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シナリオ詳細

安全安心エクストリームピザデリバリー!

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●15分以内に届いてピザが崩れなければ配達ルートは自由です
 焼き上がりから15分以内にお届けするから熱々できたての味!
 ピザの注文はぜひ当店――

「ん むぐ ピザ 美味」
「……それ売り物じゃないよね?」
 6枚切りのマルゲリータを頬張る『島風の伝令』島風型駆逐艦 一番艦 島風 (p3p010746)に、『天翔龍神』ェクセレリァス・アルケラシス・ヴィルフェリゥム (p3p005156)が疑わしげな目を向ける。
「賄い故 無問題 v」
 そう答えてからぱくっと最後の一口を放り込んでVサイン、もう片手に持ったピザの箱(開封済み)を島風は器用にェクセリァスへと差し出した。一瞬迷ってから一切れ受け取るェクセレリァス。断熱ケースに入れた配達中の商品とは違い剥き出しの冬風に晒されてやや冷えたピザは、しかしジューシィなトマトと新鮮なモッツァレラチーズのハーモニーにフレッシュバジルの香りがたまらない。
「美味しい、けど賄いって配達しながら食べるものじゃないような」
「補給 大切」
 補給も移動中には――そんなツッコミが頭をよぎったがェクセレリァスはぽいっとその思考を放り投げた。
 配達中だし。
 確かに空の上で食べるピザ美味しいし。
「よし、次の配達場所はこの近くだね!」
 断熱ケースを両手で持ち直し、中のピザがずれないように減速しつつェクセレリァスが高度を下げていく。
「5階建て中 2階 219号室 目標確認 着地準備 rd」
 ほぼェクセレリァスと同じ軌道で続く島風。そして2人はマンション――ではなく外階段の2階踊り場に着地し、そのドアから直接廊下に入ると219号室のチャイムを押して。
「ピザのお届けに参りましたー!」
 
●イン・ザ・ローレット
 さて、話はその日のローレットへと遡る。
「ピザの配達アルバイト募集……ま、確かに寒いしな。熱々のピザでも食いたくなる季節だ」
 『黒猫の』ショウ(p3n000005)が練達のとあるデリバリーピザ店からの依頼を取り出した。
 15分以内にお届けしますというのを売り文句で始めたが、注文が集中すると一般人のアルバイトでは時間内に配達できないという事態が頻発したらしい。
 割と道も混むし高い建物の上層階に配達とかもあるからそれもそうだろう。
「とりあえずは一日の単発バイトだ、ピザさえ崩さなければ配達ルートは自由……ああ、もう飛べるイレギュラーズが嬉しそうに依頼請けてたぞ」
 後ろでVサインしてる島風と頷いているェクセレリァス。
「戦闘になる危険はまぁ限りなく低いとは思うが……少なくとも同等以上の相手とバチバチにやり合うことは絶対ないだろうが、一応なんか邪魔されたら追い払うくらいの準備はして行った方がいいかもしれない。15分だしな」
 もしかしたらピザを狙う動物とかいるかもしれない。野良犬とか野良猫とかカラスとかカラスとか。あとカラスとか。野鳥とか。
「ちなみにピザの賄いもあるらしい。いろいろと不穏なことも起きてるが、こんな時だからこそ人助けも大事ってことで手伝ってくれると助かる」
 そう言って、ショウはバイトのチラシを差し出したのだった。

GMコメント

 おいピザ食わねえか。……もとい。
 練達にてピザ配達の依頼です。よろしくお願いいたします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●成功条件
 全ての配達依頼で「ピザを崩さず」「15分以内に配達」すること。

●高難易度ピザ配達依頼について
 ピザ配達依頼はバイト時間いっぱい発生しますが、中でも難易度の高い配達依頼が3つ発生します。
 主にこの3つの高難易度ピザ配達依頼についてプレイングをかけて下さい。
 分担するもよし、協力するもよしです。
 ぶっちゃけこの3つの依頼以外は失敗することはありません。

1,トッピングハイパー山盛りピザ
 配達するピザは箱の中で動かないように軽く固定されており、本来箱を逆さにしたりケースを振り回したりしない限り崩れることはありません。
 しかしこのピザだけはトッピング山盛りのため他のピザより高さのある箱を使っており、また普通の人間が両手で箱の水平を保って全力疾走する程度の振動でトッピングが崩れます。
 距離は遠くはないのですが、地下街ショッピングモールの中心近くにある店(デリバリーピザとの提携店)への配達なので、人混みの地下街を通る必要があります。

2,野鳥群生屋敷
 鳥の餌台があったり庭で鳥に餌やりをしているため、100羽を優に超える野鳥が生息している大きな庭のお屋敷です。
 断熱ケースの中にあるピザにも敏感に気がついて壮絶に群がってきます。
 足元でピヨピヨするスズメ!
 頭や顔へのけたぐりも辞さずアタックしてくるカラス!
 油断したらぴゅんっとケースごと攫っていくトンビ!
 ちなみに殺してしまってもピザさえ無事であれば失敗にはなりませんが、後からめちゃくちゃお店にクレームが入ったり何となく後味が悪かったりするかもしれないので、出来れば命を奪わないようにしてもらえると嬉しいです。

3,高層ビル上層階(エレベーター故障中)
 30階建てビルの29階へのお届けですが、エレベーターが故障中なので玄関から昇るなら階段を駆け上がること必須です。
 幸いピザは両手で保持していれば、全力疾走しても転倒しない限り崩れることはありません。
 なお屋上がありますが30階から屋上へと出るドアには内側から鍵がかかっています。

●ちなみに
 賄いピザはあまり豪華なものでなければあります。基本はマルゲリータ。あとテリヤキチキンとか。
 持ち帰っても配達しながら食べても休憩しつつ食べてもOKです!

 それではよろしくお願いします!

  • 安全安心エクストリームピザデリバリー!完了
  • GM名旅情かなた
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2024年01月30日 22時45分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費150RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
防戦巧者
ェクセレリァス・アルケラシス・ヴィルフェリゥム(p3p005156)
天翔鉱龍
※参加確定済み※
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
島風型駆逐艦 一番艦 島風(p3p010746)
島風の伝令
※参加確定済み※

リプレイ

「ピザにパイナップルはないと思うんだ」
 『天翔龍神』ェクセレリァス・アルケラシス・ヴィルフェリゥム(p3p005156)は真顔でピザ界隈屈指の論争へと切り込んだ。
 再現性東京で言うところの「酢豚パイン論争」に極めて近い議論の一つである。たぶん。
「賄い 無料ピザ 美味……」
 そしてその隣を『島風の伝令』島風型駆逐艦 一番艦 島風(p3p010746)がパルマピザを頬張りつつ駆け抜けた。空を。摩天楼のさらに上、広い蒼穹を。
 もちろん飛んでいるのもピザ食べてるのもェクセレリァスとて同じである。流石に賄いなのでぎっしりとはいかないが、それでも切れ端とか不揃いなやつとかそこそこ乗ってるパルマハムにルッコラとチーズ、塩気強めの具材が厚めの生地にて引き出される小麦の甘さと良く合う。
「ともあれ世界が大変だからこそ、こういう仕事も大事……ってね」
 気分転換にもなるし、お金も手に入るし。
 そんな人型に擬態してる時は割と世俗的なノリになっているェクセレリァス。
「対価 高速配達 朝飯前……あ」
 こっちは最初から口調はともかく内容や行動はそこそこ世俗的な島風。
 まぁほら軍事って世俗的だから。
「当方 既食後……」
「慣用句だから拘らなくていいんじゃないかな、そこは」
 こういう微妙な応用力の差に、人生(?)経験が表れてるかもしれない。ただしどっちも人外系ウォーカーの、だが。
 本性が何であれ、人々を世界の危機から守るのも、普通ではこなせないような配達を軽やかにこなすのも、ローレットそしてイレギュラーズの役割の一つだし、人々が敬意と感謝を込める理由だ。
「………………えと 配達楽勝 満足度星五 確実」
 というわけで。
「安心推奨 v!」
 配達1件完了しました!

「たまにはこういう平和な仕事もいいものです……いや、平和かどうかはうーん。まぁ、平和でしょうか……」
『泳げベーク君』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)は眉間と思しき辺りに小さく皺を作りつつ首を傾げた。香ばしく焼き色も綺麗な小麦生地――に見える体表を眺めて、ふむと『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)はつい呟いた。
「確かチーズを乗せて焼いたピザ生地に餡とクリームをトッピングした和風? なデザートピザもあったな……」
「まぁ僕の中身は普通に魚なんですけどね?」
 どう見ても見た目は鯛焼きなベーク君だが中身は立派なディープシー。
「大丈夫、ちょっと連想しただけだ」
 イケメンアルトボイスで釈明しつつ爽やかに微笑むモカ。
 ちなみに彼女が幻想で経営する飲食店『Stella Bianca』でもデリバリーサービスの立ち上げを予定している。
 なので今回の配達バイトはそのための経験作りだ。実際に現場に立つことで自分の店でのサービスに活かし、課題点を発見しておきたいということで。
「今の混沌世界も不穏で、人々が不安に陥っているからな。だからこそこういった生活に即した……要は美味しいものを手軽に頼めて家で食べられるサービスは重要そうだ」
「確かに買いに出かける手間がなければ危険も減りますからね……」
 モカの言葉にベークが頷く。実感の籠もった言葉であった。いろいろと狙われやすいから。こう、匂いとか美味しそうだし、いろいろと。
「とりあえず体力にはそれなりに自信がありますからね、崩さずに届けたいところです。頑張りましょう」
 そしてそれぞれのデリバリー先のピザを手に、モカとベークも配達へと繰り出したのである。

●高難易度ミッション:山盛りトッピングを無事護送せよ
(……やりすぎでは?)
 思わず口から出そうになるツッコミを呑み込んだのは誰だったか。
 もちろん注文されたらその通りに作らねばならないピザ屋の皆さんには罪はない。むしろピザ生地の縁と焼いてとろけたチーズによって積み上がる具材を固定するのは紛うことなき職人技。
 それでも走って届けたら絶対崩れる繊細(?)なピザだからこそ。
 飛行能力持ちイレギュラーズの出番である。
「再現性東京じゃないし堂々と飛べるな、ヨシ!」
 あれも練達だけどまた色々ルールが違うから。
 それはそうとェクセレリァスは自分の言葉に微妙な顔をした。
「この言い方は何となく不安だな……」
 息を吐いて、吸って、もう一度。
「よし!」
 言い直しついでに気合入れを兼ねて、立方体に近くなった箱を詰めた保温ケースを持ち上げる。
 モカと島風もそれに続いて自分の運ぶケースを持った。ちなみに島風は艦装を運動性能と安定した運搬を重視した補給船状に変形させてある。
 3人とも割と機械的な飛行タイプなので上下に動かず水平に飛べるのが強みである。
 ピザを崩さないという意味でも。
 あと地下街の微妙な高さの天井と人々の頭の上という空間を移動する上でも。
「島風 ピザ配達中 邪魔 非推奨」
「あっすみません頭上失礼しておりますーすぐ通り抜けますのでー」
 島風が先頭切って飛んでいく下では、思わず見上げる人同士がぶつかったりしないようにベークが人波の中を上手く誘導していく。
「あっふうせん!」
「おっと」
 モカとェクセレリァスがすっと左右に分かれて子供の手を離れた風船を回避し、その間にベークがさっと紐をキャッチして子供に返す。
「はい、離さないように気をつけて下さいね」
「ありがとー! えと、たいやき? おにーちゃん? ……たべれる?」
「ごめんね食べれないんですよー」
 ちゃんと風船の紐を握りつつも今度はたらんと口の端からよだれを零しそうな子供からささっと離れるベーク。
 幸いというべきかは微妙だが、慣れてるので。こういうの。
「今までになく神経を使う配達だなぁ、これは」
 ェクセレリァスが思わず呟く。人がたくさんいればやっぱり突然何か起きることってあるので。
 なおリアルに神経があるのかは謎だ、本来の姿は人型じゃないからね。
「現在の状況把握と未来の予測が大事だな」
 賛同しつつ近づいてきた目的地に向けてスピードを少しずつ落としていくモカ。
 急発進急ブレーキは崩れやすい荷物の大敵だからね!
「高速配達 えくすとりーむぴざ 美味 実際安心 実際安全 実際安価 島風推奨」
 島風の宣伝が地下街に響く。館内アナウンスくらいの音量に声音は平坦ながらも熟語の連続がやたらと心地いい宣伝と共に、店の前に停止、そのまま着地。
「笑顔付属 v」
 笑顔と言いつつ表情筋が動いてないのはご愛嬌。
 というわけで配達完了!
 
●高難易度ミッション:鳥類愛護と安全配達を両立せよ
 その配達先に近づきながら、既にイレギュラーズ達は無数の視線と物凄い圧を感じていた。
 たかが野鳥と言うなかれ、紛うことなく野生動物なのである。
 だが――野生動物が相手だからこそ、できる戦術がある!

 そっと一度遠い目をしてから、ベークはふわりと全身から甘い香りを湧き上がらせる。甘い、甘い、香ばしく焼ける小麦生地と餡の香り――甘さへと惹きつけられる動物は多い。無論鳥も然り。
「あー……あいて、痛た、いてっ」
 歴戦のイレギュラーズであるからして、普通の鳥につつかれたり啄まれたりしたくらいで大した怪我にはならない。
 が、隙あらば身をむしろうとするので痛いものは痛い。そっとルーンシールドを起動してちょっとくちばしが通りづらいようにするベークである。
 そしてベークには近づかず、もしくは彼に群がる集団から弾き出された鳥達がこちらを向くのをェクセレリァスはギッと眼光鋭く睨みつけた。
 怯む鳥達。野生動物は相手の強さや戦意に敏感である。
 さらにモカの召喚したファミリアの鷹と鷲も全力で睨みを効かせている。両肩から食物連鎖上位が放つ威嚇にスズメとかは結構逃げた。
 それでも迫ってくる根性の強いカラスとかカラスとかトンビを必死に回避しつつ、スズメを踏まないように地面からやや浮かんでモカとェクセレリァスは玄関を目指す。
「ええい、こっちくんなって。はたくぞ!?」
 ェクセレリァスが視線の威圧に更に大声を加えて追い払う。
「お前らの食べ物じゃないから!あっちいきな!」
「えっ」
 ベークがさらなる襲撃の予感に身をこわばらせる――が。
「第一戦術 亜種 ぴざ魚雷 零式五連装魚雷発射管混沌改三連  rd」
 大丈夫ご安心を!
「発射!!」
 攻撃用爆薬の代わりにばらまき用ピザを搭載した島風の魚雷が味方を避けつつ前方180度に等間隔に撒き散らされる。
「魚介沢山 島風歓喜 当然野鳥 尚更歓喜」
「あっペスカトーレいいですね、あとで僕もいただきたいです」
 ちなみにこちらのピザは賄い支給品を利用しております。
 使ってるのは剥くの失敗したエビとか微妙なイカの切れ端とか殻に残ってたカニのほぐし身みたいなのだけど味は十分美味しい。あと鯛は肉食強めの生態なのでベークも海の幸はだいたい好物だ。
 そして鳥達が気を取られ、あるいは早速ピザに向かったその隙に。
「星航型推進機関試作弐式混沌改 全開ッ!」
 箱を両手でしっかり保持して急加速。
「接近拒否 急加速 最適」
 ちょうど進路の開いたモカとェクセレリァスも加速して玄関へと到着!
「ご注文のピザお届けに参りました!」
 配達完了!

 あ、ちなみにベーク君はピザ魚雷に紛れて先に脱出に成功しました。

●高難易度ミッション:登頂せよ!!
 シンプルな障害が簡単であるとは限らない。
 それを物語るように30階建てのビルは鎮座していた。
「超巨大 こんくりーと 豆腐……」
 わからなくはない。ちょっと縦に長い豆腐だけど。
 さてリスク分散か役割分担か、イレギュラーズは二手に分かれた。
 まず飛行組がェクセレリァスとモカ。
「難しい配達先と聞いたけど、さっきまでのよりずっと楽な気がするなぁ」
「確かにドアさえ何とかすれば問題ないからな」
 ぶっちゃけ垂直飛行でひとっ飛びだから確かに気持ちも技術的にも楽。
 だが階段組はそうもいかない――主にベークがひたすら身を波打たせて階段を爆走していた。
 1ジャンプ1段なので相当ハードだし絵面も凄いが別に遅くはないのだ。
 遅くは。
「当方搭載 天体重力推進式急速速度変更機構 加減速 楽々 連続旋回 余裕」
 機動力爆上げの島風が速すぎるだけで。
 ちなみにこれでもビルの階段というほぼ180度カーブを繰り返す環境のため、ちょくちょく減速する分まだゆっくりな方である。
「これって僕が到着する頃にはドアどうにかしちゃってるのでは……?」
 実際ェクセレリァスなんて物質透過を習得してるからドアとかあってないようなものだし。
 モカはそういった能力はないがガッツリ工具持ち込みだし。
「配達対象 確認請負 v」
 と島風が言い残していったので、とりあえずベークは30階まで必死に駆け昇るのに全身全霊を費やした。
 そして。
「ところでこれ、セキュリティ的に問題になったりしないよね」
 ひょいっとドアを通り抜け済みのェクセレリァスと、ドアの向こうでカチャカチャと工具を取り出す音が聞こえたところで何とか滑り込無事に成功したベーク。
「あっすみませんすみません開けまーす」
「あ、そうだった」
 内鍵のドアだから中から開ければいいのか、とェクセレリァス。そうだった、と工具を仕舞うモカ。
 イレギュラーズってまさに普通では開かないドアみたいな特殊状況にしょっちゅう遭遇するのでたまに普通の手段がぽんっと抜けることがある。
 実際、このくらいのドアならピッキングで開かなくても物理的に工具で外して通り抜けてから戻す、とかモカなら痕跡もなくさくっと出来てしまうので。
「とはいえうん、安全第一だな」
 一応通り抜けたドアの鍵はもう一度閉めて、あとは階段を1階分下りるだけ。
 先に配達先のドアの前で島風が手を振って合図している。
「すみませーんピザの配達に参りましたー!」
 というわけで配達完了!
 帰りはみんなで仲良く階段を降りて戻ったのだった。

●たたかいのあと
 高難易度配達依頼を筆頭に業務時間いっぱい配達をこなした一同は、ようやく一息ついて賄いピザを口に運んでいた。
 配達中に普通に食べてたメンバーもいるけど。
「……僕、あんまり向いてないのかもしれませんねぇこういうの」
 うん、まぁ、ベーク君のメイン業務が配達というよりデコイだったのは否定できない。
 なおそれはそれでめちゃくちゃ役には立っていたのだが。
 とはいえぐったりしつつも海鮮端材多めのペスカトーレを口にして「うーん、美味しい」と表情を緩めるベーク。
「うん、やはり働いた後の食事は美味しい」
 満足げにモカがサラミとほうれん草に色々チーズを乗せたピザを運ぶ。チーズの種類が多いのは残り食材処理の面もあるが、まぁだいたいチーズは多けりゃ美味しいからいいのだ。
「島風、お勧めある?」
 ふっと尋ねたェクセレリァスに島風が頬張ったピザをむぐむぐしつつ今食べてるのと同じ皿を指差す。素直に取って口に運ぶェクセレリァス。
「ん、ちょっと辛めかな、でもチーズと中和さ、……」
 されなかった。
 チリペッパー強めのペパロニにチリトマトソース、あえて生寄りに仕上げたみじん切りオニオンにホースラディッシュと本わさびのダブルわさび醤油ソース。
 鼻から喉辺りまで全力で辛さマリアージュしてくる口の中に悶絶しながらェクセレリァスは水を取って一気にボトル半分ほど飲み干した。
 不味くはない。むしろ激辛ピザとして普通に美味しい。
 だが辛さが多種類あるので全体的に辛い。多分辛さに弱い人だともはや痛い。
「満腹 幸福 nn」
 ともあれ混迷極める混沌の中で、この美味しい幸福を無事に沢山の人に届けるのもまたイレギュラーズの役割の一つ。
 新たなる日々へ向けて疲れを癒し英気を養って、彼らは今日のバイトを無事完了したのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 このたびはリクエスト&ご参加ありがとうございました!
 差し迫った状況だからこそ守らねばならぬ日常ってありますよね。そんなアルバイトを見事達成してくれた皆様に感謝を。
 そして最後にどうしても言わせて下さい。

 ピザが食べたくなりました。じゅる。

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