き起こる恐るべき大事件に巻き込まれ、不幸にも封印が解かれてしまうと予言にあったのです。
そうこの予言です! 古代イルカ文字で書かれた予言の石版にです!」
ここまでマトモなこと一言もいってないけど、依頼書がある以上聞いてあげなきゃマズイってんで、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)がそーですかーとかいいながらメモをとっていた。
バンと机を叩くヨハナ。
「この大事件とはつまり……深緑で起こっているハーモニア連続拉致事件に違いありません! サメ霊樹の一族がマンハンターの襲撃にあい、封印の木が燃やされてしまったに違いないのです!
するとどうなるかおわかりですね――そう! 機を待っていたイル閣下の軍勢が、地上へと攻め込んでくるのです!
急がねば、急いで現地にいかねば! カモン! ハリアーップ、ハリアーッ!」
茄子と馬が混ざったような動物に乗り、適当にその場にいたイレギュラーズをつかまえ、ぱっからぱっからサメ霊樹なる場所へと走るヨハナと仲間たち。
そこで見たものとは……!
「イルカが攻めてきたぞ!!!!」
顔にどくろの覆面つけたいかにも僕マンハンターですよって連中が悲鳴をあげて走り、その背を激しい火炎放射に焼かれていた。
その一方ではトンプソン機関銃を構えたイルカが逃げ惑うハーモニアへと射撃をしかけている。
凶悪なフェイスをしたイルカトルーパーが、ヘルメット越しにこちらをギラリとにらみ付ける。
「キュケケケケ! 新しいニンゲンが来たッキュ! クサムァ、ワレワレ蛮道海豚の地上侵略の糧となるイルカァ!」
「「……本当にいた!」」
- イルカが攻めてきたぞ!!!!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2019年09月04日 22時10分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●OPをもっかい読み直してここに直でつなげてみよう!
「ほらねっ!言った通りじゃないですかっ!
しかも絵面がアレなだけで普通にヤベー状況ですよっ!
割とマジで世界と深緑の危機ですよっ!」
茄子と馬が混ざったような生物に跨がり右手に石版左手にクリームソーダを持った『自称未来人』ヨハナ・ゲールマン・ハラタ(p3p000638)がすげー必死に仲間へ呼びかけていた。
実際に森は燃えてるしイルカが人をバシューってしてるので真偽はさておき(依頼だってこともあるし)介入せんわけにはいかない状況である。
バイクの上でヘルメットを脱ぎ、ピンクの髪をはらうようにゆるく首を振る『二輪』アルプス・ローダー(p3p000034)。
「ハーモニア連続拉致事件を追っていたら、どうやら本命の地下帝国を見つけてしまったようですね。
やはりヨハナさんの予言通り、怪人蛮道海豚は混沌を征服しようとしている……地底人類だったんですよ!!」
「怪人!?」
「クローン!」
「つまり!」
「ネオフォ――」
まてまてなんでも奴らに結びつけるんじゃ無い。
「ハナシハキカセテモラッタノジャ!」
フォンフォーンと音を立てて空から壺が飛んできた。
いや、壺に乗った『大いなる者』デイジー・リトルリトル・クラーク(p3p000370)が飛んできた。
デイジーは喉の辺りを手刀でとんとんやりながら喋り始めた。
「ワレワレハタコセイジンナノジャ」
ハナシハキカセテモラッタ、コントンハワレラガモライウケル!」
「え……」
割と無理矢理相乗りさせられていた『幸運と勇気』プラック・クラケーン(p3p006804)が困った様子でデイジーを見た。
「ソウジャナ? タコグンソウ」
「タコ軍曹!?」
二人を見上げていたヨハナとアルプス(アバター)がクッと親指のつめを噛んだ。
「イルカ帝国にタコ星人……我々はどうやって対抗すればいいんだ!」
「いやよく見て先輩! 俺ら仲間、仲間っスから!」
「とりあえず出来る事をしよう、それしかないね」
『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)が仕方なくついてきた人、みたいな顔をして2メートルくらいヨハナたちと距離をとっていた。
「鞍ぁ馬すぁーん! 他人ヅラしないでくだすぁーい!」
たすけて! て言いながら征斗を引き留めようとするプラック。
誰だって突っ込み係が自分しかいないと知ったらこうなる。
ドン、と効果音的なものをだしながら高い岩のうえに立つ『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
カッ、と効果音をたてておりてくるスポットライト。
「オーッホッホッホッ! もう、その、オーッホッホッホッ! なんですのこれオーッホッホッホッ! オーッホッホッホッホッホッホッ!」
「ほらみろタント様先輩も高笑いしかできなくなってんじゃないスか!」
「…………」
暫くシリアス顔で腕を組んでいた『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)。
「イルカが攻めてきたぞ!」
逃げ惑う人々と襲いかかるイルカ。
ダークネスクイーンは胸の谷間から黒フレームの眼鏡とハンカチを取り出してレンズをふきふきすると、装着してからもっかい風景を眺めた。
「イルカが攻めてきたぞ!」
逃げ惑う人々と襲いかかるイルカ。
一度眉間をもみほぐし、もういっかい見た。
「イルカが攻めてきたぞ!」
逃げ惑う人々と襲いかかるイルカ。それを追いかけ回すタコ星人とバイク。
「混沌であるなあ……」
眼鏡をぽいっと放り投げて、一度タント様の立ってる岩に相乗りさせてもらうと、二人でこう背中を合わせてビッと指を突き出す姿勢をとってみた。
「よかろう!」
「この!」
「タント様が!」「ダークネスクイーンが!」
「「なんとかしてみせようぞ(ますわー)!」」
そんな仲間たちから5メートルくらい離れたところで、征斗が『そうだね』と言った。
●これでもちゃんと戦闘してんだぞ
はい皆さんお待ちかね。
\きらめけ!/
\ぼくらの!/
\\\タント様!///
「が! 来たからにはもう安心ですわー!」
ダークネスクイーンに肩車状態になったタントがダブルピースをおでこにあててぺかーっと発光。
とうのダークネスクイーンは胸の下で腕を組む姿勢から『例の者を!』と叫んだ。
イーッとかいいながら戦闘員の皆さんが集まりがちゃがちゃ大砲めいたものを組み立て、イルカトルーパーたちへと向けた。
「狙うは……ねらうわ……」
「なんだクサムァ! イルカァ!」
火炎放射器を抱えてぐわっと振り返るイルカトルーパー。ちゃぷんと音をたてる水に満たされたガラスヘルメット。
きらんと陽光を反射するヘルメット。
きらんと陽光を反射するタント様のおでこ。
「ぜったいあのヘルメットですわーーーーーーーー!」
「撃ぇい!」
ビッと指を突き出すダークネスクイーン。アームストロングサイクロンジェットダークネスクイーン砲が発射され、イルカのヘルメットが立て続けに三人分くらいかち割られた。物理的にどうなってんのか説明できないからイルカと物理に詳しいひと代わりにおねがいね。
「「グワーーーーーーーー! ワレワレが混沌の汚れた外気が弱点だとなぁぜ気づいたァーーーーーーー!!」」
「むしろなぜ気づかないと思った」
「無念!」
バタッと倒れたイルカトルーパー。
デイジーはその上にふよふよふよ~てやってくると、ゆっくりと降下。
「混沌の外気が弱点であるにも関わらず地上侵略を謀るとはなんと愚かな……のう手乗りゴリラ!」
「ウホッホウッホ!」
「同じ侵略者のよしみ、水を補給してやろう……のう手乗りゴリラ!」
「ウホッホウッホ!」
「ジーデーパイセンは早くゴリラを特殊化してやって」
「これでおいしい水でもお飲みなのじゃ」
デイジーは熱湯をしみこませたおしぼりを広げてイルカの顔にばちゃってかけてやった。
「ウヴォヴォヴヴァー!」
「おおよろこんどる。のう……手乗りゴリラァ!」
「ウホッホウッホ!」
「てめーらー! イルカの仲間か!? それとも俺らの敵か!?」
色々ワケわかんなくなったらしいマンハンターの一人がショットガンをデイジーたちに突きつけた。
「アブねえジーデーパイセン!」
バッと両腕を広げて前に出るプラック。
突如かかりはじめるエ○ザエル感のあるBGM。
「イルカの祭りはマンハンター通せやぁ」
オープンカーのボンネットをソファーみたいに乗りこなしたマンハンターがプラックめがけて突っ込んでくる。
「うるせえゴォルァ!」
プラックキック(不殺)がオープンカーをマンハンターごと真っ二つにした。
「グワーーーーー!」
「誰に許可とってザエってんだテメコラァ! オラァ!」
水流を纏ったプラック旋風脚(不殺)がマンハンターのショットガンを切断し更にヘルメットを粉砕した。
「寝てんじゃねえぞオラァ! オ、オラ! オラァ! ソラァ!」
倒れたマンハンターたちをプラックシュート(不殺)で端っこに蹴り飛ばして山にしていく。
「クッ、なんてザエぢからだ……つええ……」
「クサムァ! イルカを無視するなァ!」
ほらそんな関係ないことしてるからイルカ来るじゃん。
火炎放射器を構えたイルカトルーパーが山とつんだマンハンターたちを取り囲む。
と、そこへ!
「――アマルガム・ストレリチア」
氷の華が飛び、複雑に散っていく。
グワーといってヘルメットのガラスがかち割れたイルカトルーパーたちがばたばたと倒れた。
マンハンターたちへ背中越しに語りかける。
「見殺しなんてのは目覚めが悪いからね……生かすけど逃がすとは言わないよ。
それにハーモニア、君らも重傷者が居たら教えてくれ、治してから退避させるから」
破邪符をピッて翳し……ながらすこしずーつ仲間と距離をとっていく征斗。
「なんであの子ちょっとずつ離れてるのかしら」
「多分シリアスを維持するためよ」
「そうね、そっとしておいてあげましょ」
ハーモニアたちはこそこそ話ながら、およそ10mくらい離れたアルプスローダーへと振り返った。
「隊長! ここに来れなかった仲間たちから重要な情報が届きました!」
アルプスローダーは座席後部のボックスをパカッと開き、大きな水筒を取り出した。
「イルカの母乳は擦り下ろしたイワシを絞って牛乳に入れた味がするそうです!」
「ほんとうですか! でかした!」
「そして用意周到な僕はこうしてイワシと牛乳を用意してきま……し……」
「キマシ!?」
水筒を開くヨハナ。
中にはスターゲイジーヨーグルトがみっしり詰まっていた。
スターゲイジーを画像検索してヨーグルトで連想してみてね。
「しまった! 400超の反応で走ったことで牛乳がヨーグルトになってしまったようです!」
「いやそうはならんやろ(イルカ談)」
「安心してください。この食材で最高のイルカミルクを作って見せますよ」
急に作画に美味○んぼ感を出してきたヨハナが、水筒を小脇にかかえつつ巨大な段ボールを叩いた。
「皆さん、そろそろ疑問に思ってるんじゃありませんか。ここまででなにげに登場していない人物がいることに!」
「ハッ、それはまさか! 画面のまえの皆はわかるかな!?」
わざとらしくハンドルをきって振り返るアルプスローダー。
「それは……このアシカだ!!」
「オイラはアシカじゃねえ!」
段ボールを内側から粉砕して現われるアシカ! いやアザラシ!
いや……ちがう!
「イルカが世界の頂点にたつだと!?
そんなこたぁこの海のヒーローとっかり仮面ことワモンさまがゆるしゃあしねぇぜ!
アザラシこそが海の王者だってことを教えてやらぁ!
この新装備――イルカアーマーでなぁ!」
「祝え!」
スターゲイジーヨーグルトと石版を掲げ、ヨハナは力強く叫んだ。エコーもかかった。
「七つの海を納めし海の王者――とっかり仮面・イルカアーマー。
新たなるイルカのバブみを手に入れた瞬間である!」
カッ!(イルカしっぽのアップ)
カッ!(イルカフェイスのアップ)
カッ!(イルカ巨乳のアップ)
カッ!(腹に書かれた丸ゴシック体の『母性』のアップ)
バーン!
手縫いのイルカ着ぐるみにすっぽり収まったワモンの引き絵。(挿絵申請お待ちしております)
「こいつは力がみなぎるぜ……ありがとな! ヨハネ!」
「ヨハナです!」
「この巨乳があるだけで、今にも母乳がでそうだぜ、ヨハン!」
「ヨハナです!」
ワモン(イルカアーマー)はトリャーと言いながらアルプスローダーに跨がる(?)と、火炎放射を吹き付けるイルカトルーパーたちへと突っ込んでいった。(挿絵申請お待ちしております)
「前パートの出番を削ってまで凝縮した力をくらいやがれー!
かーちゃんはお前をそんな子に育てたおぼえはないぞー! バブみガトリング!」
ワモン(イルカアーマー)の乳房から牛乳まみれのイワシが高速連射された。
「「グワーーーー!!」」
「「ママーーーー!!」」
イルカたちが爆発しながら吹き飛んでいく。
「やりましたね! 効果は抜群ですよ!」
「うそだろ?」
「カーッカッカッカッカ! アチシのカワイイイルカトルーパーをずぅーいぶん可愛がってくれたねぇ……肌色猿ドモォ!」
ドゥン! という地から吹き上がるような音と共に土が爆ぜ、巨大なシルエットが露わになった。
巨大なイルカにも見える鋼の巨大。
パワードイルカスーツに身を包んだ、イルカであった!
祝えごっこしていたヨハナがハッと振り返って叫んだ。
「奴は……間違いありません! 諸悪の根源イル閣下……そのクローンです!」
「遊びは終わりだよォ!」
頭のヒレみたいなやつから発射するイルカビームが、あちこちをばっすんばっすんに爆発させていく。
ワモン(イルカアーマー)も転倒し、プラックや征斗、デイジーやダークネス、タント様(発光)も吹き飛ばされてしまった。
「つ、強い……!」
「違うね、強くてカンペキなのサァ! トルーパーたち、アチシの盾になりなァ!」
「「イルカァ!」」
イルカトルーパーたちがぴょんとはねてイル閣下の盾になろうと集結する。
「そうはさせません! フルスロットル!」
アルプスローダーが自らリングをひねり、猛スピードでイル閣下へと走り出す。ヨハナが右手をグーにして身を乗り出した。
「説明しましょう! アルプスローダーさんは類い希なる超反応により相手が庇う選択をするより早く必殺の一撃を叩き込むことが可能なのです!」
「説明ありがとうござ――っ」
落ちていたイルカにつまずくアルプルローダー。
「あっ」
「あっ」
アルプスローダーとヨハナが真顔(?)になった。
宙にうき、前回転をはじめるアルプスローダー。
「あああああああああああああああああああああ!!!!」
イル閣下のよこを通り過ぎ、その辺の燃えさかる木に激突していった。
「くっ……アルプスローダー唯一の弱点であるファンブル値の高さをつくとは……やってくれましたねイル閣下!」
「いやアチシまだなにもしてな――」
「オウコラオゥ!」
ザエったプラックが両手をポケットに入れ前傾姿勢でリーゼントをぐいんぐいん上下させながら前に出た。
「何がイル閣下だ、オメェ!
こちとら、テメェ、イレギュラーズだぞ!
あんま舐めてっとミンチだぞオラ! ――ってわけでやっちゃってください皆さん! 俺石蹴っとくんで! しゃっす! シャーース!」
すすーって横にはけていくプラック。
そんな彼に案内されるかのように、デイジーと征斗が歩み出た。
征斗はデイジーから15mくらい離れつつ、小さく切った指から血を流し鞭へと変えていく。
「面倒は苦手なんだけど……血氷の連鞭、捉えたら逃がさない……!」
「イルカァ!」
イル閣下を守ろうと飛び出したイルカトルーパーたちに巻き付き、切り裂いていく征斗の鞭。
ハーモニアたちに攻撃させないように間に割り込みつつ、征斗は更に血の鞭を振り回し、トルーパーのガトリング射撃やイル閣下のイルカビームを弾き始める。
「イル閣下じゃとぉ……?」
デイジーが両手に謎のもわもわを浮かべながら、ゆーっくりイルカトルーパーたちの集団に迫っていった。
「確かにそのアーマーは協力じゃが……タコ星人特製の不思議な力で死ぬことになる」
ニヤァっと笑ってもわもわを投げつけまくるデイジー。
「「イルカァ!?」」
イル閣下を守ろうと飛び出したイルカトルーパーたちが次々にミルクイワシを吐いて倒れていく。
「なんて凶悪な力……これがタコ星人の呪いだというのですか!」
「いやデイジー様ですわよね? さっきからずっとデイジー様で――くっさ! ミルくっさ! なんですのこのイワシとミルクの絶妙な――くっさ!」
鼻をつまむタント様。
以降は鼻をつまんだ声でご想像ください。
「けどどうしますの!? トルーパーに守られてばかりでイル閣下に攻撃が届きませんわ!」
「それなら、ヨハナにいい考えがあります!」
ヨハナはビッと親指を立てた。
「「グワーーーーーー!!」」
タコ星人(デイジー)の呪いによってイワシを吐いたイルカたちがばたばたと倒れ、イル閣下をまもるトルーパーはただ一人となっていた。
「ここへすかさずヨハナが名乗り口上を使うんです!」
「なるほどですわね! どう名乗るんですの!」
「えっ」
「どう名乗るんですの!!(発光)」
ヨハナは考えた。名乗り口上っていつもスキル名をプレに書くだけで発動してたからよく考えてなかったなって。
――名前は?
「ヨハナ・ゲールマン・ハラタです」
――へえ、年はいくつ?
「ひ、ひみつです……////」
――こういうの経験あるの?
「はじめて……です」
――でも一人ではやってたんだ。
「その……簡単には……はい。あと将来の夢は女優になることで……その、これはステップっていうか」
リモコンの早送りボタンを一生懸命押してるイルカトルーパー。
「いまです!」
「しまったッキュー!」
「飛べぃ!」
ダークネスクイーンのダークネスホームランが炸裂した。
「キュー!」
飛んでいくイルカトルーパー!
「いくぜイルカザラシ!」
「おいらはアザラシ!」
プラックとワモンの目線カットインがカッてスライドしていった。
水流のオーラを纏ったプラックシュートで飛んでいくワモン。
「オイラのバブみをくらいやがれ!」
イワシの香りを纏ったワモンがイル閣下のガラスシールドにメゴッて突き刺さった。
「し、しまった! 中の水が! だがアチシは単独でも戦闘ができ」
――キキー、ドウッ!
「みなさん!」
「おまたせしましたわ!」
アルプスローダー、とそれに跨がったタント様がピッて親指をたてた。
●後日爆談
倒したイルカたちはどうしようってアイデアを総合した結果、すりつぶしてコンクリにつめてヨハナ銅像を上に置いて爆破した。
「ヨハナの像がーーーーーーーー!」
「すんません俺が爆弾つめるとか言ったから」
「よく考えたらあれクローンですし復活はしないですね」
「像が粉々であるな」
「じゃあオイラの像を――」
おっと尺がやべえ、征斗とタント様たのむ!
「マンハンター、今回は命を助けてあげますわ!」
「勘違いしないでよね! 助けてなんて頼んでないんだからね!」
「なんでツンデレなの」
50mほど離れた征斗が糸電話で呟いた。
「ザッさんにここ燃やしたらって言われただけなんだからね!」
「だからなん――えっ」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
えっ?
……えっ!?
GMコメント
■これまでのあらすじ
ヨハナの妄言につきあって森林迷宮の奥深くへやってきたらほんとにイルカが人を襲っててまじビビるわ。
状況を見るに、ハーモニアの隠れ里を見つけ出したマンハンターがハーモニアがっぽり浚って奴隷商に売りつけようとか思ったらしく、その流れで森を焼いたら封印の木が壊れてイルカが飛び出してきたらしい。なんだそれ。
依頼人のヨハナ氏がイルカは抹殺しなければ人類がヤバいっていうから、ここはやらねば帰れねえな。
■成功条件
・成功条件:イルカトルーパーの全滅
・オプションA:サメ霊樹の一族(ハーモニア)を沢山助ける
・オプションB:サメ霊樹の一族を一人残らずついでに抹殺する
・オプションC:マンハンターたちもついでに助けてあげる
・オプションD:マンハンターもついでに皆殺しだッキュ!
■蛮道海豚(ばんどういるか)
海種でもなく精霊種でもなくイルカ型亜人種。
イルカ(海種人類を除く)が世界の頂点に立つべきだというイカれた思想を盲信しているらしく、人間をガチで抹殺しようとしている。
家のなかでキモイ虫見つけた時みたく、もはや反射的に殺したいらしい。
今回戦うのは『クローン・イルカ・トルーパー』。
戦闘のためだけに作られたクローンで情報らしい情報も持ってない。
頭を水で満たしたヘルメットで覆っているのはなんでだろう。割ったら死ぬのかな? ねえ、死ぬのかな? 気にならない?
■戦闘のご様子
地下にずごーっとあいた穴から次々とイルカトルーパーが飛び出し、火炎放射器やマシンガンで攻撃してきている。
序盤はこのトルーパーをいかに沢山倒しまくり、かつオプション要素を満たすかを考えて動こう。
中盤には『イル閣下クローン』が専用のパワードイルカスーツにのって登場。
非常にパワフルな格闘能力と機動力としてイルカビームを備えたヤバイメカだ。ガラスも頑丈だ。ちくしょう一人だけ対策してやがる。
追ってぞろぞろ追加で飛び出してくるトルーパーをしのぎつつ、このイル閣下を倒そう。
当たり前のようにトルーパーに『かばう』を使わせて盾にするので、はぎ取り手段を2~3用意しておこう。
終盤。イル閣下を倒したことで襲撃はやみ、静けさが戻るだろう。
再封印としてコンクリ流し込むもよし、一族にならってもっかい木をぶっこむもよし、マンハンターを逆さに吊ってみるもよしだ。ハーモニアとマンハンター、それぞれの生存人数によってちょっと結果が変わる気がしない?
■■■アドリブ度(イルカ)■■■
イルカァ!!!!!!!!!!!!!!!
Tweet