PandoraPartyProject
夢小説:ニンジン
★名前を入力して【決定】ボタンを押してください。
「知っているかあかね……俺は実は、ニンジンだったんだ」
「そんなっ」
小春の日がさす公園の芝で、メガネを外したゲルツ・ゲプラーは囁いた。
甘く。そうニンジンのように甘く顔をよせて。
赤らむ私の頬の熱が、きっと彼にも伝わっているだろう。
そう、だからもっと甘く。
「知っているかあかね……ニンジンの甘み成分は主に糖だが、苦味成分や香りによって甘みが隠されている。熱によってそれら成分が除去され前面へ押し出され、かつ食感の柔らかさと人間の味覚特徴によって甘くなる」
私の耳をなぶるように、まるで弄ぶみたいにささやく彼の吐息からはほんのりとミルクの香りがした。
「知っているかあかね……ニンジンの甘みは牛乳のタンパク質と相性がいい。少量の生クリームとブロッコリーを加えざく切りにしたニンジンを煮詰めると体を温めるスープになる」
音が、吐息が、私の中に溶け込んでいく。やがて触れた彼のネクタイが、まるで罪を告げるみたいだった。
いまこのネクタイを引いたら、私と彼は一つになってしまう。
ひとつに、そう……ひとつに……。
「知っているかあかね……生のニンジンにはビタミンCを破壊する酵素が含まれている。だからレモン汁をニンジンジューズに入れることで栄養と風味を整える」
「ゲルツ」
振り返るのが怖かった。彼の瞳が、私を見つめるに決まっるから。
「知っているか……あかね」
あかねさんからのリクエストです♪ キリバンありがとうございました♪
ゲルツ「これでいいか、あかね。そしてニンジン」