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シナリオ詳細

冬のある日の大掃除

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●それは必ず必要なもの
「うむ……うむ……これはまずいな」
「やばいですね」
 幻想のとある貴族の宅。
 美食家……いや、表向きは美食家扱いなのだが、その本来はどっちかというと悪食家……いや、珍しい物を食べたいという欲望にあふれてるだけではあるのだが。
 しかしまぁ、何がまずいのかと言えば食べている食べ物ではなく。
「どうなっとるのだ、うちの別荘の食糧庫」
「変なもの集めすぎです」
「はい………」
 すごくはんせいした様子で貴族はテーブルに項垂れ、メイドは小さくため息を吐く。
「これがまぁ……普通のゴミや害虫だったらなんとかしましたけど」
「いやぁ、あんなにおおきなネズミ初めて見た」
「変なスライムも居ましたよ」
「……ウン、ハヤクナントカシナイト」
 掃除に向かった掃除人たちが慌てて戻ってきた報告によれば、巨大ネズミ5匹と色々なものを溶かしてしまうスライムが5匹ほど自然発生していたという話だった。
 気を付ければ危険性は少ないが、そもそも掃除人達に太刀打ちは出来る相手でもなく流石に専門家が必要そうだ。
「いや待て」
「はい?」
 だが、この男。こういう時に何か閃くタイプのようで……。
「ローレットに依頼を回せ! あのネズミとスライムを生け捕り! いや、食べれる程度に倒してもらって味を見るぞ!」
「えぇ……」
 この男、何も反省していない……。
 自分の集めたコレクションをたらふく食べたネズミとスライムを食べる気だ。
 このメンタリティ、どこから来るのかは定かではないが。
 とりあえず放っておくわけにもいかない。ローレットへ依頼を回そう。
 そして落ち着いたら大掃除で現実逃避しよう。そんなことを考えながら、メイドは無心で依頼を回す手続きを始めた。

 
 そうして依頼は君達に届く。
 とりあえずまぁ、どうやって掃除をするかを話し合うとしよう。

GMコメント

 そろそろ大掃除の時期ですね。掃除、大変ですよね、トビネコです。
 この貴族、過去に変な食物を求めていましたが、今回は食べ物ではなく、掃除の依頼です。
 掃除するのはゴミではなく、巨大ネズミと色々溶かすスライムです。数は多いですが、さくっと片づけてしまいましょう。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●掃除場所について
 掃除場所は貴族の別荘の食糧庫。郊外にあり、外は眺めのいい場所です。
 倉庫内は流石に貴族という事でそれなりに広さはあり、遠距離戦闘を行える程度の広さがあります。

 しかし、内部には貴族の集めた様々なゴミ……いえ、珍しい食べ物が満載されており、障害物や見通しは悪いです。
 足場も悪い上に飛行や浮遊を行うと、頭上に設置されたごm物にぶつかってしまう可能性もあります、お気を付けください。

●掃除対象について
 今回、掃除を行う対象は以下となります。

・大型ネズミ
 全長1m超程ある大型ネズミです。
 何を食べたんでしょう……大きくなるキノコでも倉庫にあったのでしょうか。
 雑食で何でも食べます。当然大きくなったので人も食べます、噛みつかれると痛いです。

 また、不清潔なため攻撃を受けると【毒】を受ける場合もあります。

・色々溶かすスライム
 どこから入り込んだのでしょう……ゴミが集まって自然発生したとか言われても否定できません。
 なんでも溶かして食べる危険な習性をもちます。ただ、肉厚なものより、薄いものや繊維質なものを優先して溶かすようで、攻撃されて取り込まれても肉体的な外が出るのは相当遅いです。
 多分、服とかが先に溶けます。ついでに匂いがひどいです。


 また、どちらの対象にも言えることになりますが、跡形もなく消し飛ばすような事になると貴族が悲しみます。
 依頼失敗にはなりませんが、食べたいみたいです。

 併せての注意事項ですが、どちらの掃除対象も屋内が気に入っているせいで、外に誘導することができません。
 戦闘場所は建物内に限定されますので、ご注意を。
 それと、建物……壊さないでください。貴族が泣きます。

 以上が掃除対象の依頼となります。
 無事に終わったら、お風呂の用意がされているのでしっかり汚れを落として帰ってください。
 しかし、まさかこのスライムとネズミを食べたいなんて人いるはずはないですよね……?

  • 冬のある日の大掃除 完了
  • GM名トビネコ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2019年01月04日 21時40分
  • 参加人数 8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
自称・旅人
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
青き戦士
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
藤野 蛍(p3p003861)
学級委員の方
風巻・威降(p3p004719)
瞬風駘蕩
湖宝 卵丸(p3p006737)
湖賊
真菜(p3p006826)
脱兎の逃げ足
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
戦神

リプレイ



「わー……こりゃ大惨事だ」
 別荘の倉庫を開くなり、『瞬風駘蕩』風巻・威降(p3p004719)は率直に思ったことを口にした。
 実際にひどい。入口時点でもうものがぐちゃぐちゃのごちゃごちゃ。そもそも扉を開けた瞬間に腐った肉やよくわからないキノコがあふれ出してくるレベルだ。
「まぁ、気持ちはわかる……」
「わかってもらえますか」
 忙しい時期にこれだけのものがあれば、とりあえず投げ込みたくなる。そんな気持ちはよーくわかる。
 だからこそ、以降はしっかり整頓してほしいのだが。とりあえずメイドさんも疲れてそうなので特にはいわなかった。
「それで、食糧庫のお掃除ですか。その手の仕事はお任せ下さ――」
「え、生け捕りよね。食べる……って」
 これからやる事を掃除と思っていた『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)に『青き戦士』アルテミア・フィルティス(p3p001981)が無自覚に無慈悲に宣告を下した。
「え、食材としての確保? ……本気ですか?」
 もっともである。しかし言われたからにはやるしかないのが仕事なのだ。
「というかなんで鼠やスライムが巨大化してるのよ、おかし――え、、食べるのコレ?」
 『いいんちょ』藤野 蛍(p3p003861)の言う内容もまた至極真っ当である。だが実際に原因が分からない上に食べるとかいう答えに困惑が隠せない。
 冗談もいい加減に死なさいよね。と完全に疲れ切った様子で準備を開始する。
「さて、やりましょうか」
 きゅっと三角巾を頭に巻き、汚れてもいいように清掃用の装備を整えた『自称・旅人』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)は防水加工したマントの上にコートを羽織り、更にはしっかりマスクを着用する。
 見事に完ぺきな装備だ。威降の装備もマスクに帽子に コートとしっかりしているのだが、耐水加工までしているのは手が込みすぎてるといっても過言ではない。
「どんなしつこい汚れや暴れてる食材だって、卵丸達にかかれば!! ……って、きたなっ!?」
 早速、と言わんばかりに『湖賊』湖宝 卵丸(p3p006737) が倉庫の中を覗くが、そのあまりの散乱とした状況に思わず引いてしまう。
 掃除をするために口元に布を巻き、三角巾をかぶって刀をハタキ代わりにしてきたのに、予想以上の現実とはかくも恐ろしいものだ。
「……引き寄せましょうか」
 同じく中の様子を覗いた『脱兎の逃げ足』真菜(p3p006826)は即座に外におびき寄せる提案をするが、中々出てこようという気配すら中からは感じられない。
「まぁ、とりあえず入り口付近は片付けよう」
 兎にも角にも、自分たちが戦う場所を確保しなければ何にもならない。
 『戦神』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)の提案にイレギュラーズ達は頷き、とりあえず入り口付近のごみ類は一気に片づけられた。
「しかし、あんまり出てきませんね……」
 準備中にネズミやスライムが襲ってくるかと思えばそうではなかった。それはそれでしっかりと準備が整えられるのだが、随分と警戒している様子だ。
「さて、では呼びますか」
「でてこーーーーい!!」
 ヘイゼルと秋奈が名乗りを上げる様に、声を上げる。かさかさと内部から音が聞こえる。
「……スライムは出てこないですね」
「まぁ、ネズミからやっちゃえばいいよ」
 流石にスライムには声を聴くような能力はないのだろうか。それともただ移動が遅いだけなのか。だが、一旦はこれでネズミを最優先に対処できる。
「予定通りね、ならやりましょう」
 戦闘場所は倉庫の入り口付近。ゴミで服が汚れる心配もなく、気兼ねなく飛び込んだアルテミアは両手に持った刀で踊るように、飛び込んできたネズミを正面から連続攻撃で切り刻む。
「……結構タフね」
 所詮はネズミ、と思っていたが体が大きいだけに一連の攻撃を終えてもまだ動きを見せる。
 だが、ネズミが反撃を行うよりも早く、倉庫外の後方から脳天に打ち込まれた銃弾がその活動を完全に停止させた。
「少々これはズタズタですね。ですがまず一つ」
 食べれるように、というには程遠い状態だが焦る事はない。まだあと4体も残っている。
「……ああ、スライムちゃんと来てるわ。遅いだけね」
「ふむ、ならこのまま進めていこう」
 倉庫の中に蝙蝠の使い魔を飛ばしていた蛍は、ヘイゼルの作戦と合わせて指示を飛ばし、仲間達との連携を密にしていた。
 対するネズミたちは統率も取れていないただの獣、こちらの環境に引きずりおろせば何の脅威もないだろう。
「まぁ、手持ち無沙汰は悪いことじゃないわよね」
 実際にそうだ、ここまで流れを作れば深く負傷することはないだろう。やる事は少々なくなりはするものの、だが。
「よっと……!」
 動くのも苦しい戦いになるかと威降は思っていたが、作戦がうまくはまり比較的楽に戦えている。
「さぁさぁこっちだ!」
 ヘイゼル達と同じように、ネズミを誘導すれば1匹が威降へと飛び掛かる。
「しかし食べれる程度に……か」
 アルテミアのように連続攻撃では難しい、一撃を武器で受けと見ながら少しばかり思案する。
「ちょっと、威降後ろ!」
 不意に蛍から叫び声が響く。後ろを見ればもう一匹のネズミ。
 少しばかり思案しすぎたかと思った威降の側面から刀をネズミに突き刺しすように襲撃した卵丸の姿があった。
「行くよみんな、この旗の元に!」
 戦意を高揚させるように、ハタキと化した刀をかざす。少々気は抜けるが、ある意味この空間では頼もしい装備かもしれない。
「はは、助かったよ。まぁ、そろそろやってくれるかな?」
 威降が笑うと同時に、「はい」という鶫の声が聞こえ、ネズミがその場に崩れ落ちた。
「流石だね」
「おかげ様です。それにしても、この血の匂いから察するに、臭みやえぐ味が凄そうですね。下拵えの段階で凄く苦労しそうです」
 頭部を撃ち抜かれたネズミをずるずると引きずり、鶫はそのまま倉庫の外へ出ていく。とりあえずこれで一つ完了、あと2体。
「でえええいっ!!」
 独自の戦闘の構えを取って、倉庫のやや奥まで踏み込んだ秋奈は鋭い拳をネズミの胴へと打ち込む。
「って臭い! 臭いわ!?」
 確かな手ごたえと共に……ネズミの凄まじい悪臭が漂う。どんだけものを詰め込んだというレベルの香りが、格闘戦というゼロ距離の間合いで漂ってくる。
「あーもう、さっさと消し飛ばすわ!」
 反撃とばかりに返しの一撃が秋奈の腕をかすめるが、元より攻撃優先と強烈な連打を一撃、二撃と叩き込んでいけば流石の巨大ネズミも耐えきれなくなりそのまま吹き飛び、倉庫の積み荷に直撃して動かなくなる。
「よし次!」
「はぁっ!!」
 秋奈が残りのネズミに意識を向けたときには、既に真菜がネズミに向かって直進する姿が見えた。
 いつもなら音速の一撃を開幕に叩き込むつもりだったが、あまりの醜悪な状況に足が一瞬止まってしまったのは秘密にすることにしておこう。運が悪い、ただ運が悪いだけだったのだ。
「一匹確保済みでしたっけ」
 既に鶫が確保しているならば、特に気にすることもない。音速でネズミとの距離を詰め、首筋を刈り上げる速度を乗せた一撃を振り上げる。
「お見事、これでひと段落」
 追撃するようにヘイゼルの殺傷力を抑えた術式がネズミを打ち、意識を刈り取る。
 丁度これで5匹。一通りネズミが片付いた、というところで奥からずるずると音が響く。
「おー、来たか?」
「上にはいないぞ!」
 頭上を警戒していた卵丸が天井にスライムがいないことを確認すれば、残る5体の姿は確認できた。
 ネズミ程の速度はない、一気に片づけに回ってしまおうと、イレギュラーズ達は再び動く。
「でーあーふたーでー……とか言ってる場合じゃない気もした」
 一足にスライムとの距離を詰めたはいいが、ネズミ戦で少々気合を入れすぎて息切れが近い気もした秋奈は鼻歌混じりの進行をストップして戦闘方法を切り替える。
 まだこの世界にやってきて取れる手段も少ない、できるといえば近距離での組技。効くかどうかは怪しいがとりあえずという事で掴みかかる。
「あーーーー!」
 確かにがっちり、がっちりつかめたのだが。掴むと同時に、秋奈の服が少しずつ溶けていくような音が響く。
 そして周囲にはほかのスライム。
「あ、やばいやばい、急いで!」
 ダメージはないのだが、これはやばいと蛍は判断。治療の準備をしながらもわずかながらに浮遊して、事前に用意していた仲間達の着替えを手に突撃する。
「くらえ卵丸の必殺シュート!!」
 秋奈に近寄るスライムを卵丸が勢いよく蹴り飛ばす。スライムといってもある程度の形は維持するようで、綺麗に蹴り飛ばされたスライムは近場のバケツに放り込まれる。
「だいじょ……はわっ、見、見てないぞ!?」
「いや、それよりこっち早くぅぅぅ!」
 ふと卵丸が心配して秋奈を見れば、スライムに溶かされた服から可愛らしい下着がちらりと見え、それを見てしまった卵丸は慌てて目を隠して視線を逸らす。当然、慌ててるせいで追撃も忘れてしまっている。
 ごすん、と。強烈な一撃がスライムに入った。
「……大丈夫?」
 ふと見れば、アルテミアが刀の峰でスライムのコアと思しき部分を思い切り叩きつけていたようだ。
 スライムと言えども意識はある、叩きつけられた一撃がコアを揺らし、いわゆる気絶状態に持ち込んだためか、秋奈からずるりとスライムは落ちた。
「よかった、気絶したわね。でも正直……」
 戦いたくないなぁ、というのが本音だった。匂いもひどいし、服を溶かされるのも嫌だし、ボロボロの服にスライム濡れの女騎士状態だなんて、見られたら死にたくなる。
 そう思っているためか、他に向かう仲間がいるせいでどうしても足が前に出ない。
「いきなり無茶するんだから。着替えてくるといいわ」
「そ、そうする……くしゅん」
 傷はないが、心配して駆け寄った蛍が秋奈に治療を施すと着替えを手渡す。
 恥ずかしいのもあるが、何より寒い。時期が悪い。服を受け取った秋奈は急ぎ倉庫から飛び出していく。
「あ、これも丁度いいですね」
 先ほど卵丸に吹き飛ばされたバケツ入りスライムに、このスライム用に特注したバケツをかぶせ、完全に脱出できないようにしてしまうと、ヘイゼルはそれを一つごろごろと外へと転がす。
「あと3体は気にせず倒していいでしょうね」
 牽制の術式を展開、スライムに打ち込むと距離をあけながら冷静に周囲を確認する。
「ん?」
 すると、2匹ほどスライムの姿が見えない。
 どこかに潜んでしまったのだろうか、一瞬警戒を深めるが、その懸念はすぐに晴れた。
「ああ、さすがだねぇ」
「思ったよりうまく行きましたね」
 鶫と威降が何やら樽をのぞき込んでいる。近場にはスライムが登ったように見える痕。
 二人の目線で見てみれば、樽の中には2匹のスライムが見える。樽の内側にはテントのシートを用いた布、スライムが移動したと思しきルートにもちぎられた布が見える。
「お願いてもいいですか?」
「おっけー、お安い御用だよ」
 うまく誘導し、罠に引っかかったスライムに威降が刀を突き立てれば、あっさりと2体のスライムは動かなくなる。
「へぇ、やるじゃないか」
 ヘイゼルもその様子を見て感心する。何はともあれこれであと1体。
「組技は……一応効くんでしたっけ」
 秋奈の組技を思い出しながら真菜はどう攻め込むか考えるが、結局自分にできる手段は一つだろう。
 相手は鈍足、どれだけ出が遅くてもこちらが速度で遅れることなどない。
「それにしてもこれ、ほんとに食べる気なんですかね……!?」
 音を残し、一瞬で加速して距離を詰めスライムを蹴り飛ばす。想像以上の腐臭と生臭い香りで、これを食べる貴族の思考が全く理解できず、逆に体調面まで不安になるがとりあえずはまぁ、倒そう。
「はぁっ!」
 叩きつける様に、蹴り上げて浮かび上がったスライムをカバンで殴りつける。
 速度の乗った強烈な一撃がスライムの核を砕き、弾き飛ばす。
「……よし」
 とりあえず食べる量は減ったという謎の満足感を感じながら周囲を見渡す。もう残りの脅威はない、これで依頼は完了だ。



「あぁー……」
 別荘の浴室から秋奈の幸せそうな声が響く。
「湯加減はどうでしょうか」
「最高ぅー……」
 一番スライムの被害にあってしまった彼女から、という事で早速癒される秋奈。
 そんな秋奈を少し心配したのか、卵丸も風呂の近くにいたが、声を聞いて安心したようだ。
「おや、あなたも入ります?」
「ひあっ、ち、ちが、入らない!」
 メイドが声をかければ、卵丸は驚いた声を上げる。
「卵丸、男! 男何だからなっ!」
 顔を真っ赤にして、そのまま浴室から離れていく。そんな姿を見てふふとメイドは笑うと、入れ違いに鶫と蛍がやってきた。
「おや、後片付けのお手伝いまでして頂けて、本当に助かります。二人分、すぐに入れるように整えておきましたので」
「シンプルに酷かったですからね……片づけてるところもありましたけど、あれはもう厳しかったです」
「ほんっと、もっとちゃんと管理しなさいよね!」
 鶫と蛍が思い思いに言うが、結局は貴族次第、メイドの身では難しいですと諦め気味に笑うが、そんな話をしながらもお風呂はすぐに用意されていた。
「あー、広い大きい……」
 既に秋奈が入っているにもかかわらず、まだスペースの広さを残す浴槽は木造の良さを引き出しており、実に癒されそうな雰囲気を見せている。
「休ませてもらいましょうか、ゆっくりと」
 疲れ切った体にこれはいい。二人はゆっくりと体を湯船に沈めて休むことにした。



「ほぉーーー!」
 血抜きがすみ、切り分けられたネズミの肉を外でバーベキュー気味に焼いている貴族は非常にうれしそうな声を上げる。
 生臭さが完全に抜けきっていないが、一応処理はしっかりしたそうで見た目は食べられそうだ。スライムは焼くと蒸発してしまったので、コア部分を刻んで茹でたものを食べることにしたようだ。
「本当に食べ……あ、ううん……」
 やめた方がいいんじゃないかと言おうとした真菜だったが嬉しそうな貴族を見てストップをかけられなかった。
 とりあえずおいしくなくって懲りてもらえばいいんじゃないかな、と思いながら様子を見る。
「はぁ、本当に食べるのね……悪食すぎるでしょ」
 とりあえず服が無事だったことをそっと喜びながらアルテミアも食事風景を眺めていた。
 片手にはまだ倉庫内を片付ける威降の為に用意したごく普通の飲み物を持っている。
「……生臭い」
「残念、ネズミの方はダメなようだね」
 一口齧るも美味しくない。まぁ、そりゃそうだと皆に言われながら貴族は落胆する。
「ぐぬぬ、だがこっちは……!」
「ふむ」
 スライスされたスライムの核。興味本位でヘイゼルがそれを頬張る。
「―――!?」
 一瞬、動きが止まる。
「ち、ちょっと、大丈夫?」
「……野菜っぽい味がする」
 特別美味しいというわけではなかったが、何故かキャベツでも食べたような味わいが口に広がった。
 見た目と全然異なる味わい、ちょっとこれは面白いかもしれない。
「ほう、こっちは行けるか……!」
 アルテミアの静止も疲れ切ったため息も効かず、貴族は嬉しそうにスライムを食べ始める。
「ああ、やってるなぁ」
「ほんとよ……」
 倉庫から出てきた威降にアルテミアが飲み物を手渡す。
 案外発見があったみたいでそれはそれ、という事で彼らがいいのならばいいのだろうと思いながらも、ひとしきり倉庫の整頓を終えた威降は軽く飲み物を口に含む。
 ただのジュースだが、体に染み渡る。疲れ切った体はこれが一番おいしいと感じた。
「……やっぱり普通のものが一番だなぁ」
 威降は呟きに、大多数が同意を見せながら、今回の大掃除は幕を閉じた。
 今度は似たような事件が発生しないことを祈ろう、そして帰ったら普通の料理をしっかり食べるとしよう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

大掃除お疲れ様です。見事な作戦でほとんど被害なし、大惨事も発生せずに無事に依頼は完了しました。
ネズミ肉は生臭くてダメでしたが、スライムは割とおいしく行けたようです。ジュレ代わりに使われたりしたんじゃないでしょうか……?
何はともあれ、ご参加ありがとうございました。

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