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シナリオ詳細

俺たちに明日は無し
俺たちに明日は無し

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●「走るんだ。つかまるまでずっと」(ボニス&グライド著『フォードと共にあった日』より)
「明日はベニサスで銀行強盗だ」
 ショウ(p3n000005)は朗らかに言った。
 良く晴れたネオ・フロンティア海洋王国の昼下がり。港のカフェ『サンマルク』でのことであった。

 始まりは一枚のカード。
 ある政治的な事件の証拠となる情報が記録されたマジックカードがベニサスの銀行に預けられたという情報が、海洋のイザベラ女王派閥の情報屋へと伝わった。
 女王を指示する者立ちは貴族派閥への政治的牽制を行なうべく証拠を手に入れようと画策したが、警備が硬く地下三階の金庫に納められたカードを手に入れる方法などなかった。よしんばあったとして、動きを察知されればそれだけで不利になりえる。攻撃を行なうということは、攻撃される隙を作るということでもあるのだ。
 よってこの案件はローレットへ秘密裏に依頼され、事件は『ただの銀行強盗』の皮を被るに至ったのだ。

「女王派閥は銀行の資金力低下による政治的打撃を避けたいから、手に入れた金は一度洗われて銀行に還ることになるはずだよ。僕らが手に入れるのは依頼による成功報酬だけ。
 けど、おもしろいと思わない? 『望まれてする銀行強盗』だなんてさ」

●ベニサス銀行の金庫
 海洋王国の島ベニサスは貴族が多く暮らしていることもあって金の巡りがよく、銀行にも日夜莫大な金が出し入れされていた。
 そのため警備員は厳重かつ誠実な者ばかりが雇われ、貴族によって掌握されている警察機関も銀行の警備にはきわめて慎重であった。
 むろんそれだけの金を手に入れようと詐術を使って盗み出そうとした者は多かったが、結局の所うまくいった試しはない。
 強盗もそれなりに入ったが、全て撃退されて今では監獄の中だ。
「けど、ベニサス銀行はまだひとつだけ脆弱性を残しているんだ。
 キッチリと武装した、それも戦闘能力の高い強盗が、警備員を全て倒した上で、銀行員を脅し、客を完全に黙らせ、包囲が行なわれるよりも早く金庫にたどり着き、ドアをあけさせ、素早く逃げおおせる集団……が、いた場合を、ね」
 親指から順に約十箇条を指折り数えて見せるショウ。
「成功条件は勿論『カード』の確保。
 金庫に保管されている金と一緒に、ドサクサ紛れにこの箱を奪い出せばいいってわけさ」
 そういって、黒い箱の写真を手品のようにとりだした。
「もし失敗してつかまったとしても便宜をはかって釈放してくれるらしいけど、あまりお勧めできないコトになるだろうね。
 皆の成功を祈ってるよ」

GMコメント

●注意事項
 この依頼は『悪属性依頼』です。
 成功した場合、『海洋(ネオ・フロンティア海洋王国)』における名声がマイナスされます。
 又、失敗した場合の名声値の減少は0となります。

■■■オーダー■■■
 ベニサス銀行へ強盗に入り、『カード』を手に入れること。

 手順はこうです。
・銀行に入り、客と店員を威嚇して動きを制限させる。
・銀行内に常駐している警備員を倒し、制圧する。(戦闘力が必要な場面)
・店の出入りを禁じ、客の殆どと店員を拘束する。
・銀行の店長を素早く、または効率的に脅し地下の金庫へ向かう。
・金庫を開けさせ、金と『カード』の入った箱を持ち去る。(金庫に対物質透過処理は成されているものとする。また鍵は特別なものである)
・銀行から撤退し、駆けつけた兵隊たちの包囲を突破。そのまま逃げ切る。(犯行にかかったトータル時間が長ければ長いほど包囲は重いものとなり、難易度は上がっていく)

■■■警備員■■■
 かなり金のかかった銀行で雇われている腕利きの警備員たちです。
 フリントロック銃やサーベルで武装しており、戦闘能力はそれなりにあると思われます。
 人数は6人。
 『どれだけ効率的に』『どれだけ短いターンで』全滅させられるかが制圧パートのキモになります。
 スキルの選択や仲間同士によるスペックの利用、連携、把握といったものを行なっていくと近道になるでしょう。
 逆に戦闘に時間がかかってしまった場合は外の包囲がそれだけ重くなります。
 またこの段階で戦闘不能になった場合、後のパートで通常の活動はできますが包囲脱出パートで戦闘に加わるないし支援することは出来ないものとします。

 包囲突破パートで戦うのも同じタイプの警備員ですが、こちらは時間をかければかけるほど人数や包囲の堅さが増していきます。
 このときは警備員を沢山倒そうとは考えず、軍馬や馬車に乗ってとにかく猛スピードで逃げることを優先しましょう。(普通に戦おうとすると戦力的にみて非常に不利です)
 基本はチェイスバトルとなりますが、馬や馬車への攻撃や落馬等による一発アウトはないものとします。

■■■匿名性■■■
 依頼の最中、覆面や仮面で顔を隠しているものとします。
 特に指定が無ければ一般的な目出し帽や白仮面を被りますが、特に被りたい何かがあればプレイングで指定して下さい。
 またリプレイ中、描写を明確にすべくPC名前がそのまま表記されますが、客前や警備員の前で堂々と呼び合ったりしていないもの(相手にはわからないもの)として扱います。
 総じて、反抗中は(捕まりでもしない限り)身元はバレないと考えてください。後に入る悪名票は『これらを依頼した人々』からの好意的評価です。

  • 俺たちに明日は無し完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常(悪)
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年06月23日 22時25分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘルモルト・ミーヌス(p3p000167)
強襲型メイド
エマ(p3p000257)
こそどろ
ノワ・リェーヴル(p3p001798)
夜明けのパーティー
クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)
幻灯グレイ
道頓堀・繰子(p3p006175)
怪猫
カルト・セラピー(p3p007194)
氷輪童熊
オジョ・ウ・サン(p3p007227)
RafflesianaJack
高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ

リプレイ

●ヴィランズの悪巧み
 情報屋が去った後のカフェ『サンマルク』。
 静かな店内に客はたったの八人。
 店主もまた女王派閥に属するものなのだろうか。店のドアにはあえて『clause』の札がさがっていた。
「銀行強盗は初めてです……少しわくわくしますね」
 ティーカップを置き、『強襲型メイド』ヘルモルト・ミーヌス(p3p000167)はおっとりと目を閉じた。
 店内の八人は彼女を含めみな共犯者。ローレットの仲間である。
 身元を隠すためにと熊のぬいぐるみめいた状態に変化した『プリズムベア』カルト・セラピー(p3p007194)が、テーブルの上でクッキーをばりばりと頬張っている。
 彼女のために用意された椅子には熊耳カチューシャと鼻眼鏡をつけた山口さん(練達上位式によって作成されております)が大人しく座っていた。
「ごーとぅー強盗ー。うん。がんばんべ!」
「ガンバンベー!」
 隣の椅子……の上にずでんと乗っかった『RafflesianaJack』オジョ・ウ・サン(p3p007227)。
「オジョウサンに『明日』はナイデス!!
 大事なのハ……今日のゴハン……デス!」
「どうぞ」
 ヘルモルトがひょいとソーセージを投げてやると、オジョウサン(の疑似餌少女)がそれをはしっとキャッチして捕虫袋(本体)に入れた。
 もぐもぐと咀嚼(?)したらしい動きを見せ、けふーとなにかを吐いた。
 表情からは分からないが、どうやらヘルモルトはオットセイの餌やりみたいで和んでいるらしい。
「今日ハオイシーモノ食べレルらしいデスかラ!
 お腹をすかせて来たデス!」
「もう一本どうぞ」
「オイシー!」

 そんな、初めて見た人が自身の正気を疑うような光景を横目に、『こそどろ』エマ(p3p000257)はアイスコーヒーのグラスをストローでかき混ぜていた。
 コーヒーミルクポーションの容器を開き、コーヒーの中へと落としていく。
 わずかに回転する液体のなかをじわじわと広がり、氷を這うように沈んでいくミルクの色。
「まさかお国から銀行強盗をやってくれなんて依頼を受けるとは。
 えひひひっ。なかなかワルですねぇ?」
 くるりとストローを回せば、コーヒーはたちまちひとつの色に統一された。
「イイコなだけじゃー国は動かせへん、ってなー」
 『怪猫』道頓堀・繰子(p3p006175)はパフェの上にのったチェリーを舌にのせ、口の中でころころと転がした。
「うちの専門はどっちかっちゅーと荒事向けやねんけど、こう言うもたまにはええよな」
「ほんとほんと。イケメンさんにお願いされて銀行強盗! あとお金!
 沢山お金はいったら何買おうかなぁ。ポーチ? アクセ? うふふー」
 夕子も同じようにチェリーを口の中で転がすと、茎部分を結んで(まさかのリボン結びで)舌の上に出した。
「必要悪を成すならば、それもまた義賊の仕事……」
 指の上でコインを回転させながら、『盗兎』ノワ・リェーヴル(p3p001798)は椅子にもたれかかっていた。
 ピンと器用にコインを跳ね上げると、素早くクロスしたノワの両手どちらかに収まった。
「今回もこの怪盗ラビット・フットが華麗にこなしてみせよう……なんてね」
 さあ、どっち?
 と向かいに座っていた『幻灯グレイ』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)にジェスチャーした。
「犯罪者も味方を変えれば英雄……かね……?」
 適当に片方を指さすクローネ。
 ノワが両手を同時に開くと、その両方にコインが無かった。
「誰も知らない影の英雄、だけどね」
 片眉を上げるノワ。
「ッス、ね……」
 目をそらすクローネ。

●ベニサス銀行の災難
 とまる馬車の扉が開き、厚い革靴やスニーカーをはいた女たちが下りていく。
 彼女たちは目出し帽やサイケデリックカラーの仮面をかぶり、ベニサス銀行へと歩いて行く。
 見るからに怪しい格好をした彼女たちに、銀行前で警備をしていた男がフリントロック銃を突きつけ――た瞬間、繰子とカルトが同時に射撃を打ち込んだ。
 手首に銃弾を、胸に魔術弾をくらった警備員が衝撃に転倒したのをよそに、堂々と銀行の扉を開く二人。
 繰子は天井に拳銃を一発撃ち、にやりと笑って叫んだ。
「強盗だ! お前ら大人しくしろ!」
 そこは流石に警備の厳重な銀行のこと。
 警備員たちはサーベルや銃を抜いて襲いかかるが、ヘルモルトがスッと横入りするように割り込んできた。
 両手でスカートの裾をつまみ、上品に礼をする。
「御機嫌よう、皆様方。抵抗なさらぬよう」
 サーベルの斬撃をターン運動で回避し、相手の側面についてハイキックを浴びせる。
 スカートが翻った途端に素早く別の警備員へと飛びかかると、相手の頭を太股で挟みフランケンシュタイナーで振り倒した。
「――お願いいたします」
 警備員の頭に跨がったまま、別の警備員を指さす。
 カルトががおーと吠えたてたと同時に、勢いのついたエマがカウンターを飛び越えて跳躍。
 裏側から駆けつけてきた別の警備員へ両膝蹴りを叩き込むと。
 反動バク転をかけて着地。
 エマが指を立てたサインに応じて、彼女の頭上を抜けるようにカルトのクマヌイ型魔術弾が発射された。
 青いクマヌイが警備員の顔面にぶつかり、爆発を起こして吹き飛ばす。
 壁に叩き付けられた警備員はそのままずるりと床にうずくまった。
「こ、こいつ……!」
 警備はリスクに対して行なわれる。ベニサス銀行はそれなりの金を出し入れし、狙う者も少なくないが、強行突破できるだけの人間たちはわざわざこの金を狙ったりしないし、貴族派閥と女王派閥両方の息がかかったこの銀行をわざわざ襲うような愚行を犯さない……はずだった。
 その予測が破られた、最初のケースだったのだ。
 慌てて銃を突き出す警備員に、夕子がライダースーツの胸元を開いて歩み寄る。
「怒んないでおにーさん。ねえいいことしない?」
「色仕掛けのつもりか。つ、通用しないぞ、こんな状況で!」
 突きつけた銃をあえて胸元に押しつける夕子。
 固まる警備員――の背後から、夕子のナイフが突き刺さった。
 ぽふんと音を立てて消える『分身の夕子』。
「残念。おさわりきんし」
「くそっ、応援を……!」
 小鳥にファミリアーの術を施し窓から飛ばそうと試みる警備員。
 が、そんな彼のそばで手を上げていた一般客が、突如として警備員の手首を掴んでひねり上げた。
「何をす――」
「悪いけど、まだ通報してもらっちゃ困るんだ」
 ノワが取り出した香水スプレーが噴射され、あたりに甘いココナッツ臭が広がった。
 それが毒であると気づいた時には、警備員はぐらりと意識を遠のかせている。
「怪我をしたくない人は……伏せてることッスよ」
 クローネが素早く狂心象の術を起こした。
 まき散らした緑色の煙を吸い込んだ警備員たちが病の幻覚にとらわれ、激しく咳き込みながらうずくまる。
 『さあどうぞ』のハンドサインを出したクローネに応じて、ほとんど荷物みたいにして運ばれていたオジョウサンがフタをぱかっと開いた。
「ゴシュウショウサマ! デス!」
 蓋から山鳴りに発射された種状の物体が炸裂し、周囲の毒や幻覚を再度刺激する成分をばらまいた。
 ばちばちと激しい音と火花を散らした後……。
 六人居た警備員は全て死ぬか気を失うかしていた。
 銃を指でくるりと回し、腰のホルスターに納める繰子。
「ほな、お仕事お仕事」

●手際の良さは犯罪においても優先される
 魔術弾を天井に三発空打ちし、クローネは客たちを脅しつけた。
 ただ銀行に金を下ろしにきただけの客たちからすれば、今のクローネは鬼か悪魔のように見えていることだろう。
「余計な動きは命を縮めるッスよ……こっちは金にしか興味はないッス」
「そゆことそゆこと。イイコでいてね?」
 夕子が気絶した警備員を柱の周りに集めて手錠をかけていった。
「大人しくシテくれると、あーしうれしいなっ」
 その流れで手錠をノワへと投げるようにパス。
 受け取ったノワは素早く店員たちに手錠をかけると、大勢いる客たちを床に伏せさせた。
 クローネたちの様子におびえ、ただでさえ言うことを聞きやすい状態にある彼らである。ノワの魔眼は正しく作用し、客たちを大名行列中の平民がごとく膝と額を床につけさせていた。
「スムーズに進んでうちも大助かりやわー。なあ小熊ちゃん」
「がおー。熊だぞー」
 山口さん(?)の腕の中で両手を掲げて見せるカルト。
 だが実際口を開くと精肉機のごとく鋭い歯がぎらりと覗いた。
 魔眼でいうことを聞かなかった勇敢な民間人や店員たちも、カルトの牙と繰子のナイフで大人しく両手を拘束されてくれた。
「ええこやなー。ダーツ遊びせんで済むわ」
 いつでもナイフを投げられるように構える繰子。
「ところで、警備員と店長が足りひんようやけど?」
「あ、そっちは別行動。『おはなし』があるんだって」
「……あー」
 災難やなあ、と繰子は深く頷いた。

 一方その頃、件の店長は。
「わかりますよぉ、ひひ……ここで粘れば警察が集まってきて自分も金庫も助かるって考えますよねえ」
 エマは拘束した店長を押さえつけ、首にナイフの腹をゆっくりと押し当てた。
「けど、命のほうはどうでしょうねえ。今から質問をするのでぇ、応えなかったら一本ずついきますね」
 といった途端、ヘルモルトが店長の小指を本来と逆向きに折り曲げた。
 絶叫する店長。
「早すぎますよメイドさん。まだ質問してないのに」
「すみません。待ちきれなかったもので」
「折るのが?」
「いいえ、食べさせるのが」
 ヘルモルトは包丁で店長の折れた指を切り落とすと、ふりふりと高く振って見せた。
「ンアー、ほしいデス! ごはんほしいデスー!」
 餌を待つ犬のごとくテンションをあげながら跳ねてくるオジョウサン。
 店長の目の前で警備員をはき出すと、持っていた銃やサーベルもついでにペッとはき出した。
「この死体おいしくないデス。イキヅクリがいいです……ねえ?」
「どうぞ」
 ヘルモルトが店長の小指を投げてやると、ソーセージと同じようにもふもふけふーされた。
「オカワリ」
「わかった! 言う! 言うから! 頼む!」
 店長は啼きながら絶叫し、金庫の暗証番号と鍵を差し出した。

●包囲網はわずかに
 ベニサス銀行の正面に展開した地元警察の馬たち。
 彼らは銃の狙いを銀行にむけ、緊張で流れる汗をぬぐっていた。
「センパイ。この程度で止められますかね」
「もうすぐ応援がくる。それまで――」
 と言った途端、銀行の窓を突き破ってヘルモルトが飛び出してきた。
 慌てて発射された警官の銃弾をクロスアームで防御すると、跳び蹴りを繰り出して警官たちを馬からなぎ倒す。
「ぐおっ!?」
 その隙に袋をかついて飛び出してきたエマ、カルト(?)、そしてオジョウサンたちがヘルモルトの馬車に飛び乗り、大通りへと走り始める。
「逃がすな! 追え! 応援部隊に先回りさせろ!」
 警官はそう叫びながら馬車に銃撃を加えた。
「追ってきて貰ったらこまるんですよ」
 エマが馬車の後ろから身を乗り出し、炸裂ナイフをばらまいた。
 地面に数本が突き刺さり、爆発を起こす。
 警官たちは身を庇うように飛び退き、そして走り去る馬車をただ見送るしかなかった。

「それ、逃げろや逃げろ! 熊口さん無事じゃんな!?」
 馬車の横をパダッセに跨がって併走する山口さん(?)。
 カルトは人間形態に戻ると、青いクマヌイ爆弾を追いかけてくる警官隊に投げまくった。
 が、しかし。
「そこで止まれ!」
 馬車の前方。
 ずらりと並んだ警官隊が銃を一斉発射。
「これはこれは」
 ヘルモルトは無表情のまま馬車を離脱。
 同じく飛び退いたオジョウサンは植物爆弾を置き去りにしてその場からばらばらに撤退した。
「袋は馬車の中だ。奴らは後回しにしろ!」
 警官の一人が馬車に駆け寄り袋を開いた……が、しかし。
「半分です! 奪われた分の半分しかない!」
 その叫びを聞いて、警官のリーダーらしき男は握っていたドーナツを地面に叩き付けた。
「くそっ! やられた! 周囲を捜索! 仲間がいるぞ!」

 冷や汗を流しながら町を駆け回る警察官。
 建物の間に通った隙間に人影を見つけてライトを向ける……が、接吻中のカップルだった。舌打ちをして先へ走る。
 その様子を音で確認して、夕子はそれまでキスしていた見知らぬ男から口を離した。
「協力ありがとっ。ばいばーい」
 呆けた男に手をグーパーして、その場から逃げていく。
 そうしてたどり着いた安全地帯。
「ただいまあーしのお金ちゃん!」
 夕子が転がり込んでお金へとダイブ……しようとすると。
 ノワに襟首を掴んで止められた。
「だめだめ。これは依頼主を通じて返さなきゃ。僕らの目的はあくまでコレ、だからね」
 手品のようにマジックカードを取り出すノワ。
「え、じゃあおかね……」
「依頼報酬はちゃんと入るよ?」
「うそだー!」
 泣き崩れる夕子の背を、クローネがぽんぽんと叩いてなぐさめた。
「持って帰ると偉いひとたちが大変なので……報酬と今夜のスリルで我慢してくださいな……」
「せやせや、しゃーないて。元気だし? たこ焼きたべる?」
 反対側からもたこ焼きを出して慰める繰子。
 そうしているうちに、囮として逃げていたヘルモルトたちがやってきた。
「全員無事、のようですね」
「えひひ……あのくらいでつかまってたらコソ泥なんてできませんからねえ」
「熊口さんは死んだ(壊れた)けどな。まー二号つくるし?」
「テンチョウ食べそびれたデス……」
 彼女たちの様子にこっくりと頷くノワ。
「これにて一件落着……だね」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ――mission complete!

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