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シナリオ詳細

すみません、タコが居よる
すみません、タコが居よる

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●タコタコ踊る
 海洋、その大海原にて。
 一隻の漁船が、その腹に漁業の成果である魚を積みながら、港を目指して航行していた。
「やったな、こいつは大儲けだ」
 船員の一人が、満足げに頷いた。今日はまさに大漁で、これを捌ければかなりの収入となるのは間違いない。
「気を付けてくれよ。これで帰り道に遭難だの転覆だのされちゃ、死んでも死にきれねぇぜ」
「うるせぇ、この道何年だと思ってやがる」
 船員たちがはやし立てるのへ、船長は笑って返した。ベテランの船長、そして船員たちによる操舵は、危なげなく航海を続ける。このペースで行けば、昼頃には港に着くだろう。
 ――と。そう思っていたのであるが。
 ふと、ごん、と言う音と共に、突如船が停止した。勢いに、悲鳴と共につんのめる船員たち。
「な、なんだ!? 浅瀬にでも引っかかったか!?」
「馬鹿言うな! こんな海のど真ん中に浅瀬なんかあるか!」
 口々に困惑の声をあげる船員たち――だが、次の瞬間、彼らは口をあんぐりと開けて、呆然とした表情を見せた。
 突如海がさばりと盛り上がるや、そこから現れた山のような何かが、覆いかぶさるように漁船へと突撃してきたのである。
「めんだこー!!」
 その、山のような何か――巨大なメンダコが叫んだ!
「めんだこ!」
「めんだこだ! デカいメンダコだ!!」
 船員たちも叫んだ。
 それから半刻もたたぬうちに、漁船は海の藻屑と消えたのであった。

●めんだこ撃退
「一応、船員の皆さんは避難ボートで脱出できたそうですよ」
 と、『小さな守銭奴』ファーリナ(p3n000013)が言った。
 今回の依頼は、デカいメンダコの撃退であるらしい。突然変異か何なのか。いずれにしても、このまま放っておいては、付近を航行する船や漁船にとって脅威となるだろう。
「メンダコ、可愛いんですけど、ここまでデカいともはや冒涜的な何かですね。臭くてまずくて食べられないらしいですし、速やかに討伐しちゃってくださいな」
 沖合に出る船は、海洋の方で手配してくれるという。船員も用意されているため、イレギュラーズ達は、純粋に戦う事に注力できるだろう。もちろん、技術があるならば、操舵を試みても構わない。
「こんな感じですかねー。では、しっかり働いて、がっぽり儲けましょう! ファイトですよ、皆さん!」
 そう言って、ファーリナはイレギュラーズ達を送り出した。

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 タコ……タコが来よる……。

●成功条件
 巨大メンダコの撃退

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●状況
 海洋有する船で沖合まで移動し、巨大メンダコを撃退してください。
 船や船員の用意は、海洋の方で手配していますが、もし「自分たちで操舵できるぜ!」という事ならば、試みても構いません。
 戦闘は船上で行われますが、水中行動可能なスキルを持っていれば、敵の後ろに回り込めたりなど、有利な状況を作り出すことは可能です。

●エネミー
 巨大メンダコ(本体) ×1
 特徴
  突然変異かなんなのか、巨大化したメンダコ。
  可愛い生き物ですが、ここまで大きいともはや邪神の類。
  神秘属性で中~超遠距離をカバーし、『飛』属性を持つ「臭いブレス」や、
  軽微ながら回復能力と『再生』を付与するスキルを使用します。

 巨大メンダコの足 ×8
  特徴
   本体を守る様に、放射状に配置された八本の脚です。
   移動可能ですが、本体から見て『近』の距離までしか移動できず、『飛』属性を無効化します。また本体が移動した場合、同時に同じ距離まで移動します。
   イレギュラーズ達が本体に近づかないようにブロックを多用し、
   物理属性で、至近~近距離をカバーする「めんだこぱんち」が主な攻撃方法です。
   本体が死亡した場合、同時に死亡します。

 以上となります。
 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • すみません、タコが居よる完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年06月30日 21時30分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
黄昏き蒼の底
ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
見た目は鯛焼き中身は魚類
クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
ほのあかり
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
海音寺 潮(p3p001498)
揺蕩う老魚
ダークネス クイーン(p3p002874)
悪の秘密結社『XXX』総統
マリナ(p3p003552)
マリンエクスプローラー
リナリナ(p3p006258)
やせいばくだん

リプレイ

●タコがあらわれる
 海洋の海を、二艘の船が行く。
 一艘は、大型船。海洋所属の漁船だ。
 もう一艘は、小型船。イレギュラーズ達の駆る、『小型船『紅鷹丸』』だ。船長たる『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)の操舵の下、危なげない航海を続けていた。
「イレギュラーズさんたちよう、この辺りがタコと遭遇したって海域だぜ!」
 漁船から、男たちが声をあげる。元々は、巨大メンダコの潜む海域までのイレギュラーズ達を運ぶ役目であったが、イレギュラーズ達には慣れ親しんだ紅鷹丸がある。とはいえ、何もしないというのも海の男たる流儀に反するようで、ここまでの案内と、念のためのバックアップを担当するとの事だ。
「おっけーだ! 此処からは俺たちだけで行くよ!」
 カイトが声をあげるのへ、船員達は頷いた。漁船はここで停泊し、イレギュラーズ達を見守るのだという。気をつけろよ、と言う言葉に、イレギュラーズ達は頷きで返し、
「海の男は、約束を守るのが仁義でごぜーます……必ず、依頼は果たすのです。まぁ……私は女なのでごぜーますが……」
 『マリンエクスプローラー』マリナ(p3p003552)は、ぐっ、と親指を立てつつ、そう言うのであった。
 さて、紅鷹丸はゆっくりと、海原を進んで行く。やがて程なくすると、波が急激に増え、水面がぐらぐらと揺れだした。途端! ぶわりと水面が持ち上がり、現れたのは、まるで巨大な赤い丘のような物体――!
「めんだこー!!」
 それは吠えた。それは巨大なメンダコである!
 短いながらも、巨体故に人間から見れば十分な長さの足を持ち、平たい体を動かせば、バシャバシャと大きく海面は揺れる。
 小さければ可愛らしいものの、ここまで大きくなれば、恐怖もわくと言う物だ。イレギュラーズ達は、さすがに恐怖に身を固く――、
「メンダコかぁ……」
 することもなく、なんだかすごく、残念そうな表情を見せていた。呟きの主、『悪の秘密結社『XXX』総統』ダークネス クイーン(p3p002874)などは、分かりやすく、すごく、渋い顔をしている。
「明太子! これが明太子か!」
 一方、現れたメンダコに瞳を輝かせたのは、『原始力』リナリナ(p3p006258)である。
「で――明太子、食えるのか!?」
 わくわくとした様子で言うリナリナであったが、ダークネスクイーンは渋い顔で首を振って見せた。
「まず、明太子ではない。メンダコだ。そしてメンダコは――滅茶苦茶マズい」
 その言葉に、リナリナの脳裏に雷が落ちた。
 マズい。
 マズい。
 滅茶苦茶マズい。
 メンダコは滅茶苦茶マズい。
「うなー……」
 リナリナのテンションが一気に落ちた。食べられるか食べられないかが、リナリナにとって、一つの大きな指標であるのだ。食べられないならば、こうもなる。
「メンダコは……凄く臭いらしいですね」
 と、たい焼きが言った。たい焼きではなかった。『見た目は鯛焼き中身は魚類』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)であった。
「まぁ、食えんとしても、倒すには倒さねばならんだろう」
 『揺蕩う老魚』海音寺 潮(p3p001498)が苦笑しつつ、言った。
「捕まえて見世物にでも……と思ったが、こうもデカいとそれも難しいな」
「そう言えば、一時期流行ってたなぁ」
 キセルをふかしながら、『黄昏き蒼の底』十夜 縁(p3p000099)は言った。
「クッション、帽子、ストラップ……まさかこいつも、捨てられたペットが、なんてクチじゃああるまいな」
 呆れたような口調で言う縁。それもよくある話である。混沌の、この種のメンダコがペットに適しているかは不明ではあったが。
「いずれにしても、討伐はしなければいけないのです」
 殺生はあまり気は進まないが。『ほのあかり』クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)がそう言う。
「私たちの口に合わないのは残念なのですが……それでも、その骸は海に生きる者たちの糧にはなるのでしょうし」
「うむ。では、始めるか」
 ダークネスクイーンは懐からメガホンを取り出すと、片手を腰に当て、片足を船のへりに乗せて、言った。
「あーあーテステス。我こそはー、悪の秘密結社『XXX』総統、ダークネスクイーンであるー」
「めんだこー!」
「貴様は完全に包囲されているー、大人しくお縄につけー」
「めんだこー?」
「抵抗するなら容赦はせぬぞー」
「めんだこー!!」
「会話が成り立っている……のでしょうか」
 小首をかしげるクラリーチェである。多分成り立ってはいまい。まぁ、成り立たなくてもいいし、この呼びかけにはダークネスクイーン曰く、意味は無いようである。
「どうだい、何かわかったかい?」
 ぷかり、とキセルの煙をはきだしつつ、縁。
「うむ。やっぱりメンダコとは分かり合えないな、という事は分ったぞ」
「めんだこー!!!!」
 ダークネスクイーンとメンダコが、言った。思わず、縁は肩をすくめて見せる。
「では予定通り、漁の開始と行くのですよ」
 マリナの言葉に、
「悪い明太子、やっつけるぞ!」
 リナリナが片手をあげた。合わせるように、イレギュラーズ達もうなずいて見せる。
「よし、こちらも準備はよいぞ」
 潮、そしてドリームが、同意を示す。
「よぉし、じゃあ突っ込むぞ!」
 合図とともに、カイトが紅鷹丸を操舵する。メンダコへ向けて一直線に突き進む小型船が、海上に軌跡を描いた。
「めんだこー!」
 メンダコは鳴き声をあげながら、紅鷹丸を押しとどめるべく、一気に足を動かす。
「しっかりつかまってろよ! 揺れるぜ!」
 ニヤリと笑いつつ、カイトは臆することなく紅鷹丸をメンダコの足へと突っ込ませた。どん、と言う音と共に小型船の身体が揺れるが、紅鷹丸は健在だ。その揺れに合わせたように、二つの影が海へと飛び込んでいる。ドリームと、潮である。落下ではない。自ら水中へと向かったのだ。
「さぁ……捕蛸の開始なのです! 野郎ども、気合を入れろでごぜーます!」
 副船長たるマリナの鬨の声と共に、イレギュラーズ達のタコ漁が始まるのであった。

●メンダコでごめんなさい
「めんだこー!」
 メンダコが吠えると共に、海は大きくうねった。グネグネと動く短い――それでも、イレギュラーズ達から見れば巨大な足が、バシャバシャと水面に叩きつけられる。
「やれやれ、メンダコ怒りの逆襲、って所かねぇ」
 揺れる船の上、気だるげにメンダコを見やりながら、縁が言う。と、メンダコの背後で、何かが水しぶきをあげて跳ね上がった。
 それはたい焼き――いや、鯛……いや、ドリームだ!
「さぁ、メンダコ達、僕が相手です!」
 びしり、と波間に身体を震わせ、ドリームが挑発の声をあげる。メンダコは「めんだこ!?」と鳴き声をあげ、幾つかの足をドリームへと差し向けた! 雨あられのように降り注ぐ、めんだこぱんち! めんだこぱんち! めんだこぱんち!
「くっ……! この程度で、僕は倒れない!」
 飛び跳ねる鯛――踊るメンダコの足! 海上大決戦の幕が上がる――!
「……おっと、ぼうっとしてたら、メンダコの捕食シーン観察になってしまう」
 ふぅ、とキセルの煙をはき、意識を集中させた。集中されるのは、自身の抵抗力。それは、そのまま物理的な力となって、メンダコ本体へと叩きつけられる。
「めんだこー!」
 メンダコが吠える――ぎょろり、とその眼が紅鷹丸へと向き、幾つかのタコ足が迎撃に向かった。
「デカイのに不味いタコ! 酷いタコ! 明太子アウト!」
 めんだこぱんちをかわしつつ、飛び跳ねたリナリナが謎の一撃を放つ。至近範囲を殴りつけたはずのそれは、やや離れた場所にいるメンダコの足へと突き刺さる――原理は不明。当たるから当たるのだ。
「こい、メンダコ! こっちだ!」
 ドリームは声をあげつつ、さらにメンダコを挑発する。一方、ダークネスクイーンは、
「くらえ、タコ焼きにもならんタコめ! 『世界征服砲』ッ! 発射ッ!」
 放つオーラの極太ビームで、足もろとも本体を狙い撃つ。じゅう、と言う音と下に足の一本が焼け落ち、メンダコ本体にも世界征服の痕を焼き付けた。
「めんだこー! めんだこ!」
 痛みか、怒りか、メンダコが吠え猛る。お返しの臭い息がぶわり、とダークネスクイーンに突き刺さる。臭い。本当に臭い。腐った海水を2年くらい放置した後に1年洗ってない雑巾でふき取って3年熟成させたみたいな匂いがした。
「ぐっふぉ……グレイトスメル……! この独特の臭いさえなければまだ食えおrrrrr」
 口からきらきらと輝く何か(検閲済み)をはきだすダークネスクイーン!
「うわー! 船内で吐くな! 外! 外に吐いて! 海にっ!」
 悲鳴を上げつつ、しかしその動きの精彩を欠くことは無い。カイトはその翼をはためかせるや火炎旋風を巻き起こし、タコ足と本体を一気に巻き込みつつ、横目で船内の汚れを確認した。
「ええと、治療魔術……それとも、背中をさすった方が……?」
 小首をかしげるクラリーチェ。
「放っておけば治るのです。こういうのは、慣れなのです」
 船酔いと勘違いしたのか、マリナが告げる。なるほど、とクラリーチェはポンと手を叩くや、攻撃を再開する。
 本体に向けて放たれた、クラリーチェの毒ガスの雲が、メンダコの肌を毒素で焼いた。そこへ、マリナの持つ魔道銃『エインシェント・ハイ・ハウス』より放たれた『グレイシャーバレット』――凍てつく魔力の銃弾が突き刺さり、ばぎばぎと音を立てて、着弾地点を凍り付かせる。水分豊富なメンダコには、これはきついだろう。メンダコは「めんだこぉ!」と悲鳴を上げながら、その身をよじる。
「ベーク! あまり無理をするでないぞ!」
 ドリーム同様、水中からメンダコの裏面へと回っていた潮が、ドリームの後ろをカバーするように、水面へと顔を出した。自身、そしてドリームへと祝福のささやきによる援護術式を施し、迫るメンダコの足を迎撃する。
「やれやれ、船を沈めたとだけあって、確かに強敵じゃな」
 潮が笑う。とはいえ、その表情に諦観の色はない。まだまだ戦える。そう言った表情である。
 ばちばちと水面を叩く、メンダコの足。イレギュラーズ達は、それをかわし、あるいは受け止め、迎撃を続ける。時折吹き付ける、本体からの臭いブレスによる痛みと、そして臭みに顔をしかめつつ、イレギュラーズ達は果敢に攻撃を続行した。
「よいしょ……っとね」
 ゆるりと、しかしがっしりと足を掴み、相手のバランスを崩して投げつける縁。すでにダメージの蓄積していたメンダコの足はぶちりと千切れ、海面へと放り出された。
「ふぅむ……まったく。食べられれば、この足だけでもいい酒の肴になったろうになぁ……」
 ぷかり、と浮かぶメンダコの足は、それはそれは巨大である。これが食べられればなぁ。その想いは、この場にいた多くのイレギュラーズ達も同じくしていたことだろう。
 イレギュラーズ達の懸命の攻撃により、敵の足はその本数を、半分ほどへと減らしていた。防御網に穴が開き、本体への集中攻撃が可能になったのだ。
「今です! ぼべべべべ、攻撃は僕が引きつべべべべ、本体ぼぼぼぼ!」
 波間より顔を出しては、めんだこぱんちで沈められ、再び顔を抱いて敵の攻撃を引き付けては、めんだこぱんちで沈められているたい焼き、いや、ドリーム。
「じゃから、あまり無茶するなと言うのに……」
 冷や汗などを浮かべつつ、潮がメンダコの足を迎撃する。
「こちらはわしらで抑える! 本体への攻撃を頼むぞ!」
 ドリームをカバーしながら、潮は紅鷹丸のメンバーへと声をかける。ここが正念場と言えよう。イレギュラーズ達は本体への集中攻撃を敢行する。
「明太子、上苦手! リナリナ、跳ぶ!」
 背中のジェットパックを短時間――跳躍するためのみに起動し、宙を舞う。運よく迎撃を免れたリナリナは、充分な高度をとると、そこから思いっきりの跳び蹴りを見舞う!
「不味いタコ禁止! 明太子はんたい!!」
 直撃――そして、爆発。メンダコは悲鳴を上げ、その身体をくねらせ海上を揺らす。だが、致命打にはまだ遠い。リナリナのキックが直撃した箇所が、ゆっくりと再生の兆しを見せる。
「おrrrrrrrrrrrr」
 そうはさせない。再生などさせるものか。虹色の何か(検閲済み)をはきだしながら、ダークネスクイーンは技名を叫び、傷口を深くえぐるべく世界征服砲を撃ち放つ。ビームはメンダコの皮膚を、そして肉を焼き、再生も間に合わぬ深さの傷を与えていく。
「だから……外に……」
 いや、もうあきらめた。後できれいに掃除しよう。そう決意したカイトの、やりきれない思いを載せて放たれる火炎旋風が、さらにメンダコの身体を焼いた。
「めんだこー! こー!」
 さすがに苦しむメンダコの悲鳴。苦し紛れに放たれる臭いブレスが、イレギュラーズ達の身体を、そして紅鷹丸の船体を叩く。
「くぅ……皆さん、あともう少しなのです……!」
 しかし、その攻撃に、イレギュラーズ達は屈することは無い。クラリーチェの放つ『呪い』が、メンダコの眼を貫いた。
 みぃつけた。
 もしメンダコに人の言葉が理解できたならば、そのように聞こえたに違いあるまい。
 鈴を転がすような笑い声。それに見つかってしまったら、もはや逃れることはできない。
「め、め、めんだこー!!」
 痛み。そして恐怖の叫びを、メンダコはあげる! ふらふらと震えるその身体は、限界が近い事を現していた!
「なら……これで! 仕留めるでごぜーます!」
 マリナの銃撃が、メンダコの眉間を貫いた。ばしゅ、と鮮血ならぬ臭い体液をバシャバシャと吐き出して、メンダコがしぼんでいく!
「め・ん・だ・こー!」
 やられたー! とでも言うように、メンダコが断末魔の悲鳴を上げた。体内の水分をすっかりと吐き出したメンダコは、しわしわのわずかな肉の塊となって、しばらくはぷかぷかと浮かんでいたが、やがて海の底へと沈んで行ったのだった。

●タコは去る
「……っと。使えそーな物資は、だいたいこんなもんでごぜーますね」
 水面へと顔を出して、マリナが言った。その手には、かつてメンダコに沈められた漁船に搭載されていた、様々な物資の入った箱が抱えられていた。
 見事メンダコを討伐したイレギュラーズ達は、すぐに帰還することはせず、各々作業や、休息を行っていた。
 例えば、マリナなどは、前述したとおり、メンダコに沈められた漁船を見つけ出し、そこに残されていた、まだ使える物資などを回収している。
「あー……やっぱり、海は良いですね……故郷……」
 たい焼き……いや、ドリームはぷかぷかと泳ぎながら、故郷の海を満喫していた。
「あー……さすがに色々と吐きすぎたな……」
 げっそりと疲れ切った顔で、ダークネスクイーンが言う。
「ええと……横になっていてくださいね。あ、香草をかんでいると、気が楽になるかもしれないのですよ」
 その背中をさすりながら、クラリーチェが心配げに言うのであった。
「しかし、見事にメンダコも萎んで消えてしまったのう。土産に持ち帰ることができればと思ったんじゃが」
 むぅ、と唸る潮。メンダコは死亡し、その身体は水中へと沈んで行ってしまった。
「まぁ、それが自然の摂理だろうからねぇ」
 ぷかり、と煙管をふかしつつ、縁は言った。
 しかし――と、縁は思う。
(「このメンダコ、案外、単にじゃれつこうとしただけじゃねぇのか……なんてね」)
 ふぅ、と煙をはく。空中へと、それは消えていく。まぁ、戦勝ムードの中、そんなことを言うのは野暮ではない。真実はすべて闇の中。キセルの煙のごとく、消えていったのだ。
「ところで、美味しい明太子、釣れたか!?」
 リナリナが、勝利の舞をテケテケと踊りつつ、釣り糸を垂らしていたカイトへという。
「いや、明太子は釣れないと思うが……」
 こほん、と咳払いしつつ、カイトは続けた。
「まぁ、アレだけでかい撒き餌があったんだ。魚は釣れると思うよ」
「良いねぇ、酒の肴になり様な奴を頼むよ」
 微笑を浮かべつつ、縁が言った。
「やった! うまい魚! えらい魚! たくさん食べる!」
 今度は魚つれろの舞を、リナリナが舞う。
「なるほど。じゃあ、私も魚を見つけて、釣り糸に引っ掛けてあげるのです」
「そこは、素直に網で捕まえた方が良いのでは……?」
 マリナの言葉に、クラリーチェが苦笑しつつ、小首をかしげた。
「タコ……タコだ! メンダコでない奴! タコパをしなければ気が済まないのだぞ!」
 ダークネスクイーンが声をあげる。
「わかった、わかった! 静かにしてくれよ、魚が逃げちまう!」
 カイトが声をあげる。その様子に、潮はカラカラと笑い、ドリームは静かに、海を堪能していた。

 今は、静けさを取り戻した海の上で。
 イレギュラーズ達のささやかな休息の時間は、静かに流れていった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。
 皆さんのおかけで、海の平穏は守られました。
 それと、この後、皆さんが釣り上げた魚で、ささやかな宴会が開かれたようですよ。

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