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シナリオ詳細

求む! くっころ女騎士! (男も要面談)

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●求む。
「みなさんのなかにくっころ女騎士さんはいらっしゃいませんか?」
 突然の変化球の問いかけに君たちは椅子からずり落ちた。
「真剣なお話なのですよぅ!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は両手をばたばたと上下に揺らして頬を膨らませている。
「あのですね。オークの貴族さんからの依頼なのです!」
 浮かぶは疑問符。どこを切り取っても完全にその、理解不能な依頼だ。突っ込みどころしかない。
「とある集落で人畜無害のオークさんたちが暮らしているのを知っていますか? 知らないですよね? ボクもはじめてしったのです。で、そこの集落のリーダーである貴族のオークさんから正式な依頼としてローレットに舞い込んだのです」
 詳しく説明をしよう。とある、集落のオークが遊興として、くっころ女騎士を用意してほしいと、ローレットに依頼が舞い込んだのだ。仕事内容は簡単。バイト感覚で誰でもできる上にノウハウも身につく。ハーモニアさん大歓迎。
 危険なお仕事ではありません。
 説明をうければうけるほどに、疑問符は重なっていくばかりだ。
「つまりですね、簡単にいえば、くっころ女騎士ごっこをしてほしいということです。男性の騎士の方でも大歓迎!! そういう趣味の人もいます! あとオーク側になって悪役を演じるのもOkなのです!」
 不安しかないその依頼を楽しそうな顔でユリーカは説明していく。
「みなさん! これだって立派なお仕事です! ローレットだってより好みはできないのです! 世の中は世知辛いのです!」
 他人事だと思ってちょっと楽しそうなような感じもするユリーカ。
「頑張ってきてくださいね!」


「……ふっふっふ……そうか、餌はまいたか。ぶひぃ」
 豪奢な玉座で短い足を組む王冠を被ったオークさんは怪しげな笑いを漏らす。
「まさか、ローレットもコレが罠だとは気づくまい……」
「だめですよー、そんな思ってもない事をいっちゃぶひ」
 ニヒルにきめる王ク(オーク)さんを部下のオークさんが窘める。
「せっかく、ローレットに頼んだのだ! 役作りはいまからしっかりとだぶひ。それよりちゃんと歓迎する準備は整っているのか? ぶひ」
「王ク様! 豚の丸焼きはばっちりです!」
 料理長のゴブリンさんが答えた。
「ぶひいいい! 共食い反対! 豚料理はだめだっていつもいってるだろー!」
「わざとです。ゴブ。王ク様の前でくっころ女騎士が焼豚を食って王ク様も美味しそうっていう流れを演出したくてごぶ」
「ぶっひいいいい! このものの首をはねよー!」
「ごぶー!」

 今日もオーク村は平和である。なお、件のゴブリンさんはさくっと解雇されたのである。

GMコメント

鉄瓶ぬめぬめです。ほのぼの依頼をお届けします。
 王クさんのために、くっころ女騎士ごっこで遊んであげてください。
 最近の流行りではありますが焼かないでください。

 成功条件はオークさんたちと楽しむです。
 
 ロケーション
 とある山奥のオークさんの集落です。こちらに住むオークさんたちは温厚で心優しく、農業を営み生活しています。
 ごはんはいつもハーブや、ミネラルたっぷりの天然水を鉱石で濾過した極上の水、自然のどんぐりや無農薬牧草などを主食にしオレイン酸を豊富に含む脂肪が特徴です。また、肉質は柔らかく、口に入れれば脂がとろりととろけます。
 ご希望いただければ、牢屋、馬小屋、村中央の磔刑(バーベキュー)台などのロケーションをお届けできます。

 遊び方
 基本的なシチュエーションはオークに捉えられた自分はどのように対応するかというロールを楽しむカタチになります。打ち合わせもしていただけますので、どのようなプレイにも対応していただくことはできますがPPPは全年齢なので全年齢の範囲になります。やりすぎるとオークさんのほうがひいちゃうとおもいます。
 もちろんオーク側に加担していただいてもかまいませんし、くっころ女騎士を助けにきた騎士ごっこをしてもらってもかまいませんが、攻撃はしないであげてください。悪気はありません。シチュエーションを楽しんでください。
 ご希望であれば、くっころ男騎士でも大丈夫!! 専門家はいる! とオークさんはおっしゃっています。

 登場人物。
 王クさん
 この集落のリーダーです。くっころ女騎士ごっこがしたかったようです。基本的には紳士な方なので怪我をしないように気を使ってくれます。

 その他オークさんたち
 割りと強面のオークさんたちですが、心優しいです。やっぱり好みのタイプはハーモニアだそうです。
 
 ゴブリンさん
 オーク村に住む心優しい?ゴブリンさん。料理長でしたけどつい最近解雇されたので、就職先をさがしているようです。


 以上気軽にこのほのぼの依頼をお楽しみいただけると嬉しく思います。

  • 求む! くっころ女騎士! (男も要面談)完了
  • GM名鉄瓶ぬめぬめ
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年02月24日 21時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

猫崎・桜(p3p000109)
魅せたがり・蛸賊の天敵
ゲッカ(p3p000475)
特異運命座標
アルテミス・カリスト(p3p000550)
正義の騎士
暁蕾(p3p000647)
超弩級お節介
オクト=S=ゾディアックス(p3p001101)
紅蓮の毒蠍
田中・E・デスレイン(p3p001381)
ゴブリン、マイ、イマジナリーフレンド
タマモ・ベスクラミゲン(p3p001598)
姫を探す狂科学騎士
姉ヶ崎 春樹(p3p002879)
姉ヶ崎先生

リプレイ

●村の名前はシュヴァインルァ(舌をまいて)ンチフライシュ
「ぶっひっひ……、のこのこと罠にかかったようだな! イレギュラーズ!」
 今日も王クさんはごきげんだ。ローレットに送った一枚の依頼状によって、イレギュラーたちはこのシュヴァインなんとかというオーク村にのこのことやってきたのだ。
「初めまして、オークさん。私はローレットから派遣された『ハーモニア』の女騎士、暁蕾です」
 『彷徨のナクシャトラ』暁蕾(p3p000647)が、ダンボールで作った耳をぴこぴこと揺らしながら、側近のオークに名刺を渡す。
「あ、どうも、お世話になっています。弊社としてはクリーンをモットーに美味しい食材を提供する事を目標に日夜励んでおります。ご丁寧にどうもどうも」
「これはつまらないものですが」
 おみやげの中身は生姜焼きとチャーシューのタレ。
「これはこれはどうもありがとうございます。甘い香りのボディーオイルですね。王ク様もお喜びのことだと思います」
 和やかでかつジューシーな肉の祭典が今、開幕しようとしていた。

 じゃり、じゃりと、鎖が石畳の床をこする音。ぎぃ……と牢獄の壁にずらりと並ぶ拷問器具が軋みを上げれば、哀れな犠牲者の悲鳴が聞こえる。(演出)
「ここは……?」
 『正義の騎士』アルテミス・カリスト(p3p000550)は目覚め、身を捩る。
 名乗り口上を上げて、飛び込んでいけばうっかり、設置されていた落とし穴に落ちたのだ。
「えっ……」
 白銀の鎧を奪い取られ、拘束された彼女はやっとその時点で自らの体の動きが阻害されていることに気づいた。
「ゲッゲッゲッ」
 漂う獣の生臭い唾液の匂いに、ビクリと体をすくませる。至近距離に口をあけた『特異運命座標』ゲッカ(p3p000475)が金の目を光らせ獣欲露わにアルテミスを見つめる。
「ぴぎゃあ、ぴぎゃあ!(こんな寒いところでは風邪をひいてしまいます)」
「やめ、やめてぇ!!」
 左手がアルテミスの足に触れる。
「あっ……だめ、そんなこと……」
 ミニスカートから瑞々しく伸びる太腿を守るものはない。足首に手がかけられ、持ち上げられると拘束具のようなものを履かされる。
「くっ……! ひゃん?!」
 その未知の感覚に変な声がでてしまう。だめ、私、このままじゃ……。
「女騎士が、いい格好だな……」
 そこに現れるは王クさん。冷たいねめつけるような下卑た視線から逃れるように目を逸らす。
「こんなことで、私が……! あっ」
 両足の動きを阻害する拘束具は膝を通り抜け腰元まで達する。なんという陵辱……。正義の女騎士とはこんなことまでされてしまうのか……! 羞恥心に頬が染まる。
「ゲッゲッ(コレでバッチリです)」
「お願いっ! もう、もう許して!」
「両手を塞がれていたら、女騎士も小娘だな。抵抗もできぬであろう」
 女騎士は気丈にも涙目で王クを睨みつける。王クはこともなげに言い放った。
「こんな寒いところですみません! 豚さん印のこの毛糸パンツはあったかいでしょう! ぜひもってかえってくださいね」
 セーフ! アルテミスのパンチラは無事防がれたのである。
「み、みなさんは無事なんですか!?」
 陵辱にもまけずアルテミスは気丈にも仲間を心配する声をかける。
「それは、お前の心がけ次第だ……ぶひひぃ」
「そんな……っ!」
「では、どこまで耐えれるだろうなあ?」
「やめ……っ! そこはだめぇっ!」
「体は嫌がっていないぞ、ここも、ここも、こんなにこわばらせて……女騎士といえどかわいいものよ」
「だめ、お、お願いっ、もう許してっ!」
 くたりと脱力するアルテミス。しかし王クはその手を止めることはない。
「そこは、弱いのっ、あっ、あぁ~~~~~!!!!!」
 かの王クさんは、村でも有数のマッサージ師なのである。アルテミスは普段重い鎧に身を包み込んでいる。故に肩こりには悩まされていたのだ。彼女は抵抗することもできずしっかりと体の凝りをほぐされてしまった。

 同じく牢獄で、拘束されるは『特異運命座標』猫崎・桜(p3p000109)。
 ほんの数時間前、『紅蓮の毒蠍』オクト=S=ゾディアックス(p3p001101)、アルテミスと共に、このオーク村に討伐隊として送り込まれていたはずだ。
 ガトリングをオークに向けて撃ちはじめたことは覚えている。ずきんと頭が痛む。
 ~回想~
 桜は快調だった。新調したビキニアーマーの着心地はよいい。しかし有り体に言えばそのボーイッシュなスレンダーボディに対して2サイズほど見栄をはったので、胸部装甲に隙間が発生しているがとにかく着心地はいい。そう思わないとちょっと心が折れる。胸部に空洞が発生することによって、もしかすると弓矢で撃たれたとき肉体に到達しないという着心地の良さだ。そういうことにしておく。
 ガトリングの引き金に指をかければ気持ちよく弾が跳ねる。(豆です)若干トリガーハッピーだったかもしれない。だからこそ、あの卑怯な罠に気づくことができなかったのだ。
「ふふん♪ 正義のガトリングの前にはオークなんてイチコロ……ふや? みゃー!?」
 ~回想終了~

そうだ、僕はあの時、足元を狙われて……宙吊りになって、意識を失ったのだ。この頭痛はその時の後遺症。
 ふるふると桜は頭をふり、まずは現状の把握をする。
「ぴぎゃあ」
「ひゃうっ!?」
 突然耳元リザードマンの鳴き声が聞こえ、拘束された体を攀じる。すると、ビキニアーマーと肌の間に隙間が生じることに気づき、自分が身じろぎすら出来ない状況に気づき歯噛みする。
 紅潮した頬は熱く、心音が牢獄に響く。
 カツン、カツンと硬い音が石畳を打つ。
「誰!?」
「猫耳女騎士よ。先程は良くもやってくれたな……」
 低い怒りの声。
「仕置をしてやろう」
 王クが正面から値踏みするように少女をみやる。
「えっ、男の娘? 担当者かわる?」
「失礼にゃーー! 僕は女の子だ!」
「あ、すみませんすみません! では」
 気遣いの人、王クは彼女に白いシャツを丁寧に着せると、先端に黒い羽をつけた棒を彼女に向ける。
「うぅ、僕を一体どうするつもりなのだー! ふぇ、何、それ!? 僕が知ってるものより長くて大きくて黒いんだよ……!?」
「特別製の羽箒だ。このくすぐり地獄に貴様はどれほど耐えれるかな?」
 羽が首筋に触れる。首筋から胸元、中心を抜けて脇腹と触れるか触れないかの瀬戸際で桜を責める。
「え、ひゃっ、あひゃひゃひゃっ! ちょ、くすぐったいよっ!? あっ、あふぅん、らめぇ、はぅぅぅぅ!?」
 くすぐったさに身を攀じる。シャツの中でカシャカシャとビキニアーマーがずれる音がして先端がシャツに擦れ、さらなるくすぐったさの羞恥心に猫耳まで熱くなる。
「……ぇ?あ、あ、こんな恥ずかしい目にあうくらいなら、くぅ、こ、ころせー、だよ!?」
 でもなぜだろう、妙に、理不尽なものを感じてしまうのは。(PPP倫の干渉がありました)

「ふっ。貴様ら如きが、私の口を割らせよう等と片腹痛い。さっさと殺すが良い」
 ゼシュテル鉄帝国軍人、 オクトは牢屋の格子の向こうの王クをねめつける。
「おしい! そこはくっ、から始める感じでよろしくお願いします」
「あ、失礼。くっ、貴様ら如きが、私の口を割らせよう等と片腹痛い。さっさと殺すが良い」
 テイクツーOK! 
「そんな姿で吠えるものだな、ゼシュテルの飼い犬よ」
「鋼の精神の私は、拷問如きに屈したりはしないぞっ!」
 食いかかるように格子の向こうの王クに飛びかかろうとすれば拘束具がガチリと音を立ててそれを阻む。
「くそ、こんな拘束具なんて……!」
 ガチャガチャと動かす度に艶かしく胸元の双丘が上下に揺れた。タイトスカートに包まれる大腿部も大きく露出していることに彼女は気づいているのだろうか。暴れる度に際どく見え隠れする。
「ゲッゲッゲッ」
 その背後に陵辱用一号機ゲッカが唾液を垂らしながら近づいてきていることに気づいたオクトは更に激しく暴れ始める。
「やめろ! 屈する、ものか……帝国軍人の誇りを侮るな!」
「痛みには強いか……では快楽はどうかな?」
 いやらしく笑う王クの顔に戦慄するオクト。ゲッカの左腕が激しく上下する二つの膨らみに近づく。
「なっ。貴様! 何をするつもりだ?ま、待て。やめろぉっ!」
「さあ、軍人よ、どこまで耐えれるかな?」
「やめろ! やめろおおおお!! んぁっ、はぁっ、そこ……! あっ、其処は……っ」
「どうした? 随分と艶のある声をだせるではないか、では私が直接快楽の渦に落としてやろう」
「くそっ、それほどまでに、辱めて……っ! 来るなっ、貴様、ぶっ殺してやるっ……! んあぁん……っ! んひっ! はぁっ……其処……っ」
 格子を開け近づいてくる王クに怯えるオクトの胸元に頬を伝う汗が落ち、跳ねる。その水滴は瑞々しい果実であることを強調するかのように艶かしく谷間に滑り落ちた。王クの手がオクトにかかると途端声の質が濡れたものに変わる。
「げっげっげっ」
「あっ、……んっ、らめ、……ふあんっ、やぁ……其処は。其処は弱いんだぁっ! あひぃ、許してぇぇぇっ!!」
「随分凝っていますね。だめですよ、日々の運動をサボっちゃ。両肩をぎゅっと上げてすとんと落とすという動きを5セットすることで、肩こりは解消できます」
 健康にはうるさい王クである。
  

「反乱分子がいると聞いたが、この村か? 我が従僕よ」
 黒いローブの影のあるイケメン魔王――『混生魔王』田中・E・デスレイン(p3p001381)が、村の前に立ち、威厳のある声で従者である暗黒騎士姉ヶ崎ヘルウッド――『締切は一昨日』姉ヶ崎 春樹(p3p002879)と、後ろに控えるオーク達にに声をかける。
「然様でございます、我が王よ」
「猪口才な。この魔王田中の力をもってして、消し炭にしてくれよう」
 ばさりとローブの裾を翻し宣言する魔王田中。しかし、オーク達は槍の穂先を魔王田中に向け包囲していく。様子がちがうことに魔王田中は鼻白んだ。
「どういうこと、だ?」
「まだ気づかないのですか? 我が王よ。彼らはこのダークナイトシスターヶ崎ヘルウッドに与するもの、彼等こそ貴方様への逆賊なのですよ……この俺も含めてね!」
「なにぃ!? 謀ったのか! ヘルウッド!」
「ヘルウッド、様でしょう?」
「くっ……」
「オーク達よ、この女にわからせてやりなさい」
 ばさりと黒いローブをヘルウッドが魔王田中胸元から奪えば変装がとけ中から猫耳スク水ロリ巨乳忍者少女(一息で読むこと)が現れた。
「なに! 魔王様が小娘だというのは本当だったのか!」
「ろ、これがお前らが敬愛する魔王の本当の姿でゴザル!」
「魔王かと思ったら属性過積載のロリ忍者になった」「ねこみみよりぜったいにうさみみ」「思ってたのと違う」「これはこれで」「逆にないわ」「ハーモニアがよかった」
「おい! ここはイケメン魔王がじつはこんな可愛いキュートな魔王だったことに喜ぶところでゴザル!」
「ふざけるな! くっころ男騎士待ってたんだぞ!! 壁ドンして、股ドンしてアゴクイして、耳元で囁くみたいなそういうの期待してたんだからな!」
 血の涙を流すオークさん。
「あ、貴方が、くっころ男騎士専門家の方でござるか……」
「まあ、萌えを裏切られるとこうなりますよね」
 冷静にヘルウッドが分析し、うんうん、と頷く。
「えーと、ああっ、オークが私のスク水のお腹のところの水抜きをくぱくぱして……! やめろ!そんなところをくぱくぱさせて……っ! 貴様! なんという鬼畜」
 変な方向に向きそうになった話を強引に魔王田中が軌道修正する。ありがとう、魔王田中。ありがとう旧式スク水。 
「く……こ、殺せでゴザル! さもなくば切腹! 介錯!」
「殺すのは簡単だが、貴様はまだ利用価値がある」
 オークに後手に固定されたヘルウッドは体を捩らせる。
「さあ、コレを飲みなさい」
 ヘルウッドは皿にのせられたそれに、指を向ける。
 し か し ど ん ぐ り は べ つ に こ う じ ょ り ょ う ぞ く に は ん し な い。
「おい、姉ヶ崎君! えっここは怪しげな薬とかじゃないでゴザルか?? っんぐ!」
 公序良俗に反しなかった範囲のどんぐりはそのままモザイクをかけられることもなく魔王田中の口に収められる。
「ん~~~!! んんんんん!!」
「何を飲まされたかって? そんなこともわからないのですか?」
「むむ~~む~~~(明らかにどんぐりでゴザルー!)」
「愚かな女だ。よし! お前たち、時が来るまでこの女の処遇は任せる。好きにしろ」
「「「アイアイサー」」」
 滞りない進行だ。予定外は少々あったけど。

「姫に仕える最強の女騎士、タマモ・ベスクラミゲン! 姫の命に従い、ここに推参!」
 『姫を探す狂科学騎士』タマモ・ベスクラミゲン(p3p001598)が朗々たる声をあげ、愛馬(風船ペガサス)と共に颯爽と現れる。
「何者だ!!」
「この家紋でわかるだろう。えっと姫様の家紋だ!」
 ちょっとぐだぐだ気味の進行になってきているが、なし崩しに戦闘は始まり、予定調和にタマモは捕まって、馬小屋の支柱に荒縄(っぽいソフトロープ)で縛られた。愛馬も一緒につれてこられ、ぷかぷかと浮いている。    「やめろ、相棒に手を出すな!」
 科学で作った風船が珍しいらしくオーク達は興味津々で、風船ペガサスに子供オークたちが触れる。
「おい! 落書きしないで! 空色だから黒いペンは目立つ! あっ、そのちょび髭はやめてあげて!」
 ぷかぷか浮かぶ風船に子供たちは大喜びである。
「こら! 尖ったもので突くな、危ないから! こら、よせ!そんな乱暴にぷにぷにすると、あっ……!」
 パァンと風船が破裂すれば、子供オークたちはうわぁあんと泣き始めた。
 (風船ペガサスはこの後スタッフが丁寧に直しました)
「ほらほら、怖くないから! ちょっと割れただけだから、あとで直しますから! オークさん! 流れ! 流れ!」
 泣きわめく子供たちをあやしながら数人のオークさんが子供たちを退場させる。
「やめろ……それは私が姫から賜った……!!」
 仕切り直すようにタマモは思いっきりウインクをして槍の破壊を促せばオークさんが木製の槍をぼきりと折る。
「きさま……私の一族の誇りの……!」
 同じく木製の盾も散々勿体つけられながら真っ二つに折られることで、タマモの挟持もまた折られることになる。
「オークに完敗した最強の女騎士、タマモ・ベスクラミゲン……。王ク様に忠誠を誓います……。」
 そして強制される屈服宣言にタマモは為す術もない。
「最強? まだお前はそんなことを言うのか? 我々に負けた分際で、最弱だろう、ぶひぅ」
「くっ、ころせ……。」
 涙目で告げられるそれはわりと真に迫っていた。だってわりとこの屈辱本気で味わいたくないって思ったタマモだから。
 その見事なくっころっぷりに観客、王ク様ともども、感嘆の声と大きな拍手がタマモに浴びせられた。
「ほんとに! 思った以上の屈辱です!」

「では、いざ尋常に……勝負! ハーモニアさんの予定がつかなくてごめんなさいソード!」
 数人のオークに囲まれた暁蕾は木製の剣を、危険のないように振り回す。
「いえいえ、お構いなく、そのお耳お似合いですよぱーんち」
 オークも恐縮しながら、握りこぶしを肩にかるくぶつける。
「ああっ、まさかコレほどとは……!」
 よろりとふらつくと暁蕾はその場に倒れる。
「よーし、おまえら、縛り上げろー」
「あいあいさー」
 ダンボールの鎧を外され、丁寧に縛り上げられ、小柄な体を赤いソフトロープが彩る。
 羞恥に紅く染まった顔で暁蕾は様式通りに台詞を告げる。
「くっ……生き恥をさらすわけにはいきません……殺しなさい」
 おー、やんややんやと、拍手が巻き起こる。
「アンコール! アンコール!」
 突如巻き起こるアンコールに、少々面食らいながらも本日二度目の「くっころ」台詞を言わされる羽目に暁蕾であった。
 でも正直気分は悪くはない。オリエンタルな感じが受けたのだろう。暁蕾はリップサービスを思いつく。
「辞世の句を詠んだ後に切腹するのが古来よりのマナーなのでオークさん、介錯をお願いします」
「「「サームライ! サームライ」」」
 少々異様な雰囲気にまで盛り上がる一同。
「ハラキリや バラよりロースが 好みです」
「ぷぎっ!?」
 物騒な言葉に数人(?)のオークが悲鳴をあげる。
「あ、間違いました。ハラキリや バラよりローズが 好みです」
「ですよねー!」


「みなさんお疲れ様でした」
 王クさんがイレギュラーたちを労う。イレギュラーたちのまえには、ハーブで蒸したどんぐりや、ヘルシーな食事(草食系)が並ぶ。
「いろいろなくっころが楽しめました」
 王クさんはじめ村のオークたちはごきげんだ。子供たちもすっかり泣き止み、タマモと治った空色ペガサス二号を囲んで楽しそうに騒いでいる。「らくがきしちゃって、おねえさんごめんなさい」と謝ればタマモは相棒を撫でながら「大丈夫よ、今度は乱暴にしちゃだめですよ?と諭し、子供たちははーい! と元気よく答えた。

 春樹は自らの得意分野である今日の思い出を再現した同人誌をオークさんや参加者に配布する。王クさんはたいそう喜び、春樹に何度もお礼をいうと、村の図書館にも寄贈したいと申し出、春樹は喜んでと快諾した。

 魔王田中は、ゴブリンさんにローレットつながりの料理人の斡旋を約束する。するとゴブリンさんは、では食材はこの村から得ることにしましょう! とブラックジョークを言えば、王クさんからお前そういうとこだぞ! とツッコミが入った。

 
 それから数日後やたら、オークの村に来客者が増えた。不思議と美味しい豚を見るような目に彼らは首をひねるのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

文字数を削るの大変でした。 ご参加ありがとうございます。オークさん達はとっても大喜びだったようです。ほのぼのオーク村を楽しんでいただければ幸いです。

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