シナリオ詳細
<尺には尺を>万難を排する一手
オープニング
●<尺には尺を>万難を排する一手
天義の巨大都市である、テセラ・二バス。
帳堕ちて『リンバスシティ』と呼ばれて長き時が経過。
イレギュラーズ達はそこより繋がる、遂行者の本拠地である『神の国』にありし『テュリム大神殿』の攻略を果たし、行方知れずになっていた仲間達も……やっと帰ってきてくれた。
仲間達も戻り、テュリム大神殿も遂行者の手を離れた……ひとまずは、安息できるか……と思われた。
だがしかし……そんなイレギュラーズ達の動きを快く思わぬのは遂行者。
彼らにとって最も重要な場所……奪取されたのならば、奪還するまでの事。
力で奪われたのならば、力で奪い返せば良い……今迄も、そうやって自分達の思い通りにしてきた。
だから……。
『さて、と……始めよっか。巫山戯た真似をしてる、あいつらに『解らせて』あげなきゃ、ね。人のモノを、取っちゃいけないんだ、ってコトを……ね』
薄闇の中、不敵に微笑むのは……少年の様な、小柄な影。
しかしその小柄な影から漂う瘴気は並外れた強さを持ち……彼の心の奥底に眠る、仄暗さを密かに示しているのであった。
●
「皆様……先日は本当に、お疲れ様でした……」
深く頭を下げる、『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)。
神の国にあり、美しき風景を構造を誇り、『遂行者達』の重要拠点とされている『テュリム大神殿』。
かの地をイレギュラーズ達が制圧したのはつい先日……そのおかげで、行方不明だった人達も、元の世界へと戻りつつある現状。
だが……しかし、依然として遂行者と彼らの軍勢は、『テュリム大神殿』を諦めたのかというと……どうやらその気配は無い様で。
「恐らく……彼らにとって『テュリム大神殿』を取られたのは、痛い一手だったのかもしれません。今の所は大きな動きは見せていませんが……拠点ともなれば、その強大な力を振るう事を厭わずして、奪還に動く可能性があります」
「いつ、どこから、誰が……漆黒の闇に包まれたかのような不安……静かなのは、彼らが爪を研ぎ、その時を今か、今か……と狙っているのでしょう」
「不明な点が多く、本当に申し訳ないのですが……警戒するに越した事はありません。どうか皆様……神の国へと向かい、襲い来る牙を砕いてきて頂けないでしょうか……?」
深く頭を下げるルリア。
……きっと、何かがありそう。そんな、漠然とした感覚。
でも……実際に遂行者達が一気に襲撃を仕掛けてくれば、瞬く間に『テュリム大神殿』は奪われてしまう事だろう……さすれば、再び遂行者達が勢い尽く可能性すらある。
つまり、万難を排する為に……先手を打たねばなるまい。
- <尺には尺を>万難を排する一手完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2023年11月27日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●現世
天義の巨大都市、テセラ・二バス……いや、『リンバスシティ』。
突然の闇の帳に覆われてから数ヶ月が経過したが、完全に闇に呑まれる事も非ず。
更には、そんなリンバスシティから繋がる先、『神の国』に華麗な風景として存在するのは……『テュリム大神殿』。
「……ここもまた、きれいな場所ですね」
『想い、花ひらく』プラハ・ユズハ・ハッセルバッハ(p3p010206)は、そんな美しい光景を見回して、思わず言葉が零れてしまう。
美しい景色を誇る『テュリム大神殿』。
礼拝堂や、長く美しい回廊、更には季節外れの美しい花が咲き誇る庭園、等……帳の落ちた『神の国』において、全く異質な空間が其処には拡がっている。
更に、この地は遂行者達に取って長い間重要拠点であった場所。
そこが、イレギュラーズ達の手により陥落したのは少し前の事……当然のことながら、奪われた拠点を奪還しようと、遂行者達は動き始めている様で。
「拠点の奪い合いはまあ、戦争の定石ですからね……こちらに向かってくるのは、ある程度は分かって居た事ですが」
「そうね。テュリム大神殿を敵から奪還したのは良いけれど、拠点となり得るこの場所を、敵も未だ諦めてなはいない、という事ね。それだけ拠点として有用だ、という事なのでしょう。勿論、ただ此処を取られたのが我慢ならない、というだけの子供じみた意地という事もあるかも知れないわね?」
「ええ。だからこそ気合いを入れて行かねばなりませんね。此方も必死なのは変わり有りません。だから返しません……神ではなく、成すべきと叫ぶ心の儘に」
『屍喰らい』芳野 桜(p3p011041)の言葉に、ぐっと拳を握りしめる『決別せし過去』彼者誰(p3p004449)。
彼者誰の紡ぐ強い意志に、『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)も感化されるように。
「ええ。敵の元本拠地だった事もあり、彼らからも手厚い歓迎をされる事でしょう……ですが、後続の仲間の為にも踏ん張らなければなりません」
凛とした口調で気合いを入れる。
ただ。
「しかし、彼ら遂行者たちが何を望んでいるかはよくわかります。しかし、それは若干の禍々しさを内包しているようにわたしには思えますが……」
小首を傾げるプラハ……それに『新たな可能性』レイテ・コロン(p3p011010)は。
「確かに、ね。遂行者にも色々なタイプがある様だから一概には言えない、というのはあるけど、総じてボク達を排除したい、という考えは共通しているからこそ、赤騎士やら炎の獣を総動員して嗾けてきているんだろうね」
そんなレイテの言葉に対し。
「確かに……赤騎士と、大量のゼノグロシアン達との闘いか……尤も、前回は回廊で、此方が攻める側ではあったが……今回も、後味の悪い戦いになりそうだな……」
深く息を吐く『特異運命座標』陰房・一嘉(p3p010848)に、『死澱』瀬能・詩織(p3p010861)は。
「ええ……先程までの皆様のお話を聞くに、ゼノグロシアンの皆さんに対しては、心情的に殺さずに済ませたい方が多い様ですね? かくいう私も、無闇に命を奪う事には賛成いたしかねますので、敵の攻勢を押しとどめられている間は、出来る限り殺さずに行きたいと思います」
「そうですね……勿論、全て倒さずに終われるようならばいいのですが……でも、それで全てが上手く行く、とは行かないでしょう……」
プラハの言葉に詩織はこくり、と頷き。
「ええ……押しとどめられないのでしたらば、致し方有りませんね。既に廃品同然だとは申しましても、この身は死を集め溜め込む死澱……生きた呪いの器。申し訳御座いませんが……皆様をこの身の内、死の澱みへと沈めさせて頂きましょう……」
儚げに、妖しく笑う詩織。
「少なくとも今はこの大神殿を守る意義がある以上、敵の好きにはさせないわよ」
と、桜の言葉に、プラハも。
「はい……この大神殿を護り切ったとき、その答えは幾ばくかわかるのでしょうか? ……真実は分かりませんが、やるしかないのであれば……覚悟は出来ています」
一度は瞑目するものの、自分に言い聞かせるかの如く、頷く。
そして、『クラブチャンピオン シード選手』岩倉・鈴音(p3p006119)も。
「そうだな。戦いは数かもしれんが、暴れ蔵をありんこじゃとめられねーぜ。ましてや暴れイレギュラーズはな! という訳で、大神殿を守らせて貰うぞ!」
拳を振り上げる鈴音、そしてレイテが。
「それじゃ、早速だけど二手に別れるとしようか? 昼版と夜版にね。ボクの警備当番は夜……なら、昼間は仮眠しておくかな?」
「昼は私にお任せ下さい!」
力強く頷くトールに皆も頷き、そして鈴音、トール、桜、詩織の四人を残し、残るイレギュラーズ達は『テュリム大神殿』の中へ。
「んじゃ、それぞれ別れて警戒するとしようかねぇ。何かあったら、直ぐに集合するという事で、宜しく頼むよ」
鈴音はひらひらと手を振り、昼を管轄する四人は大神殿各所へと散らばるのである。
●偽夢
「いやー……改めて、今日はいい天気だなー。ほんとうなら、陸鮫に揺られてのんびりとこの空を飛んでいたかった所なんだがなぁ……」
暖かい陽射しをその身に受けながら、目を細める鈴音。
ここが『神の国』だなんて思えない位に平和な光景と、うららかな陽射し。
依頼でなければ、本当にここで大の字になって寝っ転がって、太陽の陽射しをその身に一杯浴びたかったところ。
だが……いつ、何処から襲撃されるかも分からない状況なのは間違い無い訳で……。
「……取りあえずこっちの方はいまのっところ何もなさそうだが、そっちの方はどうだい?」
と、鈴音は感覚を鋭敏に張り巡らせながら、トールと詩織と定時、待ち合わせの場所へ集結。
「ええ、今の所は問題ありません。それでは、次は私がそちらの方を。詩織さんはあちらへ」
「了解ー」
「ええ……皆様、お気を付け下さいね……」
ひらひら手を振り、互い入れ違いながら、テュリム大神殿の周囲を巡回して回る三人。
更にトールはというと、周りの瓦礫や資材を集めて。
「……これとこれは使えそうですね?」
と考えながら、突然の敵の襲撃に対応出来るようなスネアトラップやバリケード等を適宜、構築。
そしてその情報をメモに取り、仲間達に共有。
加えて桜も、鳥のファミリアーを呼び出し、上空から広範囲を見下ろせる様にして、敵襲を早期に事前察知出来るように監視網を張り巡らせる。
そんな昼組四人の巡回は、日が堕ちる頃まで続く。
だが、敵襲は無く……次第に空が薄く闇に染まり始める頃になれば、休憩を取っていた夜組の四人が出て来て。
「そろそろ時間ですね……ここからは、わたし達にお任せ下さい」
「御願いします。幾つかバリケードも構築しましたので、必要に応じて使用為て下さい」
「分かった……」
トールの言葉に頷くプラハと一嘉。
此方側は、と言うと彼者誰が正面の玄関口を中心に警戒し、別方を一嘉が歩き、広く巡回。
二人が地上の守護を固めて居る一方で、プラハは少し高い所に上り、其処から周りを広く見渡しながら、敵の気配に気を欹てる。
そして、更に上空からは、暗視ゴーグルを付けたレイテが巡回すると共に、聞こえない音波を放ち、遠くの方からの敵の気配の接近が無いか、を捜査していく。
昼と夜……明るさは全く違う環境なれど、敵が近づいてくればその気配は察知出来る筈。
そんな考えの下、一昼夜を過ごす。
そして朝になれば、再び昼を担当する班に託し、夜班は休憩を取る。
交互に休息を取ることによって、長期的な様相になったとしても対応出来るような体制で捜索を続けるイレギュラーズ。
数日の間、『テュリム大神殿』は平穏のままで時が進んでいく。
……しかし、3日目の夜。
「……ん?」
日付も変わった、深夜の刻の頃……今迄に無い変化を感じ取るのはプラハ。
少し移動して、彼者誰の上に辿り着くと、彼者誰もこくりと頷いて……。
「どうやら、近づいて来ている様ですね」
「やはり……そうですか……」
「敵影が見えたら、直ぐに仲間達を呼んできて貰えますか? その間は、私と一嘉様、レイテ様で足止めしますから」
「分かりました」
こくりと頷くプラハ……足を止めて、四人が息を潜めて暫し警戒を強めていた……その時。
『……グルウウゥ!!』
突如、闇の中から大神殿に向けて、地面を蹴り走り寄る『狼状』の獣の群れ。
明らかに普通の獣とは違い、その身に炎を纏いし彼らは、『炎の獣』なのは間違い無いだろう。
「とうとう現れたね! 君達はここを取り返したいんだろうけど、簡単にはさせないよ!」
とレイテは空から急降下すると共に、口上を述べて炎の獣共の注目を一手に引き受ける。
流石に狼達はそれを無視する様な頭の良さは無い様で、半数ほどは立ち止まり、上空から急降下してくるレイテに向けて吠えると共に、炎弾を口から吐き出して迎撃する。
更に一嘉も、彼に合わせる様に地上側であえて敵陣に前線を引き上げて対峙し、先ずは纏めて鉛掃射。
対し彼者誰は、一端は防御重視の体制を取り、建物の前でどっしりと構える事で、彼らが陽動班であったとしてもの護りを固める。
……そして、炎の獣達の初撃が、イレギュラーズ達に決まる中、プラハは急ぎ大神殿の中へ踵を返し、仲間達の休憩する場所へ。
「皆さん、敵が現れました……!」
と呼び起こす。
「そうですか……やはり夜でしたか。急ぎましょう」
桜が皆をたたき起こし、そして昼班の仲間達も大神殿の外へと急行。
昼班が合流するまでの間、三刻程……多数の炎の獣達の攻撃を物ともせずに、大神殿を守りつつ敵に相対。
そして……昼班の仲間達が合流した頃合いには、更に四方八方から聞こえ始める呻き声。
更に、それを率いるが如く……紅蓮の焔を鎧に纏わせ、進軍せし赤騎士の姿も。
『……邪魔者共めが。ここは我等のものだ!』
怒りを孕んだ、赤騎士の怒声が響き、それに呼応する様周りの『ゼノグロシアン』達が、入口に向かって怒濤の勢いで嗾けてくる。
「……光よ!」
そして合流したトールが光を放ち、周囲の視界を取りあえず確保しつつ、雪崩れ込むような敵襲の勢いを、先ずは迎撃して食い込まぬ様に抑える。
勢いに乗った一閃目を、どうにか耐えきったところで……今度は迎撃へとシフト。
「本当に数が多いなぁ……ま、豪快に蹴散らして行くのみやで!」
敵の勢いに決して怯まず、鈴音は熱砂の嵐を吹き荒れさせながら集まってきた亡者の群れを薙ぎ払うと、同時にプラハと詩織もゼノグロシアンの群れに対峙。
「……苦しそうな声……ですね」
「ええ……ですが、油断はなりませんよ……? 残穢 『死切髪』(ざんえ しきがみ)」
詩織の長い髪が風に舞い踊り始めると、その一本一本がゼノグロシアンに向けて伸びて行き、絡みつき、斬糸となって切り刻む。
更にプラハも、道を切り拓くように、破滅的魔力を放ち、赤騎士への道をこじ開ける。
「道は拓きました……急いで下さい」
「ん、サンキュー」
軽い口調ながら、鈴音が先陣を切り、トールが続いて赤騎士の下へと一気に接近。
それを邪魔しようとする炎の獣に対しては、一嘉、彼者誰が挑発することで自分へ注目させて、引き付け続ける。
仲間達の協力によりて、鈴音とトールの二人は苦戦する事も、大きく妨害される事も無く赤騎士へと接近を果たす。
『……巫山戯た真似を……!』
明らかに怒気を孕んだ声で威圧するが、だからと行って後方へ退く様な事は無い。
寧ろその手の焔纏う大剣を全力で振り抜き、二人へ薙ぎ払いの攻撃を喰らわせ、かなりのダメージ。
……だが。
「ははっ。ポストマン~、今日も宅急便かぁー? そろそろ他の色の騎士を出して貰いたいもんだぜー? ま、取りあえず出て来たからには、ぐっすり寝られるようにしとめてやるからなー!」
決して弱音を吐く事無く、鈴音は余裕綽々に周囲纏めて一閃を放つ。
そして、他物を排除したところにトールが更に肉薄し、敵の剣に己が剣を重ねる。
火花がギリギリと剣の間に散り、互いに跳ね飛ばし合う。
でも、すぐにトールは。
「手合わせ願います! 私の極光と貴方の焔、どちらが騎士の冠として相応しいか勝負です!」
強い口調で、相手への戦線布告と共に最接近し、肉薄。二度、三度と剣戟の音が鳴り響き、互いに譲りはしない。
とは言え、トールに加えて横からチクチクと嫌らしい攻撃をしてくる鈴音も居る。
『邪魔するな……!』
と彼は言うが、鈴音は気にもせず。
「うるさいってなー。ま、邪魔はわたしの今回の仕事なんでねー、その話は飲めないんだよ!」
と笑い飛ばしながら、攻撃を継続していく。
赤騎士、ゼノグロシアン、炎の獣とそれぞれに対峙し、挑発を絡ませながら戦況を進めていくイレギュラーズ。
流石に赤騎士を倒すのは難しいが、ゼノグロシアン、そして炎の獣は、時間の経過と共に段々と数が減っていく。
そして。
「……これで終わりだ」
「こっちも……大人しくして貰うよ!」
と一嘉とレイテが、それぞれの相手を掃討し……残るは赤騎士のみ。
手空きになり、当然赤騎士への加勢に動くイレギュラーズ。
二人が五人、八人と対峙する相手が一気に増えれば、流石の赤騎士も徐々に圧されていく……。
「はぁっ!」
渾身のトールの極光の剣が振り上げられ、騎士の焔剣が手元から跳ね飛ばされてしまい。
『っ……!』
唇を噛みしめた赤騎士に、余裕を与える事無く。
「これで、止めです……!」
飛び上がり、トールは頭上からオーロラを纏う強烈な一閃を叩き込み、赤き者はそれに一刀両断に断罪されたのである。
●幽世
「ふー……終わった終わった。いや、終わってないんだっけ?」
息を吐き周りを見渡す鈴音に、桜と詩織はこくりと頷き。
「そうですね……敵襲が一度だけとは限りませんし。ただ……取りあえずこの一個集団は倒せた、ということでよさそうですね、気配も感じられませんし」
「ええ……魂の残滓も、もう無い様ですし、ね……」
魂の残滓は無い、と言えども……周りに転がるのは、ゼノグロシアンの死体の山。
最早、元々命無き彼らは死を迎えるほかに無かった様で……。
「……可哀想。彼もまた、被害者なんだろうけど、さ……」
唇を噛むレイテ……そして、そのまま自然と身体は、美しい風景の中に、穴を掘り始める。
「……どうした?」
「いや……弔いたいな、って思ったのさ。手伝ってくれるか?」
一嘉の言葉に、寂しげに呟くレイテ……それに彼者誰も。
「そうですね……こういう形で亡くなった方々には弔いが必要でしょう。私にも手伝わせてくださいませ」
と進言。
勿論、更なる追撃が来る可能性がある故に警戒は解かないまま……ゼノグロシアンを埋葬する為の穴を掘り、そこへと埋めるイレギュラーズ。
……土を戻し、墓標を建てて。
「どうか、せめてものご冥福を」
「……いつも、天国への確かな道を歩めますように……」
詩織とプラハの弔いの言葉に、皆も手を合わせる。
……そして。
「……これで、いいかな。取りあえず後数日は張り込んでおかないと、か……な?」
「ええ……もうすぐ日も昇りそうですし、交代しましょう」
「……連続かー。うげぇ」
溜息を吐く鈴音にトールは苦笑しつつ……イレギュラーズ達は更にもう暫くの日々『テュリム大神殿』を護り続けるのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
皆様ご参加頂きまして、ありがとうございました。
敵の重要拠点故に、今回防衛成功しましたが、皆様の隙を突いた作戦を展開する可能性は依然としてありそうです。
突然の襲撃で拠点を奪われない為にも、今後もご注意下さいませ……。
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
美しい『テュリム大神殿』は、皆様にとっても、そして遂行者達にとっても大事な場所なのでしょう。
●成功条件
『テュリム大神殿』に襲い来る敵襲の影を撃退し、大神殿を守り抜く事です。
●情報精度
このシナリオの情報精度はCです。
情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。
●周りの状況
テュリム大神殿は未だ全てが解明されてはいませんが、美しいステンドグラスに、非常に精巧な建築美が揃った美しい風景の場所です。
神の国にありながらも、その整った様式美は異質な感じがします。
敵陣は、何処から襲撃してくるかは解りませんが……少なくともテレポートして中から攻め入るという事は無い様です。
ただ、彼らとしても重要な拠点ですので、かなり多くの敵陣にて襲撃・奇襲を仕掛けてくる事が考えられます。
故に、戦闘が長引く可能性があり、継戦出来るスタンスをとっていないと、持久戦で負けてしまうかもしれないので注意して下さい。
尚周囲は光が射して綺麗な状況ではありますが……朝が来れば夜が来ます。
いつ襲撃してくるかも解りませんので、いつでも対応出来る即応体制を整えるのも忘れない様に御願いします。
●討伐目標
・焔を纏う赤騎士
紅蓮の焔を鎧の如く身に纏いし騎士の様な男です。
当然ながら武器、防具全て揃っており、攻撃力も防御力も高い強敵となります。
臆すること無く前線に出て来て攻撃を行うアグレッシブな戦法を採ります。
又、その力を分け与えた『炎の獣』を次々と召喚し、同時に連携攻撃を行います。
炎を巻き起こしての猛攻は、正しく『炎を纏い、炎を操る』赤騎士です。
・炎に包まれた『炎の獣』達
赤騎士の力を分け与えられて生成された、巨大狼の様な獣です。
炎に包まれ、その炎を使役して攻撃し、炎での遠近両用の攻撃を得意としています。
赤騎士に比べれば弱いものの、無尽蔵に作り出されるという事も有り数の暴力で圧倒されない様に注意が必要です。
・異言を話す『ゼノグロシアン』達
赤騎士に連れてこられた、謂わば『使い捨ての盾役』です。
戦闘能力は低く、攻撃力も低い……ただ、かなりの人数で嗾けられてきます。
赤騎士らは当然これを殺す事に躊躇しませんし、殺されても御首にも思いません。
彼らを生かしながら倒せば正気には戻せますが……そうしている暇はないかもしれません。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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