PandoraPartyProject

シナリオ詳細

太陽と月の昇る場所

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ひと夏の思い出を

 夏の思い出を作りたい。
 そういいだしたのは誰だっただろうか。
 境界図書館の一角、広々とした机の上で特異運命座標体がやいのやいのと資料を広げて熱い議論(?)を交わしていた。

「私はキャンプファイヤーという物に興味があります
 ほら、この書物にも火を囲んで踊るとありますよ」
 所謂名家のお嬢様であるレイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)は、キャンプファイヤーの絵が描かれた頁を指さした。
「せやけど、キャンプファイヤーは準備にえらい時間かかりますえ?
 さっとできるし、花火とかにせぇへん?」
 と火野・彩陽(p3p010663)が顎に手をやり首を傾げる。
「うーーん、そもそも一泊二日だとやれることに限りが出てきてしまいますね」
 とんとんとノートにメモをとっていたジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)が愛用のペンを蟀谷に押し付けた。生真面目の彼の字は乱れることなくぴっちりと今回の旅行の案を纏めている。
 が、なかなか進んでいない様だった。
「いっそ、お昼も夜も同時に来てくれればいいのに。そうしたら、ちょっとは時間に余裕ができるのに」
「さすがにそれは難しいんじゃないか? そんな都合のいいことなんて」
「あるぜ」
「「えっ」」
 可愛らしく頬を膨らませた佐倉・望乃 (p3p010720)の頬を夫のフーガ・リリオ(p3p010595)がつんつんと突いてやりながら宥めていると、少し離れた場所で一同を見守っていた境界案内人の朧が声を掛けた。予期せぬ返事に思わずアレン・ローゼンバーグ(p3p010096)が聞き返した。
「どういうこと? 本当に昼と夜が同時にくるってこと?」
「ああ。ま、正しくは、『太陽と月が両方とも空にある島がある』ってことなんだけどな」
 そういって朧は一冊の書物を取りだし、皆の前に置いた。
「陽月島っていってな、ちょうど島を真ん中で分けた時に東側は太陽が、西側は月が出ているってしまなんだ。
 東側にいけば昼、西側にいけば夜になるって変わった島だぜ」
 しかも聞けば一年通して夏なのだという。
「とりあえず、一回見てきたらいいんじゃねぇか? 日ごろの仕事なんざ忘れて楽しんできな」
 朧の提案に異を唱える者は、誰も居なかった。

●太陽と月の昇る場所
「わぁ……! 本当に太陽と月が出てますよ……!」
 島に着いた一同は感嘆の声を上げた。
「姉さんにも見せてあげたかったな、きっと喜んだだろうに」
「フーガ! こっちから東に行くと太陽だけになってますよ!」
「こっちは夜だ……。面白い島だなぁ」
「はいはい、皆さん! 散らないで、まとまって行動しますよ!」
「そういうジョシュアが一番はしゃいでるように見えますけどなぁ」

 一泊二日、時間はまだたっぷりとある。
 この不思議な島で、どんな思い出を作ろうか。

 

NMコメント

 ご指名ありがとうございました&ギリギリになり申し訳ありませんでした!!
 いつもお世話になっております。白です、よろしくお願いします。
 今回はちょっと変わった不思議な島で、皆様にひと夏の思い出を作っていただこうと思います。お楽しみいただければ幸いです。
 なお旅行って何したいかを決めるのも楽しいと思うんですよね。
 なので、相談期間は長めにしてます、場所はOPの境界図書館のテーブルを想像してますので是非RPも含めて楽しんでいただければと思います。
(朧から情報を聞いた後、という体で大丈夫です)

●目的
 夏の一幕を思いっきり楽しむ。

●舞台
 陽月島
 ヨウゲツジマ、と読みます。
 島の東側は太陽が、西側は月が出ている不思議な島です。
 島の真ん中の境界線から東、西と別れており磯の境界線をまたぐことで一瞬で昼と夜が切り替わります。
 一年通して『真夏』です。真夏ったら、真夏の島です。
 半袖だろうが、水着だろうが、浴衣だろうが問題なしです。
 だって真夏だから。

●何ができるん?
・公共良俗に反しないことなら基本何でもできます。
 森林浴、川で釣りも、BBQもお祭りも肝試しも恋バナもキャンプファイヤーも可。
 ただ、あんまり欲張っちゃうと描写が薄くなるのである程度絞ることをお勧めします。

●どんなとこあるん?
 以下の場所は一例です、基本はプレイングを優先します。
【海】
 蒼く透き通った美しい海です。色とりどりの魚たちが気ままに泳いでいます。
【川】
 清らかな水が流れており、川下りや釣りも楽しめます。
【森】
 鮮やかな緑が美しく、陽光が降り注ぐ森林浴に最適な森。可愛い動物さんもいるかも。
【丘】
 美しい星々を一望できる小高い丘です。広いのでキャンプファイヤーやテントを張るのに最適です。


【NPC】
 朧
 境界案内人です。
 OPだけ出てますが、リプレイには基本出てきません。
 指名があれば出てきます、着いてきます。

 この度が皆様の想いでの一助となれば幸いです。
 それではいってらっしゃい!

  • 太陽と月の昇る場所完了
  • 東西で昼夜が分かれる不思議な島で、楽しい思い出を。
  • NM名
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2023年10月13日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談11日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)
変わる切欠
※参加確定済み※
アレン・ローゼンバーグ(p3p010096)
茨の棘
※参加確定済み※
フーガ・リリオ(p3p010595)
青薔薇救護隊
※参加確定済み※
火野・彩陽(p3p010663)
晶竜封殺
※参加確定済み※
佐倉・望乃(p3p010720)
貴方を護る紅薔薇
※参加確定済み※
レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)
青薔薇救護隊
※参加確定済み※

リプレイ

●午前九字三十五分

 太陽と月に見守られながら、『君を護る黄金百合』フーガ・リリオ(p3p010595)は、せっせとペグを打っていた。召喚されたばかりの頃はテント暮らしだったというだけあり、その手際は鮮やかな物だった。
 かんかんという金属の音が響いている。
「それにしても太陽と月が同時に存在する島ってスゲエよなあ。
 混沌じゃ、まずお目に掛かれない光景だぜ」
「ねっねっ! 御伽噺の世界みたい!」
 支柱を支えていた『貴方を護る紅薔薇』佐倉・望乃(p3p010720)は目を輝かせフーガの言葉に何度も頷いていた、首がとれてしまうのではないかと心配になるほどの勢いにフーガは愛らしいと思いつつ苦笑を零す。
「朧さん、素敵な場所を教えて下さり、ありがとうございます!」
「礼なんざ別に言う程の事じゃねぇよ。それより俺もついてきて良かったのかい?
 折角のキャンプなんだろ?」
「かまへんて。誘ったんは、俺らやねんから」
 相も変わらぬ黒衣衣装に身を包んだ朧の言葉に、テントの支柱を運んでいた『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)は手をひらひら振った。
「せや、朧はん。この後一緒に川釣り行かん? 俺アレやりたいねん。
 あの~~……焚火の周りに魚さすやつ!」
「ああ、アレな」
「そうそう、絶対美味いやん」
 きゃあきゃあと盛り上がる成人男性二人組から少し離れて、説明書と睨めっこしつつ茨の棘』アレン・ローゼンバーグ(p3p010096)、『月光の思いやり』ジョシュア・セス・セルウィン(p3p009462)、『バカンスお嬢様』レイア・マルガレーテ・シビック(p3p010786)もまた、食材集めについて相談中である。

「じゃあ、彩陽達にお魚は任せるとして僕らはどうしようか」
「此処には広い森があると聞きました。そこで動物を狩りましょう」
「ジビエ……というやつですね。爺やがよく捌いていたことを思い出しました」
「爺やさんすごいね……あれ、そういえばレイア水着なんだね?」
「ええ、今回は色んな人との交流もかねて遊びまくるつもりでいますので」
 真顔でピースしたレイアの額できらりとティアドロップが煌めいた。

●午前十時二十分
「よし、こんなもんだろ。みんなテント張れたか?」
 問いかけに全員に頷いたのを見て、フーガは一同を召集した。
「みんな手伝ってくれてありがとな。おかげで思ったよりずっと早くテントの設営が終わったぜ……というわけで」
 パンっとフーガが両手を合わせた。
「こっからは食料調達の時間だ、俺と望乃は薪拾いと食べられそうなモン探してみる」
「僕とアレン様とレイア様は動物を狩ってきます、鹿とかいるといいんですが」
「朧は彩陽と……」
「「うん」」
「……準備万端だな、よろしく頼むぜ」
 既に釣り竿担いでバケツを提げていた二人に、フーガは微笑んだ。
「じゃ、いったん解散! バーベキューまでには戻ってくることと危険なことはしないこと!」
 はーいと元気よく返事し、一同は各々の担当場所へ向かった。

●午前十一時十一分
「んー……あの辺とか良さそうやな。魚がよぉ跳ねてる音するわ」
「お前さん耳が良いんだな」
「耳だけとちゃうで、目ェもええんやで。
 ……おっ、ヤマメかな、ぎょうさん泳いどるわ」
 川のせせらぎに癒されつつ、彩陽と朧は釣り竿を振りかぶった。
 ちゃぽん、とウキが水面に着地する音の暫く後に彩陽の釣り竿に魚がかかる。
「早速一匹目やね。幸先ええわ」
「お前さん釣り上手いんだな」
「奮発したもん。高かったんやで、この釣り竿」
 ひょいっと引き上げた魚をバケツに張った水の中へと放す。
「まぁでも、全員分釣ろうと思ったら時間かかるやろし……
 のんびりのんびり、楽しんで釣りましょ。ね、朧はん」

●午前十一時二十八分
「この辺りが良いかな」
「そのわっか? は、なんですの?」
「これは『くくり罠』と言って、この仕掛けを踏むと足が括られて動物を捕まえられるんです」
「逆に僕らが踏まない様に気を付けないといけないね」
 一方動物狩りチームは狩猟に精通しているジョシュアを筆頭に罠を仕掛け、獲物を捕らえる算段である。一つでは心もとないので至る箇所に設置しておいた。
 と、早速別の罠で獲物がかかる音。
「早速、捕まったみたいだね」
「行ってみましょうか」
 音のした方に三人が向かえば、鹿が脚を取られ身動きが取れずにいた。
 ジョシュアは弓を構え、矢を番える。
「狩りの鉄則は獲物は一撃で仕留める事です」
「傷んだら肉の鮮度が落ちるからですか?」
「それもありますが……」
 ジョシュアが放った矢は正確に鹿の心臓を射抜き、短く悲鳴を上げた鹿はその場に斃れやがて動かなくなった。
「傷みに苦しむ時間が増えないようにです。傲慢、ではありますけどね」
 鹿の瞼を閉じてやりながら、ジョシュアは血抜きをすべく鹿を運ぶ準備を始めた。
「僕は川で鹿の血抜きをしてきます。お二人はその間に果物や木の実など集めておいてくれますか?」
「任せて、爽やかな味の物があるといいな」
「沢山集めましょうね、あとでジョシュアさんに見て頂ければ確実ですわ」

●午後十六時二分
 一足先に森から帰ってきていたのはフーガと望乃の夫婦である。
 火おこしの準備をしつつ二人は、他のチームの帰りを待っていた。
「思った以上に薪集まったな! 手伝ってくれてありがとう望乃」
「ふふ、お安い御用です!」
「それにしても、薪の序にこんなにキノコや山菜を集めてくるとはなぁ」
「ふふん、植物図鑑が役に立ちました!
 たとえばこのキノコは焼くと香りが強くなって歯ごたえが増して美味しいんですって」
「へぇ~それは美味そうだなあ」
 二人で仲良く手を繋ぎ、植物図鑑を眺めていたら、他のチームが徐々に還ってくるのが見えた。
「お帰り~!」
「みなさ~ん!
!手を洗ってお料理タイムにしましょ~~!」
 望乃の元気な声が、時計代わりとなった。

 串を打ち塩を振ると、やってみたかった『アレ』の準備はばっちりだ。
「いつもシェフたちに任せていましたが……やってみると、なかなか楽しい物ですね」
 レイアは採ってきた茸や野菜を小さくカットし、串に刺す作業が楽しい様でどんどん量産していた。家ではまず体験できない作業に目が輝いている。
 ジョシュアはてきぱきと獲ってきた鹿の肉を捌き丁寧に骨を取り除いていた。
 その様子を彩陽が「さすがやなぁ」と感嘆しつつ眺めている。

「ありがとうございます、でも慣れればこの位誰でもできますよ。
 そういえば、彩陽様と朧様は川の担当でしたね。どうでした?」
「めっちゃ釣れたで。入れ食いや」
「いいとこだったぜ、せせらぎってのはああいうのを言うんだろうな」
「それはいいですね、明日は僕も行ってみます」
「ジョシュアお話し中ごめんね、こんな感じで大丈夫そうかな」
「お気になさらず。はい、いい感じです。
 正直意外でした。アレン様も捌けるなんて……助かります」
「一応、レベルだけどね」
「ご謙遜を」

●午後十九時十五分
 予想をはるかに上回る量の収穫で相応の時間はかかったが、全員が自分にできる事を懸命に行った結果無事に夕食にすることが出来た。
 全員で生命に感謝し、手を合わせ目の前のご馳走に齧り付いた。
 とっくに限界だと訴えていた腹が歓喜の声を上げる。
 どうして誰かと食べる食事というのはこうも美味さが増すのだろうか。

 あれだけあった料理はあっという間になくなり、片づけを済ませいよいよ誰も彼も楽しみにしていたキャンプファイヤーの時間となった。
 炎を起こす、というのは想像以上に難しく手間取ったが、小さかった火種が徐々に勢いを増しやがて周囲を橙に染めるほどの炎へと育った。

「では」
 高く、清らかな草笛の音に一同はうっとりと耳を澄ました。
 リリオも黄金の百合で手元にトランペットを召喚し、鳴らす。
 あくまでメインは草笛。今回ばかりはトランペットは裏方に徹してもらう。

「満天の星空に、炎のコントラスト。それを彩る旋律。
 ……美しいという形容詞ではとても足りませんね」
 ほうとレイアは感嘆の息を漏らす。
 その傍ではアレンが薔薇の香りのするヴェールを纏い優雅に舞っている。
 知らぬ人が見れば薔薇を纏った可憐な少女に見えるかもしれない。
「姉さんも今度は一緒に踊ろうね。帰ったらたくさんお話するからね」
 フォークダンスは初めてで少し不格好かもしれないが、みんなで笑い合えればそれでいいのだとステップをまた踏んだ。

 太陽と星は着いた時から場所が変わっていないというのに、どうしてちゃんと『夜』と感じるのかは不思議だったが、間違いなく『夜』は更けていったのだ。

●午前――
「音楽も素敵で心も満たされましたし、後は眠るだけ……」
「やっぱ真夜中って言ったら怪談噺だよな……!」
「フーガぁ!?!?!」
「あっ、ごめん。望乃怖いか? ならやっぱり止めt」
「べ、べべべ別にわたしは全然ちっとも怖くありませんが!!
 ふ、フーガが怖いと思うので傍に居ようと思います!」
「う、うん……頼むな?」 
 可愛そうな程蒼褪めてガタガタ震えているが、平気だと言ってきかない為フーガは自身の傍に望乃の身体を寄せた。
「ふふ、まだ起きておくなら小腹がすくかもしれませんし、僕、果物用意しますね。まだ残ってたはずなので」
「おおきにジョシュアはん。そういや、怪談話って、こっちやとどういうものがメジャーなん?」
「そうだね、これは僕が実際に図書館で読んだ話だけど……」

 アレンから始まり、皆それぞれが知っている怪談を語っていく。
 怖いなら耳を塞げばいいのに、真面目な望乃は怯えた子犬の様に震えながらも健気に話を聴いていた。握りしめられすぎてに皺くちゃになってしまった自身のシャツにフーガは苦笑しつつ、彼女の頭を優しく撫でてやった。
 そうして順繰りに話していき、時刻は丑三つ時へと差し掛かろうとしていた。

「そういえば朧様は境界案内人ですし、なにかないですか?」
「そりゃあ、有名どころはあらかた知ってはいるが……」
 ジョシュアに降られた朧は、ぽつぽつと語りだした。
「こうやってみんなで集まって怪談噺をしてるとな、奴さん来ちまうんだよ」
 ゆらりとランタンに照らされた朧の陰が揺れる。
「自分も混ぜてほしい……ってな」
「ひえっ……」
「ま、あんまり気にするこたぁねぇよ」
「いやいや、それは怖いて。さすが語り部……あっ、遠慮の塊」

 彩陽がその言葉を口にした瞬間、途端に一同の間に張りつめた空気が流れた。
 遠慮の塊とは、食べ物などを一つの皿から分け合って食べて居た際に残ってしまう最後の一つの事である。
 今回残ったのは全員が美味いと絶賛した果物だった。
 手を出すか、出さないか。
 怪談噺のじったりとした雰囲気はどこへやら。
「ここは正々堂々じゃんけんで決めようぜ!」
「俺ぁいいよ、お前さん達で決めな」
 フーガがぐっと手をだし、一同が乗っかり。
 朧がひらひらと手を振り、辞退したのを見届け全員は互いに頷きあった。
「恨みっこなしです! 行きますよ!」

「最初はグー! じゃんけんぽん!」

 手は七つ、六つはパーで一つがチョキ。
 つまりチョキの一人勝ちである。

「ははっ!おいらは負けか!」
「僕も負けちゃった……姉さんへのお土産にしようかと思ったのに」
「うう……わたしも負けちゃいましたぁ……」
「僕もですね……まぁ、でも仕方ないですね、潔く諦めます」
「というか、朧はん。やっぱり欲しかったんやんかぁ」
「ん? 俺ぁ手を出してないぞ?」

 ……ん?

 全員が違和感を覚えた。

「……よろしいかしら?」
 レイアがパーを出した手のまま切り出した。
「私たちは全員で七人いるのですよね」
「うん」
「朧さんは辞退なさったから、この場には『六つ』手があるはずなのですよね?」
「はい」
「……手。七つ、ございません?」
「いやいやいや、まさかそんな……」
 何度数えても六つはパーで一つがチョキ。
「そして、あの、全員『負けた』のですよね……?」
「じゃあ、このチョキって……?」

 一部除いて、まるで油を切らしたブリキの玩具の様に一同はゆっくりとチョキから目線を上にあげた。
「――!!!!」
 
 その日、すんごい悲鳴が聞こえてわしゃ跳び起きたんじゃ。
 陽月島に住む老人は後のインタビューでそう答えたという。
 

成否

成功

状態異常

なし

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