PandoraPartyProject

シナリオ詳細

街道の茶屋を守れ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●パサジール・ルメス
 混沌世界を移動するとある少数勢力、『パサジール・ルメス』。
 主要七か国を渡り歩く民達は、各地で様々な情報を手に入れている。
 物資を運ぶキャラバンを編成する彼らからローレットへと出される依頼は、モンスターや野盗などから護衛するものがほとんど。
 ただ、今回の依頼は彼ら自身の護衛ではないようだ。

●冒険者御用達の茶屋
 各地を巡る冒険者や行商人達にとって、食事処や宿屋といった施設は非常に重要なもの。
 何か活動する為の起点として機能する他、移動の為の中継地点としても使うことができるからだ。
 その茶屋は、鉄帝の外れに佇んでいる。
 鉄帝中央や幻想へ向かうにしても、体力、時間的に厳しい場合など、ちょっとした宿として利用することもできる。

 この茶屋を運営しているのは、鉄騎のペトロフ老夫婦だ。
 夫マクシムは無名ではあれど、若いときは鉄騎で十分にその腕を振るって数々の無法者やモンスターをその拳で殴り倒してきた。
 ある日、彼は何を思ったか辺鄙なこの地に家を建て、冒険者達相手に茶や軽食を提供する茶屋を始めた。
 こうした鉄帝や幻想の力が及びにくい地域はモンスターなどが現れて危険な為、茶屋、宿屋を営む者は多くない。
 その一方で、こうした施設は非常に重宝され、鉄帝の他、冒険者達、パサジール・ルメスの民など、支援者も多い。
 おかげで、彼らは生活に困ることはなかったようだ。
 彼はこの地で子供を育て、すでに孫もいた。
 その子供夫婦も仕事を求めて鉄帝へと移り、今は年老いた夫婦のみで冒険者を相手にしている。
 多少の敵であれば、マクシムが若いころ取った杵柄と言わんばかりに難なくなぎ倒す。

 しかし、最近、この付近に住み着いたのは、妖精というにはあまりにも醜悪な見た目をしたトロルのグループ。
 巨体に太った腹、全てをなぎ倒す怪力を持ち、何より自己修復能力があることで知られる面倒な相手だ。
「ぬう……」
 マクシムもこれには頭を痛める。
 老いたとしても、冒険者と共に討伐に当たるのはやぶさかではないが、回復能力を持つトロル複数体に1人で戦いを挑むのは無謀というもの。
 できるなら、鉄騎や冒険者といった類の者達と協力して駆除に当たりたいが……。
 マクシムがそう考えていると、茶屋へと来客が。
「ちわーっす。紅茶をいただくっすー」
 そんな少女の声が、マクシムには渡りに船のように思えたのだった。

●茶屋を守って
 ある日、幻想のローレットを訪れたのは、海種の少女、『パサジールルメスの少女』リヴィエール・ルメス(p3n000038)だ。
「ちょっといいっすか?」
 リヴィエールは可愛らしく笑みを浮かべ、イレギュラーズ達の元へとやってくる。
 今回、リヴィエールは依頼の仲介人。
 依頼主は、鉄帝の端で茶屋を営む老夫婦とのことだ。
 茶屋を経営するマクシムは最近、自宅付近でトロルのグループが徘徊してしたのを確認したという。
「できるだけ早く行って、用心棒になってほしいっすよ」
 リヴィエール達は別所に向かう為、その立ち合いはできそうにない。今回はイレギュラーズだけで、トロル討伐に当たることになる。
 数は4体。とりあえず、茶屋に近づく者だけでも追い払えれば、しばらく近づく別個体はいなくなるだろう。
 力任せに殴ってくるのが基本だが、小癪にも魔法を覚えた個体もおり、魔力弾を飛ばしてくるから厄介だ。
 また、トロルは自己回復を持っている。長期戦は不利になる為、一気に畳みかけて倒したい。
「以上っす。よろしく頼んだっすよー!」
 彼女はイレギュラーズ達へとこの依頼を託し、ローレットを後にしていくのだった。

GMコメント

イレギュラーズの皆様、こんにちは。
GMのなちゅいです。

●目的
茶屋付近に現れるトロル達の撃破

●敵……トロル×4体
◎通常種×2、トロルメイジ×2体
下腹の出た身長4mほどの巨躯のモンスター。
怪力を生かし、棍棒で全てを叩き壊そうとする他、
再生能力を持つ厄介な相手です。

以下のスキルを使います。

・めった殴り(物近単・連)
・振り回し(物近列)
・石投擲(物超遠・防無)
(以下、トロルメイジのみ)
・魔力弾(神遠単)

●NPC……ペトロフ夫妻
 年齢70代の厳つい老父マクシムと、その妻、人の好い老婆オクサーナの鉄帝夫婦。
 マクシムは茶屋と妻を守る為、護りに徹します。

●状況
昼間、鉄騎の外れにある茶屋をトロルどもが襲ってきます。
到着してすぐ戦いとなる状況ですので、
茶屋を守るよう布陣して戦っていただければと思います。

事後は、茶屋でのんびりと休憩していただければと思います。
紅茶、コーヒー、トースト、サンドイッチやホットドッグ、ハンバーガーなどを提供しています。

●情報確度
A。想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

それでは、よろしくお願いいたします。

  • 街道の茶屋を守れ!完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年03月11日 22時25分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
空歌う翼
リノ・ガルシア(p3p000675)
宵歩
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ポワニャール・リューシュ(p3p004625)
特異運命座標
村昌 美弥妃(p3p005148)
不運な幸運
ルチア・アフラニア(p3p006865)
「Concordia」船長
フィリア・G・ユグドラル(p3p006965)

リプレイ

●こんなに素敵な茶屋だから
 そこは鉄帝の外れ。
 幻想に程近い場所とあって比較的周囲は荒れた場所が少なく、周囲には草原や低い木々も見える場所だ。
 この地域を通る街道に隣接するようにして、ペトロフ夫妻が経営している茶屋がある。
「こういう趣のあるお店っていいよね」
 街道にポツンと佇むその店を遠方から眺め、プロポーション抜群の『穢翼の回復術師』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)が胸元の十字架へと語り掛ける。
『風情がある、というものだな』
「そうそう。それが壊されるのは嫌だから、頑張らないとね」
 自らを操る神と一つの体を共有するティアは2人で語らい、気合を入れていたようだ。
「旅に、戦いに、疲れた身体と心を癒す憩いの場所……。このお茶屋さんはそういう場所なのですね」
 村娘を思わせる幻想種の少女、フィリア・G・ユグドラル(p3p006965)はその茶屋の外観を見つめる。
 きっと、戦いに明け暮れた記憶があるからこそ、人を癒す力があるのだろうとフィリアは考えていた。
「とても素敵です」
「老夫婦の営む茶屋、何よりも、奥さんを守る為に戦う旦那さんとはカッコいいデスねぇ」
 眩く波打つ金髪を持つ『不運な幸運』村昌 美弥妃(p3p005148)もフィリアに同意し、そんな夫婦の姿にロマンティシズムを覚えて。
「これは是非とも、助けてあげたいデスぅ!」
「ええ、それを脅かす輩は捨て置けません。私たちが、きっと守ってみせます」
 フィリアも老夫婦へとそう誓い、戦い後には美味しいお茶をと笑顔で依頼する。
「おう、まだまだ若い者に負ける気はないのでな」
「ふふ、頑張るのは程々にしてくださいね。皆さんもお気をつけて」
 夫マクシムは胸を張り、妻オクサーナは笑顔で夫を嗜めつつ、イレギュラーズ達を激励する。
「いろんなヒトたちが利用できるお茶屋がなくなっちゃうのは、ダメだよね……」
 そんな2人と茶屋を見て、鷹の飛行種である『空歌う笛の音』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は思う。
 これまでも、冒険者などに助けられた経験も多いのだろう。
 大切な居場所が襲われるというのに、彼らの落ち着きぶりはさすがだ。
「平和とお茶屋存続のために、みんな、がんばろー!」
 アクセルの掛け声に応じて皆声を上げ、直にやってくるトロルの集団の討伐の為に気合を入れるのである。

●茶屋を守りながら迎撃を
 幸い、まだトロルの姿は近辺にはない。
 再度近づいてくる前に、メンバー達は対策を練る。
 『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)はここまで運んできた樽や馬車自体を茶屋に置いて陣地構築を行い、流れ弾から防ごうとする。
 ジェイクの手伝いにと、バリケード造りにティア、陣地の設営にと波打つ金髪を揺らす『特異運命座標』ポワニャール・リューシュ(p3p004625)が当たっていた。
 とはいえ、完全なものを作るほどに猶予はなく。それらは中途半端な形で放置されることとなる。
 ズシン、ズシンと足音を立て、うろうろとしながら歩く下腹の出た巨大な人影がこちらに向かって歩いてきたのだ。
「これが、トロルねえ」
 小柄な赤髪ポニーテールの少女、『斜陽』ルチア・アフラニア(p3p006865)は取り急ぎ、保護結界を展開しながら、相手の姿を見やる。
 頭髪はなく、半裸に汚らしいボロを纏った姿。棍棒を担いだそいつらは、獲物を求めて周囲を見回している。
「いやぁん、妖精っていう可愛い響きに謝ってほしい見た目だわ」
 スタイル抜群の黒豹の獣種、『宵歩』リノ・ガルシア(p3p000675)は美醜に偏見はないと考えてはいるが、それにしても限度があると相手の姿に辟易とする。
「話には聞いていたけれど、私の背よりもあいつらの腰の方が高いなんてね」
 こんな相手が4体も攻めてくるなど、茶屋夫婦もさぞ大変だろうとルチアは慮る。
 敵が近づく前に、作戦を改めて簡潔に告げる。それに、ティアは齟齬がないかと確認していたようだ。
 まず、遠距離組が範囲攻撃を撃ち、突入した近距離組が直接抑え。
 魔法を使うトロルメイジから討伐、可能なら茶屋から引き離すといったところか。
 その間に、アクセルが茶屋に被害が出ないよう、気にかけて位置取りを行う。
「こちらは俺が預かろう」
 茶屋の近辺では夫マクシムが茶屋の守り、そして先ほどまでメンバーが作っていたバリケード造りを引き継いでいた。
 この茶屋は冒険者にとって憩いの場であり、情報交換できる大事な場だとジェイクは締めに告げて。
「トロルに恨みはねえが、始末させてもらうぜ」
 丁度、敵のうち1体がこちらへと気づき、ゆっくりと近づいてきていた。
 図体は大きいトロルは動きがやや鈍い為、イレギュラーズ達も十分に態勢を整えられる。
「早くお仕事終わらせて、休憩時間としましょ」
 リノが軽い口調で呼びかけると、メンバー達は所定の位置へとつき、頷く。
「ゴリアテを倒したダビデ王のようにはいかないでしょうけれど……」
 ルチアが言うゴリアテは、とある書物における巨人兵士のことだ。
 ダビデという羊飼いの少年は杖と投石器だけで戦いを挑み、この巨人に勝利したという。
「やるだけはやってやるわ」
 小柄なルチアは自身をこの少年に例え、巨人……トロルとの戦いに臨むのである。

●暴れ者の妖精達
 赤く目を光らせ、本能のままに破壊を行うトロルの集団。
「よし、行くぜ!」
 そいつらが射程に入るやいなや、メンバー達はジェイクの指示に合わせて一斉にスキルを放ち始めた。
 それまで、力を集中していたジェイクが腕を振り上げると、どこからともなくトロル達の頭上から砲弾を降り注ぎ、火力で敵陣を圧倒しようとする。
「アウステルの吐息よ、吹き荒れよ!」
 ルチアが呼び出して操るのは、とある世界におけるローマ神話、南風の神アウステルの吐息を思わせる風。
 シロッコと呼ばれ、湿気を帯びた赤砂交じりの熱風がトロル達の体を強く苛む。
 続き、ティアが茶屋から少し移動しつつ近づき、別の角度から攻撃を行う。
 自らの心の底に渦巻く悪意を殺傷の霧に変えた彼女は、トロルの全身を傷つけていく。
 アクセルも援護の為、全身の力を魔力に変換する。
 丁度、前後ろに重なるトロル2体目掛け、彼は高めた魔力を破滅的威力で撃ち抜いていった。
「せめて、再生分は削れるといいけど」
 そうアクセルが考えるのは、トロルが再生能力を持っているからだ。
 多少の攻撃では、すぐ傷は塞がってしまう。
 だからこそ、集中して個別に叩いて撃破していきたいところ。
 仲間達が遠距離攻撃を飛ばす間に、近接攻撃、抑えに当たるメンバーが近づいていく。こちらも茶屋を背にはせず、少しだけ斜めから接敵する。
「おいでなさいな、楽しく遊びましょ?」
 リノが挑発するように呼びかけると、トロルどもは石を投げつけ、あるいは魔力弾を飛ばしてくる。
 その力はバカにはできない。投擲された一撃はその身を貫通する程の威力がある。
「図体も態度も大きい迷惑なお客さんはノーサンキュー!」
 茨の鎧で自らを包みポワニャールはそれらの攻撃に耐えながら敵へと接近していき、先程魔力弾を飛ばした敵を見定めて。
「森へお帰り。……トロルって、森在住だっけ?」
 物語によってはそういう設定づけがされたものもいるようだが、目の前の個体がそうなのかは残念ながら分からない。
 それはそれとして。
 ポワニャールは相手の反応は遅いことを見て、自律戦闘アーティファクト『マグダラの罪十字』を操り、相手の体に毒撃を与えてその巨体を蝕む。
 やがて、互いの距離が近づき、前衛陣が接敵していく。
 両手にナイフ『Ereshkigal』と『Ishtar』を手にし、リノは相手の侵攻を止めるべく牽制攻撃を繰り出す。
 美弥妃もまた相手へと近づき、手にする人造妖刀『神無』に疑似神性を下ろして。
「纏めていきマスぅ」
 刃を大きく薙ぎ払い、全ての敵を捉えて敵の体を切り裂いていく。
「私は幻想種ですが、この剣は伊達ではありませんよ」
 フィリアはオーラに包まれた『ユグドラルの樹剣』で上手く敵の攻撃を防ぎながら、仲間と共にメイジへと攻撃を集中させた。
 相手は遠距離攻撃を一度全員で行った後、一斉に前に出て殴りにかかってきている。
 この為、自由なる攻勢に出るフィリアは、剣を持たぬ別の手のひらから気功爆弾を発し、メイジの体を爆撃していく。
 大きく仰け反るトロルメイジだが、やはり見た目と自己回復があるだけにタフな敵。
 すぐにその身を起こしたそのトロルメイジはイレギュラーズ目掛け、その怪力を遺憾なく発揮して襲い来るのである。

●タフだからこそ、個別に確実に
 トロルどもは怪力を持ち、さらに異常なまでのタフさを持つ難敵ではある。
 しかしながら、イレギュラーズ達も序盤に範囲攻撃でその体を傷つけた後は個別に、特に魔法を使うメイジから集中して撃破を目指す。
 前線の抑えは、リノ、美弥妃、ポワニャール、フィリアの4人。
「茶屋を破壊されたら困るよ」
 ポワニャールはトロル通常種1体の全身を阻み、鮮やかな火花を迸らせてその体力を削ろうとする。
 フィリアも別の通常種に目を光らせ、その侵攻を止めつつトロルメイジを狙って光柱を放つ。
 下手に分散した攻撃は無駄に体力気力を消耗させるだけだ。
 だからこそ、仲間が攻撃を集中させる敵の背後へと回り込んだリノもナイフで斬りかかっていく。
 その直後すぐに、彼女は敵の殴打を軽やかに空中で回避した。
「薙ぎマスよぉ!」
 リノの動きは、美弥妃の攻撃を予見したからでもある。
 妖刀を真横に一閃させた美弥妃はトロルを纏めて薙ぎ払い、できる限り傷を深めていく。
 前衛陣の支援として、メインの回復役にティアが立ち回る。
 率先して攻め、庇いに動くメンバーが多いこともあり、彼女は短い詠唱を繰り返して仲間の回復に当たり続けていた。
 その横からアクセル、後ろからジェイク、ルチアが後方から全力で攻撃を行う。
 ルチアが再度、赤砂混じりの熱風を巻き起こし、メイジ2体を巻き込んで追い込む。
 その片方の全身はひどく傷ついているが、自己回復するがゆえに死ぬにも死ねずにいる。
「休ませないぜ!」
 ジェイクがそいつへと回転式大型拳銃『狼牙』の大口径を差し向け、魔性の弾丸を撃ち込んでその動きを止めていく。
「集中攻撃!」
 距離を維持し、アクセルは遠距離術式を撃ち込んでいった。
 アクセルのその一撃によって喉元を撃ち抜かれ、トロルメイジの巨体は地響きを立てて崩れ落ちてしまった。
 その間、茶屋から離れるよう動きながら、敵の攻撃を抑え続けていたポワニャール。
 1体が倒れたことで、彼女は別のトロルメイジに毒の一撃を与えて攻撃していたのだが……。
 それもあって、ポワニャールはトロル達の的となってしまい、連続して殴打、魔力弾を浴びてしまう。
 最大限に防御を高めてはいた彼女だったが、相手の怪力はそれを上回っていたということだろう。
 ルチアや美弥妃が回復をしてフォローに回ろうとしたが、一足遅く。ポワニャールは頭を殴られて意識を失い、草原の上に崩れ落ちてしまった。
 これ以上、被害を大きくするわけにはいかない。
 ティアはライトヒールでの回復を仲間達へと重ね、近場のアクセルには賦活術を施すこともあったようだ。
 仲間と足並みを合わせ、攻撃を続けるフィリア。
 相手が接近してきているなら、気功爆弾を生み出して。
「これで、いかがです?」
 それをフィリアが投げつけると同時に火花が飛び散り、口から煙を吐いてトロルメイジは後方へと倒れていった。

 後は、魔法の使えぬ通常種2体。
 己の力に任せて殴りかかってくるトロルの注意は、確実にイレギュラーズ達に集まっている。
「単純な奴らだぜ」
 ジェイクにとって、それは思い通りに動いているということ。
 とはいえ、有り余るトロルの怪力が前衛陣の体力を大きく削っている。
 手早く1体を仕留めるべく、ジェイクは『狼牙』の銃口から光柱を発射していく。
 アクセルも続いて、術式を組み立てて飛ばす。
 相手が単純な力を使うのであれば、魔術に秀でたアクセルも魔力を破壊力として行使するのみ。
 敵の殴打に備え、身構えるルチアは仲間達の攻撃の切れ目を見計らい、オーラの縄をなって相手の体を縛り付ける。
「私だって、これくらいなら……」
 ルチアの縄は敵の首元を強く縛り付けていく。
 しばらく全力で抵抗していたトロルだったが、呼吸を奪われたそいつは泡を吹き、膝を折って崩れ落ちていった。
 残る1体は仲間を失ってなお、棍棒を振り回す。
 この状況にあっても、そのトロルは力押しでどうにかする気なのだろう。
 そいつから十分に距離を取ったアクセルは、術式での攻撃を続ける。
 皆の気力もそろそろ厳しくなる頃だ。
「このままやっつけましょー」
 妖刀に魔力を纏わせ、美弥妃はトロルの腰から腹を大きく切り裂く。
 その際も、美弥妃は茶屋を背にはせず、攻撃を続ける。
 何せ、小石を投げ飛ばすだけで貫通する威力があるのだ。茶屋に飛ばされたらなど考えたくもない。
 そこに、押し切れると判断したリノが飛び掛かる。
 あれだけのダメージを受けてなお、その傷口は修復しようとしていたのだ。
 勢いで敵を押し倒したリノはその傷口目掛け、両手のナイフを振り上げる。
「そんな簡単に治っちゃやァよ、つまらないじゃない」
 彼女は2本の刃を傷口へと突き立て、深く抉っていく。
 いかに回復力が高かろうが、その生命活動を止めてしまえば、回復もしなくなる。
 そいつの傷口の修復が完全に止まったのを確認し、リノは刃の血を拭って鞘へと収めた。
「お疲れ様。可愛くない敵だったわねぇ」
 振り返ったリノは仲間達に労いの言葉をかけ、倒した敵に対して本音を漏らしていたのだった。

●ほっこりとティータイム
 トロルを全て倒し、ティアは茶屋の状況を確認する。
 事前にルチアが展開した保護結界と、ジェイク主導で作ったバリケードもあり、ほとんど建物にダメージはなかったようだ。
 さらに、ティアは仲間達へと治癒魔術を施し、傷を癒していると、茶屋の老夫婦がこちらへとやってきた。
「終わったようだな。トロルの討伐、感謝だ」
「疲れたろう。何か食べるかい?」
 素っ気なくもマクシムがイレギュラーズ達へと礼を口にすると、後ろからオクサーヌが茶と軽食を振る舞ってくれると告げる。
「私、紅茶とサンドイッチが食べたいです」
 フィリアは楽しみにしていたようで、そんな要望を出していた。
「紅茶とサンドイッチを注文しようかな?」
『食べ過ぎん様にな』
 ティアが自らの裡にいる神にやんわりと諫められながらオーダーすると、目を覚ましたポワニャールもまたその厚意に甘えて。
「甘いもの、甘いものがいいな」
「それじゃ、クリームたっぷりのフルーツサンドにしましょうね」
 すると、オクサーヌは笑顔で告げ、準備の為にと茶屋へと戻っていった。

 程なくして、バリケードを解体したメンバー達は茶屋の中へと入り、オクサーヌの振る舞う飲み物と軽食を口にする。
「うふふ、終わった後の美味しい休憩って素敵ねェ」
 リノはホットサンドを所望し、早速一口。
 とろりと溶けるチーズが滑らかな味を出し、実に美味しい。
 そばでは、アクセルもオーダーしたものを口にし、ほっこりとしていたようだ。
「是非、武勇譚を聞きたいぜ」
 ジェイクはハンバーガー片手にコーヒーを飲みつつ、マクシムから話を聞く。
「なら、猛獣の群れを討伐した話などはどうだ」
 紅茶を口に含んだ老父が語るのは、一挙に茶屋へと腹をすかせた猛獣達が押し寄せてきた事件だ。
「おおっ、其れっぽいぜ!」
 幸い、鉄帝の猛者が詰めていて迎撃に当たっていたが、その際はマクシムも前線に立ち、己の拳でそれらを薙ぎ倒していったのだという。
 一方、春の陽気を浴びながら、サンドイッチをかじるルチア。
「そうさね。あの人の武勇伝とか……。ここを訪れたたくさんの冒険者さんの話なんてどうかしらね」
 コーヒーを飲む彼女は、オクサーナが語る思い出話を楽しげに耳にしていた。
「労働後の一杯は格別デスねぇ♪」
 美弥妃もせっかくデスからとサンドイッチを頬張り、紅茶を口にしてのーんびりと過ごす。
(こういう老後もいいデスねぇ)
 仲間と共に楽しげに語る老夫婦の姿が、美弥妃にはとても幸せそうに思えたのだった。

成否

成功

MVP

ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは戦略、茶屋の守りと色々考えていただいた貴方へ。
 今回は参加していただき、ありがとうございました!

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