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シナリオ詳細

砂浜で暴れるぬめぬめ生物
砂浜で暴れるぬめぬめ生物

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 海洋の某海岸。
 この場所は夏になると、海洋の人々が多数訪れる海水浴スポット。
 今年ももう少し暑くなれば、海の家が建ち、多くの人々で賑わうのだろう。
 ところで、その海岸沿いの道は、交通の利便性の良い道で、人通りが多い場所だ。
 海洋は海種も多く、海を眺めながら歩きたいと考えてこうした道を利用する者も多いのかもしれない。

 この海岸沿いの道にて最近、とある事件が起こっている。
 人通りが多い道とはいえ、常に往来があるわけではない。
 場合によっては、女性が1人、2人で歩いている状況というのは別段珍しくはない。
 そんな彼女達の足元へと突然、ぬめった長いモノが絡みついて……。
「「きゃあああああああああっ!!」」
 近くを通りがかる海種や飛行種へと襲い掛かっているのは、人の倍はあろうかという大きさを持つ巨大ダコ。
 そいつは配下として大型のクラゲをけしかけて通りがかる女性を痺れさせ、その上で触手を使って女性達の体を絡めとっていく。
 そして、砂浜へと女性達を引きずり込み、彼女達の体の感触を存分に楽しむというなかなか高尚な趣味を持つ連中である。
 そいつらは、乙女の柔肌に触手を滑らせて……。
「きゃあああっ、いやあっ!」
「やだ、そんなとこ触らないで!」
 服の上から強引に触手でまさぐってくるエロダコ、エロクラゲ。
 そいつらは自分達が満足するまで、女性達の体を触り続けていくのである。


 幻想のローレット。
 そこで案内をしている『穏やかな心』アクアベル・カルローネ (p3n000045)は淡々と説明をしてはいたが、やや語気に怒りが感じられた。
「魔物が女性を襲っている事件が頻発しているようです」
 場所は、海洋の砂浜。
 昼間から宵の口くらいにかけ、近海に潜む巨大ダコと大型クラゲが砂浜まで上がってくるようだ。
「この魔物達は、近場を通りがかる女性達を砂浜まで引きずり込んで、あれやこれやと悪戯するようです」
 悪戯とはいえ、女性達からすれば溜まったものではない。
 全身をまさぐられるだけではなく、タコ墨まみれにされ、全身を痺れさせられてしまうのだ。
 被害に遭った女性達は、砂浜で動けなくなっているところを発見されることがほとんどなのだとか。
「この為、昼くらいから、皆さんに砂浜の監視を、そして、討伐をお願いしたいのです」
 数日おきに、こいつらは事件を引き起こす。
 これは、事件を起こして一通り満足すること、そして、女性だけが少数で歩くタイミングを狙っていることが理由と考えられる。
「これを利用すれば、スムーズに相手をおびき寄せられるかもしれませんね」
 ただ、本気で討伐に当たれば、相手も本気になるはずだ。
 魔物が女性をもてあそぶ為に使う触手だが、本気になれば殺傷力が高い武器ともなるので注意したい。
「また、先ほども告げた通り、海岸沿いの通りは人通りが少なくありません」
 この為、戦闘中も常に人通りに気を払う必要がある。
 とりわけ、大型とはいえ、クラゲが一般女性を新たに引き込む可能性もある。
「運が悪ければ、現場到着時に女性が襲われている可能性も……」
 そうなれば、女性達の救出の為に急ぐ必要が出てくるので、態勢を立て直す余裕がなくなると思われる。
 こればかりは、タイミングがいいことを祈るしかない。
 うまく事が運んで全ての敵を討伐できれば、討伐したタコを使って料理し、食べるのもいいかもしれない。
 食材や調理道具を用意しておくと、色々な料理を作ることができるので、美味しくいただくことができるだろう。
「以上ですね。場所、敵データに関しましては、別途用意した資料を御覧ください」
 一通り説明したアクアベルは、現地へと向かうイレギュラーズ達のみを案じつつ、その武運を祈るのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいです。
ぬめぬめした魔物達の相手を願います。
こちらでは、補足のみ行います。

●敵……4体
○巨大ダコ×1体
 全長4mもある魔物となった巨大ダコ。
 どうやら、微妙に知能があるらしく、
 女性を好んで絡みつくフシがあるようです。

・吸いつき……(A)神近単・HP吸収
・絡みつき……(A)物中範・麻痺
・締め付け……(A)物近単・窒息
・触手捕獲……(A)神遠列・乱れ
・タコ墨……(A)神遠扇・暗闇
・自己再生……(P)再生

○大型クラゲ×3体
 全長1mほどある大型クラゲです。
・痺れ触手……(A)神近単・麻痺
・飛びかかり……(A)物中単
・放電……(A)神遠範・ショック
・帯電……(P)電撃耐性

●NPC
 現場到着のタイミングや戦闘中、
 飛行種や海種の10代後半~20代前半女性が1~3人、
 狙われる可能性があります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

PPPは全年齢向けのPBWです。
予めご了承くださいませ。
それでは、よろしくお願いいたします。

  • 砂浜で暴れるぬめぬめ生物完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年06月17日 23時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

透垣 政宗(p3p000156)
有色透明
如月 ユウ(p3p000205)
浄謐たるセルリアン・ブルー
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
ティスル ティル(p3p006151)
ビーチセーバー
リーリア・フィルデマージュ(p3p006942)
ヴォルペ(p3p007135)
満月の緋狐
ラナーダ・ラ・ニーニア(p3p007205)
今日から観光客
鬼城・桜華(p3p007211)
鬼賊

リプレイ


 海洋某所。
 現地に向かうローレット、イレギュラーズ達。
「これから夏、海洋にとっては稼ぎ時。なのに、なーんでこんなの出てきちゃうかなー?」
 薊色の髪と若草の瞳を持つ海洋の旅芸人、『紫翼の用心棒』ティスル ティル(p3p006151)がマイペースながらに、眉を顰める。
 確かに、海洋はこんな感じの不思議生物が出やすい場所だとティスルも認知している。
「だからって、放っておける訳でもないし」
「女性(レディ)を狙う気持ちも分からなくないが、困らせるのは紳士じゃないな」
 ワインレッドのスリーピースに身を包むイケメン『満月の緋狐』ヴォルペ(p3p007135)も軽いノリで同意し、この状況に呆れていた。
「乙女の体を無理矢理まさぐる魔物、なんて薄い本の中だけで十分なんだよなぁ……」
 中性的な外見の青年、『有色透明』透垣 政宗(p3p000156)は何やら想像していたようだが、それはさておき。
 今回の事態を聞いたそれ以外のメンバー達の表情は険しい。
「魔物による悪戯ね。相手は悪戯のつもりか知らないけどされた方は堪ったものじゃないわね」
 銀の長髪のスレンダー少女、『浄謐たるセルリアン・ブルー』如月 ユウ(p3p000205)はそっけなく告げて。
「……それに自分の意思に関係なく体を触られるって、気分のいい物じゃないし」
 やや小声で、彼女は本音も漏らしていた。
「か弱い女性を狙い、触手を使ってエロい目に遭わせるなんて……なんて破廉恥な触手生物達なの!?」
 2本の角を持つスタイル抜群の女傑、『鬼賊』鬼城・桜華(p3p007211)は怒りを隠さない。
「女性ばかりを狙っていやらしい事をしてくるなんて、まさに女の敵ねっ」
「まるで、セクハラの権化ですね……。排除しましょう、徹底的に」
 少女の外見をした狩猟や採取を専門とする冒険者、リーリア・フィルデマージュ(p3p006942)もアホ毛を揺らしつつ腹を立てており、犬の耳と尻尾を持つ旅人、『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)も今回の魔物の殲滅に意欲を見せ、仲間に断ってから先行していく。
 同じく、桜華はメラメラと敵意を燃やして。
「鬼賊として! 一人の女性として! そんな存在許せないのだわ!」
「女の敵は許すまじ。相応の報いを受けてもらわないといけないね」
 小柄で中性的な外見の『鞄はまだ空っぽ』ラナーダ・ラ・ニーニア(p3p007205)も仲間達と同意見だ。
「……とりあえず、塵一つ残さず滅するべきだね、うん」
「今まで良い思いをしてきた分、天罰を下さないとね?」
 リーリアは女性として同意しながらも、別の側面から気になることがあって。
「……それにしても、全長4mの巨大タコかぁ」
 それだけ大きければ、色々と作ることができて、食べ応えがありそうだとボソリと呟き、コックとして興味を抱いていたようだ。
「ちゃちゃっと倒しちゃおう?」
「そうだね。ちゃちゃっとタコ刺しにしてやろうか!」
 ティスルの一言に応じて叫ぶ政宗だが、程度の低い行いに使われる魔物のなけなしの知能に彼は憐れみも見せる。
「……個人的には、僕の見た目で騙されるレベルの知能か気になる所ではあるんだけど」
「おにーさんは堅実にいこうか」
 政宗の従者であるヴォルペは、皆から一歩離れた立ち位置で立ち回る心積もりだ。
 氷精霊であるユウはやや暑さにげんなりとしてはいたが、気を引き締めて。
「これ以上、被害が出る前に魔物退治と行きましょうか」
 頷きあうメンバー達は程なく、現場となる海岸を目視で確認したのだった。


 現場となる海洋の海岸。
 先んじて現場へと飛ばしていたファミリアーである鷹を使い、鶫は五感を共有しつつ魔物の姿を探す。
 だが、大きな動きがないまま、他メンバー達も合流してくる。
 ティスルは一通り砂浜を見回して。
「それらしいのは見当たらないかな?」
「そうね。これなら誘き寄せの準備もできそうね」
 ユウも敵影を確認できず、頷く。
 運良く人通りがあった為か、敵が現れた様子はない。
 まずは一安心ではあるが、とりあえずは被害が出る前に魔物どもを釣り出したいところ。
「これなら、好都合ですね」
 ラナーダは早速、海岸沿いの道に陣地構築を使い、簡易的なバリケードを設置していく。
 そして、ラナーダはこう書かれた看板を設置する。
『危険な魔物と戦ってるため、一時的に立ち入り禁止』
 これで、余程のことが無い限り、戦闘中に乱入はされないはずと彼女は踏むが……。
「早く逃げてね。ここは危険だよ」
 まずは、ヴォルペが未然に被害を防ぐべくこの場から一般人の往来を止めるよう動く。
 一方で、桜華は敵を早期発見できるようにと、人助けセンサーとエネミーサーチを働かせて索敵する。
「私含め、何人かでタコたちの注意を引けないかな?」
「女性が少数で歩いている所を狙うっていう特性を逆手にとるのね」
 ティスルがそこで提案を持ち掛けると、ユウが同意する。
 一般人が被害に遭うよりは自分達が絡まれた方が色々と楽だろうという判断だ。
 そして、女性メンバー4人が囮役となり、ぬめぬめ魔物どもを引きつける。
 ヴォルペはそれを少し離れて観察し、道行く人に注意喚起と避難指示も出していたようだ。
 言い出しっぺのティスルは敢えて武装することなく無害そうに装い、歩いてみせる。
 ユウもまた往来を歩く人々への警告は仲間に任せ、囮役グループとして海岸沿いの道を歩く。
(一緒に囮役をしてくれるみんなには感謝しなくちゃ……)
 事前情報から相手のいやらしさを感じつつも、ラナーダは仲間達に心強さを覚えてはいたが……。
 なかなか敵の釣り出しに成功しないこともあり、4人という数に多さも感じたラナーダは一旦囮役から離れることも提案する。
 また、敢えて砂浜へと近づき、リーリアも標的を誘き出そうと無防備に歩く。
 そして……。
「……来るわ」
 鶫が上空に飛ばしたファミリアーを通し、それを目視で確認する。
 だが、それらは思った以上に早く触手を伸ばしてきた。
 海から素早く上がり、触手を伸ばす大型クラゲ。
 さらに、海の中から目を光らせ、ゆらりと8本の足を揺らめかして近づいてくる巨大ダコ。
「直ちに叩きのめすわよ!」
 仲間に呼びかけ、リーリアは戦闘態勢をとる。
「そこまでよ! 乱暴狼藉を働く破廉恥触手共!」
 すると、その前に桜華が飛び込む。
「あたし達が来たからにはもうこんな事させない! 成敗!」
 他の子を破廉恥な目に遭わせたくないと、彼女は魔物達の前に立ちはだかるのである。


 メンバー達は一斉に、ぬめぬめした魔物達へと向かっていく。
 手前の桜華は名乗り口上を続けて。
「我が名は鬼城桜華! 誇り高き「鬼人」として……触手なんかに絶対負けない! 駆逐してやるのだわ!」
「…………」
 歪な笑いを浮かべた巨大ダコはクラゲ達を従え、共に桜華を狙ってタコ足を、触手を伸ばしていく。
 変身バンクで素早く武装を展開したティスルは、稲妻のようなオーラを纏って。
「年貢の納め時、ね?」
 そして、彼女は仲間に気を取られる隙を突き、纏う紫電を一気に衝撃波として放出していく。
 反動は僅かにティスルの身にも及ぶが、痺れとして駆け巡る雷の魔力はクラゲ共を硬直させた。
「皆で同じ敵を狙っていくんだね」
 甘く切ないバラードを周囲へと響かせていたラナーダは仲間に確認すると、そいつへとリーリアが接近する。
 硬直しながらも振るってくる触手を『ミラージュマント』を翻した彼女は蜃気楼の魔術を利用して避け、『LBレプリカ』を一閃させて触手を切断しようとする。
 だが、相手も魔物となり果てたクラゲだ。傷つきながらも別の触手で受け止めてみせた。
 ユウも少し距離をとってクラゲを狙っていたが、巨大ダコは動きを止めてはおらず、長く足を伸ばしてくる。
「くっ、この……!」
 足を絡まれ、さらに腰へと別の足が絡んできたのにやや顔を引きつらせたユウはその足を凍らせ、動きが鈍った隙に離脱して。
「後で氷漬けにして後悔させて上げるから、覚悟しておきなさいよ」
 並々ならぬ敵意の視線を向けつつ、ユウは自らの回復に当たりながらも囮役以外のメンバーの到着を待つ。
 同じく距離をとり、クラゲ目掛けて片手銃『ブルー・インパクト』で銃撃戦を仕掛ける桜華。
 彼女もクラゲから集中して執念めいた連射を撃ち込んでいたのだが、やはり巨大ダコに体を絡めとられて。
「くっ! 離しなさい! あたしは麻痺耐性持ってるもの! 貴方達を喜ばせる反応なんてしないわ!」
 キリッと睨みつける桜華だが、巨大ダコはよいではないかとさらにその太ももへと別の足を絡めていた。
 まだ、これくらいなら抑えの範疇と、鶫は敵に対する怒りと闘争心を呼び覚まして。
「さて、お仕置きの時間ですよ?」
 彼女は慣性制御式高初速狙撃銃『白鷺』を構え、少量のマナを注ぎ込んだ擲弾『雷公』を発射し、狙撃地点に自由電子を撒き散らす。
 放電することもあって電撃耐性こそ持つものの、麻痺の耐性は持たないクラゲ達だ。
 体をピリつかせるそいつらはぎこちない動きで反撃し、触手を振るい、放電してくる。
「味方は巻き込まないように……」
 政宗も距離を保ち、自らの血を媒体として術を発動させる。
「毒のある範囲攻撃とか、持ってこようかと思ったんだけどね」
 ただ、後で食べることを考えたら悪くなりそうだと、彼が呼び起こしたのは、見向きもされずに踏まれて枯れた花達の怨念。
 ――くすくす、くすくす。
 それらは美しい女の手となってクラゲ共の触手をつかみ取り、嘲り笑いながら呪いを与えていく。
 そんな主の攻撃を、ヴォルペは目にして。
 落ち着いた立ち振る舞いをしてはいるが、それでも彼にとっての初陣である。
 仲間達の危険がいかに少なくなるかと考えつつも、男性である上、見た目的にも狙われることは少ないだろうと判断したヴェルぺ。
 彼は仲間が集中的に狙うクラゲと攻撃対象を同じくして。
「俺の可愛い双子姫」
 彼は主の考えなどつゆ知らず、生成した毒の薬瓶をクラゲへと投げつけていた。
 そして、ラナーダがさらに魔弾を発射していくのだが……。
 その時、巨大タコがにゅるりと体を動かして海岸沿いの道目掛けて動き出す。
「……街道沿いの道に女性の姿が」
 鶫の言葉を受けて見れば、バリケードを通り抜けようとする1人の若い海種女性の姿が。
 この道は交通の利便性が良いこともあり、今の内なら急げば通り抜けられると判断してしまったのだろう。
「さすがに、完全封鎖までできなかったとはいえ……」
 ラナーダはタコの引きつけの為に動き出す。
「私達が注意を引きます。今のうちに逃げて下さい!」
 鶫も一般人に呼びかけつつ、銃弾を発射していく。
 まだ襲われるには至っていないが、巨大ダコは一般人を狙っている。
「ここは危ない。早く避難を」
 ヴォルペは一般人救助にと動き出し、呼びかけを続ける。
 状況はよろしくないと感じた女性は思いもせぬ呼びかけに戸惑い、こくりと頷いてこの場から逃げ出す。
 しかしながら、巨大ダコの動きは素早い。
 ティスルがクラゲの抑えに当たっており、動き出したのは桜華だ。
「鬼賊として! 一人の女性として! 許せないのだわ!」
 改めて、名乗りを上げた桜華。
 すると、巨大ダコは彼女へとターゲットを変え、執拗にその足を彼女の体へと絡め、滑らせてくる。
 しばらく耐えていた桜華だったが、角へとタコの足が角に触れた瞬間、彼女は大きく喘ぎ声をあげて。
「ひゃあ! そんな敏感な所触らないでェ! 角はダメぇ! 敏感なのォ!」
 銃弾を発射するも、タコはそう簡単に動きを止めることはない。
 お楽しみタイムとばかりに、そいつは桜華の体を堪能し始めていた。
 だが、その間にも、他メンバーは確実にクラゲを追い詰めていて。
 見えない悪意を差し向けていた政宗は、狙い続けていたクラゲ1体を砂の上へと落とす。
 ただ、仲間の布陣がやや崩れており、別のクラゲが彼へと接近していた。
 伸ばしてくる触手に、政宗はドヤ顔をして見せていたのだが。
「あっはは! 残念でしたぁ、僕は男で……ひっ、予想以上に絡み方が気色悪いな!?」
 クラゲと思えぬ絡み方に、彼は思わず鳥肌を立ててしまうのだった。


 その後、イレギュラーズ達は改めて布陣を整え始める。
 ティスルは2体目のクラゲの間合いへと踏み込み、名刀「白鷹」を一閃させて真っ二つに切り伏せてみせた。
「堕ちちゃう! 触手に辱められてあたし……駄目になっちゃうのォォォ!」
 一方で、仲間達がクラゲ討伐に集中している間、オーラソードを振るっていた桜華はタコ足やタコ墨に塗れてぐちょぐちょに……。
「くっ、殺せ!」
 巨大ダコは彼女の体の感触を存分に楽しむように足を絡めてくる。
 一時はその巧みな攻めに意識を失いかけ、パンドラの力でなんとか意識を繋ぎ止めていたようだ。
「無理しないでね。下がって」
 駆け付けた政宗が治癒の力を使い、桜華の体力回復に当たる。
 クラゲを纏めて連なる雷撃で撃ち抜いていたユウもまた危険と判断し、練達の治癒魔術を彼女へと施していた。
 桜華の抑えもあり、他メンバーはクラゲ討伐に集中する。
 鶫の放った弾丸が傘を撃ち抜き、残る1体を砂の上へと転がしてしまった。
 変わるように前に出るティスルもクラゲをずっと抑えに当たっており、万全とは言えぬ状況。
 そして、巨大ダコは節操なくティスルにも足を絡め、その体を堪能しようとしてくる。
「だから、ガッツリ締め付けてくるのヤメテ?」
 とはいえ、それでこのタコが聞いてくれたなら、被害も大きくなっていなかったに違いない。
「できれば、急いで倒してねー! 私、長くは持たないよー!?」
 体を強く締め付けられることはなかったが、滑った足が肌をすり寄ってくる感覚に耐えるのは限界があるからと、ティスルは仲間達へと乞い願う。
 すると、鶫が眼力を持って巨大ダコの死角を見抜いて回り込み、強力な一撃を撃ち込むべく術式の準備を始める。
 ヴォルペは一気に攻めるべきと判断して。
「俺の愛しい双子姫」
 魔力を破壊力に転化し、ヴォルペは放出して巨大ダコの体を痛めつける。
 仲間の回復によって持ち直した桜華もこの場は遊撃に回り、銃を連射して巨大ダコへと銃弾を浴びせかけていく。
 彼女が持ち直したことで、政宗も花々の怨念を再度呼び起こし、巨大ダコの体や足を女性の腕につかみ取らせる。
 それはまるで、これまで被害に遭った女性達の怨みとも思わせた。
 そこに、ユウが敵の巨体を丸ごと絶対的冷気で凍り付かせんと包み込む。
 体を凍らせたタコ目掛け、攻撃集中してからラナーダが魔弾をぶつけていく。
 直後、術式弾発動の準備が整った鶫が『白鷺』の銃口を巨大ダコに向けて。
「美味しい腕と胴はそのまま、頭部だけを吹き飛ばさせて頂きます……!」
 放たれた量子数変換式対消滅弾『迦具土』が相手の大きな頭部へと命中すると、小規模な対消滅爆発を起こしてその周囲を吹き飛ばす。
 だが、頭部を飛ばしても、しばらく動くのがタコという生き物だ。
 リーリアがさらに追撃を駆け、『蒼剣』の刃を残る相手の眉間へと埋め込む。
 続けざまに彼女は胴と足を繋ぐ筋を切断し、完全にトドメを刺したのだった。


 全ての魔物を撃破したイレギュラーズ達。
「そもそもタコが食べられないよーって人、いないかな。大丈夫?」
 見た目で駄目な人とかいるだろうからと政宗が尋ねると、ラナーダが挙手して。
「……さすがに食べる気にはならない……かな」
 食べたい人だけでどうぞと、彼女は自らの設置していたバリケードの撤去に動き始めていた。
「僕はむしろ好きなんだけどね」
 タコは噛めば噛むほど美味しいし、柔らかいし頭が好きだと彼は語る。
 そこで、リーリアが自分の出番と言わんばかりにギフトで調理器具を出し、簡易キッチンを展開していく。
 リーリアは適度なサイズへとタコを切り分けようとすると、その際、他に危険がないかと確認しに回っていたヴォルペが訪れ、タコの足を土産にと一本と引き取っていた。
 その間、リーリアは切り分けたタコを何度も塩もみし、滑りを除去し、さらにクラゲを練達製の急速乾燥機で乾燥させる。
「まずは、乾燥クラゲを刻んだ後に水で戻して……」
 キュウリやササミと和えてサラダに。コリコリとした食感が癖になる一品だ。
 続いて、巨大ダコ。
「これだけ迷惑かけられたんだし、一般の人にも振る舞いたいなぁ」
 無駄に手をかけて、アヒージョにしようと政宗は提案する。
 なお、アヒージョは某世界のスペインにおけるオリーブオイルとニンニクで煮込んだ一皿だ。
「いいね。料理人の腕の見せ所ね!」
 リーリアはタコの吸盤と足の身を食べやすく切って、幾らかはお刺身に。
 食べやすいサイズに切ったタコは、タコ飯に。生姜、砂糖、醤油にお酒で味付けしたダシと一緒にお米で炊けば完成だ。
 他にも、希望通りにアヒージョを。また、生地を作ってタコ焼きも彼女は作って見せていた。巨大タコ焼きは道の封鎖によって足止めを受けた人々にも、好評だったようだ。
「屋台でも開いたら儲かりそうだが……ま、みんな笑顔で平和が一番ってやつさ」
 ヴォルペは仲間や通行人がその料理を楽しんで食べているのを、離れて見守っていたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

リプレイ、公開です。
ぬめぬめ生物達を美味しくいただけたなら幸いです。
ご参加、ありがとうございました!

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