PandoraPartyProject

シナリオ詳細

俺とアイツは因縁サムシング

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●派手で強靭で頑丈でめっちゃダイナマイト

「大変なのです! なんだかとても凄い感じの怪人が現れたという依頼がきたのです!」
 その日、ローレットの長閑な昼下がりをぶち壊したのは慌て気味に突っ込んできて盛大にコケた『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)だった。
 要領を得ない話しぶりだが、つまるところがゲロヤバな強さの敵がとある岩場のあたりに現れ、砕石や砂を必要とする人々の障害になっているらしい。
「でも、おかしなことに人々に危害を加えることなく、岩場を占拠して『俺の相手はどこだあっ!』って言いながら暴れまわってるらしいのです。怪人の周りにはちょっと弱そうな人型の敵がたくさんいるそうですが、人々を威嚇するだけ威嚇して、むしろ転びそうになったら手を差し伸べたりしているそうなのです」
 おかしな敵なのです。そう言って首を傾げたユリーカに、イレギュラーズはとりあえず敵であることに違いなし、と岩場へ向けて出発するのだった。


「来たか! お前達が俺の相手だな! 俺の名前はチャコール・オガライト! この世界を黒く染め上げる者だ!」
 チャコールと名乗った怪人は、確かに全身が黒一色だった。光を通さないのか、影すら落ちないレベルで黒い。2つの目だけが爛々と輝いている。黒一色なので詳しくは分からないものの、肩にロケットランチャーのような四角い部位があり、両手は手首部分に……リボルバー? のような形状が見て取れる。武器武器しい外見でなぜその名前とカラーリングなのか。そうイレギュラーズのだれかが突っ込む前に、チャコールは『君達』を指さして声を上げた。
「アーッ! 貴様は……貴様達はまさか、俺の!」
 俺の! と言われても、きっと居並ぶイレギュラーズに思い当たる節は微塵もないだろう。多分、チャコールの側にもないと思われる。
 きっと雰囲気とか、なんか因縁の相手がみたいな演出が好みだったのだろうが言ってくれなきゃわからないだろう、そんなもの。
 ちょうど岩場に現れたのは幸いだ。もともと砕石にするために粉みじんに砕く大岩、壊して困るものが存在しない周辺、そしてイレギュラーズを何故か分からないが目の敵にして因縁ふっかけてくる敵の総大将。
 いろいろな条件が揃ったこの戦局で、イレギュラーズは突如現れた雑魚兵らしき大群を蹴散らし、チャコールを倒さねばならない。
 あと、多分派手にやっていいので色々と派手な演出とか名乗りとかそういったものがあるといいのかもしれない。あったらいいな。

GMコメント

 これなんて安息日の早朝劇ですか。多分適任はいらっしゃるんでしょうが雰囲気でやってみました。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●成功条件
 チャコール・オガライトの撃破

●チャコール・オガライト
 どこかの世界から飛ばされてきた怪人的な存在。冗談めかしているが強い。
・絶命パンチ 物至単:防無・必殺。威力大
・炭色ミサイル 物超遠扇:瞬BS・暗闇・懊悩・不運・呪殺
・窒息性黒煙 特レ(自分を中心にレンジ2):窒息・泥沼・致命
(その他、必殺や防無を含まないレンジ4までの様々な攻撃を行う。この攻撃にはすべて「暗闇」と「窒息」が伴う)
※なお、「よくわからないけど分かったふうなノリで因縁を捏造する」とBS判定に依らない怒り状態を付与できます。
・怪人兵プロテクト:怪人兵が全滅しない限り、チャコールはダメージを受けない。また、チャコールは攻撃してこない。

●怪人兵×大勢
 チャコールの配下の雑魚兵。多分元の世界の尖兵。
 一体一体が常人同然かそれ以下の力しかないが、ちょっとだけしぶとい。でも駆け出しのイレギュラーズでも全然倒せるしぶとさ。
 全員倒したらチャコールが動き出す。

 いろいろと強力そうな感じですが、大体ノリで何とかなると思います。なるといいと思います。
 よろしくお願いします。

  • 俺とアイツは因縁サムシング 完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年05月13日 21時15分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

巡離 リンネ(p3p000412)
魂の牧童
シグ・ローデッド(p3p000483)
『知識』の魔剣
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
トリーネ=セイントバード(p3p000957)
慈愛のペール・ホワイト
レスト・リゾート(p3p003959)
夢色観光旅行
エナ・イル(p3p004585)
(自称)可愛い小鳥
無限乃 恋(p3p006272)
恋の炎を散らす者
ビーナス・プロテウス(p3p007066)
渇愛の邪王竜

リプレイ


「いつかこんな日が来ると思ってたよ……」
 『魂の牧童』巡離 リンネ(p3p000412)はどこか呆れたふうに頭を振り、布陣を敷いた最後方から敵集団を睥睨した。
「……いや、そんなわけないから。知らないから。誰だよほんと」
 そして前言をさらっと撤回した。本当にあの黒いのはなんなのか。兵隊の群れなんて知らないし。日頃から相手にしてるあれこれで抱えるものではなく、思い出したように生えてきた因縁なんて彼女は知ったことではない。そして彼女は、そこまで暇なたぐいの人間ではない。
「俺はお前の……?」
「お前は俺の……?」
 『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)と『慈愛のペール・ホワイト』トリーネ=セイントバード(p3p000957)はチャコールを凝視し、過去になにかあったか、と思案する。本人たちにとって大変遺憾であろうが、両者ともに、文字通り『鳥あたま』である。仲間との絆や身に染み付いた技術はともかく、いきなり指さしてお前だの言われれば何か気付くことも……。
「……お前、俺を喰おうとしたやつだろ! 俺はお前の飯でもないし、ペットでもないぞ! 帰る気は無いからな!!!」
 カイトは、一体どんな生き方をしてきたら食料扱いされることがあるのか。純種なのにその反応、恐ろしいのは海洋なのか彼の生き様なのか……。
「わかったわ。あなたは黒いわね。白の私とは正反対。つまり白黒コンビ。バンド。つまりそういうアレね!」
 トリーネに至っては類推だ。記憶にすら頼っていない。いっそ清々しいまでに自分を信じていない系なのはある種凄い。
「フフ……『俺の』とくれば、その後につながる言葉はただ1つ! それは『嫁』!」
「えっ」
 『恋の炎を散らす者』無限乃 恋(p3p006272)の脳内恋色エンジンは今日も絶好調だ。恋フィルターとも言うが。とにかく、因縁あるところ色恋あり。そう結論づけたらしい。どうすんだよさっきまで大仰に「そうそう」ってリアクションとってたチャコールさん固まったぞ。
「『俺の嫁』……そう、これはチャコール君の一世一代のプロポーズ!」
「私が池で潜水水浴びしてた時に覗きをしてきたおじさんだね! ‥…わざわざ潜水している私を覗くのに船と双眼鏡まで用意して……恥ずかしかったんだから!」
「えっ、えっ」
 恋の因縁が止まらないなか、『渇愛の邪王竜』ビーナス・プロテウス(p3p007066)の華麗にして野蛮なインターラプト。意外な形で実現した三角関係に、チャコールはすっかり戸惑っている。お前は因縁つける側だろもう少しどっしり出来ないのか。気合を入れろ。
「因縁~? 何かあったかしらね~?」
「さて、何があったのか。無駄なことは覚えておらん性質なので、な?」
 『ベジタブルスプレッダー』レスト・リゾート(p3p003959)は、首を傾げつつ『魔剣』へと変じた『『知識』の魔剣』シグ・ローデッド(p3p000483)を握り、感触を確かめる。自称『おばさん』である彼女が血気盛んなポッと出怪人と因縁がある可能性は、否定はしないが推測しづらい。シグの場合、本人の言葉通り情報の取捨選択が極めて画一的だから興味を惹かなかった、で理由付けが終わってしまうのがなんとも。
「もしやアナタはボクの!? ……ファンなんですかぁ~?」
『(自称)可愛い小鳥』エナ・イル(p3p004585)はチャコールを指差し、なんとも形容しがたい推論を叩きつけた。なるほど人払いをした採石場でライブのお膳立てを、ってないわ。
「……フッ、お前に興味があるのは違いない。望み通りの『興味』かは知らんがな」
 ここでストレートに乗っかりにいったチャコールに善人説すら浮上したが、多分雰囲気でいってるケのあれなので気にしてはいけない。
「とにかく、知らない相手からのインスタント因縁に付き合ってなんていられないよ。物理的に縁を切るよ」
「貴様達が何を目論もうと、ここまで来たのが運の尽き! ここが貴様達の墓場となると知れ! ――かかれ!」
 リンネのツッコミもどこ吹く風、腕を組んで堂々たる居住まいを変えぬチャコールは、怪人兵達に号令をかける。一糸乱れぬ、さながらクローンのような精密さで動き出した彼らに、魂の匂いも意思の欠片も見当たらない。……働き損になりそうなことをリンネは覚悟した。でも仕事はきっちりやる。彼女の声と赤き彩りが開戦の合図となり、両陣営ともに激戦の予感に色めき立つ。
「この恋(物理)の行く手をかけて、いざ勝負!」
 恋は相変わらず、というか不変の態度なので、怪人兵相手にロマンスしても驚かないが……多分ない。今の彼女はチャコールしか見えてない(はずだ)。


 怪人が動き出したのに合わせて、恋とエナは左右に分かれ、勢いよく駆け出した。怪人兵の数は多く、全部を、とは行かないが……直後にエナの口から放たれた耳を疑う挑発と恋による恋電波は、2人を追う怪人兵をくまなく巻き込み、彼らを釘付けにする。
「来るな寄るな吹っ飛べテメェら!!」
 カイトは炎を巻き上げ、エナの側に引き寄せられた怪人兵に向けて火災旋風を巻き起こす。その一撃でどれほどの怪人兵が吹き飛ばされたかは知れぬが、奴らはまだ命がある。全身炎に包まれているので、長く持たないだろうが。
「こけえぇぇぇ!」
 他方、恋に群がった兵を吹き飛ばしたのはトリーネの背後に浮かび上がったインコの砲火だ。……インコなんだ。
「私達の因縁の間にエキストラは必要ない……そうでしょう?」
「貴様と俺が奏でるセッションは誰かに聞かせるものではなかったのか? 残念だ、やはり相容れん」
 トリーネがドヤ顔でチャコールに語りかけると、彼は鼻を鳴らしてドヤ顔で応じる。振った因縁を明後日に打ち返したらダイビングキャッチする怪人とは一体。
「ここまで式のゲストが多いと引き出物の準備が大変……そう、皆がここで選別してくれれば問題ないわ!」
 恋のどこかブッ飛んだ提案は、しかし額面通りの意味ではない。十分引きつけたという合図なのだ。本人が意図してなくてもそういうことになる。仲間っていいもんですね。
「シグちゃんの力を借りるわね~、よっこらしょ~」
 レストは炎を纏ったシグを持ち上げ、勢いよく手近な怪人兵に叩きつける。彼女の技倆による一撃で兵が潰れた直後、シグの刀身から巻き上がった炎がそれを炭に変え、いきおい、直線上の怪人兵を次々に焼き払っていく。不幸にもレストとシグの力量を測り損ねた怪人兵達は、地上に一文字の炭となって残ることとなった。哀れ。
「あれっ、ちょっとボクの方に集まってる敵さん多くないですかぁ?!」
 で、エナの側だが。仲間達の努力によってゴリゴリ数は減らされているものの、それでも相当数に追い回される憂き目に遭っていた。はっきり言ってしまうが、彼女の方が惹きつけている数が多い。位置取り、範囲の被り方、その他諸々理由はある。慢心とか環境の違いとか。胸に手を当てて考えれば幾つか、まあ、ね。
 必然、彼女は追いすがってきた怪人兵の攻撃を受けることになる。近づかれても当たるを幸いにブン回せばそれなりの数吹っ飛ばせるのだが、それを差し引いても彼女は不利だ。
「理不尽な数と理不尽な言いがかりで襲われてボコされるとか、本当にどうなってんの……?」
 彼女に癒やしの力を注ぎ込むリンネの気苦労も多いに頷ける。彼女とかトリーネがいなかったら危なかった。
「わらわら一杯出てきて邪魔だよ! 眷属の皆さん、ヤッちゃってください!」
 ビーナスはこれ幸いと自らの影を伸ばし、『眷属』達を解き放つ。エナの間合いに踏み込む怪人兵を一体、二体と縛り上げ、何故か非常に扇情的な格好で放置されてしまう。締め上げられる苦痛からか、はたまた絡め取られた衝撃からか、恥辱からか。怪人兵達はまたたく間に動きを止めて項垂れていく。
「もう一丁……ついでに燃えちまえっ!」
 カイトは宙吊りの怪人兵をよそ目に、振りかぶった炎翼槍を叩き込む。先程よりも前に、チャコールを間合いに捕らえて一気に狙いにいく。直後、タイミングを合わせるように飛んできたのはシグの過冷却集電弾。間合いの少し手前で炸裂した雷球は周囲の温度を一気に氷点下まで落とし込み、兵隊共々チャコールを狙う。打撃が通らないことは承知の上、少しでも戦闘の負担を減らせぬかと考えた上での行動だったが。巻き上げられた砂埃の中に立っていたのは、何ら痛痒も見せぬ堂々たる居住まいであった。
「食うに不足なき鳥の男。貴様、自らを調理する気であったのか? そこな刃物は、言葉の割に『よく切れる』様だな。遊んでやるから、疾く部下を蹴散らして来い」
 どこか諦観を匂わせる口調で語るチャコールのそれは、一同を多少なりともイラつかせたのは間違いない。
 大多数を蹴散らし、追われる立場から追う立場に様変わりしたエナと恋の勢いは鬱憤晴らし、と呼ぶに相応しいレベルに到達していた。
「チャコールちゃんも皆も元気ねえ~、春だからかしらあ~?」
「単純に、煽られた事に腹を据えかねているだけだと思うが、どうだろうな」
 レストとシグのコンビは、言葉の上では我関せずを貫きつつも、仲間に危害を加えぬギリギリのラインで兵を蹴散らしている。
 2人にも思うところあったのだろう。そうに違いない。
 ビーナスが最後の一人を蹴りで華麗に吹き飛ばすと、ようやくという感じでチャコールが組んでいた腕をほどき、イレギュラーズへと足を踏み出す。
 ここからが本当の戦い……だと思う。きっと。


「テメェをヤラなきゃ俺がヤラれるんだ! ココで因縁を終わらせてやる!」
「足が震えているが口は達者だな、面白い!」
 カイトの堂々たる挑発はどうやらお気に召したらしく、チャコールはカイトへ向けて拳を叩き込みに行く。決して鈍くは無かった。十人並みのイレギュラーズであればいい一撃をもらっていただろう。だが、彼は避けた。ごくごく自然に。
 返す刀で放たれた爆彩花は黒一色の顔に叩き込まれ、爆風が互いの身を撫で付ける。
「ぴよぴよぴー!」
「喰らいなさい、そして忘れなさい! ビーナス、キック!」
 トリーネの周囲から現れたひよこは星と共に、そして羞恥と怒りをないまぜにしたビーナスの蹴りは唸りを上げて、それぞれチャコールに叩き込まれる。ひよこは可愛いが威力が全く可愛くない。
「黒とか白とかより赤だろ!緋色だろ!テメエの血は何色だ!」
 カイトが因縁に乗っかってさらに因縁をつける。始末に負えなくなってきたぞ。
「の楽しげな因縁を聞くまで誰も倒させはしないわっ」
「そんな日替わり定食感覚で因縁捏造するもんなの……?」
 どこか方向性がおかしい決意をあらたに、レストはカイトとチャコールの戦いを見守る。時折、一撃叩き込む。リンネは時折、チャコールが吐き出す黒煙に咳き込む仲間に対し声をかけ、被害を抑えに回る。
 できる限り近づかぬように布陣し、因縁をつけてダメージコントロールをするという発想は極めて合理的だ。
 足並みが揃ってさえいれば、彼らが遅れをとる道理は少ないだろう。……それが普通だ。
「えーっとチャイコフスキーさんでしたっけ? 違う? むぅ……ではエナちゃんファンの怪人の親玉さん! あなたにはこの一撃をプレゼント☆」
 あざとい身のこなしで踏み込み、力の限り戦斧を振り上げたエナがふっかけた因縁は、チャコールの意識を引くに十分だった。だが、それ因縁か? と問われると……そうだね、まあ因縁なのかな! わっかんねーや!
「なるほど、見事な一撃……然らば、これをくれてやろう! 手向けだ!」
 肩の装甲と頭部で斧を挟み込んだチャコールは、宙で静止したエナ目掛けて拳を叩き込む。手首部分の炸裂に合わせて加速した一撃は、大きな隙を見せた彼女が避けられるものではない。
 深々と突き刺さった拳の威力は知る由もない、が、彼女が称賛されるべきは、それでも戦斧と意識を手放さなかったこと。
「何でなの? 確かに私と貴方は合いの手を『こけー!』にするか『チャコー!』にするかで喧嘩別れしたかもしれない! でも怪人の仲間になんてなる必要はなかったはずよ! 勝手放題暴れて皆を傷つける必要もなかった! そんなの音楽じゃないって何度も言ったじゃない!」
「貴様とはどこまでも相容れぬといった! 生き方、音楽性、人生観の違い! それがわからんのか!」
 トリーネはエナをちらりと見つつ、チャコールに訥々と話しかける。合間の鳴き声が治癒術のトリガーだなんてチャコールもよもや思うまい。めっちゃチャンスだったのに。
「私の裸を見たこと忘れなさーい! 乙女の肌を無断で見た事はそれだけ罪深いんだよ!」
「裸に興味などないが、見たことは記録され忘れられん! 罪だというなら背負って生きるまで!」
 ビーナスの拳を頬に受け、チャコールはしかし堂々と酷いことを口にした。裸を吟味されるよりもショッキングな煽りである。
「チャコール君、あなたは私と相性がいいの。いいはずよ。だからさあ! 私に向けてそのパトスをぶつけて!」
「ええい煩い、先程から何かにつけて貴様を責めると俺が痛いのだ!」
 恋はチャコールに全力アピールを向けるが、返ってくるのはミサイルの驟雨。そして当たれば、チャコール自身も手傷を負う。そして恋は回復する。最悪……いや最良の相性で結ばれた2人を分かつ手段は、死しかないのだろうか。
「あっ、思い出したわ~」
 そんな激戦のさなか、唐突に声を上げたのはレストだ。すわ強烈な因縁の開陳か、とチャコールが身構えた次の瞬間、彼女の口から漏れたのは。
「アナタは女子に大人気のスイーツ専門店『ぱんどら☆きっちん』で数量限定スイーツの列に一緒に並んでいた子ね~? ごめんなさい、おばさんの番でスイーツが売り切れてしまって……」
「…………貴様――!」
 何が逆鱗に触れたのかはともかく、チャコールは激怒した。必ずこのハーモニアを倒さねばならぬと決意した。吐き出された黒煙、そしてそのままミサイル。矢継ぎ早に連発された攻撃は決して看過できる手傷ではない。……ないが、イレギュラーズを相手に冷静さを欠いたのは迂闊であった。
 彼が全く意識を割いていなかったシグが、順調に、確実に、彼の動きに制限をかけていったからである。チャコールは確かに頑丈で、シグをもってしても動きを御するのは大抵の努力ではなかったが、それでも『繰り返せば通る』と理解している以上は驚異でもない。
 激戦につぐ激戦、尋常ならざる耐久力と消耗戦を強いた末に勝利を収めたのは、当然ながら戦意に一歩秀でたイレギュラーズの側であった。
「……お前さん。前にも私に騙された事は無かったかね?」
「なん、だと」
 倒れ伏したチャコールに、思い出させるようにシグは語る。チャコールが力を得る手伝いをしたが、代償に知識と記憶を奪った、と。まあでっち上げなんだが、彼のアレでソレな記憶の錯乱を思うと冗談とは思えないのが、また。

「……あれ? 私バンドなんて組んだことそういえばなかったわね」
「……というか、なんて名前なんだアイツ」
 トリーネとカイトはもう彼との因縁を忘れて前を見ている。鳥類すげーな。

 倒れ伏し、朽ちるを待つだけのチャコールの屍に乗っかっていたのは。
 『ぱんどら☆きっちん』の期限切れ割引チケットだったとか、そうでないとか……。

成否

成功

MVP

カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽

状態異常

エナ・イル(p3p004585) [重傷]
(自称)可愛い小鳥

あとがき

 因縁つけることに関しては他の追随を許さないイレギュラーズの因縁(いいがかり)力を満喫した依頼でした。
 チャコール、倒れるときになにか落としたそうですが、因縁に絡んでるとかそうでないとか、そんなアレだそうです。
 MVPは実際にそんな因縁だったら一番痛ましいので、あなたです。
 嘘ですちゃんと戦闘的にも活躍したからです。

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