PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<星屑綺譚スタアライト>星に願いを。

相談期間中

参加するためにはログインして下さい。

オープニング

●朝が来ない街

 ましろの雪で染め上げられた海岸で幼子が懸命に何かを拾っている。
 はぁと吐き出した息は白く、頬を撫でる冷たい風にふるりと震えた。
 母親が心配そうにもう帰ろうと声を掛けても、ふるふると首を振って嫌だという、
 そしてまた屈んで、せっせと何かを拾う。
 幼子が拾っていたのは星の欠片だった。
 此処、スタアライトは『朝』という概念がない。常に夜の帳が落ちるこの街を見守るのは太陽ではなく、いくつもの星だった。
 星と共に生き、星と共に逝くこの街は至る所に空から振ってきた星の欠片が落ちている。
 雨が降り、人々に恵みをもたらす様に。スタアライトでは星が降り、人々の暮らしを支えているのだ。

 スタアライトでが朝は来なくとも、時は流れている。
 今日は聖夜と呼ばれる特別な日であった。
 幼子が懸命に拾っていた星の欠片、それを透明な丸い瓶に入れてコルクでふたをする。
 瓶の中で光を放ち、硝子の反射も相まって輝く姿は宛ら宝石の様であった。
 花が綻んだように笑った幼子はとてとてと母親の元に戻り、それを差し出した。
「おかーさん! あげる!」
「まぁ、綺麗……ありがとう」
「瓶を、つりーに飾るの楽しみだねぇ!」
「そうねぇ、でもこれはお母さんの宝物だから他のを飾ろうかしら」
 和やかな親子を見守るように一筋の星が流れていった。

●星に願いを
「よぉ、久しぶり。俺の事忘れないでいてくれたか? ……なんてな」
 軽い冗談を飛ばしながら、境界案内人『朧』は手をあなたへ振った。
 彼の右手には小瓶が握られており、指の間から白い光が漏れている。
 不思議そうに首を傾げたあなたの姿に、朧はくつくつと喉の奥で笑った。
「こいつは星の欠片を入れた小瓶だ。
 『星屑奇譚 スタアライト』って御伽噺……ああ、わかりやすく言うなら異世界だな
 そこで作ることが出来るぜ」
 聞けば、その世界は朝が来ず、夜に閉ざされているものの人々は星と共に生活をしているのだという。
 朧が持っていたのは、その世界で『聖夜』を迎える際に使われる物らしい。
「こいつはキャンドルや、ツリーに飾るオーナメントの役割だが……
 星の欠片は様々な物に加工できるんだ。夜はダンスパーティなんかもあるみてぇだし、興味があるなら行ってみたらどうだい?」

 そういって朧はあなた方を送り出した。

 

NMコメント

 はじめましての方ははじめまして。
 そうでない方は今回もよろしくお願い致します。
 ノベルマスターの白です。

 やっぱり出したくなりました、星屑奇譚。
 所謂クリスマスシナリオです。
 カップルでもお友達でもグループでもお一人でも、お気軽にお越しください。
 グループ名の際はタグを、お連れさまがいる場合はお相手さまの名前をお願いいたします。
 また、ソロ同士の方は白の独断と偏見で併せて描写することがあります。
 絡みが嫌という方は『絡みNG』の表記をお願いします。

 このラリーは三章構成を予定しています。
 一章につき何回でも参加していただいて大丈夫です。ただし描写が薄くなるため一回の参加につき一箇所でお願いします。


●全体目標 
 星屑祭を楽しむ。

●第一章目標
 星の欠片を集めてオリジナルの小瓶を作る
 星の欠片を集めてオリジナルの装飾品を作る

 スタアライトの至る場所には星の欠片が落ちており拾い集めることができます。
 もしくはお店でもいろんな種類の星々が売っているのでそれを買うのもありです。

 お店
 町の至る所にお店があり、様々な星の欠片を売っています。
 小瓶も一緒に手に入りますよ。

 広場
 中央にまだ飾られていないツリーがあり、飾り付けを楽しむことが出来ます。準備を手伝っても構いません。
 食べ物の屋台や、特設ステージ、星を使った小物を売っている屋台もある様です。
 
 海
 冬の海で寒いですが、穏やかな波が寄せては返しています。砂浜には雪が積もっていますが、よく見るとシーグラスや珍しい瓶もあるかも。
 
 山
 雪山です、アイゼンを着けて探してみてもいいかもですね。星空に近い場所なだけあって大きいものもあるかも。

 工房
 お世話好きな星屑の魔女がお客様をもてなします。
 星を溶かした温かな紅茶を飲みながら、貴方だけの装飾品を作ってくれますよ。
 ドレス、ヒール、アクセサリー、コスメ。わがままを叶えちゃいましょう。

●サンプルプレイング
・瓶を作る方
 プレイングにはどこで星の欠片を集めるのか。
 どんな形や色なのか
 どんな瓶に閉じ込めるのかをご記載ください。

 場所:海
 欠片:透き通ったブルーの星
 瓶:星の形をした小瓶
 星の欠片なんてロマンチックね!
 せっかくだから海に行って集めてみようかしら。星の形をした瓶にリボンをかけたらもっと可愛くなるかなあ

・装飾品を作る方
 プレイングにはどこで星の欠片を集めるのか。
 どんな形や色なのか
 どんな装飾品を作るのかをご記載ください。
 また、こちらの方は工房固定となります。

 場所:工房
 欠片:真珠のような白くて丸い星
 装飾品:ドレス
 ダンスパーティ楽しみだわ! おめかししなくちゃ!
 魔女さん、素敵なドレスをつくってくださる?

 こんな感じです。それではいってらっしゃい!

  • <星屑綺譚スタアライト>星に願いを。相談期間中
  • 朝が来ない街、星と共に生きる街で聖夜を迎えましょう。
  • NM名
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 依頼公開日時2023年12月23日 22時15分
  • 第1章募集中0人
  • 総採用数3人
  • 参加費50RC

参加するためにはログインして下さい。


第1章

第1章 第1節

ラビア・マーレ・ラクテア(p3p008448)
海を漂う蒼白星

「朧さん! 早く早く!!」
「そんなに急かさなくたって、俺ぁ逃げやしねぇよ」
 朧の手を引いてラビアは海へとやってきた。深い海の色を宿すその目と対比し、白い頬は赤く染まっていた。

「前にも来ましたけど……やっぱり星屑祭って素敵ですね!!」
「お前さんあの時は山に登って、偉い目に遭ってたな」
「うう……朧さんとてっぺんで星を見たかったんですよぉ……」
 俯いたラビアを朧はよしよしと宥めてやった。
「でも今年は海にしました! 海は私の故郷ですからね!」
 えっへんと胸をはるラビアに、朧は小さく手を叩く。

 瓶は半透明なハートの形をした可愛いものを選んだ。
 後は中に詰める星を探すだけ。
 とはいっても、これが一番難しい。
 これだと思って拾っては違うと返し、それを繰り返す。
「随分と拘るじゃねぇか。手、冷えちまうぜ」
「だって、贈り物なんですもん」
 大好きな人への贈り物。妥協なんてできる筈もない。
 指先が赤くなってもラビアは雪を掻き分ける事を止めなかった。そうしてやっと見つけた理想のカタチ。

 サファイアにも負けない深い蒼。
 ああ、その色はラビアの眼にとってもよく似ている。

「見つかったかい?」
「はい! 形も色もとっても綺麗!」
「こんなにおひいさん想ってもらえて幸せモンだねぇ、そいつはよ」
 冷えた指先を温めてやろうと、朧は袖口から懐炉を取り出そうとししたが。
 己に差し出された瓶を見て、思わず朧は懐炉を落してしまった。

成否

成功


第1章 第2節

フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと

「おっきい小瓶!!」
「デケェのがいいのは分かった」
 どんな星の瓶にするんだと、朧に聞かれたフラーゴラは元気よく答えた。それに苦笑しつつも、朧は自分の心に正直な所がフラーゴラの良い所なのだと知っている。
「おっきい小瓶にいーっぱい星を詰めたら楽しいだろうなって……でね」
「手伝って欲しいんだろ? デケェと時間かかるからなぁ」
 フラーゴラと朧の付き合いは長い。
 なんとなく互いの言わんとすることは言葉にせずとも伝わるのだ。
「おひいさんの頼みを断る気は更々ねぇなあ」
 そう言えば途端に目を輝かせて耳をぴこぴこ動かして喜びの感情を溢れさせてきた。
「あっちの星も! こっちの星も!
 落ちてきたばかりの星屑も! 全部入れるの!」
「おひいさんは欲張りだなぁ」
「ダメかなあ?」
「お嬢さんは欲張りな方が可愛げがあるってもんよ」
「えへへ、だよね」
一つ二つと星屑を小瓶に落とす度に、カランと綺麗な音が鳴って、互いの色を反射しあいカラフルな光を放つ。ほう、と見惚れていたフラーゴラだが頬に当たる冷たい感触に空を見上げた。
「雪……結構冷たいね。ワタシは狼の獣種だから平気だけど朧さんは平気? 後で温かいお茶でも飲もうよ」
「そりゃ楽しみだねぇ」
 前にも朧にお茶を振る舞ったことがある。といっても、自分が点てた茶では無いのだが。
 懐かしい気持ちになってフラーゴラは再度、星屑を落とす。

「朧さんとの思い出も、この中に詰めるんだ」

成否

成功


第1章 第3節

ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い

 カランと釣鐘が揺れて、来訪者の存在を星屑の魔女に教えた。
 ドアを開けた先にはジョシュアが立っていた。
「こんばんは、星屑の魔女様」
「あら、可愛らしいお客様。どうぞお入りになって」
 そういうと魔女はステッキをティーポットへ向けて軽く振った。するとティーポットが空へ浮かんで、触れても無いのに紅茶がカップへ注がれていく。
「星は二つがおすすめよ」
「じゃあ、それで」
 小さな星が二つ紅茶へ飛び込んだ。心なしか紅茶の色が鮮やかになったような気がする。
「頂きます」
 舌触りが滑らかな、甘い味。
 安心する様な不思議な味だった。
「不思議な味……美味しいです」
「お粗末様でした。それで、翡翠の貴方は何をお求めなのかしら」
 魔女はジョシュアが持ってきた星の欠片を指差した。
「春に一緒に桜を見に行く友人の髪を飾るリボンを作っていただきたいのです。
 桜色に星が散ったようなリボンにして貰えますか?」
「ええ、貴方の想い。素敵な星に致しましょう」
魔女がステッキを再度振った。
白のリボンに桜色の星の欠片が溶け込んだ。白雪にインクを落としたように、リボンが桜色に染まる。
 ジョシュアが持ってきた星を魔女が預かり、ふぅと息を吹きかける。すると桜色を引き立てるように小さな白が散ってキラキラと輝いた。

「うん、とっても良い出来。如何かしら?」
 そう問うた魔女だったが、ジョシュアの表情を見れば、その答えは聞くまでもなかった。

成否

成功

相談掲示板

運営
[2023-12-23 22:15:02]
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