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シナリオ詳細

食虫花を確保せよ!

完了

参加者 : 1 人

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オープニング

●町の必需品

 とある世界の大森林地域に、その小さな町は存在していた。
 木々が生い茂る中に存在するその町には、あるものが必需品として普及している。
「また食虫花が枯れた、ですって?」
 町長の娘──アンジェリカは怪訝そうな表情をした。
 食虫花。それこそが、この町で必要とされる必需品なのだ。
 非常に虫が多いことで有名なこの町、その規模は町全体だと言われている。
 しかし数百年前、この食虫花にかかれば虫の8割は減少する、という検証結果が出された。
 以来、この町では食虫花の設置が義務づけられ、町民もそれに賛同した。

 しかし食虫花とて生き物、そうずっと存在し続けられるものではない。
 そのためアンジェリカは年に一回、傭兵を雇って森林へ食虫花採取へ向かっていたのだが。
「残念ながら、今回は傭兵が一人も雇えませんでしたの。報酬が満足いかない、と」
 最近の傭兵は報酬ばかり強請ってきて、言うほどの仕事をしないので困る。
 そう愚痴ってみるものの、実際はその傭兵がいなければ森林へ進むこともできないのが事実だ。
「しかし、食虫花はこの町の守護神のようなものです。彼らなしでは、我々も生活ができません」
 どうにかして、採取可能な状況にさせなければ……。



●食虫花と言っても、種類は様々
 
 アンナ=クリーヴランドは、少し眉間にしわを寄せた。
「食虫花はいいのだけど。その周りにいる虫たちが……苦手」
 アンナはどうやら、その依頼書に添付された写真を見ているようだった。
 いつもよりも感情的に見えるその様子は、彼女を知っているイレギュラーズからすると、新鮮だった。
「今回の任務は食虫花の採集、その種類や数は様々だそうよ」
 場合によっては戦闘もあるから気をつけて、と補足するアンナ。
「巨大な食虫花は虫だけでなく、人も食べる場合があるらしいから……うまく手懐けて」
 そんな想像すると困難なことも、さらりと言ってのけるアンナだが。
「でもあなたたちはイレギュラーズだから。きっと大丈夫よ」
 そんな風に、今回も期待を寄せるのだった。

NMコメント

 こんにちは、悠空(yuku)と申します。
 
 今回の依頼は町の必需アイテムである「食虫花」の採集と教育です。
 食虫花は野生なので、少しでも教育をしないと言うことを聞きません。
 なので、簡易的ではありますが教育もお願いしたいとのことです。
 小さいほど言うことを聞きやすく、大きくなるにつれて反抗心が強くなります。
 どうかあなたの手で町を救ってあげてくださいね、ご参加お待ちしております。  

●世界説明
 とある世界の大森林地域にある町
 食虫花は町以外の大森林地域内にある模様

●目標
・食虫花の採集(数は問わない)
・食虫花の簡易的な教育(できるだけ多く)
 
●他に出来る事
・中~巨大食虫花の討伐・教育
・風を起こして、一時的に押し寄せる虫を町からしのぐ
・食虫花を使って華やかにガーデニング など

●味方(NPC)
 アンジェリカ
 今回依頼をしてきた張本人。
 町長の娘。ちょっぴりお転婆。

●特殊ルール
 特になし

●サンプルプレイング
 
*プレイング①
 食虫花、ですか。これはまた奇怪な生物もいたものです。
 なるほど、大きければ大きいほどに反抗心が強い、と。
 それでは私の技で食虫花の動きを一時的に止めてみせましょう。
 そうすれば、他の戦闘が得意な方が動きやすいでしょう。
 教育は専門分野です、お任せを。

*プレイング②
 虫を食べるから食虫花ねぇ、そのまますぎない?
 まぁ、ネーミングはどちらでもいいんだけれど。
 じゃあ私は、小規模の食虫花から採集していくわね!
 言うこともそれなりに聞いてくれるらしいし?
「わぁ、意外とかわいいじゃない?」
 でも、食虫花って他にできることってあるのかしら?

  • 食虫花を確保せよ!完了
  • NM名悠空(yuku)
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2024年03月23日 22時20分
  • 参加人数1/6人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 1 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(1人)

エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)
高邁のツバサ

リプレイ

 ●狙うのであれば、大物を



 『高邁のツバサ』エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)は言う。
「狙うのであれば、わらわは大型を優先するのネ。その方が、住人の方々も安心だと思うのデス」
 小型でもいいとは思うが、大型であれば虫を食す量も多いだろう。
 町としても虫は少ないほうが良いのであればなおさら、と。
 エステットはそう考えをアンジェリカを示す。
「こちらとしても、大型の方が採集が困難なのでありがたい限りです」
「じゃあ、決まりデス。小型はアンジェリカ君に採集を任せマス」
「大型は採集というよりも討伐に近い形なので、どうかお気をつけて」
 問題ないネ、とエステットはひらひらと手を振る。
「聞き分けの悪い方には、わらわのスキルをお見舞いするノ。どこまでダメージを与えられるかは不明デスガ」
 そんなことを言ってはいるが、どこか余裕のある表情のエステット。
 そんな彼女にアンジェリカは期待を寄せた。


 いつも採集している場所まで案内されたエステットは、全体をぐるりと見回した。
「陽光が上から差し込む、それなりの環境デスネ。食虫花と言ってもやはり植物なノ」
「ここは小型食虫花が多い場所です。大型を狙うのであれば、ここからさらに奥地へ」
「大型は太陽が苦手なノ?」
「あえて避けている可能性は高いです」
 敢えて避けている。その言葉にエステットは疑問を持った。
 
 なぜ、太陽を避けているノ?
 もしかして、成長しすぎてしまうのデスカ?
 それとも、小型が育ちやすい環境にするためにデスカ?
 どちらにせよ、大型は何かに対して遠慮しているように思いマス。
 凶暴とは聞いていマスガ、もしかするト。
 
 そう考えを巡らせるエステット。
 行動するだけでなく、こうして相手の思惑を感じるのも大切な任務だ。
 ただ討伐すればいいというだけなら、そこらの雇われ傭兵でもできることだ。
 だが、野生とて本能だけで生きているわけではない。理性を持って生きる者も少なくない。
 それを汲んだ上で説得ができれば、平和的に済むのだが。
 聞き分けのない者はスキルでお見舞いするが、それはあくまでも最終手段。
 エステットは説得ができればそこで解決したいと願っているのだ。
「ではわらわは奥地へ向かうのネ。もしもアンジェリカ君の身を脅かす何かが現れた時には駆けつけるから、遠慮なく叫ぶといいネ」
 エステットは言うと、飛行して奥地へ向かう。
 アンジェリカははい、と返事をすると、小型食虫花の採集を開始した。



 ふわり、と地面に向かってゆるい風を巻き起こし、着地するエステット。
 その方が、脚への負担が大きく軽減されるのだ。
「……静かデスネ」
 この静寂が、どうか悪い兆しでないように。
 そう願いながら、エステットは森の奥地を進んでいく。
 進めば進むほどに、陽射しが遠くなっていく。
 小型のいた場所とは正反対の、陰湿な奥地。
 中型らしき食虫花はあるが、彼らはいたって静かに咲いている。
 エステットは中型を横目に見つつも、首を横に振る。
「彼らも後々、採集するとシテ……先に大型を説得させるところから始めマス」
 中型食虫花たちは、密やかにエステットを品定めしているようにも見えた。
 隙あらば食す対象にするのか──はたまた大型にでも報せるのか。その真意は謎だ。


「予想よりも大きく、何より蔓が長いデスネ」
 特に大きな襲撃もなく、奥地の行き止まりにまで辿り着いたエステット。
 そこにいた食虫花は採集をするには難しい──木々に太い蔓をいくつも巻きつけ、まるで森の主かのように佇んでいる──造形をしていた。
「まるで長く、永く、ここに棲んでいるような食虫花デスネ。大型というよりは超大型という方が良さそうナ……」
 エステットの言う通り、目前の食虫花はまさに食虫花たちを統べるような大きさだった。
 こんなボスを、いきなり見つけて良かったのデスカ?
 そんな風に呟いてしまうエステット。
 しかしそんな彼女の声を聞いた超大型食虫花は、閉じていた中心を開き、獣の如き無数の牙を見せる。
 エステットはその勢いに目を丸くするが、驚いた様子はあまりない。
「……やはり、理性はなくはないのネ」
 理性が全くなければ、わらわの姿を見た瞬間に襲撃してもおかしくないのデス。
 だけど、この方はしばらくわらわを様子見して、それから威嚇したのネ。
 真っ向な討伐よりは、熱意ある説得が有効デス。
 ここまで大きいと反抗心が強くなるようですが、どうにか解決したいものデスガ。
「心を沈めて、聞くのデス」
 言って、エステットは超大型への説得を始めた。
「優位なものは一肌脱いで、導くのデス。我らの為に自らの愛好する土地を離れ、どうか我らのもとへ……ナノ」
 超大型食虫花は牙を向けつつも、静かに彼女の言葉を聞いていた。
 グググググ……と低く唸るように鳴きつつも、真剣に。
「聞いてくれて感謝するのネ。町の住人のためにどうか、一肌脱いで導いてほしいのデス」
 エステットは一連の出来事を超大型食虫花にわかりやすく話した。
 理解しているのかは判らないが、彼がエステットを襲撃することはなかった。



 ●理性あるものの導き



「というわけで、今回は討伐の必要がなかったのデス」
「珍しいこともあるのですね。まさか中型食虫花が人を食す対象にしないだなんて……」
 どうやら、エステットは珍しいパターンに遭遇したらしい。
 傭兵たちが採集に行くと、中型食虫花が大量に襲撃してきて、奥地の行き止まりになど到底辿り着けないそうだ。
 彼らはもしかしたら、進み行く者を本当に見定めているのかもしれない。
 そうでなければ、エステットが何事もなく奥地の行き止まりまで行けた理由として、辻褄が合わないからだ。
「もしかしたら、食虫花たちはあなたの心を見ていたのかもしれませんね?」
 討伐ではなく、説得で解決しようとした心を。
 そうでなければ、超大型に出会った時点で食べられてしまうはずですから。
 アンジェリカはそう言うが、エステットはそれをやんわりと否定する。
「わらわの力ではないのデス。全ては優位あるものの導きのおかげ、ナノ」
 そう言って、エステットは美しい町を仰いだ。
 

成否

成功

状態異常

なし

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