貴方に幸福を。灰色の王冠（グラオ・クローネ）を。

「バレタインデー向けのチョコは買いました？」
　練達は再現性東京、希望ヶ浜地区。カフェ『ローレット』。
　現代日本にそっくりなこの土地で、スマホ片手に音呂木・ひよのはあなたへ問いかけた。 「ああ、混沌ではグラオ・クローネと言うんでしたか」
「大切な人に『灰色の王冠』をプレゼントする日だね？　要するに、チョッコレーイト、だぜ？」
　チョコレートの入ったパイを囓って、綾敷・なじみが指を振る。
「いやあ、まあ。こういうの縁ないですし。昔の同級生はそわそわ下駄箱とかチェックしてましたけど。え、あげるですかねもしかして。あー……」
　スリープ状態にしたスマホの画面に自分の顔を映し出し、愕然とする普久原 ・ほむら。
　ひよのは斜め上にあげたスマホで自撮りをすると、それをSNSに躊躇なくアップロードした。
「遥かな昔の2月14日――グラオ・クローネ（バレンタインデイ）は深緑における大樹ファルカウと幻想種の成り立ちに大いに影響を与えた、そうですよ？　とってもとっても、ステキなお話ですよね？」

　グラオ・クローネの伝説になぞらえて、混沌各地にお菓子の季節がやってきます。 　心温まるグラオ・クローネの御伽噺。その甘やかな伝説に酔い痴れて。
　――どうぞ、皆さまも大切な人に『灰色の王冠』――チョコレイトを贈ってみませんか？

バレンタインピンナップ

Miss
「ハッピーハッピー！　バーレンタイーーーーン↑↑↑↑↑
　ゲンジツでもR.O.O.でも、ハッピーなグラオ・クローネをエンジョイしましょう。
　いやぁ～、いーい季節になりましたねぇぇ↑↑↑↑↑」

バレンタインピンナップ2022

イラストタイプ

説明

対応商品一覧 基本価格　350RC～ シングルピンナップバレンタイン2022 2人ピンナップバレンタイン2021 3人ピンナップバレンタイン2021 4人ピンナップバレンタイン2021 5人ピンナップバレンタイン2021 関係者1人+PCピンナップ　バレンタイン2021 関係者2人+PCピンナップ　バレンタイン2021 関係者3人+PCピンナップ　バレンタイン2021 アトリエセキュリティ 　通常商品通りのセキュリティが適応されます。 　限定商品の受付は1/4～2/10の8：00までです。 　納品は2/14に一斉納品となります。締切は2/13に固定されます。 　本商品の受注が確定したキャラクターには後日記念アイテムを配布いたします。 　※一キャラクター一つまでとなります。 概要 　バベル的な翻訳にかけまして、『バレンタインピンナップ2022』の概要となります。 　募集日程は1/4～2/10の8：00までとなり、締切日以降は強制的にキャンセルとなります。 　今回の該当商品は特別規格となった（バレンタイン2022と名のついた）特別ピンナップになります。

グラオ・クローネ

『グラオ・クローネ』は混沌に伝わる御伽噺の一つ。
　今の幻想種さえ知らない――もっと、もっと古い言い伝え。
　深緑の大樹ファルカウと共に生きたと言われる『最初の少女』の物語。
　彼女は気付いた時には一人きりでした。
　身寄りもなく、どうしてそうなったかの記憶もなく。
　何より彼女には体の自由と、五感さえも満足に存在していなかったのです。
　それでも、彼女は大樹を愛していました。
　どうして孤独なのか、どうして自分はそうあるのかも知らず。分からず。
　それでも彼女は直向きに、愛するファルカウと共に存在し続けます。
　木々のざわめきを感じることが出来なくとも、その鮮やかな色彩を見ることが出来なくとも、触れた指先の感覚さえ分からずとも、その森の匂いを感じることが出来なくとも――その舌が味を理解できなくとも。
　少女はそれでも絶望せず、その場に佇むファルカウと共に一生を過ごしたのだと言います。
　きっと少女は幸せでした。
　そして、少女と共にある大樹も幸せでした。
　しかし、大樹は酷く悲しんでいました。
　大樹は少女の制約が戒めである事を知っていました。
　理不尽に押し付けられた戒めが、彼女の罪でない事を知っていました。
　それは或いは『ヒト』という形の抱く原罪で、誰かに端に発したものではない事を知っていたのです。
　偉大なる大樹は願います。大樹の力をしても、振り払えぬ呪いは絶大でも。
　可哀そうな少女の眼が何かを映せるようにと、可哀そうな少女の舌が甘さを感じられるようにと。
　ある時、己が力を振り絞り、天に願いを届けました。
　幾重もの呪いに満ちた少女の生に僅かばかりの光を届けたのです。
　嗚呼、それは気休めばかりだったに違いありません。
　少女の呪いは解けず、僅かに減じたばかり。
　彼女の目にはどんな鮮やかな王冠さえもくすんだ灰色に見えた事でしょう。
　彼女の舌はどんなに美味しい果物を食べても、その感動を届けはしない。
　それでも少女はもっともっと幸せになりました。
　僅かに緩んだ制約は、彼女に同胞の存在を許したのです。
　唯一の一はそうでなくなり、孤独は癒え、指先は触覚を知りました。
　その目は灰色の世界を、舌は微かな味を知ったのです。
　大樹と共に過ごし、自然への感謝の気持ちを贈った彼女は、何時しか一人ではなくなったのです。
　彼女は、ある時、同胞に――子供達に一杯の愛情を届けます。
　不格好で甘くない灰色の王冠（グラオ・クローネ）は見よう見まねのお菓子の形。
　深緑の奥深くに伝わる秘伝の味とは違うでしょうが、チョコレイトはそれを模したものとされています。

大切なヒトは、そこに居て当たり前じゃ無い……。
つまりは大切なヒトに贈り物をして、その絆を形にしようっていう風習ね。
皆も贈物をしてみてはいかがかしら？