PandoraPartyProject

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オペレーション・レオニズ

 浮遊島アーカーシュ。かつてシンプルに『波止場』と呼ばれていたそこは、今は『アーカーシュ・ポータル』の名を与えられていた。
 そのアーカーシュ・ポータルに設置された滑走路に、あなた――イレギュラーズはゆっくりと足を運んだ。
 滑走路上には、多くのアーカーシュ派の兵士たちが駆けまわっている。どこまでも長い石畳の道の上で、ゆっくりと身を震わせるのは、あなたの騎乗するワイバーンである。
 そのワイバーンは、あなたと縁を結んだ長らくの相棒であったかもしれないし、今回の作戦のために貸し与えられた、一時の相棒であるかもしれない。いずれにせよ確かなのは、あなたは今からこの亜竜の背に乗り、共に眼下に広がる不凍港の地への直接降下攻撃を行うという事だ。
「イレギュラーズさん、此方を」
 整備兵が走ってやってきて、あなたにイヤホンを手渡す。アーカーシュ司令部より流れるその音声は、今まさに『歯車卿』エフィム・ネストロヴィチ・ベルヴェノフの檄の言葉を高らかに伝えていた。
『あまりこういった役割は好みませんが』
 エフィムが言う。
『それでもあえて、これより戦いに赴く皆に言葉を届けたく思います。
 勇敢なる、独立島アーカーシュ、そしてポラリス・ユニオンの皆さん。ついにこの日が来ました。あのクソッタレのバルナバスの手から、我々の不凍港の奪還を為す日です』
「こちらを」
 整備兵はそう言って、あなたの衣服の一部に、徽章をつけて見せた。天より降る、いくつもの流星を描いたエンブレム。
「今回の作戦に参加する皆に配っています」
 そう言って、整備塀は笑う。イヤホンから、エフィムの声が続いていた。
『皆の活躍によって、不凍港ベデクトの詳細地図は確保できました。それにより、我々は各敵収容拠点の割り出しに成功。これらの拠点を空より強襲し、敵をせん滅します。
 ワイバーンによる、強襲降下作戦です。
 これは、不凍港ベデクトの歴史上において、前例のない、まったく未知数の作戦となるでしょう。彼の不凍港が、空から襲われたことなどは未だかつてないのですから。
 それ故に、今回の作戦は多大な戦果を挙げることができると確信しています』
「ワイバーンの調整は完璧です」
 整備兵が言うのへ、あなたは隣にたたずむワイバーンを見やる。目があった。空を行く亜竜は、間違いなくこう言っていた。お前を乗せて、どこまでも飛んでやろうと。
『……ある旅人(ウォーカー)たちの世界では、十一月のこの時期、獅子の名を冠した星々の輝きから、無数の流星が飛びたつ現象があるそうです。
 今回の作戦を、僕はこの獅子の星から借り受けました。
 故に、今回の作戦を――『作戦名:しし座流星群(オペレーション・レオニズ)』と呼称します』
 先ほど渡されたエンブレムに視線を移す。しし座より飛来する、流星をモチーフとしたエンブレム。勇敢なる獅子の咆哮、それによりもたらされる勇気の星々よ。
『これより我らは、獅子の星より飛来した流星となります。その勇気と咆哮を以て、不凍港の悪を駆逐し、この手に奪還する!
 皆さんの奮戦と健闘を期待します!』
 檄の言葉が終わると同時に、ワイバーンたちが眠りから目覚めたように立ち上がる。それはさながら戦闘機のエンジンに火がともり、そのバーナーを点火させたようにも思える。
「出撃準備を。イレギュラーズさん。あなたのコールサインは『レオニズ1』です」
 あなたは力強く頷くと、ワイバーンの背に乗り移った。整備兵が、ゆっくりと赤色灯を振るう。ワイバーンが誘導されるように、滑走路の上を歩いた。あなたの後ろには、何騎ものワイバーンと、その背にまたがる『しし座の流星たち』の姿があった。同じレオニズのコールサインを胸にした、あなたの仲間達。
『レオニズ1へ、進路クリア。発進よろし』
 イヤホンから基地司令塔よりの声が聞こえる。
『レオニズ1、離陸を許可する』
 あなたはその言葉を聞いて、ワイバーンの背を撫でる。ワイバーンは、クゥ、と低く鳴いて、その翼をはためかせた。わずかにワイバーンが宙に浮く。そのまま地表すれすれを、滑走路に沿うように、一直線に飛翔! 速度を徐々に上げる。
『テイクオフ! テイクオフ!』
 ぐん、と身体に重力がのしかかる。ワイバーンは、果たして空の上へと飛び出した。そのまま一直線に地上に向けて高速で降下する! 流れ落ちる流星がごとく!
『レオニズ1、目標地点を確認後、降下強襲。降下地点の敵兵をせん滅後、離脱せよ。
 最大戦闘時間を200秒とする』
 イヤホンから聞こえる声は、冷たい空の風に負けぬほどの大声量だ。あなたはそれに返事を返すと、ワイバーンの手綱を強く握りしめた。果たしてワイバーンはさらに加速し、大地へと突撃する。眼下に広がる不凍港の景色が、瞬く間に巨大に広がっていく。その一点を確認する。降下攻撃ポイント。眼下には、新皇帝派の兵士と天衝種、そしてヴィザールのバイキングたちがすでに混戦を繰り広げている。
『迷うな。目につくやつはすべて倒せ』
 イヤホンから聞こえる声に、あなたは頷く。果たして流星は、不凍港の大地へと降り立つ――!

クエスト詳細

 不凍港奪還作戦がついに開催されました。
 あなたの役割は、ワイバーンを利用した降下強襲攻撃です。
 ワイバーンと、そして仲間達ともに空より降り立ったあなたは、攻撃ポイントに存在するすべての敵を撃退するのです!
 不凍港攻略を成功させるために、可能な限り多くの降下強襲攻撃を成功させましょう!

リザルト

 あなたの武器が、相対する敵を打ち倒す。
 空より飛来した流星は、今まさに地に蠢く悪を、その勇気によって打ち倒した。
『レオニズ1、やったようだな!』
 イヤホンから、基地司令塔からの音声が入る。
『よくやってくれた。長居は無用だ、すぐにワイバーンに乗って戻ってきてくれ。
 休憩の後、再攻撃に備えて待機を頼む!』
 その言葉に頷くと、あなたは仲間達に目配せをする。仲間達から頷きがかえってくるのを確認して、あなたはワイバーンの背に乗りこんだ。
 ワイバーンはひとなきすると、再び蒼穹目がけて飛翔する。
 空に立ち上る光の筋は、役目を果たした英雄たちの凱旋を告げるものであった。

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