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シナリオ詳細

<ラケシスの紡ぎ糸>熱狂の立像

完了

参加者 : 7 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<ラケシスの紡ぎ糸>熱狂の立像
「明日、世界が滅亡しますです。
 あ、嘘です。明日じゃないかも知れませんが、近い将来、世界は滅亡するでごぜーます」

 混沌世界に生きるイレギュラーズならば、既に聞きなじみのある言葉。
 まるでその言葉を歴史がトレースするかの様に、深緑、ラサ、覇竜……と色々な地で事件が立て続けに起きている現状。
 だが、その侵掠の手は……そこだけに留まりはしないようで。

「我こそが真なる鉄帝の王である。我はこの塔より惰弱なる現鉄帝を支配し、その部を布くものである。
 命惜しからん者は挑むがいい。この塔には最強が在る!」

 鉄帝国帝都近郊に突如として現れたのは……巨大な塔。
 絢爛豪華な外見の塔は当然の事ながら、見た目にも目立つ。
 更にはそんな塔の中より、ラサにて見受けられた『終焉獣』や『不毀の軍勢』と思しき者達が、次々と姿を表し……鉄帝を支配せんと動き始める。
 勿論、鉄帝国として、その侵略を『はいそうですか』と受け入れるわけは無かろう。
 鉄帝はラド・バウ闘士や軍人らを動員し、塔の付近に防衛ラインを敷き、鉄帝への侵掠を堰き止め、更にはローレットへの攻略依頼が発し……その塔内部の調査を依頼。
 終焉に向かわせない為にも……彼らの侵掠を止めねばならない。
 今こそ塔へ侵入し、その内実を解き明かす時。


「……という事の様です。皆さんも驚かれているでしょうが……あの塔は、現実に起きている事件……なのは間違いありません」
 鉄帝首都にて、『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)は指を差す。
 そこには、空を劈くように高く聳える、絢爛豪華なる塔の姿。
 鉄帝国の日常風景に突如割り込んできた、その塔は『全剣王』を名乗る者が建てたと言われる塔。
 その塔から終焉獣や不毀の軍勢が次々と姿を表しており……鉄帝国の軍部はその対処に追われていた。
 動きも速かった事もあり、現状塔の入口付近までは、鉄帝国の支配下にあり、中へ攻め入る事が可能だ、という話。
 だが……。
「今迄に侵入した皆様の情報を聞くに……どうも統一性がありません。恐らくあの中は……様々な構造が全剣王の力によって入り交じっている、玉石混合の状態にある、と言えるでしょう」
「何が現れるかも解らない、危険な場所である事は間違いありません……ですが、この事態を放置していては、『全剣王』が何を次にしてくるかも解りません……」
「奇妙ではあると思います。ですが……どうか皆様のお力をお貸し下さい。宜しく御願い致します」
 と、ルリアは皆を見渡すと共に、深く頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 深緑、ラサ、覇竜に続き、色々と騒がしい鉄帝国にも魔の手が迫っている様です。

 ●成功条件
  『全剣王』によって作り出された『塔』に侵入し、中に巣くう敵を倒すことです。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
  今回皆様が侵入する階層では、『まるで闘技場』の様な風景が拡がります。
  闘技場故に、戦いを見下ろせる観客席、そしてだだっぴろい決闘場、という光景です。
  敵陣はかなり多くの戦力があり、倒しても倒してもすぐに次のが現れてくる様です。
  ……彼らを止めるには、全ての敵を倒すか、もしくは彼らの守る、『観客席』の何処かにある『力の源』を破壊する必要があります。

 ●討伐目標
 ・終焉獣の様な、獰猛な終焉獣の群れ
    狼や熊等、獣の姿をした者達です。
    闘技場の決闘場に次々と姿を表し、皆様を先へと行かせない様に対峙します。
    戦闘能力は並で特に強くも弱くも無い様ですが……炎、毒、痺れ等のバッドステータスを付与するのを得意とする様です。
    一匹、二匹なら全く問題無いかもしれませんが……今回戦闘は継戦となりますので、戦闘後に回復する、という余裕は殆どありません。
    戦闘中にスムーズに回復出来るかが肝となります。

 ・観客席を取り巻く『不毀の軍勢』達
   人型ではあるものの、もはや怪物のように意思なく暴れる事しか出来なくなった者達です。
   戦闘能力的にはそんなに強くはありません。範囲攻撃を何発か与えれば死んでしまう位です。
   ですが、闘技場の観客席に結構な数が居ますので、彼らを倒すとなるとかなり骨が折れる仕事になります。
   とは言え、敵の『力の源』は観客席の何処かにあるので、こちらを倒し続けるか、抑えて源を見つけ出して破壊する……のどちらかが必要となりますので、彼らへの対応もしなければならないでしょう。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <ラケシスの紡ぎ糸>熱狂の立像完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2023年12月11日 22時05分
  • 参加人数7/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 7 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(7人)

オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
只野・黒子(p3p008597)
群鱗
ラムダ・アイリス(p3p008609)
血風旋華
ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
月夜の魔法使い
ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)
メカモスカ
陰房・一嘉(p3p010848)
特異運命座標
レイテ・コロン(p3p011010)
武蔵を護る盾

リプレイ

●映りし時
 世界滅亡の報らせが世界を巡る混沌世界の一国、『鉄帝国』。
 突如現れし『全剣王』が、鉄帝国首都の傍らに突如作り出した豪華絢爛なる塔と、そこより現れし多くの敵の群れ。
 初動が速かったお陰もあってか、国の首都に被害が及ぶ事は無かったものの……だからと言って、油断して良い様な状況に無いのは変わらない。
 そして……そんな塔に足を踏み入れた仲間達から齎された、塔の中の構造。
 全てがばらばらで、一切の統一感もなく、正しく混沌を極めた塔の内装。
 ただ……。
「……此処って何だか、ラド・バウの闘技場に似ているような?」
「ええ。前に行ったの中の構造は、鉄帝国の街並のようでしたが……ここは闘技場、ですか? 観客席もありますし、全剣王の見世物にでもされているのですかね……?」
「ああ……大道芸人じゃあるまいし、ボクは見世物じゃないのだけれどね……技の術理を盗み見されている様な気がして、気分はあまりよくないのだけど……さ」
 小首を傾げる『新たな可能性』レイテ・コロン(p3p011010)と、『千紫万考』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)の言葉に『血風旋華』ラムダ・アイリス(p3p008609)は不敵に微笑む。
 三人が語るとおり、目の前に広がる光景は、ラド・バウ闘士達が凌ぎを削る『闘技場』を模した構造をしている。。
 広い闘技場と、そこを囲む様に観客席……更にその丈夫には、王族やらの主賓が観戦するロイヤルボックスの様な部屋。
 その光景は、人によっては慣れ親しんだ景色でもあるだろう。
 ……ただ、相手にするのは『闘士』ではなく、全剣王達により生み出された『怪物』の様な獣たち。
 更に次の瞬間、イレギュラーズ達を応援……ではない、野次を飛ばすかの如く、観客席にはさっきまでは居なかったはずの、大量の『不毀の軍勢』達が次々と姿を表していく。
「良く聞いていた、力を示す為の見世物の様だな……まさか、ラド・バウ以外で闘技場に立つとは、な……とは言え、観客席の方は、ラド・バウより過激な様だが」
 『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)が、『不毀の軍勢』達を一瞥して溜息を吐くと、それにレイテも。
「うん。ボクもCクラス闘士として、ラド・バウに参加する事はあるけど……こんなに観客席は埋まらないよね。それに流石に満員の観客席だけあって圧が強い……いやまあ圧って言うか、殺気だけどね、これ……」
「ああ。この数を相手にするのは、流石に骨が折れそうだが……まあ、千里の道も一歩から、と言うしな」
 二人の会話に、『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)と『メカモスカ』ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)も。
「場所が何であろうと、私達の目標は敵の全滅……彼らを生み出す『力の源』を破壊しない限り、際限無く姿を表すでしょう。それら全てを相手取るのは中々に大変ですけど、やってやれない事はありません。敵の質は高くないのです。この程度を片付けられなくては、幾つもの大規模戦闘を経験してきた甲斐がありません」
「うむ。闘技場か、良かろう。我もちょうど、自分の限界に挑戦する日々じゃったからな。ここらで一歩、踏み込ませて貰おう。母上もご笑覧あれい!!」
 沈着冷静なオリーブに対し、気合い十分に威声を張り上げるビスコッティ。
 そして『群鱗』只野・黒子(p3p008597)も。
「何にせよ、闇雲に敵を倒そうとも、敵の攻勢を削ぎきることは難しいでしょう。こちらで皆様の情報支援と共に、皆さんが倒れない様に警戒を行います」
「りょーかい。まぁ……観戦料は彼らの首ってのなら無きにしも非ずだし? とにかくそこまで言うのならばよく見せて上げよう。黄泉路の手向けにとくと御覧あれ、なんてね♪」
「ええ……まだ元凶の元には行けませんが、僕達は必ず辿り着きます。その為にも、ここは絶対に突破しなければなりません」
「うんうん。観客達もヒートアップを始めているみたいだし……それじゃ、行こうか」
 ジョシュアにくすりと笑いつつ、アイリスは取りあえず、終焉獣の群れに向かって特攻。
「……っ……?」
 速攻で動いたアイリスの動きに一嘉が目を見開く。
 だが、アイリスはそれに構うことも無く、一番最前の終焉獣を攻撃……する事無く、足場の如く踏みつける。
『ギャウウ!!』
 甲高い悲鳴を上げた終焉獣だが、流石にそんなアイリスの動きは予測していなかった様である。
 容易にそのまま踏み越え、『黄龍』の力を元にハイジャンプし、終焉獣の配置と、不毀の軍勢達の軍勢の大凡の数を素早く見定める。
「ふぅん……これはこれは凄い数。此だけの数の終焉獣の群れを、絶え間なく解き放ってくるとか……全剣王とやらはどれだけのリソースを割いているのやら」
 そんな事を独りごちつつ、跳んだ機動で、そのまま観客席へと降り立つ。
「……待て。着陸、した? 幾らトップクラスのイレギュラーズだとしても、流石にあの数相手は無謀だ」
 と一嘉が驚きの表情と共に、叫ぶ。
 当然のことながら、アイリス一人に対して尋常ではない数の不毀の軍勢が、観客席の東西南北から怒濤の勢いで集まり始める。
「……来ますよ。注意して下さい」
 そう黒子が念を送りつつ、一嘉は追いかけるように終焉獣を踏み越え、アイリスの隣へと急ぐ。
 勿論一度ならず、二度も易々と行かせるわけにはいかない、と終焉獣達は身を大きく見せるように立ち上がったり、炎を口の中に渦巻かせて放つ体制を取る。
 勿論、そのままでは一嘉への直撃は避けられない。
 だが、そんな一嘉の動きを見たビスコッティが。
「我は多数を相手取る事も、突破する能力も無ければ足が速い訳でもない。故にこの戦いの委細は皆に任せよう!」
 自信満々に皆へ言葉を告げると、それにレイテが。
「分かった。それじゃビスコッティさん、ボクと一緒に終焉獣を引き付けて!」
「む、分かったのじゃ!」
 自信満々に頷きながらビスコッティは終焉獣達に向けて。
「我にはバッドステータスは効かぬ。殴られれば殴り返す棘もある。然らばお主らに出来る事は二つに一つ。即ちこの闘技場において無視を決め込むか……我を打ち崩して見せるかじゃ。来やれ!!」
 と大見得を切って、終焉獣の注目を一身に引き付けようとする。
 無論、そんな大見得を切ったビスコッティは、彼らからすれば悪目立ちする存在であり、攻撃の矛先を其方に自然と向ける。
 そして、そんな敵の攻撃が逸れた隙を突いて、一嘉はアイリスの近くの敵を踏み台にして、観客席へと転がり込む。
「ん……一嘉さんも加勢してくれるのかな?」
「流石にこの数、一人では無茶すぎるだろう? ……取りあえず、こっちも敵を惹きつけさせて貰う……!」
 そう言うと共に一嘉も、敵の怒りを呼び起こす咆哮を上げて、一身に注目を集める。
 とは言え、流石に不毀の軍勢の数はとても多く、一嘉の一喝で全てを引き付けられる迄には至らない。
 ……でも、大量の軍勢を二人で対峙するのならば、無茶な仕事……と迄は行かないだろう。
 そう、終焉獣と不毀の軍勢をそれぞれが惹きつける事で、不意な攻撃が別班へと剥かない様に宣戦を整えていく。
 そして……終焉獣側には、オリーブ、ジョシュアも加勢に着き、黒子はどちらの班にも届く程の中間位置へ位置取る。
「私は、『力の源』の捜索に力を入れます。その分負担をおかけしてしまいますが、宜しくお願い致します」
「ええ、解りました」
 黒子に、ジョシュアはこくりと頷きジョシュアは黒子を支援する為に、己の能力を強化した上で。
「では、始めましょう。対多数には慣れていますが……」
 と多数弾を掃射して、終焉獣を一斉攻撃。
 更にオリーブも、敵を一網打尽にする様掃射弾を撃ち抜いて、敵を一人でも多くダメージを積み重ねる。
 更にレイテも、攻撃をしつつもビスコッティの体力具合を確認。
 一撃や二撃はそんなに痛くない攻撃であろうとも、終焉獣の数は多い為に……蓄積すればかなりの痛手になる。
 ……でもビスコッティは、自分から下がるようなことはしないので、レイテがビスコッティの調子を伺いつつ、危険になる前に。
「交代します! 今度はボクが相手になりますよ!!」
 とレイテが入れ替わるように立ち塞がる。
「ぬっ……!」
 と一瞬驚いた表情をしつつも、大人しく交代して、回復をした後に、再び前へ。
 無論、この様な戦闘方法は敵数が多い戦いとなれば、そういう作戦を執るのが普通なのだが……そんな作戦がビスコッティには面白そうに映ったようで。
「ふむ……レイテ! 一嘉ァ! 御主らにも勉強させて貰うぞ。我より硬いんじゃろぉ!」
 と声を上げる。
 それに振り返りながらレイテは。
「え? いや、えっと、確かにビスコッティさんよりボクは防技は高いですけど……ボクの場合、ある程度の回復でクリーンヒットを避けるのが前提ですから、参考になります?」
 と言うが、ビスコッティはうんうんと自信満々に頷きながら。
「そういう戦い方もセオリーなんじゃろ! そういう方法も勉強になるのじゃ!!」
 と。
 ……なにはともあれ、終焉獣に対峙する班が、敵を確実に減らして行く一方で……アイリスと一嘉の二人は不毀の軍勢を倒しつつ、『力の源』を探しに駆け回る。
 多数の敵を倒しても、中々数は減る傾向を見せない。
 一応終焉獣側は、少しずつではあるが減っている様には見えるのに、不毀の軍勢側は……全く以て減っている様には見えない。
「いや……数が流石に多いね……なかなかに骨が折れるかな? まったく……サクッと終わらせたい所なんだけど、ね」
「そうだな……まぁ、『力の源』を破壊しない限り、再現無く現れるといわれていたからな。兎に角力の源を見つけ出さなければ……黒子、どうだ?」
 一嘉が、少し離れた所で見渡している黒子に問い掛ける。
 ……だが、黒子はまだ見つけられていない様で。
「もう少し、時間を稼いで下さい」
「りょーかい。それじゃ……勝手に自害して果てろ? 己が死を気づかぬままに華と散れ……お代はその首しかと承りってね」
 苦しそうな表情を見せる事無く、享楽的な言葉と共に敵を仕留めると共に、毒も付与為て自然死へと至らしめるように行動するアイリス。
 そして……アイリスが不毀の軍勢の群れと戦い始めて、十数分が経過した頃合い。
「黒子ォ! 御主、どこにあるか目星ついとるんじゃろ。どなんぞするんじゃー! 我がダメになったら母上が黙っておらんぞー!」
 わーわーと叫ぶビスコッティの言葉に、僅かにこくり、と頷く黒子。
 目を開き……指さしたのは、観客席上方の幾つかの部屋の部分。
「む、あそこか? ふむ……実況席か、それとも来賓席かは解らぬが、確かにその様な場所にあるのは十分にあり得る話じゃな! 一嘉ァ、そちらの方に向かうのじゃ!!」
 黒子の言葉を叫びで中継し、アイリスと一嘉に伝えるビスコッティ。
 ……その言葉を聞いて、理解した……のかは解らないが、数匹の終焉獣が、させるかとばかりに対峙するイレギュラーズへの攻撃を止めて、そちらの護りに向かおうとする。
「させません」
 しかし、その動きを予測していたかのようにオリーブが、間に割り込む。
 同時にジョシュアとレイテの二人も、遠距離、近距離の両面から攻撃を行い、足止め妨害。
 観客席にわらわらと蔓延る不毀の軍勢を、薙ぎ払いながら昇っていき……黒子の指示した部屋を、一つずつ捜索。
 そして……。
「……ん。これは……」
 三つ目の部屋の、椅子の下に……ほのかに感じる『不穏な気配』。
 その気配に目を凝らすと、暗闇の中に……鈍く輝く『仄暗い輝き』を湛える宝珠。
「これかな? ま、違ったとしても壊したら事態は変わるだろうし、さっさと壊そっか」
「そうだな……離れてくれ」
 アイリスの言葉に頷きつつ、一嘉がその仄暗い輝きの宝珠に乱撃の一閃を狙い済まして叩き込む。
 その一撃に……宝珠はビリビリと日々が入り、仄暗い光が発散。
「まだ壊れてないみたいだね。完全に破壊しないとダメみたいだね。一気に叩き壊さないと、ね」
 妖艶な笑みを浮かべながら、更に鋭き剣閃を叩き込むアイリス。
 二人の攻撃に、完全に木っ端微塵に砕け散る宝珠。
 仄暗い光を失い、そして……外で聞こえてきていた、不毀の軍勢達の呻き声も、その破壊と共に……まるで夢だったかのように霧へ霧散し、その姿を消失させていくのであった。

●道程
「ふぅ……はぁ……終わった……みたい、だね」
 不毀の軍勢と共に消失した終焉獣。
 息を荒げながらも、汗を拭うレイテ。
「……取りあえず、見渡す限り敵の声も聞こえませんし、影もありません。お二人が破壊したのが、『力の源』であるのは間違い無い様ですね」
「ええ……ちょっと解らない部分もありますし、僕達もちょっと確認に行きましょうか」
「任せます。自分はここで警戒していましょう」
「ありがとうございます」
 ジョシュアはオリーブにぺこりと頭を下げて……そして、力の源の破壊された場所へ。
 光を失い、粉々になった宝珠の欠片を一つ、拾い上げて、色んな方角から光らせたり、光に透かしたりして見るが……特に変わった様子は無い。
「傍から見る限り、『力の源』は、ただの宝珠の様ですね。嫌な気配というか、力も感じませんし」
 とジョシュアの言葉に黒子も。
「その様ですね。とは言え何らかの力を帯びて居て、それが先程まで戦っていた、終焉獣と不毀の軍勢の力の元になっていたのは間違い無いでしょう」
 と言いつつ、粉々になった宝珠の欠片を……布製の袋の中に拾い集めていく。
「取りあえず、これは持ち帰って調べて見て貰うことにしましょう。何も見つからないかも知れませんし、もしかしたら……この塔が何故出来たのか、の切っ掛けを知る手がかりになるかもしれませんし、ね」
 と言う黒子に。
「確かにそうですね……突然首都の近くに現れた、中の構造もあべこべな塔。今迄に無い、不思議な力が何か影響しているのかもしれませんしね」
「そうだねぇ……もし何か解ったら教えてね?」
 レイテと、微笑むアイリス。
 そして……宝珠の欠片を回収し、再び闘技場のただっぴろい広場に戻ると共に。
「……もう、大丈夫ですか?」
 警戒していたオリーブに、黒子はこくりと頷く。
 そして。
「では、一端帰りましょうか。帰り道も、来た時と違う構造になっている可能性も考えられますし、ね」
「うむ。しかし本当に不思議な場所じゃのう……その『全剣王』という輩の企みも解らぬし、何かしらの手を打たねばなるまい」
「そうだね……少しずつ状況も解明されつつあるし、情報が集まれば対抗手段も解ると思うし、一端持ち帰って調べて貰おうか」
 ジョシュア、ビスコッティ、レイテの会話。
 そして帰り道も警戒しつつ、イレギュラーズ達は、塔を後にするのであった。

成否

成功

MVP

ビスコッティ=CON=MOS(p3p010556)
メカモスカ

状態異常

なし

あとがき

ご参加頂きまして、ありがとうございました。
闘技場、その力の象徴……王族等が観劇する場所が相応しいだろうと思って考えてましたが、見事に当てられました……完敗でございます。

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