PandoraPartyProject

シナリオ詳細

鉱山と魔物の巣

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 幻想にある鉱山の一つ。
 ここでは少ないながらも良質な魔石が採取でき、豊かでない村の貴重な収入源となった。
 乏しい明かりの中、鉱夫はつるはしを振るい、砕いた石を運び出す。
 こうして掘り出された石を鑑定して、魔石や鉄鉱石、クズ石と選り分けられるのだ。
 だがいつもと違う手応えに、鉱夫はその手を止めた。
「んん? なんだ、こりゃぁ?」
 空いた穴に何度か振るって確かめてみると、それは大きな空洞だった。
 壁に吊るされたランプを掲げて、中を照らすと光るものがいくつも見えた。
 ここの鉱夫であればよく知っている、魔石の輝き。
 それがただの魔石であればよかったが……それは『もぞり』と動く。
「なっ、まっ、ままま、魔物だぁああ!!」
 鉱夫は魔物の巣を掘り当ててしまった。
 魔石を背に生やすモグラのような生き物から、慌てて逃げ出した。


「鉱山に魔物が出たのです!」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が集まったイレギュラーズに告げる。
「魔物の名は、鉱石モグラ。石を食べる生き物なのですよ」
 暗い地面の中で暮らし、食べた鉱石を背中に生やす。
 人を襲う事は少ない生き物だが、その鉱山では魔力を宿した石が採れる。
 魔石を食べたせいか狂暴化してしまい、更には属性魔法のようなものも使う。
 使える属性は背負った魔石の色により一種だが、中々厄介だ。
 しかしそれは本来鉱石モグラに扱えるものではないため、使用できる回数は少ない。
「それと薄暗くて狭い坑道で戦う事になるので、注意が必要なのです」
 通路での戦闘の関係上、乱戦となる。
 土であれば自在に掘り進められる鉱石モグラは、背後から奇襲も考えられる。
 魔物の巣ならば広さはあるが、その分囲まれる危険は高い。
 幸い鉱山の中は頑丈であるため、余程のことが無い限りは落盤事故は起きないだろう。
「鉱石モグラを仕留めれば、凝縮された鉱石が採れて鉱夫さんに喜ばれるのです。よろしくお願いするのですよ!」
 ユリーカは笑顔を浮かべて、イレギュラーズ達を送り出した。

GMコメント

 白黒茶猫と申します。
 鉱山内だと生き埋めが怖いですが、壊そうと思っても壊せないので安心してください。

●成功目標
 敵の全滅。

●敵情報
・鉱石モグラ
 そこそこのHPと低いAP。
 一体一体は打たれ弱い分、数はかなり多い。
 『引っ掻く』至、単体。
 『穴を掘る』一旦地面に逃げ、不意打ちを行う特殊技。土の地面限定。

・以下背負った魔石限定
 『赤の魔石』近、単体、【火炎】。
 『緑の魔石』中、単体、【出血】。
 『青の魔石』近、単体、【凍結】。
 『橙の魔石』近、範囲、【泥沼】【無】。
 『紫の魔石』至、単体、【呪殺】。

 使える魔法は一種類のみで、色は背中の魔石と対応しています。
 数は上から順番に多く、紫は数匹程度です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • 鉱山と魔物の巣完了
  • GM名白黒茶猫
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年03月03日 22時15分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
琴葉・結(p3p001166)
魔剣使い
河津 下呂左衛門(p3p001569)
武者ガエル
セシリア・アーデット(p3p002242)
治癒士
六車・焔珠(p3p002320)
祈祷鬼姫
岩倉・鈴音(p3p006119)
劫掠のバアル・ペオル
カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)
帰ってきたベテラン

リプレイ

●索敵
「鉱山に魔物か……うん、それは大変だね、微力だけど退治のお手伝いをするね!」
 『治癒士』セシリア・アーデット(p3p002242)は村人の生活を思う。
 魔物が出現している間は仕事を休むしかない。
 退治できなければ、最悪鉱山の閉鎖もありうるだろう。
「魔法が使えるモグラって不思議だよね」
『鉱石の特性と言えばそれまでだが厄介ではあるな』
 『穢翼の回復術師』ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)も鉱石モグラに感心していた。
 魔石に宿った力とはいえ、それを引き出して魔法を扱う能力はやはり尋常の生物ではないだろう。
「おろ、ティアさんも一緒何だね! お久しぶり~!」
 セシリアは見知った顔、ティアにを見つけ、朗らかに笑みを交わす。
 互いに良い所を意を決する。
「鉱石を食べる生き物もいるのね。世界って広い」
 鉱石モグラの話を聞いた『ロマンチック・ブーザー』カナデ・ノイエステラ・キサラギ(p3p006915)は驚いていた。
 人の営みに悪影響をもたらす害獣はどこにもいるが、石を食べる物は特殊だ。
「魔石を食べたモグラ退治か。それにしても石を食べるモグラなんて珍しい生物がいたものね」
「うむ。地面の中ゆえにモグラは珍しくないとはいえ、鉱石を食べるとは面妖な」
 それは同じウォーカーである『魔剣使い』琴葉・結(p3p001166)や『武者ガエル』河津 下呂左衛門(p3p001569)も同じく。
 無辜なる混沌に住まう生物としては際立って特異なものではないものの、生物としては物珍しい。
 如何なる進化を遂げたのだろうか、興味は尽きなかった。
「魔石に興味あるしさ、汚れるのは嫌なんだけどちょっとモグラ叩きしようか」
 『放課後のヴェルフェゴール』岩倉・鈴音(p3p006119)は鉱石モグラの魔石を思う。
 死骸から採れる素材回収も依頼の内だ。
「普段は大人しいのなら……モグラ達も苦しいのかしらね」
 『祈祷鬼姫』六車・焔珠(p3p002320)はその『代価』を思う。
 鉄鉱石やただの石を食べている分には、温厚らしい。
 討伐対象も狂暴化した魔石モグラのみ。
 影響で苦しんでいるのなら、解放してあげたいと願った。

 特異運命座標達が、坑道の壁に掛けられたランタンに火を灯しながら進む。
 魔物が現れてから数日。油が切れている事もない。
 やがて開けた場所に辿り着く。
「この辺りが中間点の集積所ですね」
 先頭を低空飛行していた『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)が坑道の地図を片手に周囲を確認する。
 地図というよりは掘削計画書だが、現在地の把握には十分だ。
 ここは一旦掘り出した目ぼしい鉱石やクズ石を置いていく内部の集積所だ。
 巣はここから掘り進んだ横穴の先にある。
『ふむ。食い散らかした跡があるな』
「本当だ。変に削れてる部分は、モグラが齧った痕なのかな?」
 神様が気付いた鉄鉱石の欠片をティアが拾い上げる。
 集められた鉄鉱石らしきものが当たりに散らばっている。
 人が去った後鉱石が無造作に置かれたこの場所は、格好の餌場だったことだろう。
 石に付いた『歯型』をしげしげと見つめる。
 丸呑みでなく齧ったのだとすれば、石より硬い歯なのだろうか。
「ここまでは遭遇しなかったけど、そろそろ警戒したほうが良いかもね~」
 鈴音は辺りを見回す。
 鉱石モグラにとっての『餌』が大量にあったここに来る可能性は高いと踏んだ。
 それにこの場所ならば坑道よりは戦いやすいだろう。
 奇襲に備えながら狭い場所で遭遇戦より、ここで待ち構えることを選んだ。
 辺りの物音に警戒しながら、壁に掛けられたランタンに油を注ぎ足して火を灯して光量を増やしていく。
「この辺りにはいない……ううん、まだこっちに気付いてないのかな」
 頷きエネミーサーチで索敵網を走らせるセシリアだったが、まだ敵対反応はない。
「後者でござろうな。土の中で動く音が微かに聴こえるでござる」
 下呂左衛門は優れた感覚を研ぎ澄ませる。
 土の中を掘り進み、崩れる音。
 どこから聴こえるかまでは分からないが、確実にいる。
「ん~これ場所と相手が厄介だね、土の中を移動出来るからクリアリングをしても背後からの不意打ちも考えられるよね……」
 セシリアが警戒する通り、地の利は相手にある。
 坑道の中は薄暗いものの、視界確保できないほどではない。
 だがそれはあくまで人の手による管理されている状態での話だ。
 今は乱雑に穴が足元に開いている。
 既にある穴から出てくるのか、あるいは新しい穴を掘り構えていると――。
「っ! こっちに気付いたみたい! 反応が広がって……ダメ、どの方向からくるか分からない!」
 セシリアのサーチが敵対反応を捉える。土の中に多数の反応が多方向から確認できた。
 群れで行動しているが、一か所に固まっているのではないようだ。
「ええ、気構えが出来れば十分よ」
 焔珠が周囲に幽かな鬼火を浮かべて照らす。
 壁や照らせない物陰を中心に極力潜む暗がりを無くす。
「頑丈そうだけど、念の為ね」
 周囲を伺った結の保護結界が展開される。
 堅い木枠で補強された坑道だが、流れ弾が壁に当たって倒壊する心配はないだろう。


 中を飛び天井付近で滞空するヘイゼルが足元を警戒する。
 探るのは灯りに反射するのは魔石の煌めき。
 だが、そのヘイゼルの頭上からはらりと土くれが落ちてくるのを感じる。
「ヘイゼル、上よ!」
 天井を警戒していた結の声を受け、落下しながら放たれた炎の魔法をひらりと躱す。
「前後上上下下右左右左、全周囲警戒……って厄介、ねっ!」
 ビキニンジャに変身したカナデが、着地する前に魔弾を放つ。
 落下中の魔石モグラには回避しようもない。
 空中で態勢を崩した赤モグラが落ちた瞬間に、結の魔剣『ズィーガー』が貫き、断末魔の声を挙げる。
「右の横穴に緑の光が見えたわ」
 同時に下を警戒していたヘイゼルが先んじて見つけ出した。
「そちらは承ったでござる」
 前に出た下呂左衛門に目掛けて、緑の光が煌めいて風の刃が幾重にも放たれる。
 だが闘気を持って武者鎧を作り上げてその身に纏った下呂左衛門を傷つけることは敵わない。
「攻撃の瞬間に居場所がバレバレだね~。マズルフラッシュみたいなものかな?」
 鈴音が攻撃の瞬間に放たれる魔石の光を見て取った。
 これならばどこに潜んでいようと、一度攻撃に出て来たモグラの居場所は判別できる。
「アタシを中心に2時方向緑3、11時に青2。頭の上にも赤5超、モグラ注意報が出ています♪」
 鈴音が明るく天気予報のお姉さんのように、発見した敵を知らせる。
 だがセシリアは察知できる範囲だけでも、それ以上の数を感じ取っていた。
「まだ多く集まって来てるわけじゃないみたいね。姿を見せた敵から仕留めていきましょうか」
 焔珠の操る鬼火がくるくると周囲を周回する。
 照らす位置を変える事により影になる部分が減り、光源が動く事により穴に潜んでいる魔石の煌めきがより目立つ。
「ふふ、お互い皆を支えれるように頑張ろうね」
「セシリア、いくよ?」
「うん! よ~し、いいとこ見せれるように頑張るぞ!」
 囁きの祝福を受けたセシリアとティアの二人は頷き合い、タイミングを合わせて叩き込む。
 ティアが刻んだ呪いが、青モグラにとって致命的な不運を招く。
 ティアの光の魔術によって急所を正確に射抜かれ、倒れ伏した。
 息の合った共同撃破に、二人の間に笑みが零れる。
 その僅かな隙に、二人の足元の土が盛り上がった。
 焔珠が足元へと切りかかり、魔力を帯びた刃が地面ごと、熱したナイフでバターを切り裂くように切断する。

 姿を見せた敵から迎撃していくと、戦闘音と仲間達の悲鳴を聞きつけて更に集まっていく。
『イッヒヒヒ、向こうさんからお出ましだ。こんだけウジャウジャいると叩き放題だな。正にモグラ叩きってか?』
「ここからは優先順でいくよ」
 トドメを刺しに前へ出た結は突出し過ぎないように下がりながらズィーガーを構え直す。
「乱戦に入る前に、魔砲で薙ぎ払っておきたいわね」
「ん~、ならあっち狙うといいかもね?」
 俯瞰する鈴音が指差す。
 そこには色を問わず多数固まっている。
「私が保護結界を展開してるから、遠慮なくやっちゃって焔珠」
 密室空間での貫通魔砲だろうと、壊すつもりで撃たねば保護される。
 その分壁に阻まれればそこまでだが、十分。
 全ての気力、魔力を手に集める。
 目の前の魔石モグラ達は狂暴に鳴くが、焔珠にはどこか苦しんでいるように見えた。
 魔石を喰らい、身に余る力がその身を苛んでいるのだろう。
「食べ物はちゃんと選ばないと駄目って事ね……今、楽にしてあげましょう」
 焔珠の魔砲によって、十数体の魔石モグラが消し飛ぶ。
 破壊力に見合った相応の消耗が焔珠を襲うが、戦果は十二分以上だ。
「私も削り取っていきましょうか。トドメは任せた!」
 焔珠の魔砲の痕を避けるように団子状に固まった魔石モグラ達の集団に、カナデの魔力弾の弾幕が襲う。
「然らば、御免!」
 名乗りを上げて敵を惹きつける下呂左衛門が弱った魔石モグラに一撃を加えてトドメを刺す。

 やがてモグラ達も固まっていると危険だと学習し、穴に身を潜めて警戒したのか姿が見えなくなる。
 だが、逃げたわけではない。
 セシリアのエネミーサーチには依然反応を示している。
「こうなると正にモグラ叩きね……」
 カナデがぼやく。
 穴から顔を出して魔法を放ってくるのか、それとも穴を掘って足元へ来るのか。
 五感を研ぎ澄ませて襲撃を警戒するが、ヘイゼルや下呂左衛門が引き受けている見えてる敵も放置はできない。
「モグラ叩きの要領だよ! 無限に湧いてくる訳じゃない。かくじつにしとめるんだ~」
「エネミーサーチに反応する敵も減ってきてる、押し時だよ!」
 数こそ多い物の、単体では色に関わらず普通の生き物に毛が生えた程度のタフネスしか持たない。
 全力で攻撃できる今は、当たり所が良ければ1撃で仕留める事も可能だ。
「息が切れてからが勝負ですね。冷気を操るものはこれで最後です」
 低空で滞空するヘイゼルは多数の敵を引き受けながら、ひらりひらりと躱していく。
 冷気が掠めるが、その身を凍えさせることはできない。
 魔石モグラから放たれる魔法の精度は低い。本来持たざる後天的な能力故だろう。
「よし、青モグラはこれで打ち止めかな」
『頭出してる奴とは限らないぜ。なんせモグラ叩きだからな』
 青モグラの死骸から魔剣ズィーガーを引き抜き、忠告を頭に留めながら次の狙いを定める。

 その時、地面が泥沼と化した。魔法の影響だろう。
 背中をカバーし合う為に固まっている為に、纏めて影響を受けてしまった。
「くっ、脚が……!」
「大丈夫大丈夫、橙の魔法にダメージは無いし、移動も考えなくていいよ~」
 だが脚を取られて身動きが取りづらくなるものの、防御陣形を取るイレギュラーズには影響はない。
 ぬかるんだ足元から、紫モグラが襲い掛かる。
 紫モグラから放たれた魔光と、堅い土も容易く掘り進む鋭い鉤爪が迫る。
「拙者が引き受けるでござる。此度は些か気分が良い」
 だが下呂左衛門が名刀『雫丸』で流して堅牢な鋼の鎧で弾く。
 カエルのディープシーである下呂左衛門にとって地下特有の湿気は中々心地良く、気分も高揚していた。
 橙モグラの泥沼に抵抗した下呂左衛門には呪殺も無意味。
「けど流石にこっちも手傷が増えて来たね。私が状態異常を治すよ」
「なら私は傷だね!」
「セシリアも一緒だし、私も頑張らないとね」
 セシリアとティアは、攻撃だけではなく回復も息ぴったりだ。
 一か所に固まっている分、ティアの範囲回復もしやすい。
 味方の受けた出血や火炎を癒しながら、セシリアが状態異常で負ったダメージを癒す。
 鈴音の超分析も相まって、運悪く異常を受けた者も即座に打開する。
 徐々に蓄積する小さな傷はティアが担当する分、大きな傷はセシリアが即座に癒した。
「だいぶ数が減ってきたみたい……けどここからが本番だね!」
「囲まれないよう陣形を崩さず、一体一体確実に退治していきましょ」
 姿を見せなくなった魔石モグラに、索敵に意識を集中する。
 ここは相手の巣の中、逆に言えば相手にここ以上の逃げ場はない。
 取りこぼしないよう全滅するべく、陣形を固めながら順調に掃討していった。


 反応がなくなったところで、イレギュラーズは一息つく。
 数が減って来てからの不意討ち警戒は、神経を思った以上にすり減らした。
 だがセシリアやティアの治療の甲斐もあって、深手を負った者はいない。
「モグラたちの墓……は作れないでしょうから……」
 やや輝きが減っているものの、死骸から採れる魔石は回収目的の一つ、貴重な資源だ。
「どうか安らかに。今度またモグラになっても、変な石は食べては駄目よ」 
 焔珠は集められた亡骸に静かに祈りを捧げる。
 戦い終わったイレギュラーズは掃討した事を確認すべく、魔物の巣の奥まで確認しに行った。
「疲れていても、未踏の場所を廻るのは楽しいですよね?」
 ヘイゼルは戦闘後の心地良い疲労感を感じながら、巣の中を見て回る。
 空間を再利用したものなのか、人が入れる程度の高さとスペースがある。
 そこでヘイゼルはキラキラと輝く小さな魔石を見つけ出す。
 魔石モグラの死骸の魔石は魔力が消費されたらしく、僅かな光しか持っていなかった。
 だがこれは蓄積された魔力が残されている、というよりも純度が高くなっていた。
 素人目に見ても値打ち物と言えるだろう。
「これも回収しておいたほうがいいでしょうね」
 死骸も併せて証拠として鉱山から回収して持ち帰った。

「いやぁ、助かったよ。あまり長く放置していると鉱山の中食い荒らされちまうからな」
 鉱山を管理している男が、達成報告しに来た特異運命座標を歓迎する。
「モグラの全滅を確認したわ。死骸はまだ沢山中に残ってるけど、集積所に置いておいたわ」
『イッヒヒ、ついでに奴らの血で大分凄惨なことになってるぞ』
「ああ、構わない、回収や掃除はこっちのほうでしておくから、ゆっくりしてくれ」
 結の報告に、満足そうに笑みを浮かべる。
 魔物の危険さえ取り除かれば、あとは鉱夫の仕事だ。
「拙者達が身にまとう武器や防具も、金属が無ければ作る事が叶わぬ。普段から世話になっている恩返しができれば良いが」
「ああ、勿論だ。流石はローレットだ!」
 安堵した男の顔に、下呂左衛門は笑みを零す。
 どんな戦士も、命を預けられる武器や防具が無ければ困る。
 戦士が持つ武器は鍛冶師が作り、鍛冶師が使う鉱石は採掘師が採るもの。

 男は魔石モグラの死骸の何体かを受け取った背中の魔石を検分する。
「うぅむ、やっぱりか……」
「どうかしたの~? 何か問題あった?」
「いや、君達の仕事には何も問題ない。鉱石モグラに食べられれば、質が落ちてしまうんだ」
 土の中で眠っていた魔石の魔力が使われた以上、手付かずの魔石よりは価値が下がる。
「こんなのも拾いましたが、是はいかがでしょう?」
 ヘイゼルは強く輝く小さな魔石を渡す。
「おおっ、精錬された魔石か! 何とか損失分も取り返せそうだ!」
 鉱石モグラが捕食した鉱石は、体内で精錬されることがあるらしい。
 純度が高まった魔石ならば、より価値は高まるだろう。
 男の機嫌が良くなったところで、カナデはお願いしてみる。
「もしよかったら、魔石の欠片でも貰えないかなー。綺麗だし、女の子としては欲しい!」
 魔法が使えなくとも、魔石モグラの背の魔石は仄かに輝いている。
 宝石のような輝きは、年頃の女性にとっては心惹かれる物がある。
「うぅむ、すまない……美人の頼み事なら二つ返事で聞きたいところだが、これも俺達の大事な飯のタネだからな」
 だが男は渋い顔を浮かべる。
 ローレットへの依頼料も村にとっては決して少なくない出費だ。
 大量の魔石モグラから魔石が採れたとはいえ、鉱山の埋蔵量――即ち寿命自体はかなり縮まっていることを意味する。
 価値のある魔石を渡すのは追加報酬になってしまい、なかなか難しいだろう。
「売り物にならない程度の物だと、この辺りの端材かな。村の土産物屋に安値で卸すぐらいだからな」
 そう言って薄く透き通った小石を見せる。
 魔石という謳い文句だが、本職の魔法使いにとっては何の力もなく、金銭的価値は無いだろう。
「ううん、十分よ。ありがとう!」
「はは、よかった」
 喜ぶカナデに、男も安堵の顔を浮かべる。
 懐の広さを見せる余裕はないが、できるだけ叶えたいのは本心だろう。
「いいなぁ! 私も記念に欲しい! 色はね、青色がいいな!」
 セシリアも声を挙げてお土産を希望する。
 光に透かすと青く透き通った魔石は、大切な親友を連想させ――。
「わっ!? ティアさんったら、びっくりした~!」
「セシリアはユウをイメージしてるのかな?」
「えへへ~」
 ティアはセシリアに後ろから抱き付きながら問いかける。
 内心を当てられたセシリアは、照れたように笑みで返す。
 女の子同士の戯れに、和やかな雰囲気と無事乗り越えた達成感に満ちた。
 魔物の存在は、そこに暮らす者にとって死活問題だ。
 だが特異運命座標に退治されたことによって、彼ら自身の力で乗り切れる事だろう。
 この世界の小さな日常を守ったのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 皆様、モグラ叩きお疲れ様です。
 イレギュラーズの活躍によって、小さな村の日常が守られました。
 アイテムとしての配布はありませんが、フレーバーとして持ち帰ることはできます。
 ご参加ありがとうございました。

PAGETOPPAGEBOTTOM