PandoraPartyProject
Silence And Distance
クエスト内容
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 フォン・ルーベルグ。
 言わずと知れた天義の首都である。
 清く正しく美しく――多くの場では埃を被ったスローガンを胸に抱いて暮らす人々も皆、清貧を尊び品行方正で知られている。
 そんな白亜の都で、今まことしやかにささやかれる噂があった。
 一つ。死者が黄泉返り、愛しい者の所へ戻ってくるというもの。
 もう一つは天義を侵す魔種の影があり、聖騎士団とローレットが対処しているというものだ。
 人の思考とは単純な事があり、一貫性のない事象も結びつけてしまうといった所があるのだろう。
 誰も声には出さない。
 けれど二つの噂は人々の中で結びつけられつつある。
 ローレットが魔種と戦っているのではないのか。
 聖職者達は口を閉ざしている。
 人々は訪ねようにも訪ねられない。しかしそんな空気がにわかに広がっているのだ。
 国を疑うこと。神を疑うこと。聖職者を疑うこと。
 フォン・ルーベルグの市民たれば、斯様なこと等あってはならぬ。
 懺悔室に籠もり、司祭へ罪の許しを請う者も居た。
 そんな折のことである。
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「よっイレギュラー。浮かない顔でどうしたね」
 そんな風に見えたろうか。
 藪から棒に話しかけてきたのは、ローレットのギルドマスターレオンであった。
 ともかくあなたは話の続きを促した。どうせ用事があっての事だろう。
「ネメシス中央政府筋からのご依頼でね」
 レオンが言うには、天義の首都フォン・ルーベルグで魔物の姿が散見されるようになったらしい。
 かなりの件数らしく、聖騎士団も兵士達も手一杯。退治を手伝って欲しいということだ。
 常夜の事件が終わったばかり。件の月光人形事件が解決していないというのに、難儀にも程があるだろう。
 しかしどうもこの依頼。裏があるようだ。
 情報屋の調査によると、今の天義は指揮系統が大いに混乱しているようだ。
 なんでも『魔物と交戦した兵士が逮捕された』という話がある。
 それはつまり――
「そりゃ勿論。例の枢機卿と執政官が関与してんじゃないかね」
 イレギュラーズは月光人形事件を追う中で、一連の裏に王宮執政官エルベルト・アブレウ、並びにアストリア枢機卿が居るという確証を得ている。
 そしてこれも確信として、アストリア枢機卿は『魔種』なのだ。
 更には今だ正体の掴めぬ『占い師』の話――
 だからといって天義国内がイレギュラーズからの報告を鵜呑みにし、二人を直ちに断罪するということはしていない。
 また、同時に独自の武力やコネクションを有する相手であるが故に、睨み合いを余儀なくされている側面もある。
 相手はそれほどの大物なのである。
 この件に関してローレットへは厄介な四つの依頼が飛び込んできていた。
 どれもこれもイレギュラーズにリスクのある危険な調査の仕事だった。
 さておき。
 イレギュラーはこの仕事をどうするか決めなければならない。
 思案が僅かな逡巡に見えでもしたのだろうか、レオンは笑ってのける。
「まぁ法王サマと聖騎士団長。つまりネメシスの中央が、今回オマエラの味方って訳だ」
 そもそもローレットのギルド条約とて伊達ではない。
 正式な依頼を受けたローレットの人員を逮捕拘禁など、本来は筋が通らないという訳だ。
「指名手配なんざ有名無実。皆でされちまえばいいのさ」
 無茶を言うものだが。
 後は具体的な作戦だ。
 今回イレギュラーズは一名から四名程度で行動することになる。
 とはいえ一人では厳しい作戦ではあるらしい。
 同行する仲間は友人か。これから街角やギルド、あるいは個人の伝手で募るのがいいだろう。
 とにもかくにも魔種絡みの事件となれば対抗はイレギュラーズの本業である。
 ならばやるしかないのか。
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「ひ、ひぃッ、バ、バケモノだ!」
 現場に到着するや否や、一人の市民が怪物を見て腰を抜かしていた。
 幸いまだ襲われては居ない。
 イレギュラーが得物を構えた、その時。
「貴様! 聖獣様に何をしている!!」
 こんな時に。厄介な奴が現れた。
クエスト詳細
 魔物や天義聖銃士と戦う羽目になります。
・敵
『天義聖銃士』
 細剣と銃で攻撃してきます。
『グリード・インプ』
 天義聖銃士は『聖獣』と言い張っています。どうみてもモンスター。
 ※このクエストはストーリー展開の結果によって終了します。
  またデータはクエスト用であるためシナリオとはステータスが一致しません。
  あらかじめご承知置き下さい。
 ※ストーリーに関係するクエストであるため1LVから遊べます。
  敵は厳しいため、イレギュラーズの仲間を同行者として自由に指定しましょう。
  また街角やギルドで腕自慢を募ったり、個人の伝手を使うのも良いでしょう。
●備考
 本クエストは展開に特別な影響を与える『重要クエスト』です。
 開催期間は6/20頃までを予定しています。
 本クエストがクリアされた回数に応じて『天義決戦シナリオ』に有利が生じる可能性が生じます。
●注意!!!
 このクエストをクリアした場合、天義の王宮執政官エルベルト・アブレウ、並びにアストリア枢機卿から『要注意人物としてマーク』される危険があります。 
 ※同行者は「要注意人物としてマーク」されませんのでご安心下さい。
 担当GM『pipi』
戦闘発生
 == 戦闘 ==
 あなたは敵と交戦し、撃破した。
リザルト
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「クッ……誰か!」
 膝をついた銃士が声を張り上げる。
 増援に来られれば厄介だ。
 イレギュラーは、尻もちをついた市民を助け起こすと、まっしぐらに駆けだした。
「ありがとう、ございます。勇者様」
 礼はともかく、まずはどこか身を隠す場所を探さねばならない。
「ならばこちらへ」
 一行は一件の住宅に飛び込むと、息をひそめた。
 間違いなくこの市民の家の筈だ。大きなリスクであろうに。
 ――
 ――――
「やつらどこへ行った!」
「クソっ、奴はローレットの特異運命座標だな!?」
「リストに加えておけ! 枢機卿猊下にご報告する!」
「ハッ!」
 足音が遠のいた。銃士達が撤退したようだ。
 やれやれ。
 どうにも厄介なことになりそうだが。
「勇者様、私は。私だけでも。何があろうとも我が正義に誓って信じます」
 今はまだ、誰も知る由がなかった。
 そんな人々の想いが、さざ波のように広がりつつあることを――
ドロップアイテム
『小さなアミュレット』
 アクセサリー
 天義の市民から受け取ったお守り。あなたの正義が実りますように。なによりあなたを守りますように。そんな願いが籠められています。