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シナリオ詳細

再現性東京202X:カセットとかふーふーやればいいんちゃうの?

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 練達、再現性東京202X。
 バグホールや終焉獣の被害も聞こえ、この地での生活にも慣れてきていた人々も、忍び寄る終焉に足音に怯える者も出始めている。
 それでも、彼らは無辜なる混沌へと呼び寄せられた現実を受け入れぬまま、日常を過ごす。
「異変が起こっても、日常を過ごしたい……今ならわからなくもないかね」
 『海賊淑女』オリヴィア・ミラン(p3n000011)は数々の事件を経験し、それが当たり前となっている。
 だが、いざ混沌に終焉という話が出れば、オリヴィアとて今の生活がなくなると考えることとなる。
 ――日常を平穏に送りたい。
 ――世界を終焉させたくない。
 その考えの根本は同じなのかもしれないと考えるオリヴィアである。
「それはさておき、依頼だよ」
 今回は再現性東京の某所にて起こる話。
 なんでも、壊れたレトロゲームが動き出し、人を襲っているのだという。
 場所は、とある商店街。
 あちらこちらで浮遊するゲーム機が暴れ、人を襲い、建物を破壊しているのだという。
 何かが乗り移っているのか。
 はたまた自我を持ってしまったのか。
 いずれにせよ、人に迷惑をかけるレトロゲームは討伐する必要がある。
「……ところで、旅人の何人かに聞いた話なんだが」
 話を区切って、オリヴィアがこう尋ねる。
「『とりあえず、ふーふーすればなおる』って聞いたんだが……」
 今回の怪異とも言うべき敵には効果があるのだろうかと、オリヴィアは真顔でメンバー達へと問いかけるのだった。


 中古ゲーム店はそれなりに盛況だ。
 再現性東京では、スマホなども使える場所もあるが、やはり古き良きレトロゲームというものは需要がある。
 わざわざ元の世界で流通していたものの再現ソフトや、二次創作ゲーム、それらしい創作ゲームなど、混沌に招かれてしまったクリエイターは、同じ境遇のゲーマー、そして、ゲームに興味をもつ混沌の民を満足させるようなゲーム制作に日々励んでいる。

 さて、そうして作られたゲームは専門店に並ぶが、長く遊ばれていれば飽きられてしまう。
 新たなゲームを求めるゲーマーはそうしたソフトを売る。
 ソフトは新たなゲーマーの手に。好事家が集めることもある。
 そうした需要と供給に目を付けたのが中古ゲーム店の店主だ。
「らっしゃい」
 練達の規模を考えれば、中古ゲーム店はさほど大きなものではない。
 だが、他国の好事家も興味を持って買われていくから、店主もそこそこの生活ができる程度の売り上げを稼げているようだ。
「ああ、待ってたよ。ローレット」
 中年の男性がコントローラーを持つ手を離して立ち上がる。
 今回の依頼主はこの店主なのだ。
 彼はイレギュラーズについてくるよう促すと、店の裏手側へと回った。
 裏手は庭のような場所。
 個人所有のこじんまりとしたその空間にちょっとした倉庫があり、その手前には廃棄品が転がっていた。
 ……いや、廃棄品ではなく、それらは自ら動いている。
 ジジジ、ジジジジ……。
 放電しながら空中を浮遊するレトロゲーム機本体に電源コード、それにROMカセットが取り巻くように位置している。
「ここしばらく、周囲へと出回って悪さを働いているようだが、最近はここを根城にし始めおってな」
 迷惑そうに顔を顰める店主。
 このままでは営業自体に支障が出るのがもちろんだが、何よりこの店の商品が悪さするという悪評すら出かねない。
 その為、店主もこっそりローレットへと依頼を出し、事件を解決しようと考えたのだという。
「新たな事件を起こす前に、サクッと片付けてくれよ」
 頼むと頭を下げる店主に、メンバーの誰からともなくこんな質問が。
『カセットをふーふーやればなおるって本当?』
「……は?」
 思わぬ質問に、店主はフリーズしてしまうのだった。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様、こんにちは。GMのなちゅいです。
 練達にて放棄されたレトロゲームらが意志を持って人を襲っているようです。
 終焉獣らの被害に隠れたこの事件の解決を願います。

●敵……レトロゲーム小隊
〇家庭用ゲーム機×1体
 コントローラーがコードで繋がっている古いタイプの家庭用ゲーム機。
 コントローラを腕のように扱って絡めてきたり、指定した相手を意のままに操ろうとしたり、電磁波を発してきたりと多彩な技を使用します。

〇ROMカセット×8体
 浮遊するROMカセット。
 体当たりを繰り出したり、電気信号を飛ばしてこちらを痺れさせてくることも。
 上記の家庭用ゲーム機に刺さり、連携攻撃を仕掛けてくることもあります。

〇電源コード×2体
 撃ち捨てられていた電源コード。
 所々エナメル線が露出しているほどボロボロです。
 束になってこちらを叩きつけてきたり、放電したり、家庭用ゲーム機に活力を与えるなどするようです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • 再現性東京202X:カセットとかふーふーやればいいんちゃうの?完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2024年03月28日 22時05分
  • 参加人数6/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

囲 飛呂(p3p010030)
きみのために
レイン・レイン(p3p010586)
玉響
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標
多次元世界 観測端末(p3p010858)
観測中
紅花 牡丹(p3p010983)
ガイアネモネ
レイテ・コロン(p3p011010)
武蔵を護る盾

リプレイ


 混沌が終焉との決戦を迎える前、とあるイレギュラーズの一隊はローレットへと届いた依頼を受け、練達へと向かっていた。
「レトロゲーム、ね。わざわざ古いもんを再現して作って遊ぶ、か」
 燃えるような片翼に影、左腕を持つ赤髪の『ガイアネモネ』紅花 牡丹(p3p010983)は、技術者らが元居た世界の技術、歴史を絶やさず継承する行為が嫌いではないと語る。
「レトロコンピューターゲームデスカ?」
 縦に開く巨大な目、周囲に大小無数の触手を生やす『観測中』多次元世界 観測端末(p3p010858)は当端末……自身には経験したことはないとしながらも。
「……夜妖デモ電源ヲ挿シ、カセットヲ本体ニセットスレバ、ゲームソノモノハ遊ベルノデショウカ?」
 観測端末の言うように、練達に救う魔物……夜妖となっていても、ゲームは起動できるのだろうか。
「カセット式の、家庭用ゲームか。ふむ、懐かしいな」
 がっしりとした筋肉の塊のようなチーム一大柄な『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)はふと思い出す。
 一嘉もまた遊んだことはないそうだが、彼の叔父が大事に保管しており、たまに叔父と父が一緒に遊んでいたのを覚えているという。
「カセットってゲームソフトのことだよな? ちっちゃいカードとかCDみたいな……」
 生まれも育ちも再現性東京の『点睛穿貫』囲 飛呂(p3p010030)も、こうしたレトロゲームは知識程度しか知らなかったようである。
 頷く一嘉はただ、と続けて。
「息を吹きかけるのは、見た覚えは無いな?」
「えーと……練達生まれのボクならともかくですね? 他の人にカセットへの息吹きかけとか、流石に何の事か訳が解らないと思うんですけど?」
 こちらも練達出身、蝙蝠の翼が特徴的な『盾役』レイテ・コロン(p3p011010)が皆に語る……が、かく言う彼もまたたまたま知っていただけで、世代的にROMカセットは未経験なのだとか。
「……どこふーふーすんの? ……へー、昔のってそんな仕組みだったのか……」
 そんなレイテに教えてもらい、飛呂は納得する。
 桜色の傘を差す、クラゲの海種『玉響』レイン・レイン(p3p010586)も同じ話をあらかじめ聞いていたらしく。
「レイテから教えてもらった……ふーふーするの、埃がダメなんだって……」
 だからと、レインが持ってきたのは……。
「ハンディ……タイプ……。カラカラの、綺麗なふきん……」
 縦に長いコードレス掃除機と赤、橙、黄、緑、青と様々な色の布巾だ。
 ゲーム機の手入れに使える代物ではあるが、今回の1件ではどうだろうか。
「さて、個人的な懐古ともかく。まずは、成すべき事を成すとしよう」
 練達が見えてきたこともあって一嘉がメンバーへとそう促すと観測端末がさすがにこの格好ではと目立つと思ったのか、ギフトで人型……10代の人間種少女を思わせる姿へと変身して。
「これで問題ありませんね。では現場に向かいましょう」
 頷き合う面々はそのまま、再現性東京へと入っていく。


 程なく、イレギュラーズ一行は目的地である中古ゲーム店へと至る。
 その際、牡丹が結界術に人払いとあまり人の目につかぬように配慮するのも忘れない。
 平日の昼間であるからか客足は閑散としており、中年男性の店主はレジ内でゲームに興じていて。
「ああ、待ってたよ。ローレット」
 腰を上げた店主の案内の元、店の裏庭へと一行が向かうと……。
 そこには空中へと浮かび上がるレトロゲーム機に8体のROMカセット、2体の電源コードがあった。
「ゲーム機がボス、他が取り巻きってトコか」
 飛呂は掃討すべき敵を見回し、ボスを抑えつつ取り巻きを減らしてから最後にボスの相手が定石として。
「なんかそれこそゲームっぽいな」
 飛呂の口にしたゲームという言葉にレインが反応して。
「ゲーム機のゲームは……色んな冒険や……楽しい事が体験できるんだって……」
 今は君達……ゲーム機達が僕達の世界へと冒険しに来ているんだね……。
 そんなレインの考察も一興。
 ゲームには、戦闘物もあると知った彼はこう呼びかける。
「じゃあ……どっちが強いか…勝負だね……。僕達が勝ったら……また、君達の冒険で遊んでも……いい……?」
 ゲームを遊んだことがないからこそゲーム機らと遊んでみたいと、レインは純粋な好奇心で問いかけるが、相手は苛立ちげに電気をバチバチと光らせる。
 戦いは避けられないと察したレインが依頼主の店や垣根などを破壊せぬよう保護結界を展開する。
「仕事は遊びじゃないけど、あれは壊れてても元はゲームだろ」
 最後までゲームらしく『一緒に遊ぶ』のは、一種の弔いになるかもしれないと、飛呂も狙撃銃に手をかける。
 その横で、レイテが小さく嘆息して。
「まあ機械好きとしては、貴重なレトロ機材を破壊したくはないけどね」
 これが夜妖なら消えてなくなるだろうかと考えつつも、レイテは戦闘態勢をとる。
「うっし、いっちょやるか!」
「「…………!!」」
 叫ぶ牡丹と共にメンバーが飛び出したことで、ゲーム機らもまた危機を察したのか応戦を始めたのだった。


 戦場となるのは中古ゲーム店の裏庭。
 物置のような倉庫は有るものの、さほど広い場所ではない。
 しばらく周囲で暴れていた中古ゲーム機がこの店に留まっているとなれば、近隣住民からの評判は確実に落ちる。
 できるなら、この空間での戦いで、穏便に済ませたいというのが店主の意向だ。
 だからこそ、イレギュラーズ一行も店の悪い噂が立たぬようこっそり依頼するなど配慮してきた。
 ……この夜妖は確実にここで仕留めねばならない。

 真っ先に動き出した飛呂は距離を保ったまま、己を戦いに最適化させ手から突撃戦術の構えをとる。
「輝くもの天より堕ちなああ!」
 直後、牡丹が叫ぶ。
 ゲーム機がボスとすれば、彼女が狙うはその取り巻きであるROMカセットに電源コード。
 仲間が纏めて範囲攻撃できるよう、牡丹はそれらの周囲を変則飛行で飛び回って強く気を引き、一所に纏める。
 ややROMカセットに比重をおいて捉えた彼女は、ゲーム機から引き離す。
 事前情報によれば、ゲーム機はROMカセットを装着することで合体攻撃を仕掛けてくるという。
 牡丹はその妨害を行うことも考慮に入れていたのだ。
 レイテもまたそれらの攻撃を引き付けるべく、名乗りを上げる。
 ROMカセットが体当たりを繰り出してくるが、レイテも茨の鎧を纏い、しっかりと反撃を食らわせる。
 チームの回復役となる観測端末は、仲間の疲弊具合はしっかりとチェック。
 戦闘開始直後とあって問題なしと判断し、観測端末は前方へと連なる雷撃を放つ。
 それらは地面をのたうつように伸びていき、浮遊するROMカセットや電源コードを撃ち貫いていく。
 事前の打ち合わせでは、範囲攻撃による一斉駆除。
 そう聞いていた一嘉はまず少しだけ浮遊する。
 戦場としてはあまり広くないフィールドである以上、距離をとるには高度を取る必要があると彼は判断したのだ。
 仲間の働きもあって纏まりかけてきた敵に纏めて、一嘉は詠唱によって発した鉛の弾丸を叩き込む。
 実質上空からの爆撃、対地掃射といった形となるが、効率的に敵を捉えられるならそう問題はないだろうと弾丸を発し続ける。
 ただ、体躯が小さいこともあり、避けている個体もちらほら。
「僕は……数の多いROMカセットの相手……」
 まだまだ、相手も体力があるとみて、レインは堕天の輝きで敵陣を照らす。
「少しでも動きを鈍らせるよ……」
 レインの狙い通り、ある敵は呪いを帯び、ある敵は重圧でまた別の敵は体の一部を石とかして満足に飛べなくなっていた。
 ゲーム機本体はコントローラーを腕のように絡め、叩きつけてくるが、前線メンバーがしっかりとそれを受け止める間に、飛呂が再度動く。
 準備を整えた彼は狙撃銃を向け、ばら撒くように弾丸を発していく。
(なるべく、攻撃を途切れさせないように……)
 敵味方の位置を知覚できるよう感覚を研ぎ澄ませ、飛呂はさらに狙撃銃の引き金を引いて発砲するのである。


 夜妖もこのところ近隣を賑わせる程度には厄介な相手。
 しかしながら、向かうは世界を滅ぼさんとする敵と対するイレギュラーズだ。
 ROMカセットや電源コードの攻撃を受け止めながらも、牡丹は燃える翼を薙ぎ払う。
 狙いはROMカセット。
 彼女もまたゲーム機本体との連携攻撃を懸念し、足並みを乱すよう動きを止めにかかる。
 それだけでなく、牡丹の攻撃で敵の体が燃え上がり、守りを切り崩す。
 一嘉は本体に狙いを定め、その中心へと発砲する。
 それはさながら銃弾の雨のように、敵へと降り注いでいく。
 高度をとることで距離をとる他にも、一嘉が撃ち下ろしで攻撃することによって、流れ弾が正面掃射と違って倉庫を撃ち抜く心配も減る。
 実際、メンバーの保護結界も合わせ、被害はほぼ皆無だった。
 本体も電磁波を放ってイレギュラーズを攻め立てていたが、観測端末が万全な態勢で戦えるようにと、メンバーに福音をもたらし、宝冠を与えて癒しをもたらす。
 皆の傷が増えれば、観測端末は陽光、風光で皆を包み込む。
 暖かな光、優しい風がメンバーへと活力を与え、さらなる戦いに向かう意欲を駆りだすのだ。
 しばらくは互いの攻防が続く。
 ゲーム機は満足のROMカセットと連携が叶わず、苛立ちげにコントローラーを操作し、メンバーを強引に操作しようとする。
 だが、観測端末がすかさず宝冠を降らせて敵の思い通りにはさせない。
 レイテが激しく不滅闘法による乱撃を浴びせかければ、敵もかなり傷んできたのか、動きが鈍ってきて。
 壁際によっていた飛呂が取り巻きを纏めて狙撃し、ついにROMカセット2体を撃ち落とす。
 さらに、牡丹が翼で斬りかかった1体を倒す。
 好機と観測端末も電撃を発し、撃ち抜いた別の1体を地面に落としていた。
「パタパタ積むと……積みゲーって言うんでしょ……?」
 仲間達が倒したROMカセットを見つつ、ワクワクしていたレインは電源コードを含め、纏めて神気閃光を浴びせかける。
「ごめんね……後で掃除するから……少し、寝ててね……」
 重なるように落ちていくROMカセットはまさに積みゲーというべき状況に。
 しばしの交戦を挟み、敵も激しく暴れて抗戦する。
 ところが、イレギュラーズの前に満足な立ち回りができなかったようで。
 エナメル線が露出したコードが束になって直接自らの体を鞭のように叩きつけてくる中、一嘉は纏めて鉛を撃ち込む。
 最後のROMカセットと同時に、真っ二つに撃ち抜かれたコードの束もまた浮力を失い、音を立てて地面へと叩きつけられる。
 もう1体のコードは本体に活力を与えようと近づくが、レイテが接近を許さず。
(何かコードから通電されると回復するみたいだし)
 そう考えつつ、彼はその全身へと直接打撃を撃ち込む。
 それによってコードが引き千切れ、ボロボロになって崩れていった。
 そのレイテへとゲーム機本体が迫る。
 ここぞと発してきた電磁波がレイテを苛み、体力を削ったことで、観測端末が前へと出た。
 内より出でる炎で敵を引き付け、観測端末は防御態勢をとってこの場を凌ぐ。
 ただ、残る敵はゲーム機本体のみ。
 皆がそちらへと意識を向けて討伐を急ぐ。
 飛呂は浮遊するゲーム機本体のカセットをふーふーするところ……コネクタ部分を見定めてラフィングショットを叩き込んでいく。
「よく知らねえけど、繊細なんだろ」
 実際、挙動がやや鈍ることもあり、弱点部位ではあるようだ。
 動きが硬直したところへ牡丹が翼より炎や羽根を飛ばし、レイテも幻想を纏いつつ乱撃を叩き込んでいく。
 コントローラーを腕のように振り回してくるゲーム機本体は、何とかこちらを操作しよう模索していたようだが、変わらず観測端末が宝冠を降らせ、敵の自由にはさせない。
 その間、イレギュラーズの攻撃は続く。
 地上の降りた一嘉はチームの布陣後方へと伸びるコントローラーを受け止めつつ、移行して膂力によるカウンターを打ち込んでいく。
 自身を含めて周囲を癒しつつ立ち回っていたレインは閃光を放ち、悪夢を見せつけゲーム機を追い込む。
 相手の動きが止まれば、飛呂が銃口を向けて。
「ゲームセットだ!」
 狙うはやはり、弱点となるコネクタ部分。
 弾丸を叩き込むと、ゲーム機はそのまま力なく地面へと墜ちていく。
 思ったよりも静かにそのゲーム……戦いは終わったのだった。


 暴れるゲーム機を大人しくさせ、イレギュラーズ一行は事後処理に移る。
 そのまま残される形となったその残骸に興味を示す者は多く、レイテなどはその残骸を見つめていた。
 貴重なレトロ機材であり、機械好きとしては分解したいという欲が首をもたげていたようで。
「ダメ? ……え?」
 店主に尋ねるレイテはダメだろうなと考えていただけに、いいよという返答にびっくりしていた。
 元々、このゲーム機は店のものではなく、どこからか流れて居ついたこともあり、店主にとってはむしろ廃棄する手間がなくなって助かるとのこと。
 ならばと、牡丹もまた譲ってほしいと願って。
「ま、これも縁だ」
 持前の科学技術や工業技術もあるし、資料を検索し、コードを解読することもできる牡丹だ。
 永気を生きた『かーさん』より受け継いだ知識と技術。
 そして、『かーさん』が出会った人々の歴史。
 それらを活かして、このゲーム機を修理したいと牡丹は語る。
「すぐには直せねえかもだが、じっくり付き合っていくさ。遊んでやるから待ってな!」
 それにはレイテも興味津々に加わりたいと主張していたようだ。

 さて、レインが持ち込んだ掃除機や布巾を使い、裏庭の掃除を終えて。
 今回掃討したゲーム機はすぐに動かないとのことで、店長の好意で同じ型のレトロゲームで遊ばせてもらうことに。
「確かカセットを挿す前に、息を吹きかけるのですよね??」
 そこで、店主が全力で止めにかかる。
 なんでも、人の吐息に含まれる湿気などが原因で端子がサビることもあってよろしくないのだとか。
 ともあれ、レイテが店主にモニターも借り、観測端末がゲーム機にROMカセットを挿して電源を入れる。
 ゲームはいくつかあり、アクション、シューティング、パズルと比較的簡単に遊べるものにメンバーは触れる。
 レイテがそれらにしばし興じた後、レインが興味を示したのはレースゲームだった。
 楽しそうに画面上のレースカーを操作するレイン。
「こんな風に見えるんだ……」
 運転したことが無かったという彼だが、ゲームを通じて少しでも知れたことを嬉しく感じていたのだった。

成否

成功

MVP

レイン・レイン(p3p010586)
玉響

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPはこの戦いに積みゲーの概念を持ち込んだ貴方へ。
 今回、ご参加ありがとうございました!

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