PandoraPartyProject

シナリオ詳細

レッツ・エンジョイ・プレイ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

⚫たのしくなかよくあそびましょう
「ゲームをしましょう」
 そういった初老の男性は、はしゃぎ回る子供達へ向けて声を作る。
「とっても楽しいゲームです」
 とても、楽しい、ゲーム。
 その単語は幼い興味を引くに十分な魅力に満ちている。
 だから男性の元に我先にと駆け寄ってくる子供達の表情は、期待に溢れた笑顔だった。
「ねーねー、どんなおあそびするのー?」
 そんな無邪気な問いに答えたのは、男性の隣に控えた若い男で、
「ふふっ、それはね、無邪気で無垢で元気一杯の君達にぴったりでそれでいて一日で体力を根こそぎ奪い取るような激烈胸熱御遊戯だよ……!」
 どことなく鬱陶しい口調の貴族だった。
 ぽかーん、とした子供達の顔を一度見回すと、頷きを一つ入れて言葉を続ける。
「いいかい?」
 人差し指を立て、注目を集めた彼は再度、いいかな?と言い直し、
「ゲームの最中は、君たちは鬼だ。鬼は、逃げる標的を捕まえなければいけない。だって鬼だからね!けれど、鬼だからと言って、なんでもしていいわけじゃあない。だってこれはゲームなのだから、ルールがある。それをキチンと守って、みんなで協力して強力な標的をGETだ!」
 わあぁぁ!
 そんな歓声が子供達から上がる。
「……あの、その説明、よくわからないのですが……」
 ただ、男性だけが困った顔で、そこにいた。

⚫そんな事情で
「ゲームなのです!」
 そう宣言した『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は笑顔だった。
「これはですね、近くの児童施設からのご依頼なのですが……」
 と、そう前置きしたユリーカは、側に控えた青年へ視線を移す。
「やあ、やあ。麗しいローレット労働員諸君。私だよ!」
 なんだか妙なテンションのどこかで見たような貴族の青年が、その児童施設からの代表だと言う。
「では説明に移ろう。ユリーカ嬢、よろしく頼むよ?」
 丸投げなのです!?と驚くユリーカに高笑いを決めた青年は、鬱陶しいポージングで静観の姿勢を取った。
「こほんっ」
 では、と前置きして、ユリーカは説明を始める。
「今回みなさんにお願いしたいのは、児童との鬼ごっこなのです。子供達が鬼役、みなさんが逃げる役なのですが、少しルールが違うのです」
 通常の鬼ごっこと違い、捕まればその時点で脱落になるのだと言う。
 そして、逃げる役は鬼に捕まらないように、ゴールを目指してほしい、とのことだ。
「スタート地点はここ、ローレットからの出発で、ゴールは街の入り口。みなさんにはそこを目指して、二つのルートのどちらかを選んで進んでほしいのです」
 あまり自由に動きすぎると、子供が迷子になる等の恐れがある。そのための配慮として、限定された道をあらかじめ決めたということだ。
「一つは、ここから真っ直ぐ繁華街を抜けるコースなのです。一本道ですが、待ち伏せや不意打ち、人混みのため予期せぬ足止めをもらう可能性があるのです。
 もう一つは、曲がり角の多いコンテナ等が置いてある路地裏ですね。人気が無いので待ち伏せなどされても丸見えなのですが、コンテナを乗り越えなきゃだったり、道が長くなっていて、大変かもなのです」
 距離はおおよそ、短くて3km、長くて6km。
 もちろん、全員が一つのルートを通らなければならないわけではない。手分けして二つのルート、それぞれに別れてほしいと補足して、ユリーカは言葉を切った。
「聡明な諸君ならば勿論察してくれているだろうが、これはゲームだ、お遊びだよ?そこに戦いだったり争いは起きるはずもないし、相手は子供。まさかまさか大人げないような力の使い方は、しないよね、しないだろう?しないだろうともさ!」
 要はスキルを使って圧勝するのは控えたら?と言うことらしい。
「いやでも子供に現実を知らしめるのも必要な教育かもしれない、うん、かも!しれない。ので、圧倒的力の差を見せつけ大人げなく、やーいやーいここまでおいでお尻ぺんぺーん!しても、よいよ?」
 私ならそうするね!と豪語した青年は置いておいて、それもありということで。
「子供達は色んな種族の子が30人ほどいるのです。なので、中には種族スキルを活用してくることも、予測されるのです。といってもやっぱり子供なので、皆さんとの差は大きいと思いますよ!」
「戦いばかりで君たちもそろそろ別の癒しがほしいだろう、そうだろう、わかるとも。けれどもこれも仕事、子ども達が、うわーやったーたーのしーなーきゃーお兄ちゃんサイコー将来お嫁さんにしてー!と言って来てくれるよう、尽力してくれたまへ。私はロリコンではない。一応ね?」

GMコメント

『マスターコメント』
 ユズキです。
 もう戦闘とか、いいでしょう。

●依頼達成条件
・子供を楽しませる。(勝敗は関係ないです)

●情報確度
 Aです。つまり想定外の事態(オープニングとこの補足情報に記されていない事)は絶対に起きません。

●目標敵
 30人の様々な種族の子供達。8才から12才まで。
 とても元気。

●ポイント
 子供は今回、遊んでくれる限りはどんな事をされても「うわー!」「きゃー!」「たーのーしー!」「ずるーい僕も私もやるー!」等かなり友好的です。かわいいですよね子供。
 なので大人げないことをしても、子供と同じ条件でしても、ハンデをつけても、それは全て最高の条件です。
 ただし、子供を否定したりすると泣いちゃいます。悲しいものね、子供。
 二つのルート説明は大雑把です。
 「こういうのあるかな?」「こんなものあるかな?」というのは、大体「無いものは無い」、と思ってください。二つの意味で。自由です。
 戦闘スキルは演出等に用いるのは可です。
 
 最後に。
 ごめんなさいシリアスの欠片も用意しておりません。キャラ崩壊するくらいのギャグ空間ではありませんのでそこはご安心ください。
 よろしくお願いいたします。

  • レッツ・エンジョイ・プレイ完了
  • GM名ユズキ
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年02月18日 20時45分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

レオン・カルラ(p3p000250)
名無しの人形師と
エマ(p3p000257)
こそどろ
ロルフィソール・ゾンネモント(p3p000584)
金環蝕の葬儀屋
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
マリア(p3p001199)
悪辣なる癒し手
ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)
光の槍
Q.U.U.A.(p3p001425)
ちょう人きゅーあちゃん
コルザ・テルマレス(p3p004008)
湯道楽

リプレイ

⚫さぁ、ゲームをはじめよう
「準備の方は、よろしいですかな?」
 少ししゃがれた男性の声は、ローレット前に集まったイレギュラーズ達に向けられたものだ。
 八人のメンバーはそれぞれ、自分が進むと決めた道の方へ身体を向けていて、男の声にバラバラに頷いた。
 鬼役の子供達はすでに散り散りに動いて、道中で彼らを待っている。
 子供ながらの作戦や行動は微笑ましくもあるが、予想できない分恐ろしくもあった。
「ではもう少ししたら開始の合図としますぞ、今日はよろしくお願いいたします」
 と、一礼をして男性は席を外す。と、それまで静かだった八人の中から声がした。
「えひっ」
 まるでひきつったかの様に起こる声は、『こそどろ』エマ(p3p000257)の笑う音だった。
 鬼ごっこー? と笑って言う彼女は、
「こんなことでお金もらえるってんだから楽な話ですよ! えひゃひゃ!」
 とおよそ子供に見せられなさそうに本音を語る。
 そんな様子を、『人形使われ』レオン・カルラ(p3p000250)が、首だけを微かに傾けながら見ていた。
 鬼ごっこをしたことがない。そう思いながら、捕まっちゃダメなんだよね。とルールを確認する。
 御友達たくさん作れたらいいなぁ。
 エマから視線を外してスタート地点にスタンバイしながら、そんな事を考えるのだった。
「長くて6kmって、結構あるわよね」
 レオン・カルラと同じ方向を向きながら、『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)はぼそりと言う。
 ギフトで呼び出した大きな風船の様なものを抱えながら、ふむ、と一息。
「ゴールすれば勝ち、といっても、真剣にやったとしてとも、30人からは逃げ切れる気がしないわね」
 勝ちに拘ってはいないけれど。
 そう思い、逃走の算段を考える。
「お待たせしました。子供達も準備万端のようですぞ!」
 そして小走りにやってきた男性が、よろしいですかな? と問いながら片手を上げた。
「ふふ、子供と遊ぶなんて本当にいつぶりでしょうー……」
 繁華街を向いた『悪辣なる癒し手』マリア(p3p001199)は、柔らかく微笑みながら合図を待つ。
 一緒に楽しみたい、けれど、迷子や怪我をしないようにもしっかりと見ておかなければ。
 そんな心配もしつつ。
「皆で楽しむのが一番ですものー」
 と、楽しそうにまた微笑んでいた。

⚫逃走開始
「ではスタート!」
 振り下ろされた腕に、瞬時に反応した三人がいた。
「さ。思いっきり遊ぼとしようか!」
 路地裏へ向かう二人、『人工無能』Q.U.U.A.(p3p001425)と『怪盗狐』ルルリア・ルルフェルーク(p3p001317)を横目にして駆け出すのは、繁華街へ踏み入る『金環蝕の葬儀屋』ロルフィソール・ゾンネモント(p3p000584)だ。
 快活に笑う彼は、金の髪を風に舞わせて全速力だった。
 人通りはまだ少ない道の始まりへ入り、歩いているご婦人を避ける様に身体を右に傾ける。その瞬間、
「おや」
 子供が一人、ご婦人の影から躍りでた。体当たりに近い飛び込みで来る子は、どうだと言わんばかりのどや顔で、「つかまえた!」と確信の叫びを上げる。
 が、
「いいね!」
 ニィ、と笑うロルフィが、横へターンする様に回って容易くそれを回避した。
 そこへ、更に物陰から追加で子供達が左右から来るが、強化魔術で反応を底上げした彼には不意打ちなど効果がない。
 逃げにマジである。
「ロルフィ君は大人げないのだよ」
 そんな『白狐湯狐』コルザ・テルマレス(p3p004008)の言葉には、
「子供の頃の気持ちを忘れていないだけなのだよ」
 と返し、ロルフィは人混みに紛れていく。
 その背を追いながら、コルザは捕獲に失敗した子供達の脇を通り抜ける。
「準備は大丈夫かい?」
 悠々と進み、前に後ろに現れる鬼役を察知して、
「さあ、僕達を捕まえて御覧!」
 一気に走り出した。
「かこめかこめーにがすなー!」
 物騒にも聞こえる言葉で、人混みを駆け回る子供達の動き。
 夢中になって、コルザしか見ていないような動きだ。
「普通の人達には迷惑をかけないように、なのだよ。君たちもされたら、嫌だろう?」
 だから、逃げつつそんな注意を入れておく。
「! みんなゆっくり!ゆっくり!」
「うん、いい子達だ。それじゃあ、はじめよう!」
 素直に頷いて動きが止まる子供達を後ろに、コルザは速度を上げた。
 一方、路地裏のコースでは。
「さー! きゅーあちゃんここだよー!」
 先頭を駆けるのは、Q.U.U.A.だ。
 楽しそうに走る彼女は、周囲にパチパチと電流を弾けさせ、光っている。
「こどもたちおいでー鬼ごっこだ! あそぼあそぼ!」
 いえい!と、弾けた電流が顔より物を言う顔文字となって現れ、目立っている。
 と、ふと、彼女の顔と文字に?が浮かぶ。
「……あれ? きゅーあちゃんできて1年ちょっとだから」
 ……もしかしてこどもたちよりこども!?
 そんな驚愕の事実に驚き、しかし、それだけ同じ目線で遊べる! と思い直して、
「フルパワーで! いくよ!」
 自分の身長より少し高いコンテナへ軽々と上っていった。
「ルルも負けていられませんっ」
 その後ろを走るルルリアは、Q.U.U.A.とは別のコンテナを乗り越えて路地裏を走っていた。
 路地裏は狭い横路は多いが、隠れられそうな所はあまり無く、待ち伏せを予測できる部分は限られている。
 だから、ルルリアは見た。
 道の脇に置いてある箱の影に、子供の姿があるのを、だ。
「ふふ」
 等間隔で置いてある隠れ場所にそれぞれいるのを確認したルルリアは、わざと箱の近くで速度を落とす。
 そうして小さく呼吸を整え、魔力を身体の隅々まで満たしていく。
「さぁ……このルルの動きについてくることができますかっ!」
 機を伺って飛び出してくる子供を、壁方向に向かい跳び越える。
 着地を狙う子供に捕まらないようにと、壁に一度足を着けて方向転換をして地面に降りた。
「ふふーん、です!」
 呆気に取られるような、それでいて「すごい!」と目をキラキラさせる子供達を得意気な顔で置き去りにして、ルルリアは逃走を再開した。

⚫それぞれのやり方
 飛び出したQ.U.U.A.とルルリアから少し遅れてスタートを切った路地裏組は、目立つ二人のおかげで、隠れていた子供達の位置が丸分かりに行動ができた。
 なにやら準備を始めるレオン・カルラを置いて、エマが行く。
「ひひっ、私は真っ向から走りますよー」
 先に行った二人を気にして動きが遅い子供の側を通って走った。
 慌てて追いかけてくる速度を見ながら、エマは着かず離れずの距離を意識する。
 あんまり引き離すと、冷めたり泣いたりするかもですしね……。
「ひひっ」
 そう気遣いながら笑って、コンテナの上に立つ。
「ほらほら、ここまでおいで!」
 少し引き離した子供に向けて、そう手を振りながら、縮まった距離を見て彼女はひょいっと飛び降りる。
「ちくしょー!」
「おえーおえー!」
 素直でムキになる全速力の子供の声を背後に、エマは追い付けそうで追い付けない距離を演出するのだった。
 そんな騒ぎから少し後ろ。
 レジーナ、らしき人影がよっこらとコンテナを上っていた。
 ぐにゃり、ふにゃりと掴み所の無い動きは、どことなく気味が悪く見える。
「うわぁ……?」
 それもそのはずで、レジーナらしきそれは、本体の彼女がギフトで呼び出した風船製の分身だ。
 コンテナから跳び降りる滞空中は風で左右に振れるしで、子供に躊躇を与えていた。
 が、意を決した一人が、えいやっとそれに飛び付く。
「騙されたわね」
 ぱぁんと軽々と弾ける分身体を見ながら、レジーナ本人が離れたコンテナ上から笑う。
「それこそ我が奇策。にんぽー、変わり身の術!」
 驚きに目を見開く子供達は、くす玉の様に風船からばら蒔かれたヒラヒラ紙を見た。
「んぅ……?」
 そして、それだけではないことに気づく。風に舞う紙だけではない、ストン、コロンと落ちるそれは、
「お菓子だー!」
 小さく包装された飴玉が混ざっていた。
 びっくりから喜びに変わる子供を満足そうに見て、迷いながらも惑わされずに来た鬼役にレジーナは、
「こんなこともあろうかと。用意した撹乱兵器の数々を喰らいなさい! ふはははは!」
 高笑いと共に別のお菓子をばら蒔いた。
 飴だけではない、クッキーなども含めたそれを、割れないようにふんわりと渡すように投げる。
 その隙に、コンテナからコンテナへと跳びながら逃走を進めてくのだった。
「あれ……?」
 ふと、一人の子供が、視界の端に動く物を捉える。
 両手にお菓子を握りながら目を向けると、それは道端に置かれていたぬいぐるみだ。
「んー?」
 つられる様に他の子供もそれを認めると、ぬいぐるみがピクリと反応した。
 むくりと起き上がったぬいぐるみは、キョロキョロと首を振り、まるで生きている様に動き出す。
「この隙に、ボクタチは先へ進む」
『ふふっ! さくせん1、成功ね』
 子供の注意を引いていたのは、レオン・カルラがギフトで操作していたのだ。
 当の本人は、物陰に隠れながらこっそりと進む。
 そうして、視認不可能な距離になるまで注意を引いた後、次のさくせん2の仕掛けをするのだった。

⚫そしてゴールへ向かう
「あらー」
 のんびりと声を出したマリアは、手を繋いだ子供と一緒に繁華街を歩いていた。
 スタート地点側で人混みに巻かれていた子を放って置けず、近くにいた子供と合わせて捕まった体で居たのだ。
 視認出来るゴールを目指して、迷子や怪我人が居ないかを見て回る。
 側の子供達は、ローレットの一人を捕まえたのだと、無邪気で幸せそうに笑っていて。
「ふふ、子供は笑っているのが一番ですのー」
 そう呟く顔は、とても嬉しそうだった。
 別世界から訪れるウォーカーは様々な事情があり、マリアとて例外ではない。だから、その表情の奥には、深い想いがあるのだろう。
「ああ、疲れてしまったのですね、おんぶしてあげましょうー」
 そうして彼女は、ゆったりとゴールを目指すのだった。
 そしてマリアとゴールの間付近では、コルザが人混みに紛れて進んでいた。
 ショッピングで集まる人の量はバカにできず、埋まる程とは言わなくても、視界に映らない場所は無い、という位には人通りは多かった。
 だから、逃げきるのは容易いだろう。と、そう思うコルザに影が射す。
「あ」
 陽の光を遮る原因を見上げた彼女は、小さく声を上げた。
 そこには、スカイウェザーの子供が一人、自分を見て飛んでいたのだ。
「そこー!」
「飛んで居場所を知らせるのはずるいのだよ……!?」
 人混みに紛れていたのが災いした。
 四方から来る子供達と、歩いている一般人に挟まれ、限定される逃げ道は潰されてしまったのだ。
 行く先に窮したコルザの取れる道は、一つ。
「見逃してくれた子にはあそこにあるお店のお菓子を買ってあげるのだよ!」
 買収である。
「ふふふ、これが大人のずるさなのだよ……!」
 お菓子と捕獲の名誉。子供達の思考の中はその迷いで乱れ、包囲網に一点の突破口が生まれた。
 だから、コルザはそこへすかさず飛び込んでいく。
「んー……っ!」
 しかし、悩んだ末の答えは、名誉だったらしい。
 包囲を抜けた先で、左右から挟み撃ちされる形で子供が二人抱きついたのだ。
「降参降参、僕の負けなのだよ」
 宣言をしながら、左右の子供を撫でつつコルザは脱落した。
 そうして捕まっていた頃、繁華街ルートの出口。ゴール付近では、ロルフィが道中を振り返っていた。
 全力で逃走をしていた彼に追い縋って来た子供達が、器用に人混みを掻き分けて迫ってきているのが見える。
 彼らの視線は人混みにあっても真っ直ぐにロルフィを見つめ、我先に捕まえようと殺到していく。
「ハンデはうまく作用したようだね!」
 子供達の手にはそれぞれ、色とりどりのビー玉を持っている。それは、自分を見失わないようにとロルフィが道すがらに落としておいたものだ。
 それを満足そうに見つめ、十分に引き付けてからロルフィはゴールに向かい、また全力疾走を再開していく。
 終わりが近づく鬼ごっこの終盤、所変わって路地裏ルートのルルリアは、コンテナの影に身を隠していた。
 息を落ち着かせ、空気の流れや風の音に紛れる様に呼吸を合わせ、気配を自然に紛れ込ませていく。
 視界から逃れたルルリアを見つけるのは、子供には至難の技と言えるだろう。
 だから、彼女を追ってきた鬼は、見失った姿を求めてキョロキョロと探し回っていた。
「もう行っちゃったかなあ……」
 そんな言葉と共に踵を返す背中へ向けて、
「わぁっ!」
「ひゃあ!?」
 大きな声で驚かし、びっくりする子供に満面の笑みを浮かべて、
「勝負とはいついかなる時も気を抜いてはいけないのです!」
 としてやったり顔で、そのまま捕まってあげるのだった。
 そんなやり取りを、路地裏からゴールに向かうQ.U.U.A.は眼下に見ていた。
 片手でコンテナの縁を掴んでぶら下がり、一瞬。
 足でコンテナを蹴り、掴んだ手を軸に身体を回して上り切ると、すぐにコンテナを跳び降りる。
 その際にも身体を横に寝かすように回転して、鮮やかに、アクロバティックに上り降りを繰り返していく。
 電流の花火がその動きに連れられ、綺麗な軌跡を描いていた。
「鬼ごっこって忘れそうになるパフォーマンスだわ」
 それを見ながら逃げるレジーナは、感嘆の言葉を呟く。
「ひっ、ひぃ、ひぃ……」
 それを見る余裕の無い、演技をするエマは、ちらりと追いかけてくる子供と待ち構える子供の姿と位置を確認。
「待ち伏せがまだ二人いるわよ」
「あー、そうですか」
 そんな挙動に気づいたレジーナが、ファミリアーから得た情報を伝える。
 短いやり取りとアイコンタクトの結果、二人は対極の行動を選んだ。
 ラストスパートをかけて前に出たエマは、しかし足をもつれさせるようにして体勢を崩し、へたりこむ。
 そこに、ゲットだ!と言わんばかりに子供が抱き付き、捕らえていく。
「あー捕まっちゃいましたかー残念!」
 とわざとらしく捕まる一幕を横目に、レジーナはエマに集まり空いた道を駆け抜けた。
「あっ、しまった!」
「ふ、油断大敵よ」
 悠々とゴールへ向かうレジーナを止められる子供は、もういない。
『ふーん。中々やるじゃない』
 大捕物が繰り広げられる少し手前の道。コンテナの上でそれを見ていたレオン・カルラが賞賛の声を上げていた。
 自分達を追いかけて来ていた子供達を、ギフトを活用して足止めしながらゴールに近づいていたのだ。
「ははっ、ここまでおーいで!」
 うんしょ、うんしょと上ってくる鬼へ挑発をいれながら、さぁいざ逃げようとコンテナを降りようとした辺りで、レオン・カルラは自分達の周囲にスカイウェザーの子供がいるのに気付いた。
『あ」
「つかまえたー!」
 人形からの二つの声が、子供の勝利宣言に掻き消された。

⚫帰るまでが仕事です
 ロルフィ、レジーナ、Q.U.U.A.がゴールを果たし、他のレオン・カルラ、エマ、マリア、ルルリア、コルザは、鬼に捕まるという結果に終わった。
「いや、本当にありがとうございました」
 ゴールである町の出口で、感謝と共に渡される報酬を、エマがにんまりと受け取っていた。
「みんなよく頑張ったね。うん、君達全員が優勝!」
「いい動きだったわ。大きくなった時が楽しみね」
「ルル達を捕まえるなんてすごいです! ふふー、おめでとうのお菓子をあげちゃいます!」
 そんな大人のやり取りを後ろに、子供を労う様にイレギュラーズは各々で活動をしていた。
 なにかと理由を付けて褒め、メダルを贈るロルフィや、余ったお菓子を配るレジーナ、ルルリアには子供が群がる。
「頑張ったみんなに、僕からのご褒美。願い事が叶いますようにっておまじないだ」
 幸ある未来を。そう自分の願いも込めて、コルザは子供達を一人一人褒め歩き、
「はい、これで大丈夫ですのー。今日は、とても楽しめましたのー」
 マリアは擦り傷等の小さい怪我をした子供達に手当てを施していく。
「んーたのしいじかんもおわりかなっ! またあそぼーね!」
 最後まで遊び動いていたQ.U.U.A.はすっきりとしたようにお別れの挨拶をしながら、やっぱり最後まではしゃいでいる。
 そして対照的に、レオン・カルラは少し残念そうな表情をしていた。
『終わるのは残念だけど、彼が楽しめたみたいでよかった』
「皆も楽しめた?彼女はとっても満足」
 気持ちを代弁する二つの人形が、代わりのお礼を告げる。
 そうして日が落ちる頃まで、イレギュラーズは子供達との交流を果たしたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

依頼への参加ありがとうございました。
またお願いしますね。

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