PandoraPartyProject
Grau・Krone2021
貴方に幸福を。灰色の王冠(グラオ・クローネ)を。
「グラオ・クローネの御伽噺はご存知?」
深緑に伝わるグラオ・クローネの御伽噺をイレギュラーズに伝えようとアンテローゼ大聖堂の司教、フランツェル・ロア・ヘクセンハウスは問い掛けた。
「人々に感謝を伝える日なの! とっても美味しいお酒を飲めて、さいこーだって毎日伝えているの!
そうやって人と人のご縁が繋がって毎日がハッピーなの! かんぱーい!」
「何だか違うと思うのです」
小さな翼を揺らした『妖精』達にとっても縁の深いグラオ・クローネ。遥かな昔の2月14日――グラオ・クローネ(バレンタインデイ)は深緑における大樹ファルカウと幻想種の成り立ちに大いに影響を与え、今や混沌世界ではちょっとしたイベントとして親しまれています。
心温まるグラオ・クローネの御伽噺。その甘やかな伝説に酔い痴れて。
――どうぞ、皆さまも大切な人に『灰色の王冠』――チョコレイトを贈ってみませんか?
バレンタインピンナップ
「にゃー(ねこにチョコはだめだ)」
「わん、わん、わわん(犬にもだめだ。獣種は大丈夫だ。本当の犬は駄目だ)」
バレンタインピンナップ2021
イラストタイプ | 説明 |
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対応商品一覧基本価格 350RC~
アトリエセキュリティ通常商品通りのセキュリティが適応されます。限定商品の受付は1/7~2/10の8:00までです。 納品は2/14に一斉納品となります。締切は2/13に固定されます。 本商品の受注が確定したキャラクターには後日記念アイテムを配布いたします。 ※一キャラクター一つまでとなります。 概要
バベル的な翻訳にかけまして、『バレンタインピンナップ2021』の概要となります。 |
グラオ・クローネ
『グラオ・クローネ』は混沌に伝わる御伽噺の一つ。
今の幻想種さえ知らない――もっと、もっと古い言い伝え。
深緑の大樹ファルカウと共に生きたと言われる『最初の少女』の物語。
彼女は気付いた時には一人きりでした。
身寄りもなく、どうしてそうなったかの記憶もなく。
何より彼女には体の自由と、五感さえも満足に存在していなかったのです。
それでも、彼女は大樹を愛していました。
どうして孤独なのか、どうして自分はそうあるのかも知らず。分からず。
それでも彼女は直向きに、愛するファルカウと共に存在し続けます。
木々のざわめきを感じることが出来なくとも、その鮮やかな色彩を見ることが出来なくとも、触れた指先の感覚さえ分からずとも、その森の匂いを感じることが出来なくとも――その舌が味を理解できなくとも。
少女はそれでも絶望せず、その場に佇むファルカウと共に一生を過ごしたのだと言います。
きっと少女は幸せでした。
そして、少女と共にある大樹も幸せでした。
しかし、大樹は酷く悲しんでいました。
大樹は少女の制約が戒めである事を知っていました。
理不尽に押し付けられた戒めが、彼女の罪でない事を知っていました。
それは或いは『ヒト』という形の抱く原罪で、誰かに端に発したものではない事を知っていたのです。
偉大なる大樹は願います。大樹の力をしても、振り払えぬ呪いは絶大でも。
可哀そうな少女の眼が何かを映せるようにと、可哀そうな少女の舌が甘さを感じられるようにと。
ある時、己が力を振り絞り、天に願いを届けました。
幾重もの呪いに満ちた少女の生に僅かばかりの光を届けたのです。
嗚呼、それは気休めばかりだったに違いありません。
少女の呪いは解けず、僅かに減じたばかり。
彼女の目にはどんな鮮やかな王冠さえもくすんだ灰色に見えた事でしょう。
彼女の舌はどんなに美味しい果物を食べても、その感動を届けはしない。
それでも少女はもっともっと幸せになりました。
僅かに緩んだ制約は、彼女に同胞の存在を許したのです。
唯一の一はそうでなくなり、孤独は癒え、指先は触覚を知りました。
その目は灰色の世界を、舌は微かな味を知ったのです。
大樹と共に過ごし、自然への感謝の気持ちを贈った彼女は、何時しか一人ではなくなったのです。
彼女は、ある時、同胞に――子供達に一杯の愛情を届けます。
不格好で甘くない灰色の王冠(グラオ・クローネ)は見よう見まねのお菓子の形。
深緑の奥深くに伝わる秘伝の味とは違うでしょうが、チョコレイトはそれを模したものとされています。
つまりは大切なヒトに贈り物をして、その絆を形にしようっていう風習ね。
皆も贈物をしてみてはいかがかしら?