PandoraPartyProject

シナリオ詳細

グランガラド遺跡への探求

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●遺跡研究者ディブレーク氏いわく
 灰色のテーブルにスクロールが置かれた。
 枯れ木のような手がすぅっと紙面を開くと、そこに描かれていたのは地図であった。
 なにか広大な建物の内部をマッピングしたものだ。しかし記されているのはおよそ半分ほどでしかない。
「グランガラド遺跡は大地と炎の精霊たちが古代の術者に命じられて作り上げたとされる建造物だ。
 中には当時の生活や風土を研究する上で貴重な資料が多く残っているが、遺跡荒しによって持ち去られる日も遠くは無いだろう。
 それまでに……この遺跡の探索を行ないたい」
 石のテーブルから顔を上げると、そこには巨大な建造物があった。
 大きな三角形をした外観からは無数のツララを天地逆に伸ばしたようなとげが無数に突き上がり、正面には石でできた大きな扉がついている。
 美しい紋様は淡く輝き、これが精霊の仕事であることを物語った。
 スクロールを丸め、背筋を伸ばす老人。
 彼はディブレーク。遺跡研究を専門とする学者である。

●精霊のダンジョン
「ダンジョン探索は得意ですか? 精霊の扱いは?
 もしそんな人がいたら、ぜひぜひ紹介してほしいのです。
 今回の依頼にはきっと役に立ちますから。
 ……どちらも持ってない? それでも大歓迎なのです!」
 ギルド・ローレットで依頼書を振りかざした『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、イレギュラーズたちを集めると依頼内容を説明し始めた。
「グランガラド遺跡っていう、とっても昔の精霊術士が作った遺跡があるのです。
 建物が精霊の力で作られてるだけじゃなくって、大地からの……えっと、あの、エネルギー? で、精霊が明かりをつけたりトラップを働かせたり、ゴーレムを動かしたりしているらしいのです。
 外から人が侵入すると大抵は襲いかかってくるので、護衛なしに入れないらしいのです。
 そんなわけで、今回の依頼はダンジョン探索と護衛なのです!」
 護衛対象はディブレーク氏。遺跡の研究者だ。
 彼を護衛して遺跡を探索し、お目当てにしている大石版のある部屋を目指すのだ。
「道中は危険な罠やゴーレム衛兵がいっぱいなのです。気をつけていってきてください! なのです!」

GMコメント

 お帰りなさいませ、プレイヤー様。
 今回はダンジョン探索の依頼が舞い込んでおります。
 ご覧になって行かれますか?

【依頼内容】
・依頼主ディブレーク氏をできるだけ無傷で護衛すること
・護衛期間は遺跡侵入から脱出までの一括
・ディブレーク氏が目当てにしている大石版の部屋を訪れて帰るの予定

【グランガラド遺跡】
 古代の精霊術士によって作られたとされる遺跡でございます。
 炎と大地の精霊によって建設・維持されており、今でもセキュリティが機能しております。
 基本的に硬い石でできた壁や天井に覆われ、大小様々な部屋や廊下が続いてございます。
 内部では石ゴーレムとの戦闘や、魔術トラップが待ち受けているでしょう。

【探索判定】
 探索パートでは、当シナリオ限定でこちらの判定方法をとります。
・新しい場所(主に部屋)に訪れたところでロール
・ロール値に応じて以下4種のうち1~2種の状況が発生
 A:石ゴーレムや戦闘精霊が1~3体で襲ってくる(戦闘状態に突入)
 B:トラップが発動(罠解除や探索関係の技術があると回避ボーナス)
 C:無害な労働精霊をみつける
  →『精霊疎通』うまく話すと近道を教えて貰える。(探索値ボーナス)
  →加えて『精霊操作』もあると先にある罠を解いて貰える。
 D:遺跡資料を発見(レア。探索系の技能その他を持っていると確率上昇)

 ロールのたびに探索値が増え、一定まで達すると目的地に到着できます。
 今回の場合『入口→大石版の部屋→出口』のルートを進むことになるでしょう。

【エネミー】
●石ゴーレム
 魔力の籠もった石の人形です。身長2m。顔の代わりに変な模様が描いてある。
・スキル
 格闘(物近単):石の身体による格闘。主にパンチ。
 大暴れ(物近列):巨体を活かして近くのものを薙ぎ払います。

●戦闘精霊
 遺跡内を巡回しているセキュリティ目的の精霊。
 侵入者を見つけると問答無用で襲ってくる。
・スキル
 遠術(神遠単):精霊の力で魔力的な攻撃をしてきます。
 精霊の槍(神遠範):爆発する槍を投げます。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • グランガラド遺跡への探求完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年02月10日 20時50分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

セララ(p3p000273)
魔法騎士
巡離 リンネ(p3p000412)
魂の牧童
歳寒松柏 マスターデコイ(p3p000603)
甲種標的型人造精霊
シズカ・ポルミーシャ・スヴェトリャカ(p3p000996)
悪食の魔女
ヨハン=レーム(p3p001117)
おチビの理解者
七鳥・天十里(p3p001668)
アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)
無限円舞
エリノア・シャノワール(p3p002319)
時計と夜を愛する猫

リプレイ


「遺跡探索ねー、ファンタジー! って感じするよね」
「ファンタジー!」
 『魂の牧童』巡離 リンネ(p3p000412)と七鳥・天十里(p3p001668)がばんざいして跳ねていた。
「考古学! って感じもする」
「わくわくどきどき、って感じ」
 ロマン! と言いながらテンションを相乗効果で上げる二人である。
 どうやらそういうテンションが嫌いじゃ無い(もっというと好きそう)らしく、遺跡学者のディブレーク氏は妙にほっこりとしていた。
 もしかしたら、今から遺跡探索を始めるのが彼なりに楽しみだというのも、あるのかもしれない。
 淡い光を放つ扉を適切な手順で開いていくと、ずごごごごと音を立てて重い石の扉が動く。
 『悪食の魔女』シズカ・ポルミーシャ・スヴェトリャカ(p3p000996)は扉の奥に広がる幻想的な光景に大きく息を吸った。
「研究の一環で遺跡探索らしいものを見たことはありますけど、本格的なものは初めてです」
 知的好奇心が刺激されたのか、地面に走る幾何学模様や、等間隔に壁に設置されたホタルのような光に注視している。
「いいか? ここから先は安全が保証されてない。危険なものには注意して、自分の身はしっかり守れ。その上で――」
「もちろん、護衛も頑張るよ!」
「はい、きちんとこなさいと!」
「無事に送り返すまでが探索だよね」
 ガッツポーズをする少女たち(?)を見て、ディブレーク氏はうむと強く頷いた。
 ディブレーク氏は初見でこそ厳格なおじいさんといった風貌だが、話してみるとなかなか気さくな人物だった。冗談は得意ではないが、『今はのっぺりとした顔をしているが、若い頃は鼻筋が通っていてハンサムだった。同僚と殴り合いの喧嘩をして鼻を折ったんだ』とか言い出すおじいさんである。
「すっすめー、すっすめー、イレギュラーズ探検たーい」
 そんなディブレーク氏を囲むように、『魔法騎士』セララ(p3p000273)たちは意気揚々と遺跡の探索を始めた。
 なんだかこじつけたような歌詞を楽しげに歌い上げ、スキップでもするように進むセララ。
「ねーねー、精霊術士は何のためにこの遺跡を作らせたの?」
「気になるだろう? 私も気になってる。どんな歴史が詰まってるのかワクワクするな」
「ふむ、精霊の作りし遺跡であるか」
 『甲種標的型人造精霊』歳寒松柏 マスターデコイ(p3p000603)は深く腕組みをして、淡く光る照明器具を凝視した。
「この吾輩も人造精霊。見せてもらおうか、混沌における精霊の仕事とやらを!」

 通路を進むと最初に見えたのが長く細い橋だった。
 広い筒状の吹き抜けの真ん中を通っているらしく、眼下にはなぞのきらきらが存在していた。
 暗くなってはいけないとカンテラに光をともす『猫メイド』ヨハン=レーム(p3p001117)。
「エリノアさん、足下に気をつけてくださいね。転んだら大変ですから」
「大丈夫! ちゃんと見えてるのです!」
 『時計と夜を愛する猫』エリノア・シャノワール(p3p002319)は両手をぱっと掲げて見せた。
 そうそう、とポケットをまさぐるエリノア。
「ここへ来る前に作っておいたのです。みなさんに!」
 エリノアは彼女の地方に伝わる仲良しのおまじないアイテムを皆に配った。
 初めて出会った人と仲良しになれますようにというおまじないだ。
 心が温まったようで、ディブレークがほくほくとした顔で小さなカンテラを掲げる。
「おお、そうだ。今朝小鳥から手紙を貰ったぞ」
 先日にエリノアがタロット占いをしてあげた結果らしい。どんな手紙を貰ったのかは言わなかったが、口ぶりからするとなんだかいいことが書いてあったようだ。
 それはよかったのです! と笑顔を見せるエリノア。
 そんな空気の中、『断罪の呪縛』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)は仲良しのおまじないをぎゅっと握った。
「ダンジョンの探索……か」
 先頭でカンテラを掲げ、涼しい顔をする。
 この先に何があるかはわからない。
 もしかしたら大変な失敗をしてしまうかもしれない。
 けれどなぜだろう。
「すこし、高揚感があるわ」
 アンナはそう呟いて、ゆっくりと歩き始めた。

●グランガラド遺跡
 精霊術士が精霊たちに作らせたというグランガラド遺跡。
 その内部は想像以上に広く、そして複雑だった。
「わあ……」
 まるで星空に覆われたかのようなきらめく大天井の下。
 エリノアは額に手を翳して周囲を見回した。
 あちこちに明かりのようなものがあり、その間をごくごく淡い光の道が通っている。
 迷路のような入り口付近とは裏腹に、ここはまるで巨大な箱庭だ。
「とっても綺麗なのです! ここで暮らしていてもいいくらいなのですよ」
「これは推測の域を出ないが、古代の精霊術士はここに暮らしていたのではないかな。生活を豊かにするために、精霊の術を様々なことに使っていたようだ」
 セララが足下を流れる水をすくいあげると、まったく臭みの無い真水だということがわかった。地下水でも汲んでいるのかと思ったが、どうやら術士の構築した浄水技術がまだ生きているらしい。
「美味しいスープが作れそう。それに言われてみれば、外は寒いのにここはほんのり暖かい」
 セララもエリノアと一緒に周りを見回し、きらきらとした夜景のごとき風景に浸っていた。
「ディブレークさん、たしかここからはマッピングをしてないんだよね?」
「では協力して記録していくことにしよう。これは骨が折れそうだ」
 天十里とマスターデコイは互いに書きとめた簡単な地図を照らし合わせて、できるかぎりのマッピングを始めた。
 箱庭部分にはあまり敵らしい敵はいないようで、行き交う労働精霊がでちでち言いながら飛んでいるくらいである。
「精霊さん、こんにちは!」
「クッキーはいかが?」
 そんな精霊を見つけては、天十里やセララが笑顔で呼びかける。
 仲良しのおまじないゆえか、それとも生来の人当たりのよさか、意思の疎通はともかくなんとなあく友好的な空気ができていた。労働精霊も手をたまに振って応えてくれる。
 暫く箱庭のマッピングをしていると、手持ちぶさたな労働精霊を見つけた。
「こんにちは、お仕事お疲れ様です」
 呼びかけてみるシズカ。
 精霊疎通の能力があるおかげで、精霊はでちでちいいながらシズカの問いかけに応えてくれた。それほど知能の高くない精霊っぽいが、シズカの言っていることは分かるようだ。
「私達、大きな石の板があるお部屋に行きたいんですけれど」
『でち?』
「すぐに行ける道や、危ないものが無い道が嬉しいです」
『でち……』
「わかりませんか?」
『でち!』
 精霊はひらりと飛び上がると、先にあるマンホールのようなものを指さした。
「ありがとう、お仕事頑張ってくださいね」
『でち!』
 休憩中だったのか、精霊はそれきりどこかへ飛んでいく。
 シズカは指先に火をともし、マンホールらしきものに近づいた。
「これは……蓋、でしょうか」
「いや、操作盤のようじゃ」
 ディブレークはどれどれといってモノクルを装着すると、表面に描かれた幾何学模様を読んでいく。
「言うとおりに操作してくれんか」
「おっけー」
 ディブレークの代わりに板に触れ、操作を始めるリンネ。
 表面の円盤やその周囲にある円環をくるくると操作して、幾何学模様をぴったりと合わせた。
 するとどうだろう。ごとごとと音を立て、足下に大きな螺旋階段が生まれたではないか。
 さらなる地下へと続く階段だ。
 先には箱庭のような明るさはなく、アンナはカンテラを掲げて目を細めた。
「ここから先は罠もありそうだわ。ディブレークさんを守って、警戒しながら進みましょう」

 グランがラド遺跡地下層、とでも言うべきエリア。
 そこをアンナは慎重に一歩ずつ進んでいく。
 今回のアンナはとても用意がよく、3メートルの棒で行き先や壁をつつきながら、手のふさがらないカンテラであたりを照らしている。
 ヨハンもカンテラで周囲を照らし聞き耳をたてて、ディブレーク氏のそばについていた。
 同じくそばについていたリンネがあたりをきょろきょとして言った。
「暗いね」
「そうですね。侵入者を拒んでるんでしょうか。罠を隠すのにピッタリです」
 礼装武具を構え、後方を警戒するリンネ。
 精霊はむりだけど霊的なものなら疎通がとれるよと語るリンネに、ディブレークは古代墓地のような遺跡に行くときは是非一緒に来て欲しいと話していた。
 と、そこで。
「下がって、罠よ」
「――」
 ディブレーク氏を守るべく、かばえる位置にさっと移動するヨハン。
 防衛の準備ができたことを確認すると、アンナが早速罠の解除にかかった。
 用意した道具がよかったのか、手早く解除してみせる。
 おー、と感心したように覗き込むリンネ。アンナは持っていたハリガネを翳し、こんなところでしょうと呟いた。

 探索は続く。
 あちこちで様々な罠があったものの、準備万端なアンナが殆どを解除してくれた。
 彼女の手に余る複雑な罠やうっかり発動してしまった罠もあったが、ヨハンやリンネたちがしっかりとディブレーク氏を守っていたおかげで依頼主に怪我も無く、ヨハンが代わりにうけたダメージもリンネがしっかりと回復していった。
 おかげで彼らは特に躓くこと無く、遺跡の探索を進めることができた。
 そして忘れてはならないのだ、セキュリティとして働くゴーレムや戦闘精霊たちだ。
「ディブレークさん、僕の後ろに!」
 盾を翳して依頼主を守るヨハン。
 炎の精霊が火炎を飛ばしてくるが、それを自らの盾と身体で引き受ける。
「エリノアさん、僕が守っている間に精霊の方を――」
「はいっ!」
 エリノアはタロットカードをポケットから取り出すと、込められた魔力を投げるようにして放った。
 宙を舞う精霊にヒット。
 槍を構え、今にも投げつけてきそうな精霊に対してさらなる追撃をかける。
「己の責務を全うしているだけではあろうが――こちらも同様。お互い、情け無用であるな!」
 その隙をつくように、マスターデコイが剣を抜いて突撃した。
 精霊が咄嗟に槍を放つが、盾をもった腕を翳して強行突破。
 爆発を突き破るようにして、マスターデコイは剣による一文字斬りを繰り出した。
 ずぱんと上下真っ二つに避ける精霊。力を維持できなくなったのか、そのまま燃え尽きるろうそくのように消えていった。
 ふうと安堵の息をつくディブレーク。
 そばについていたヨハンも緊張を解くところだったが……。
「たった一体だけでしょうか? いや――」
 耳でとらえたかすかな音に反応し、ヨハンはさっと後ろに回った。
「不意打ちです!」
 後方から追いかけるようにして現われた別の戦闘妖精たちが複数で炎の弾幕をはったのだ。
 それを身体全体で引き受けるヨハン。
 身体にやけどをおったが、駆け寄ったエリノアがタロットカードを翳しながらほわほわと回復術式を唱え上げた。
「ヨハンさんは僕が回復しておくのです。そちらは――」
「任せて!」
 素早く拳銃を抜いた天十里が、精霊にむけて銃を連射。
 距離をとろうと引き下がる精霊を追いかけるように距離を詰めると、体勢を整えながら更に銃撃を加えた。
 マスターデコイがたかたかと回り込み、戦闘に加わる。
 精霊は生み出した槍で牽制しようとするが、マスターデコイは構うこと無く飛びかかり精霊のボディを切り裂いた。
 一方で天十里は、精霊の繰り出す炎の牽制射撃をギリギリでしのぎながら、器用にヘッドショットをとった。
 ばしゅんと音をたてて消える戦闘精霊。
 今度こそ戦闘終了だとばかりに、天十里はリボルバー弾倉に残った空薬莢をばらばらと排出した。

 そこから暫く進んでいくと、大きなドーム状の部屋に行き着いた。
 天井にはぽつぽつと明かりが並び、中央には見上げるほど大きな石版が設置されている。
「おお、これは……例の石版だ!」
 思わず走り出しそうになったディブレーク氏を、アンナとシズカが腕を翳すことでとめた。
 正確には、引き抜いた剣を前方に突き出して、だ。
「そう簡単に近づけてはくれないみたいだわ」
「最後の敵さん、ですね」
 石版を守るかのように、壁に設置されていた大きな石人形たちが動き出す。
 ゴーレムたちだ。
 頑丈そうな腕を振りかざし、突撃をしかけてくるゴーレム。
 アンナはギアチェンジをかけ、ゴーレムへと詰め寄った。
 繰り出した剣が腕と幾度もぶつかり、激しく火花を散らした。
「硬くて痛そう、しかも乱暴者。紳士的な敵はいないものかしらね」
「無機物相手はデトネイト・ボルト辺りで……それっ!」
 一方でシズカは距離をとったまま、近づいてこようとするゴーレムに遠術を幾度も浴びせていく。
 ゴーレムの接近を阻むのは、セララとリンネだ。
 より具体的に言うなら、シールドバッシュで突撃するセララとそれをライトヒールで回復するリンネである。
 セララはカードをピッと翳すと剣と盾を勇ましく構えた。
「魔法騎士セララ参上! 悪いゴーレムはお仕置きだよっ」
 地面から少しだけ浮き上がると、勢いよくゴーレムに突撃していく。
 対抗してパンチをぶつけられるも、空中をくるくる回って衝撃を逃がした。
「いたた、やっぱり力が強い!」
「回復いるかんじ?」
 しびれた手をぷるぷるとやるセララに、リンネが治癒魔術をかけていく。
 更に仲間たちの攻撃でゴーレムにぴきぴきとヒビが入った所で、セララのシールドバッシュが炸裂。ゴーレムを粉砕した。
 それでもごごご、と音を立てて起き上がろうとする残りのゴーレムに、リンネが遠術を叩き込んだ。
 それがトドメになって、ゴーレムはばこんと音を立てて土塊へとかえっていった。
「もう大丈夫そうだね!」
 セララはリンネと頷きあい、念のため石版周りを身長に調べてから、ディブレーク氏を案内した。

●帰還
 探索を終えたディブレーク氏は、それはもうほくほく顔だった。
 石版の写しを懐に収め、充分な収穫を得て安全に帰還したからだ。
「今回はいい探索ができた。また機会があったら、ローレットに依頼しようと思う。その時にまた来てくれると嬉しい」
 イレギュラーズたちはそれぞれに『こちらこそ』と返して、お別れとなった。
 ディブレーク氏の遺跡研究は、まだまだ続く。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お帰りなさいませ、イレギュラーズの皆様。
 今回の遺跡探索はうまくいったようですね。護衛任務、お疲れさまでした。
 依頼主のディブレーク氏も大変満足し、ぜひまた依頼をしたいと仰っております。彼のみならず、同じ研究者たちがローレットに遺跡探索の同行を依頼してくれたら素敵ですね。
 今日の所は、どうぞ暖かいものを召し上がって、ゆっくりお休みくださいませ。

PAGETOPPAGEBOTTOM