PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ぱんつとか引っこ抜き続ける依頼

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●動機が全くわからない。怖い
 『幻想』と『傭兵』首都ネフェルストの間に広がる砂漠地帯は、踏破するのにある程度の準備を擁する。これは、自然の摂理として常識である。
 『傭兵』でのサンド・バザールはイレギュラーズの垂涎の的であり、最近はその熱も上がる一方である――という。
 それを目当てにしたのかどうかは定かではないが、恐らくは、以前よりは両国間を行き交う人々は増えたといえた。そして、備えが足りなければ足をすくわれることも。
 ……そんなワケで、今回もまた不幸な人間が砂漠の中で行方を晦ます、はず、であった。
 現に彼らは行方を晦ませたのだ。

「おお、神よ……! これは夢、幻、それとも現実でありましょうか……!?」
 『それなりに敬虔な』幻想の男は、眼の前の光景に目を疑った。砂漠で倒れかけ、頭を落とした場所に、砂に隠れてぽっかりと空いていた穴。
 そこに転がり落ち、旅の仲間が追いかけてきた先に広がっていたのはとんでもなく広い、地下空間。遺跡だろうか? だが、本質はそこではない。
 その広間には布が敷き詰められている、ように見えた。
 正確には数多あるスリット部から露出した布が風もないのになびき、それらしい雰囲気を醸し出しているだけなのだが。とにかくそういう感じだった。
「こんな……こんな、冒涜的で魅力的な、儲けの……!」
 ああ、だが神よ。なんてものをこの男に見せてしまったのか。
 そのスリットから生え、なびく逆三角形はまさしく人々を惑わせ……逆三角形? 長方形も混じってない?
 そんなことはどうでもいい。それは紛れもなく「ぱんつ」であった。

●調査依頼(笑)
「依頼主のオーダーは……説明する必要あります?」
 女の情報屋は、神経質そうな眼鏡を外して目を揉んだ。商人の男(遺跡発見者)が同行者にスケッチさせた内容はなんというか、理解に苦しむもの。
 一面になびくぱんつ。どこかで見たものを模したようなデザインまである。これは一攫千金のチャンスではないか。商人はそう考えたそうだ。
「いえ、でも職務放棄とはいきませんね。遺跡がどういう構造かはわかりませんが、下着が地面から生えており、抜くとまた生える。そういうものだそうです」
「そういうものか」
「そういうものなのです」
 イレギュラーズの問いに、死んだ目で情報屋は応じた。
 ある情報でしか伝えられないんだから、そうなる。
 で、この依頼で重要なのは商人が一山当てたいという希望を叶える(という超弩級の幻想をぶち壊す)ために、イレギュラーズが山程ぱんつを持って帰り(そして報酬支払いでで商人が大損こく)のが目的である。だが、情報屋はどこか気まずそうな顔でイレギュラーズに視線を向けた。
「それで……遺跡なんですが、ひとつだけ問題がありまして。実は生えているものの中に『ふんどし』が混じっているそうです。それを引き抜くと、別に何か性的な辱めを受ける、とかはないのですが」
 ないのですが?
「顔に巻き付かれ、『その人が一番キライな匂い』を発するそうなんです。顔にだけ。巻き付くそうです」
 イレギュラーズは席を立とうとした。そして、当初のスケッチを指さした情報屋に絶望の表情を向ける。
 『商業上の機密情報につき閲覧者は帰るべからず』――!

GMコメント

 いえ別に口約束なんですけどね。契約は大事です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●達成条件
 ある程度(相当量)のぱんつを持って帰る

●ぱんつ遺跡(仮)
 『傭兵』の外周部の砂漠にあるとされる遺跡。偶然発見された。知っているのは一部のみだが、広まらなかったのはお察しの通り儲けにならないのとリスクに見合わないのと砂漠なので位置を補足しづらいからであり、依頼人はそれを知らないだけ、という悲しい現実がある。
 地下1階のみ、閉鎖空間。広さは広大(なんかのドーム1個分とかあるかもしれない)。明かりは存在するが、端まで見えない。
 かなりの数のスリットがあり、ぱんつが生えている。柄は様々。「〇〇のぱんつ」と似たデザインはあるかも知れない。ただし高くは売れない。
 抜いてもまた生える。

●ふんどし
 スリットから稀に生えている。
 同じ場所で抜き続けても生える。ランダムに既存のものと生え替わる。
 うっかり触っても、足を引っ掛けても体の下敷きにしてもアウト判定。ガバガバじゃねーか。
 とにかく触れたら顔に巻き付かれて『一番嫌いな匂い』の餌食になる。大丈夫だよHPもAPも減らないけど社会的パンドラと精神的パンドラは削れるから。

そんな感じでひとつ、宜しくおねがいします。

  • ぱんつとか引っこ抜き続ける依頼完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2019年06月08日 21時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュグナー(p3p000614)
虚言の境界
江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット
錫蘭 ルフナ(p3p004350)
澱の森の仔
悪鬼・鈴鹿(p3p004538)
ぱんつコレクター
クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)
煌めきの王子
津久見・弥恵(p3p005208)
薔薇の舞踏
鞍馬 征斗(p3p006903)
天京の志士
カイト(p3p007128)
雨夜の映し身

リプレイ

●ドキュメンタリー:ぱんつ職人の一日
「ぱんつの山にましますいと尊き神々よ……」
 ぱんつ職人、もとい『ぱんつぱんつ申し上げます』江野 樹里(p3p000692)の朝は早い。まず日の出と共に起床し、ぱんつのスリットを拝みつつ祈りを捧げることから始まる。祝詞を捧げたら、祈りもそこそこに気合いを入れて……樹里の魔法をえいやっとプッ放した。
「ちょっとまっていきなり何してるのアレ御神体じゃないの初っ端から灰になったよどうするのこれ!?」
「オイイイイイイィこの世界でいきなり変な依頼を押し付けられたと思ったら依頼を早々に諦めてるような行為をぶち込むとかどういう事だよ、俺は喜劇なんてまっぴらごめんだぞ!」
 『猫派』錫蘭 ルフナ(p3p004350)と『雨夜の惨劇』カイト(p3p007128)は運勢占いという名目でぶっ放された渾身の魔力に目を剥いた。行動が突き抜けてれば3/4の確率も何のその。突っ込みは2人が全部してく[れたからいうことはない。
「問題ありません……今日はいいぱんつ日和になるでしょう……ほらあのように」
 樹里はルフナに肩をぶんぶんゆすられつつも、気にした風もなく遺跡内部に指を向ける。先程まで半分ほど焦げて散ったパンツの残り部分が、見る間に縫い上げられていくではないか。ほどなくして元通りになるその光景は、一種のホラーだ。
「この魅力的な遺跡の存在を把握していなかったとは、情報屋としても、ぱんつコレクターとしても恥ずかしい限りだ」
「ぱんつが生えてくる遺跡……夢の様な遺跡なの!」
 『ぱんつコレクター』リュグナー(p3p000614)と『ぱんつコレクター』悪鬼・鈴鹿(p3p004538)、2人のぱんつコレクターが揃ってしまった今回の依頼こそが大事件である気がする。
 多分ぱんつ関係で何かあったんだろうが、混沌においては日常茶飯事なので考えることすら面倒である。
 だが待って欲しい。この2人、同じ称号の癖に考えていることに大きな差異があるのだ。リュグナーは『布地そのものに価値あり』と定めるものであり。鈴鹿は『履く者が伴ってこそのぱんつである』と定義づけているのだ。いや、そこまで熱弁されても困るんですけどね。
 というかリュグナー、ふんどしに巻き付かれるのを想定してか、包帯を巻いてる部分に黒くてえろいぱんつを被っているわけだが、そんな特大すぎるフラグをなぜ立てたのかと問いたい。楽しむ為だったね。疑問を持った俺が間違ってたわ。
「ふふふ、僕は煌めく素敵なパンツならば見る目はあるつもりだよ!」
 『プリンスフル・ワン』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)はメカ子ロリババア、子ロリババアの『アンジェ』と『ガーネット』、都ロリババアの『エリヤ』を連れて遺跡へと降り立っていた。いや、量産型メカもいる。彼は王子様なので、美的センスは高いはずだ。
「さあ、エリヤ、どうだい? 都受けしそうな素敵なぱんつはあるかな?」
 あの、王子。
 黄色いものが好きなエリヤに選別任せたらどうなるか分かってます?
 この依頼別に「幸せの黄色いぱんつ」探しじゃないですし海辺じゃなくて遺跡ですよ?
「えと、なんでこういう依頼ばっかり…これでも清楚で凛々しいはずですのに……」
 『銀月の舞姫』津久見・弥恵(p3p005208)は不幸な身の上を嘆くように肩を落とす。その言葉に偽りがあるとは到底思えないが、あのポールダンスで自称清楚はちょっと無理があるんじゃないかな……。
(なんか面妖な……儲け話も眉唾物だけども……)
 『天京の志士』鞍馬 征斗(p3p006903)は弥恵と控えめながら挨拶を交わすと、眼前の光景に目眩を覚えそうになった。
 遺跡入口に軍馬を待機させ(クリスティアンが中にロリババア連れ込んでるが)、罠への警戒心を高め(露骨に赤褌が舞い踊っているが)た彼はこの状況をなんとか切り抜けようと気合を入れている。真摯にこんな依頼に向き合ってくれるメンタルは好感が持てる。だから外見については見なかったことにしよう。
 斯くして一同はこのクソみたいな遺跡でぱんつを抜き続ける拷も……じゃなかった依頼に邁進することになる。
 これからどんな不幸と出会いが待つのだろうか? 待たなくてもいい。

●ぱんつ収穫祭
「と、とかく抜いたら生えるんだろ? とっとと依頼人に現実見せてやらねーと絶対駄目だろ? キリキリやるぜェ……」
 カイト(ぱんつまみれ)は仕方ないとばかりに意識を切り替え、隅の方の一帯に陣取って言葉通りにぱんつを引き抜き始めた。
 隅の一角、おおよそスリット15個分くらいを順繰りに抜いていくことで、ぱんつの生え変わりに合わせることが出来る。奥まで目ぼしいデザインを探しに行ったり、ふんどしを避けながら移動するなど愚の骨頂だ。
 だから彼は無事で済む――はずだ。
 ああ、でも、しかし。視界の端に現れたそれに彼は気づかなかった。15個のスリットからは生えなかったが……しゃがんだ足、その後ろからぱんつが引っ込み、今まさにふんどしが縫い上げられようとしているのを……!
「……面倒は嫌いなんだけど……まぁ、しょうがないか……やるだけやるしか無さそうだね……」
「落とし穴などはないようですから、あとはふんどしに気をつければ大丈夫ですね」
 征斗と弥恵は横並びでぱんつを田植えよろしく黙々と抜いている。エコーロケーションと罠探知の合わせ技でおおよその罠やふんどしは回避できるが、ふんどしアンブッシュには対応が難しい。
 いや、何だよふんどしアンブッシュって。仕方ねえよな、そういう星の下に生まれたんだもんな。
「僕はぱんつ風邪の宝石ぱんつ事件で培ったこの目で……! ……ハッ! こ・れ・だぁーッッ!」
 クリスティアンは過去の経験による審美眼を以て素敵ぱんつを探そうとし、実際にそれらしいぱんつを見繕ったようだった。猛然とそのパンツに飛びかかろうとしたまさにその時、彼を脇から押しのける影あり。
 そう、その影は黄色いぱんつに吸い寄せられたエリヤ! 量産型子ロリババアもそれに続く!
「なんだいエリヤ、どぅ゛ッ!? ――あっ……!」
 エリヤの想定外のタックルは、彼の誇り高き守りの硬さをもってしても耐えられない。よろけた先、有象無象のぱんつの先には……ああ、ふんどしが!
「ソムリエにはぱんつの技能を鍛える効果があるの。つまりぱんつは至高の逸品を探す必要ありってことなの。ぱんつ選別は任せるの」
 鈴鹿の理屈はある意味筋が通っていた。まあ、そういう内容なら仕方がないかもしれない。そりゃね。そんな感じで彼女は、引き抜かれたぱんつを鑑定しながら次々としまいこんでいく。ふんどしの位置も(見える範囲内)で仲間に伝えているのだが、暴走したり突然現れたり自分からトラブルに飛び込んでいくなら止めようがない。
 仕方ないので、彼女は目についたふんどしは切り捨てていくことにした。あの冒険者のレプリカをふんどしに対して使うなんてなー仕方ないよなー依頼だから。
「何やら妙なふんどしも紛れているようだが、それきしの事で我がぱんつを求める手を止めると思ったか!」
 いや止まってくれよ。そんな突っ込みがどこかから聞こえてきそうだが、リュグナーの勢いを止めることは不可能だ。ぱんつを前にした彼の勢いたるや凄まじく、加えてその身には闇市でも特に得難いと噂のぱんつ達が巻き付いている。さらに言えば、そのせいでロリババアを連れてこられなかったり、荷物を抱える代わりに手当たり次第腕に通し、穿き、被っていくではないか。
 何がリュグナーを突き動かすのか。正直わからないし考えたくもないのだが、悪魔っぽい存在にとって常識などという些事は基本的に放り投げられるものなのだ。仕方ないね。
「んっ……んんん……っ、はっ――!」
 樹里は必死にぱんつを引っ張った。非力極まりないその腕でぱんつを。ぱんつは求める者の手に渡る法則、があるのかないのかは兎も角、彼女の手の中にはすでに何十枚目かになるぱんつが収まっていた。
 非力ながらも次々とぱんつを抜きとる彼女の根性たるや凄まじいものがあり、彼女曰く『祈りの力』によるものなのだが、まあ。なんというか凄い。
 そして、彼女が必死に引っ張って尻もちをつくということは。
 その臀部はふんどしを踏んでいてもおかしくはないということである!
「――ってそうはならないよね!?」
 ルフナは周囲のアクロバティックふんどしアンブッシュに思わず空中にツッコミを入れていた。いや、なっとるやろがい。
 パダッセさまを侍らせ、ファミリアーに周囲を警戒させつつ次々とぱんつを集めていく彼も、周囲のこの状況には困り顔でしかない。そしてファミリアーは、賢くも華麗にふんどしを避けてぱんつを集めている。
 ああ、優秀極まりない。こんな遺跡でさえなければほんとうに優秀だった。……そして彼は密やかに令嬢のぱんつをそっと地面に捨てた。そうだね、高価だけど命にかかわるからね。仕方ないね。
 そして、彼はファミリアーの五感を共有しつつ気付く。この状態はふんどしにひっかかる確率と、ひっかかった際のリスクが2倍になっているのではないか――と。

 まあそんなわけで。
 イレギュラーズに安息の2文字はないのでそこんとこよろしく。

●ふんどし感謝祭はじまる(終わる)
「ハッ! しまった! ……ふんどし!」
 ころんだ勢いでふんどしに触れてしまったクリスティアンは、咄嗟に両腕で顔をガードしようとする。だが甘い。
 ふんどしは両腕をまず拘束し、余った前垂れ部分で彼の顔を覆い隠したのだ。ヤダ技巧派。
「ウワアアアーーッ!! この匂いは……夏の暑い日に畑仕事を終えた後の汗でムレムレに蒸れた足の匂い!」
 足は暑くなくても一日コップ1杯の汗をかくという。夏の畑仕事となればその蒸れ具合たるや凄まじく、雑菌の働きも然り。王子とて逃れられぬ宿命なのだ。それが、顔に。精神的ダメージはものすごい。
「臭くない……僕の足は臭くないんだーーーッ! 嘘だああああーーッ!」
 腕が使えず、打ち上げられた魚よろしくビタンビタンと跳ね回る彼は気合で美の輝きを撒き散らす。そして勢い余って黒焔をも撒き散らす。普段の彼からは想像もつかない悪意は、匂いというものの精神的な負荷を容易に想像させるだろう。ふんどしは燃えた。
「きゃぁぁぁぁ、まって、これ、ぁ、ぁ、いやあぁぁぁ……」
「弥恵さん!? いや、あっ……こっちにも!?」
 弥恵は他者に目立つ特性を持ち、トラブルに巻き込まれやすく、周囲もそれに巻き込みやすい。彼女がいかに注意をさこうとも、どうしても避けられない局面というものは存在し。そしてそれは今回、征斗を巻き込んだのだ。
 ちなみに征斗は目元をすでにぱんつで覆われ、漂う匂いは悪臭……ではなく女性的なものを想起させる芳しい匂いだ。それがより彼のコンプレックスを刺激するのである。これは離れないわ。
 他方、弥恵はといえば鼻につく悪臭に身を捩っているうちにあーなってこうなって、あとはこうしてそうなって。スキルを駆使してふんどしを駆除した後、どこか恥ずかしそうにドレスの裾を掴んでそわそわしていた。
(そんなはずは……ぱ、パンツが脱げ…あれ、高いですのに)
 そうはならんやろ。というか先にかんがえるとこソコなんだ、というか。彼女は色々ありすぎてもしかしたら感覚が麻痺しているのでは? という危惧はあったが、色々ちゃんと理解していたらしいのでよかったというか。なんかスススッと隅に隠れようとしているあたりいじらしい。あーかわ。この状況じゃなきゃなあ。
「おげえええええええええええ!? クソっ、止めるんじゃねェ!! オリジナルゥ!」
 その頃、カイトは。鼻に忍び込む芳しい――比喩ではない――匂いにのたうち回っていた。彼の依頼遂行が自らのトラウマを引きずり出してまで行う必要があったのか? その記憶まで質に入れる必要はあったのか? 『オリジナル』はどこか自暴自棄にもとれる彼の行為に警戒を促したのだ。だが、彼はそれを分かっていても止められない。
 依頼だからだ。どれほど重いトラウマが引きずり出されても、気合と根性でなんとかしてしまうのが彼である。まだ駆け出しの域にあるのに根性の込め方が凄い。大成しそう。
「スーハースーハー……はぁ、こう言う時に使用済みぱんつを嗅いでおく癖をつけておいてよかったの」
 鈴鹿は、ふんどしから漂う香りにいっとき我を失いそうになった。過去の忌まわしい記憶を想起させる匂い、という点ではカイトと変わりない。だが、彼女は(真偽不明ながら)使用済みのぱんつの匂いを調合してその場を乗り切ったのだ。ぱんつをかぶることで効果2倍だ。やったぜ。
「くっっそぉぉぉぉなんで僕まで巻き込まれウッ、ゥウェェッ」
 ルフナは割とガチめの吐き気を伴いつつふんどしに苦しんでいた。ファミリアーは猫であった。猫は、おそらく過去にまたいで通った臭い魚の記憶を思い出したのだろう。その匂いがルフナにフィードバックしたのである。加えて彼も自分で巻き付かれているのでヤバさ2倍。匂いのミックスは通常よりも激しく彼を責め苛むのだ!
「な、なんだこの腐ったような匂いは! 馬鹿な、旅人はこの臭いの発するモノを食っているだと!? 修羅の世界の出身だとでも言うのか!?」
 リュグナーは納豆の匂いにのたうち回りながら、それが食べ物であるという情報を信じきれないでいた。あなたも旅人なんですがそれは……はい、納豆がない世界なら仕方ないですね。
 だが、まあただで転がるリュグナーではない。鈴鹿同様……同様? ぱんつを頭に被って匂いの中和を図ろうとしたのだ。
 実際の所、悪臭と芳香を混ぜたら中和されるわけではなく、より強い方が勝つ、程度の話なので気をつけて欲しい。良い子は消臭剤の選択は慎重にしようね。
「ふっふっふ、我らいれぎゅらーずの本気を以てすれば商人さんが抱えきれないほどのぱんつを持って帰ることが可能だということを証明してみましょう――!」
 樹里はふんどしを顔にまきつけたまま、あちらこちらに魔法をぶっ放す。主に目から。どこで学んだことやら、魔法の自由度を心から体現する者としてふんどしを目の部分だけブチ破り、近くにあるぱんつを先程以上の気合で引っこ抜き、あれよあれよという間にぱんつをゲットしていく。怖い。
「樹里君?! やめるんだ遺跡が、遺跡が危ない!」
 クリスティアンは焦りを込めて樹里を止めようとするが、まあこの程度で崩れる遺跡ではない。問題があるとすれば、そろそろ身体に巻き付けられなくなって動きが鈍ってきたリュグナーとか、ゆっくり出口へと向かっている弥恵とか、彼の連れてきたロリババア各位の暴走だとか。メカ量産型はサイバーアイ部分にメッセージ浮かべてるけど、それメンテナンス用エラー文字列では?
「最悪……これは、今まで話題にすらならないワケだよ……」
 まったくもって、征斗の意見に同意である。
 そして彼は、混乱甚だしいイレギュラーズをなんとか落ち着かせて出口へと戦利品を送ったり、ロリババアと軍馬の連携でなんか上手いこと運び切ったりしたのだった。

「ん? ポケットに何かが。黒いぱ…ん、」
 ……戻ってきてる?! そう叫んだルフナの手には、令嬢のぱんつが。
 そしてどさくさに紛れて地上に出た弥恵は自らのぱんつを。それぞれ戻ってきていたのだった。ぱんつの加護、偉大なれ。

成否

成功

MVP

江野 樹里(p3p000692)
ジュリエット

状態異常

なし

あとがき

 シナリオを考えた時にはやってしまった、と思いました。
 プレイングを見た時、ああ自分は間違っていなかったと思いました。

 今回のMVPは……やらかし率最高潮だったので貴女で。
 あとアイテムとかいってると思います。ご贈答にどうぞ(悪意のある誘導)。

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