PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<薄明>クロウズクロウズクロウ
<薄明>クロウズクロウズクロウ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●宵闇を急ぐもの
 幻想南部オランジュベネ領。かつて引き起こされた砂蠍事件の影響で政治的空白地帯と化したここは、事件当時こそ混乱はあったものの順応した人々がたくましく暮らしていた。
 そんなある日のこと。

 サッカーボールが宙を舞い、草の上を弾んでいく。
 追いかけて茂みに入った子供がボールを拾い上げると、奇妙な臭いに眉を動かした。
 鉄が溶けたような、蒸した毛皮のような、土がえぐれたような不思議な臭いだ。
 何かあるのだろうかと草をかき分け、そして驚きのあまり悲鳴をあげて飛び退いた。
 草むらの中にあったのは、人間の死体であった。
 それも朝方殺されたばかりであるようで血があちこちから少しずつ噴き出している。恐るべきは死体の各所に1~2センチ大の穴があき、人相はおろか性別や体格すらわからなくなるほどに全身をえぐり回されていたということである。
 誰がこんなことを。
 死体とその異様さへの恐怖と混乱。
 同時に襲ってくる『犯人は近くにいるのでは』という思考。
 辺りを見回すが誰も居ない。
 遠くから自分を呼ぶ友人たちの声がわかるだけだ。彼らは何も気づかず、はやくボールをとってきてくれと呼びかけている。
 死体があるんだ。
 ここは危ない。
 そう叫ぼうとしたとき。
 やっと。
 少年は『犯人』を発見した。
 いや、最初から見つけていたのだ。
 自分の周りに何羽も。
 木の上に、空に、街灯の上に、倒れた馬の死体の上に。
 そして今まさに見つけたばかりの死体の周りに。
 ずっと当たり前のように群がっていたカラスの群れが、怒りを露わにして恐ろしい声で――一斉に吠えた。
 血塗られたくちばしが、少年の未来を告げる。

●怒れるカラスの群れ
「根本的な原因は分からない。けど、重大な事件だってことは確かだよね」
 ショウ(p3n000005)は数枚の写真を並べ、イレギュラーズたちに事件と依頼内容について説明していた。
 穴だらけの死体がいくつも発見されたという事件と、判明したその死因。
 そしてイレギュラーズたちに依頼された、事件解決のための戦いについてである。
「オランジュベネ領にすまう何十匹という数のカラスたちがまるで人間たちに怒りをぶつけるかのように群がり、襲いかかるという事件がおきているんだ」
 たかがカラスと油断してはいけない。
 成人男性がたった一羽のカラスに殺されたという例があるように、本気で怒り狂ったカラスの凶暴さと殺傷能力は侮れないのだ。
「疑問があるとすれば、死の危機が迫ったわけでも卵や巣を破壊したわけでもないのに、狂ったように集団で怒り無差別に人間を攻撃してるという点だけど……今はそこをゆっくり調査してる余裕はないみたいだ。
 すぐに現地に向かって、カラスの駆除を行なって欲しいそうだ。死体は毎日発見されていて、日に日に頻度を増やしてる。時間がたてばたつほど深刻化する筈だ……ってね」
 六頭引きの大きな馬車がとまり、扉が開かれた。
 無口な御者が、あなたが乗り込むのを待っている。
「話し合いは馬車の中ですればいいよ。帰ったら、事件のことを聞かせてね。
 できることなら、これ以上不幸な死者が出ないように……」

GMコメント

 幻想南部オランジュベネ領でおこった『カラス集団暴走事件』を解決すべく、現地で駆除戦闘を行ないます。
 馬車で現地に乗り付け、とにかく大量にいて群がってくるカラスたちを全て駆除してください。
 個体数は計測できていませんが、何十羽といるはずです。
 以下に細かい流れについて説明していきます。

●成功条件:カラスの駆除
 空き地に集まっている大量のカラスを駆除しきることが依頼成功条件です。
 このほかにいくつかのオプション要素が存在します。

●馬車での乗り付け
 オランジュベネ領まではこの区間を走っている駅馬車を使って移動しますが、実際に戦闘する『空き地』までは自分たちの足で向かうことになります。
 このとき駅で馬をレンタルして駆けつけるのが通常ルートになりますが、自前の乗用馬が居る場合それを装備しているなら到着するターンを早めることが出来ます。
 またそれが軍馬(ないしそれに相当するアイテム)であった場合到着後も馬に乗ったまま戦闘が可能です。例えば馬に跨がってもろとも突っ込み、今まさに殺されようとしている少年をかっさらったりカラスを蹴散らしたりといったことが可能になります。
 このとき若干の判定ペナルティが発生しますが、これは『騎乗戦闘』スキルによって軽減することができるでしょう。

●戦場と子供たち
 OP冒頭で描かれたサッカーボールをもった少年はメタ情報です。
 この状況に(先述した方法を用いて間に合ったならば)あなたは即座に割り込むことができます。
 この少年のほかに3~5人ほどの少年がおり、完全に放置していると彼らもカラスに狙われてしまうでしょう。
 もし彼らを助けたいなら効率的に逃がしたり逃げ切るまでの1~2ターンほどは庇ったりといった行動が必要になるでしょう。

●カラスの駆除
 何十羽もいるカラスはそれなりに密集しそれなりにばらけます。
 というのも、1PCに何十羽も張り付いて突っつき続けるのは不自然であるため、群がって不自然ではない程度に群がっていくことになるためです。
 またこのカラスたちは【怒り】BSの判定時にのみ特殊抵抗判定をカットし自動成功します。(そもそも命中しなかった場合は当然効果も発揮されません)

 カラスの攻撃方法は
・ひっかく:物至単【出血】
・つっつく:物至単、ダメージ補正高
・くらいつく:物至単【必殺】(消費APが高く使用優先度は低いはず)
 の三種になります。

 攻撃方法と習性から敵の特性と動き方を予想し、適切な戦術を組み立てるとよいでしょう。PC間の連携があると尚良いはずです。

■■■アドリブ度■■■
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用ください。

  • <薄明>クロウズクロウズクロウ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年08月12日 22時05分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

透垣 政宗(p3p000156)
有色透明
ポテト=アークライト(p3p000294)
優心の恩寵
リゲル=アークライト(p3p000442)
死力の聖剣
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
黒陽炎
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
鞍馬 征斗(p3p006903)
天京の志士
橘花 芽衣(p3p007119)
鈍き鋼拳
オジョ・ウ・サン(p3p007227)
RafflesianaJack

リプレイ

●蹄は今に向けて
 幻想の石畳を走る蹄が、木製車輪を引いていく。
 オープンタイプの馬車に腰掛けた『有色透明』透垣 政宗(p3p000156)は馬に鞭を打ち、さらなる加速をかけさせる。
 小石をふみ車体が揺れることもいとわず、政宗は前屈みの姿勢で座席のバーを掴んでいた。
 視界には既に、空をまく黒い煙のごときカラスの群れが見る。
 その全てが怒りに我を忘れ、無差別に人を襲う巨大な一個の怪物となっているように見えた。
「カラスってあんなに狂暴だっけ? 僕もたびたびお世話になってるけど、あんな風になったのは初めて見るよ。野生動物の本性ってやつなのかな?」
「そんなわけないでしょ。確かに怒ったカラスは人を殺しちゃうくらい危険になることがあるけど、あんな大量に怒り狂うなんて異常よ。まるで暴徒の集団だわ」
 『黒陽炎』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は疾走する巨大なウサギのぬいぐるみに跨がって、『先にいくわよ』とハンドサインを出した。
 彼女と共に加速し併走する『優心の恩寵』ポテト チップ(p3p000294)と『死力の聖剣』リゲル=アークライト(p3p000442)。
 ポテトは愛用のパカダクラに、リゲルは愛馬のアルタイルに跨がり、足で合図を出すように馬を加速させはじめる。
「大量のカラスが集まるだけならともかく、生きている物を襲って死なせるなんておかしい。何が起きているのか調べたいが……まずはその前に」
「ああ。現場にいるという人々の命が最優先だ。命だけじゃない。その未来を……必ず守り切る! 騎士の誇りに懸けて!」

 一足遅れる形で軍馬を走らせる『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)。
 彼はカラスの群れを見上げ、じっと何かを考えているようだった。
「失敗できない状況、か。まずは現場がどうなってるかを知らないとね……」
「今情報が入ったよ。あそこは公園になってて、子供たちがよく通っているらしいんだ。センサーに反応もある! ――ヘカトンケイル!」
 『鈍色の要塞』橘花 芽衣(p3p007119)は目をきらりと光らせると、異空間から機械鎧を召喚して自動装着。跨がっていたパカダクラにまで馬鎧形式で装着させると、ジェット噴射をかけて加速しはじめた。
 その横に並ぶ二台の馬。
「ぱっぱっぱー、ぱかぱっぱー!」
 パカダクラの上に立ち乗りし、両手を腰に当てた『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)がおでこをきらりと光らせた。
「パカダクライダー・タント様参上、ですわ! まずはわたくしが飛び込んで一番危険な子を救出しますから――」
「オジョウサンたちが出来るダケ敵を倒シテ時間をカセグね」
 パカダクラの背にツタでくくりつけられた巨大なウツボカズラこと『RafflesianaJack』オジョ・ウ・サン(p3p007227)が、蓋をあけて中からネコミミ少女の顔を覗かせた。
「"怒り"ンボのカラスチャン……ネエネエ、アナタはドウシテ、怒っテるノ?? ――何ヲ、もらッタノ?」
 馬は、猛烈なスピードでカラスが群れる公園へと突入していった。

●覆われた空を晴らすもの
 少年の空が黒く覆われていた。
 それがなんだか理解できぬまま、少年へと一羽のカラスが……否、何十羽ものカラスが一斉に襲いかかる。
 巨大な雲が槍を伸ばすように、少年へ暴力の塊が迫り、その小さな身体を率いてしまう――よりも早く。
「とあー!」
 パカダクラに曲乗りしたタントが少年の身体を掴んでパカダクラごと駆け抜けていく。
 さっきまで少年の立っていた地面がえぐれるほどの勢いでカラスがぶつかり、追って何羽も重なった段階でブレーキのきいたカラスたちがカーブをかけはじめた。
 少年を小脇に抱えたまま手綱を握り直し、追いかけてくるカラスの群れを振り返るタント。
 やっと我に返った少年が顔を上げる。
「だ、誰!?」
「今日の名乗りは後回しですわ! まずは安全なところまで逃がしますから――」
 途端。木々の間を突き抜けるように現われたカラスの群れがタントとパカダクラの横っ腹を目指して突っ込んでいく。
「こっちには構わないで、走って……!」
 征斗が軍馬を突っ込ませ、ドリフトをかけながらカラスの群れに馬の身体を叩き付けていく。
 跨がっていた馬から飛び降り、地面を転がる征斗。
「カラスはこっちで引き受けるよ……!」
「早く逃げて!」
 装甲を纏った芽衣が他の少年たちの間を駆け抜け、カラスの群れへ真っ向から突っ込んでいった。
 ぶつかったカラスが突き飛ばされ、木や地面へとはねられていく。
 一方でパカダクラにブレーキをかけさせたオジョウサンが何かの液体を噴射しながら跳躍。カラスの群れへ自ら水平に突っ込んでいくと、蓋を開いて内側に球状の電撃を形成しはじめた。
「コンガリコンガリ……オイシくなーれっ!!」
 捕虫袋をぶくっと膨らませると、電撃球体をはき出すかのように放出。
 突っ込んでくるカラスたちが次々に電撃にぶつかり、しびれては墜落していく。
 オジョウサンは再び謎の液体を噴射してくるりと回転すると、ぼよんとはずみながら立ち姿勢をとった。
「におう! においますデスよ! つぶレタお肉のいいニオイ!!!!」
 ツタを伸ばしてヒュンヒュンと振り回し始めるオジョウサン。
 一方で芽衣が馬をターンさせて再びカラスの群れへ突っ込んでいく。
 オジョウサンのそばについてデュエルバックラーを構える征斗。
 三人は群れの中央に留まるようにしつつ、荒れ狂うカラスたちに攻撃を始めた。
 たちまち黒く覆われる三人。
 タントはそんな彼らを背に手近な建物へと走りつつ、巨大なぬいぐるみに跨がったアンナとすれ違った。
「皆さんを――!」
「任せて!」
 アンナは淡い輝きをはなつ剣を抜くと、ぎらぎらと怪しい光を解き放った。
「そこのお姉ちゃん達が守ってくれるから焦らなくても大丈夫。落ち着いて、無理がない範囲で走って」
 おびえてすくむ少年たちの上をぬいぐるみによって飛び越えると、アンナはカラスの群れに剣を叩き付けた。
 たちまち取り囲まれ黒い塊になっていくアンナ。
 その隙にポテトとリゲルは馬からおり、子供たちのもとへと駆けつけた。
 アンナの扇動にかからなかったカラスたちが飛びかかるが――。
「こんな所で死なせはしない!」
 ポテトは自らを盾にして少年を庇うと、少年を抱えて近くの建物へと走って行く。
「大丈夫。カラスはここで止めるから、前を見て早く逃げるんだ!」
「全力で走れ!」
 少年たちを放り投げ、追いかけてくるカラスたちへ振り向くポテト。
 彼女を守るように剣を抜いたリゲルが、飛びかかるカラスへと斬撃を放った。
 カラスの翼が切り裂かれ、左右に走った銀色の光が周囲のカラスをも切りつけて墜落させていく。
 ばたばたと地面でもがくカラスの目には、強い怒りの感情がみてとれる。
 動物の気持ちが直接分からないリゲルにも感じられるほど、それは強く露骨な怒りであった。
「これは、一体……」
「考えるのは後だよ」
 政宗は少年たちが建物へと逃げ込んだのを確認してから、人差し指で自らの下唇をなぞった。
「僕たちの事は気にしないで。そのまま閉じこもっているんだ、いいね?」
 少年たちにウィンクをして、ワンポイントのはいったカラーネイルを立てる政宗。
 振り向きざま、リゲルたちに迫ろうと舞い上がったカラスたちへとフィンガースナップを撃った。
 パチンとはじけた魔法の色が烏たちを巻き込み、ばたばたとカラスを墜落せていく。
 カラスの狙いが子供たちから自分たちへとシフトするのがわかる。それほど直接的な怒りが、政宗の肌にぞわりと鳥肌を立たせることで感じられた。
「忙しくなりそう」

 黒い空に走る雷と氷の華。
 ひゅーひゅーとバテた様子の巨大ウツボカズラことオジョウサンは征斗と背中合わせになるように飛び退いた。
「子供が安全なら……弾幕、行くよ!」
 両手に氷の華を大量に握り、ナイフ投げの要領で投擲しはじめる征斗。
 オジョウサンは伸ばしたツタにわじゃわじゃと葉っぱを生やすと、丸鋸のようにギザギザに鋭くして投擲し始める。
「アチョー!!」
 投げるたびにカラスが落ち、地面をどむんとなにかがはねる。
 しかし余りに多いカラスの群れは空を覆い壁のように視界を埋め、征斗たちを閉ざしていく。
 そこへ。
「とう!」
 タントが身体を丸くしたクロスアーム姿勢で飛び込んできた。窓ガラスを突き破るような勢いでカラスたちを押しのけると、くるくる回転してから着地。
 地面に片手をついたままパチンと指を鳴らした。
「満を持しての――!」
   \きらめけ!/
   \ぼくらの!/
 \\\タ――■■■■■■■■■■■■■■■
 コールが途中でカラスの怒り狂った鳴き声で覆われる。
「もしかしてすごくピンチですの!?」
「大丈夫、そのままピカピカしてるんだ!」
 焦り顔でおでこを光らせるタントのもとへ、ポテトが猛烈な速度で駆け寄ってきた。
 より具体的に述べるならリゲルによって横向きに抱えられたポテトが豊穣の歌を歌いながら駆け寄ってきた。
 ぴょんとリゲルの腕から飛び降り、タントと並ぶポテト。
「とにかく私のそばでぴかぴかの支援を。私は歌で支援する。最大効率でいこう!」
「二人のことは必ず俺が守る。ダメージを気にせずフィールドを形成するんだ!」
 銀色に輝きう剣に加え、短い日本刀を抜いて二刀流をとるリゲル。
 全身をギラギラと星空のように光らせると、飛びかかるカラスを切り払っていく。
「オオー、イキカエルー」
 ポテトの歌を聴いたオジョウサンがうにょうにょ激しくツタを伸ばし花をさかせていく。
 生まれた花がぽこぽこと離脱し、オジョウサンの意識とは無関係に周囲のカラスへと飛びついては伸びたツタで拘束していった。
「オヤ?」
「花も一緒に遊びたいってさ」
 いつのまにかそばに居た政宗が開いた手の中に同じ花をぽこぽこと生み出し始める。
「さあ、遊びの時間は終わりだよ。そろそろお休み!」
 花をナイフのようにとがらせ、次々に投擲しはじめる政宗。
 彼と背中会わせになった征斗が、再び手の中に氷の華を生み出して政宗へ半分パスした。
「これを……」
「アリガト。征斗も可愛いカッコしてるんだからもっとチャーミングに戦えばいいのに」
「そんなこと……いわれても……」
 こまるな、と複雑そうな顔をして、征斗は華を次々にまき散らしスパークをおこしていく。
「来てくれて助かったわ。そろそろ私一人じゃ限界だと思ってた所!」
 アンナは飛び回るぬいぐるみを手足のようにあやつってカラスの猛攻をつぎつぎに回避し、振り回す布でカラスを受け流していく。
 とはいえこれだけの物量が相手となると避けるに避けきれず、殆どは布と剣で無理矢理打ち払うことになっていた。
「ここまで殺気立たれると、さすがに手加減はできないわね」
 布で受け止めたカラスをそのまま包み込み、ぴょんとぬいぐるみの上から飛ぶアンナ。
 包んだカラスをハンマー投げのごとくぐるぐる振り回し、周囲のカラスたちを打ち落としていく。
「こんな危ないのはとっとと片付けて、子供が笑って遊べるようなところを取り戻さなきゃね」
 肘からエネルギー噴射をかけ、猛烈なパンチを叩き込んでいく芽衣。
 カラスを思い切り殴り飛ばすと、ポテトとタントを中心とした集合陣形へと加わっていく。
「ポテトの全体回復が途切れるまでが勝負だ。速攻でカタをつけよう!」
 銀の剣を翳すリゲル。
 その横に着地し、水晶剣を構えるアンナ。
 ポテトとタントはそれぞれ背をつけて身構え、政宗と征斗が互いにちらりと横顔を見合ってから指先に魔力を集中させて手刀を構える。
 サンは葉っぱを大量にやはし、芽衣は頑丈な装甲を打ち鳴らして拳を握りしめた。
 中心から外側へむけ全方位に構えるイレギュラーズたち。
「「さあ――行こう!!」」
 カラスが、全方位から一斉に襲いかかる。

●かくて怒りの矛先は
 あちこち傷だらけ羽根だらけになったタントが、両手を腰に当てて胸を張った。
「悪いカラスはやっつけましたわよ! あとはわたくし達にお任せを!」
 タントの言うとおり、公園に群がっていた悪夢のようなカラスの群れは一羽も残さず倒され、公園はカラスの死体で真っ黒く染まっていた。
 征斗や芽衣は戦闘の疲れをある程度おとした後、大きな麻袋にカラスたちを詰めてまわっていた。
 勿論後片付けを手伝っていこうという意図もあるのだが……。
「花がおびえてる。あのカラスたち、よほど普段とは違う怒り方をしてたんだね」
 公園の端でしょんぼりとしたタンポポの花をみつけた政宗は、花の気持ちを読み取ってそっと表面を撫でてやった。
「またしても良くない前兆かしら……」
 アンナは『何かわるいものを食べたのかも』と切り裂かれたカラスをよりわけるようにして調べていた……が。
 その横でオジョウサンがチュルンと何かを吸い込んだ。
 ハッとして振り返るアンナ。
 蓋を曲げてピューピューと口笛(?)をふいて誤魔化すオジョウサン。
「今食べたわよね」
「シラナイ」
「カラス、食べたわよね」
「ワカラナげっふぅ」
 思わずでたゲップ(?)にカラスの羽根が混じっていた。
「…………」
「…………」
 誤魔化すようにぴょこんと顔をだす疑似餌の少女。
 まさか食べるとは思わなかったといって、ポテトがオジョウサンの身体(?)をぺたぺたとさわり始める。
「ええと、なんともないのかな? 身体が熱くなったり、急にムシャクシャしたり……」
「ナントモ?」
「そっか。ってことは、へんな薬物で凶暴化したってわけじゃないみたいだね。魔法の線もなくなはないけど、人為的に施すにしては数が多すぎる気がするよ」
「聞いた話ではこの辺では急に暴徒が暴れ出したすようなトラブルが頻発してるらしい。一体何が起こっているんだ……まるでサーカスの再来じゃないか」
「サーカスの再来、ね……もっと違うもののような気がするよ。なんとも言えないけど、もっと、明確な……」
 カラスの死体を両手の上にのせて、ポテトは空を見上げる。
 生ぬるい夏の風が、血のにおいと混じり合って吹き抜けていく。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!
 事件の行方や、いかに。

PAGETOP